ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

川の水温や汚れの程度でどんな魚介類が生息できるかをまとめた本

2013-08-19 23:25:33 | ブリ川-いろいろな川
川の水温や汚れの程度でどんな魚介類が生息できるかをまとめた本

8/11(日)に、真夏の最高水温の神奈川県下一斉測定の記事を載せましたが、
一般の方は、川の水温が、たとえば25度なんて言われても、それが高いのか低いのか? はたまは良いのか悪いのか? 判らないと思います。
そこで川の水温や汚れの程度でどんな魚介類が生息できるかをまとめた本がhpから無料ダウンロードできますので紹介します。
「生態系にやさしい下水道の促進に向けた手引書(案)」国交省下水道部H14年
←これ表紙。クリックで拡大
以下が国土交通省の紹介ダウンロードページです。


下水処理場の整備する際に水辺の生物にも配慮してねって言う趣旨の手引き書なんです。
ここで、「なんで下水処理場作るのに、川の魚の適温とか知らなきゃいけないの?」って思う読者の方もいるでしょう。つまりこういうことです。
下水処理場の排水は、まあ未処理水(生活排水)よりはきれいだが、多少汚れている。さらに汚濁をバクテリア等で分解してから排水するので、水温も暖かくて温排水になる。もしも冷たくてきれいな川にしか住めない魚(たとえばイワナ)のいる川へ、バンバン排水しちゃうと、イワナなどは死んでしまう。でもアユやオイカワなどは、イワナに比べれば汚れや高温に強い(死なない)のである程度は大丈夫。だから排水する川にはどんな魚介類が住んでて、それを守るためには、どういう下水処理場を作るべきか?っていう手引きなのです。

で、まあ下水処理場を作る話は、また別の機会にして、この資料編に、いろいろな文献を集めて、川の主要な魚介類はそれそれの種が、餌を食べるにはどんな水温が好きで、産卵するにはどんな水温?とか、汚れの程度はどの程度まで大丈夫か? とか、川の下流域に住む種類か?、上流域に住む種類か? などをまとめた便利な表がついてます。
資料編の目次↓

中身は、たとえば魚種毎の適した水温なら、こんな感じ↓

たとえば魚種毎の適した水深や流速なら、こんな感じ↓ 3ページもある。産卵期はこんぐらいの水深が適温とかが判る。

2ページ目↓

3ページ目↓

ブリ森レポーター(野鳥の会)伊豆川哲也

真夏の河川最高水温一斉調査と河川環境の点数評価(NACS-J方式)

2013-08-19 01:12:03 | ブリ川-いろいろな川
追記:結果をまとめて公表しました。 下記リンクをご覧ください。結果だけでなく関係者の講評・感想や今後の展望についても書きました。
http://blog.goo.ne.jp/burinomori/e/779bc88e0cbb740e1a47e5b8a172aaf4

真夏の河川最高水温一斉調査と河川環境の点数評価(NACS-J方式)
 
 
(写真は山王川の山王橋(国道一号線)、26.3℃)
 神奈川県下の河川水温は、約30 年間で、平均水温が3 ℃も上昇している河川も増えている(水質の常時監視の定点観測結果)そうです。
一方、水温は河川生物の生存や分布を決める要因です。特に、夏期の最高水温は、水生生物の生育阻害や死を招くことがあります。
ところが、夏期の最高水温は、ほとんど測定されておらず、実体が不明なので、夏期の最高水温の一斉測定を神奈川県下で暑い8/11(日)午後1~4時に行いました。これは神奈川工科大の石綿進一先生の呼びかけで、多くのボランティアで行われました。私たち小田原市ブリの森づくりプロジェクトでも、西湘地域の主要河川(酒匂川水系、山王川水系、早川水系)の測定を分担して行いました。
測定地点




さらに、水温という数字だけでは、市民にとっては判りづらいので、酒匂川水系、山王川水系、早川水系だけは日本自然保護協会NACS-Jが5年おきぐらいにやってる、河川環境の点数評価(http://www.nacsj.or.jp/project/ss2010/manual.html)も合わせてやっちゃいました。
 この点数評価は、かわいい絵を見ながら、川の環境を素人でも評価できるように工夫した物で、こんな絵を見ながら水際の自然度や河川敷の自然度を項目毎に点数を付けて、合計して総合評価までできちゃう優れものです。

今回の活動を、きっかけにして、多くの市民に身近な河川の環境に関心を持ってもらい、今後は川の環境の評価や改善を地域の市民と行政と共同でやりたいと思ってます。
 たとえば、山王川の山王橋のすぐ上流には、こんな最悪の環境の支流もあります(下の写真)。直線化された3面護岸で、左右岸の河川敷(低水敷)までコンクリで固めてしまい、草さえ生えない(T_T)。多自然川づくりの考えに沿って改修してもらいたい。そのための小手先の小工事で改善できるマニュアルも国土交通省からたくさん出回ってるので。http://www.mlit.go.jp/river/kankyo/main/kankyou/tashizen/pdf/sankou1.pdf


水温と河川環境の点数評価結果の酒匂川水系、山王川水系、早川水系版は、このブログ等に掲載予定で、ただいまとりまとめ中です。水温の県全体版は、神奈川工科大の石綿進一先生がhp等で公開するそうです。お楽しみに(^。^)
ブリ森レポーター 伊豆川哲也

森と木に包まれる夏まつり 8月17日(土)~18日(日)

2013-08-18 22:01:32 | 小田原市環境イベント
小田原市のいこいの森周辺で18日(日)まで、
「森と木に包まれる夏まつり」が開催されています。
(主催:小田原市森林組合・小田原林青会・小田原市) 
ちびっ子達、集まれ!
大人にも面白いぞ!



いこいの森では森林・林業・製材・木工関係団体の協力により、
楽しくて為になる体験型イベント会場が設定されています。



内容は「森の伐採体験」から、「製材所の見学」・「木工体験」などができる「森と木に包まれる日帰りツアー」、森林組合による「親子冒険キャンプ」、
フォレストアドベンチァーでは、夜の辻村山林内を歩く「辻村さんの森を探検」、
きつつきでは「一万個の積み木で遊ぼう」が開催されています。





いこいの森メイン会場では、親子木工教室(林青会・足柄グリーンサービス)、チェンソーアート(曲木太郎)、森のクラフト体験(もくもくクラフト)、ネイチャークラフト販売(かながわ森林インストラクター)、ヒノキの玉のプール(ラ・ルース)、スマートボール(林青会)、スタンプラリー、



森の市・小田原城ジャングルジム(林青会)、ウクレレ演奏(ウクレレキッズ☆おだわら)、復興ステーション・応急住宅PR (東海大学3.11PJ)、ベンジャミンのバルーンアートが。



飲食店ブースはメイン会場に、多国籍料理(増田屋)、スリランカ料理(ラワーニャ)、焼きそば、かき氷(林青会)など、わんぱくランド第2Pにも飲食ブースがあり充実しています。



17日は小紙、ブリの森づくりPJも山盛の会・森のなかまの協力により「木の漢字当てクイズ」で参加させていただきました。



「はーい、集まってくださーい!これから実験を始めます。」
と、メイン会場では農政課の永井さんの授業が始まりました。

「ここに間伐がされて下草がたくさん生えている明るい森と、
暗い下草の無い森のミニチュアがあります。」



「雨を降らせます!」
「模型の水槽には地表と、地下の二か所に穴が開いています。水はどこから出てきますか?」
子供たち「暗い森は上から。明るい森は下から出てきます!」
暗い森はなんと洪水が起こっています。
草のある森は水が地下に染み込んでいきます。
一同びっくり!!!



出てきた水は、明るい森が透明、暗い森が濁っています。
実験結果はすごい説得力でした。

次に飛び入り参加させて頂いた製材所見学も、なかなか見ごたえありました。



先ごろ森林組合土場脇に開設された製材所では、
大山謙司さん達により学校の下駄箱用の小田原産材か製材されていました。
一本の丸太から板になるまでの行程を間近に見ることができました。



右から大山謙司さん、息子の大山哲生さん、甥の大山輝一郎と三人で息の合った掛け替えを見せてくださいました。



「この帯鋸が高速に回って製材します。刃の研ぎが必要なので1日何枚も用意して製材しています。」(大山謙司さん 写真中央)
「板は切った時は水を含んでいますが、何か月も乾燥してだんだん固くなります。」(大山哲生さん・林青会 写真左)



「森を良くするためには、皆が木をたくさん使うことが必要です!」(農政課・永井さん 写真左)との事でした。

子供たちの活発な質問で、良いお話がたくさん聞けました。
私も森や木に関わる皆さんの熱意に包まれ、一日心地よく有意義に過ごさせていただきました。
この「森と木に包まれる夏祭り」で、これからも木の町小田原を次代に伝えて行きたいですね。


(ブリ森のらこ)


田んぼはもう一つの“ブリ森”

2013-08-13 08:03:20 | ブリ里-農業コーナー

田んぼは水生生物の宝庫なのだ!
・・・・・・・・

あしがら農の会ホームページに「ブリ森」を紹介する記事を掲載させていただきました。

『田んぼはもう一つの“ブリ森”』 (byブリ森のらこ)
農の会通信2013年6月号 表紙1頁 有機の仲間たち・其の十八
http://nounokai.com/tusin/hyousi_134.pdf

■農の会通信2013年6月号・その他のページ
2・3頁 http://nounokai.com/tusin/naimen_134.pdf
4頁 http://nounokai.com/tusin/haimen_134.pdf

■あしがら農の会ホームページ
http://nounokai.com/

大正時代の水力発電所を復活しよう!

2013-08-11 19:01:18 | 自然再生エネルギー、エネルギー地産地消
大正時代の水力発電所を復活しよう!    
    ~小水力発電所跡地 発掘プロジェクト~ 辻村山林にて


8月10日、暑い暑い一日でした。
小田原市久野にある大正時代の水力発電所復活作業に、小ブログ記者も参加してきました!



現場は坊所川沿いの辻村山林内の水力発電所跡地。
辻村家が大正時代、紡績会社への売電を計画してドイツ製の発電機を設置し、当時営んでいた製材所や自家用のため昭和24年頃まで発電していました。
上流から取水し尾根部の調整池に集めた水を木導管や土管で落とし込み、水車タービンを回して発電する方式です。

作業は石垣で囲まれたプール内で、玉切られた杉丸太の除去、たまった土砂、伐根の除去など。
ほうとくエネルギー社長蓑宮武夫さんなどの音頭により作業が開始されました。
猛暑の中ですが、杉ヒノキ林の下はいくらか涼しく、皆様和気藹々作業を楽しんでおられました。
以下は作業風景。
プロジェクト事務局の志澤昌彦さんが写真を送って下さいました。





















小田原市では震災による原発事故をきっかけに、市民と協働で再生可能エネルギーの導入を進める「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」が発足し、太陽光によるメガソーラーや、水路等の流れを利用した小水力発電所の事業化が検討され、現在はそれぞれ稼働に向けいくつかのプロジェクトが進行中です。
その一つが「小水力発電所跡地発掘プロジェクト」。
遺構を整備し再利用をめざします。
原発に頼らず地域の電力は地域の自然で賄おうと、この日集まって来たメンバーは、
小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会・ほうとくエネルギー・小田原藩竜馬会・辻村山林・関東学院大学など約30名。

この日参加された辻村山林管理人三代目の越路秀敏さんは、
「辻村家の発電遺構を再利用することになるとは、想像もしなかった。発電所は父が戦地から復員した後、昭和23~24数年頃まで稼働していた。当時の施設は導管が木管で、トンネルもあったため、管理にはとても苦労が多かったようだ。当時石垣の脇には管理人小屋があった。今はタービンなどもっと良いものになっているので、当時のような苦労はないはず。」と言っておられました。
土出し等の作業が進むと、当時を彷彿とする土管や碍子(がいし)などの遺物が出土しました。



太い丸太を動かしたり、一輪車で土を運び出したり、チェーンソーで根っこを伐ったりと、皆様玉の汗で頑張りました。
和やかなお弁当タイムに続き、執行部の古川達高さん、遺構所有者の辻村百樹さんなどの挨拶があり、本日の作業は終了。
次回は秋に、続きの土出しと抜根の撤去が行われる予定とのことです。
私はこの後上部の調整池の撮影に・・・。



調整池の周辺整備は前回6月の作業により、橋や階段ができたり格段に進んでいました。





下方から見た所。

正面奥の石垣には当時、水が滝のように流れていたそうです。
小田原の古い土木遺産を復活させ、瑞々しい風景を蘇らせるとともに、市民による市民のための電力が賄われる日を楽しみに待ちましょう!



この日作業終了後の下部施設。 

・・・・・・・・

以下参考資料
■PDF] 資料2 小水力発電事業化検討チーム 本年度の活動報告 - 小田原市
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/121919/1-20130312105717.pdf

■小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会 再生可能エネルギーの今と昔を見てみよう!
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/122731/1-20130315092359.pdf

■ほうとくエネルギー株式会社
http://www.houtoku-energy.com/
・・・・・・・

(記者 ブリ森のらこ)