ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

大正時代の水力発電所を復活しよう!

2013-08-11 19:01:18 | 自然再生エネルギー、エネルギー地産地消
大正時代の水力発電所を復活しよう!    
    ~小水力発電所跡地 発掘プロジェクト~ 辻村山林にて


8月10日、暑い暑い一日でした。
小田原市久野にある大正時代の水力発電所復活作業に、小ブログ記者も参加してきました!



現場は坊所川沿いの辻村山林内の水力発電所跡地。
辻村家が大正時代、紡績会社への売電を計画してドイツ製の発電機を設置し、当時営んでいた製材所や自家用のため昭和24年頃まで発電していました。
上流から取水し尾根部の調整池に集めた水を木導管や土管で落とし込み、水車タービンを回して発電する方式です。

作業は石垣で囲まれたプール内で、玉切られた杉丸太の除去、たまった土砂、伐根の除去など。
ほうとくエネルギー社長蓑宮武夫さんなどの音頭により作業が開始されました。
猛暑の中ですが、杉ヒノキ林の下はいくらか涼しく、皆様和気藹々作業を楽しんでおられました。
以下は作業風景。
プロジェクト事務局の志澤昌彦さんが写真を送って下さいました。





















小田原市では震災による原発事故をきっかけに、市民と協働で再生可能エネルギーの導入を進める「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」が発足し、太陽光によるメガソーラーや、水路等の流れを利用した小水力発電所の事業化が検討され、現在はそれぞれ稼働に向けいくつかのプロジェクトが進行中です。
その一つが「小水力発電所跡地発掘プロジェクト」。
遺構を整備し再利用をめざします。
原発に頼らず地域の電力は地域の自然で賄おうと、この日集まって来たメンバーは、
小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会・ほうとくエネルギー・小田原藩竜馬会・辻村山林・関東学院大学など約30名。

この日参加された辻村山林管理人三代目の越路秀敏さんは、
「辻村家の発電遺構を再利用することになるとは、想像もしなかった。発電所は父が戦地から復員した後、昭和23~24数年頃まで稼働していた。当時の施設は導管が木管で、トンネルもあったため、管理にはとても苦労が多かったようだ。当時石垣の脇には管理人小屋があった。今はタービンなどもっと良いものになっているので、当時のような苦労はないはず。」と言っておられました。
土出し等の作業が進むと、当時を彷彿とする土管や碍子(がいし)などの遺物が出土しました。



太い丸太を動かしたり、一輪車で土を運び出したり、チェーンソーで根っこを伐ったりと、皆様玉の汗で頑張りました。
和やかなお弁当タイムに続き、執行部の古川達高さん、遺構所有者の辻村百樹さんなどの挨拶があり、本日の作業は終了。
次回は秋に、続きの土出しと抜根の撤去が行われる予定とのことです。
私はこの後上部の調整池の撮影に・・・。



調整池の周辺整備は前回6月の作業により、橋や階段ができたり格段に進んでいました。





下方から見た所。

正面奥の石垣には当時、水が滝のように流れていたそうです。
小田原の古い土木遺産を復活させ、瑞々しい風景を蘇らせるとともに、市民による市民のための電力が賄われる日を楽しみに待ちましょう!



この日作業終了後の下部施設。 

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以下参考資料
■PDF] 資料2 小水力発電事業化検討チーム 本年度の活動報告 - 小田原市
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/121919/1-20130312105717.pdf

■小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会 再生可能エネルギーの今と昔を見てみよう!
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/122731/1-20130315092359.pdf

■ほうとくエネルギー株式会社
http://www.houtoku-energy.com/
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(記者 ブリ森のらこ)