ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

ブリ1600尾、米神定置網に!

2013-03-30 07:47:19 | ブリ海コーナー

 3月26日、28日と29日に合わせて1600尾のブリ・ワラサが小田原市の米神定置網に来てくれました!
 写真はブリ森プロジェクトの小田原魚國さんのツイッター(https://twitter.com/odawarauokuni)より。尾又長が65cm前後ならまもなく2歳になるブリで、回遊はまだしないので相模湾で育ったブリ、尾又長が75cm前後ならまもなく3歳になるブリで、中には回遊するブリがでてきます。
 1月以降これまでブリが全く獲れませんでした。梅が咲くのが遅く桜が咲くのが早い気候と関係しているのかもしれません。
 米神定置網ではかつて最も多くブリが獲れたのが昭和29年(1954年)の19万1900尾で、昭和44年(1969年)には80尾まで減少しました。昨年の米神定置網は2100尾の漁獲で、真鶴町や湯河原町の定置網の方が多く獲れている状況です。

 さて、3月21日は国連が制定した「国際森林デー」で、それにちなんで南足柄市にあるアサヒビール神奈川工場では3月23日に「水と森林について考えるパネルディスカッション」が開催されました。
 南足柄市の「地下水政策」のお話もあり、南足柄市の水収支解析さらに水源年齢は、箱根水系は40年前の水、酒匂水系は15年前の水で富士山からの100年前の水も入っている、それと関本水系(水源年齢は未調査)、とのことでした。

『ブリは低塩水を好む。水温は15度を好む。
小田原市の地下水も南足柄市とほぼ同様の水系と考えられ、海底からその地下水が噴出している。
小田原市扇町にある「酒匂」と呼ばれる地下水は年中15度とのこと。
15年前の水、ブリが獲れなくなったのが昭和44年、ということは昭和29年の水!
昭和29年は、天然林を一斉に伐採してスギやヒノキなどの針葉樹を植え人工林を広げる、「拡大造林政策」が政府から出された年である。。。』と、会場内で頭をよぎりました。

 生きもののつながりを考えさせられる出来事とイベントでした。

 なお、「拡大造林」の見方としては、例えば、

「江戸時代に生まれた村人が見渡す山のほとんどは、現在の発展途上国で広く見られるような荒れ果てた山か、劣化した森、そして草地であった。この事実を実感として把握しない限り、日本の山地・森林が今きわめて豊かであることや、国土環境が変貌し続けていることを正確に理解することはできないと思われる。」(太田猛彦『森林飽和 国土の変貌を考える』NHKブックス、2012年)

のように、「森林飽和」とする見方と、

「このように手入れが行き届かない過密状態の人工林などが増加し、森林が本来持っていた保水力などの機能が著しく低下してしまうことを「森林崩壊」と呼び、最近では環境破壊や自然災害に結びつく憂慮すべき問題の一つとして強く指摘されるようになった。」(徳川林政史研究所『森林の江戸学』東京堂出版、2012年)

「森林政策から見た“徳川300年”は、次のようにまとめられよう。最初の100年間は、幕藩制国家という「新しい国づくり」の過程で、森林を木材の資源として無秩序に活用し、その結果、洪水や土砂災害の頻発と深刻な森林資源の枯渇を招いた。次の100年では、荒廃した天然林の利用を抑制しつつ、人工造林で森林資源を増やしていくことが試みられた。そして、続く100年では、森林の保続と活用のバランスをいかに図っていくか、森林と地域との共存のあり方はいかにあるべきかを真剣に考える時期にあたっていたといえるだろう。」(徳川林政史研究所『森林の江戸学』東京堂出版、2012年)

のように、「森林崩壊」とする見方、があることを付記しておきます。

【ブリ森サポーター 小貝】

じゃがいも栽培 in Warusawa

2013-03-29 23:40:40 | 和留沢わくワーク村プロジェト


親子で体験者募集
じゃがいも栽培 in Warusawa

標高400m!小田原で一番高いところに位置する久野(和留沢)で種芋の植えつけ~収穫~試食までを行う環境コミュニティー的体験イベントです!
フィールドとなる農地は、約○○年間耕作が放置された荒地を「市民と行政の連携」により切り拓いている場所で、身近な環境の保全、地域の活性化、より良いコミュニティーの形成、を視野に活動しています。共に楽しみながら汗を流しましょう。
収穫後には試食会を開催します♪

●募集対象                         
親子で参加可能な方で、現地までの移動手段があること。
途中の農作業にできるだけ参加していただける方

●作業日程 *いずれの日程も午前9時~正午(終了予定)
①3月16日(土)種いもの植え付け(品種:男爵等)*小雨決行 
②4月20日(土)土よせ・草取り(1回目)
*土よせ…作物のまわりに土を寄せ、根(株)を守ること
③5月中旬 土よせ・草取り(2回目)
④6月半ば 収穫(生育状況によります)・試食会

●場所  小田原市久野地内(和留沢わくワーク村)小田原市役所から車で約20分(地図参照)
現地までの道順が分からない方は、市役所守衛口に午前8時30分に集合してください。スタッフが誘導します(現地までの運転はご自身でお願いします。)

●参加費 500円(1組あたり) 
*1組あたり収穫したジャガイモ5kg程度を差し上げます。
5kgを超える分は市価より格安で販売します。

●持ち物 
作業着(汚れてもよい服装)、軍手、長靴、飲み物、
小さなバケツ(種芋や肥料の運搬に利用)、お弁当(任意)
※現地には着替える場所はありません。(トイレ・水道は完備)

●主催   和留沢わくワーク村実行委員会

●申込・お問合せ先  
小田原市役所環境政策課 〒250-8555 小田原市荻窪300番地
TEL0465-33-1472  FAX0465-33-1487

植樹イベント&新緑の登山道ハイク会

2013-03-29 23:22:17 | 美しい久野・里地里山協議会


第6 回
植樹イベント&新緑の登山道ハイク会
主催:美しい久野里地里山協議会

新緑の美しい時期を迎えました。自然の恩恵たっぷりのハイキング、それも多くの仲間との活動はまさにそうしたものにぴったりだと思います。一昨年の秋から植えたツツジたちがハイキング客の目を楽しませる時期です。会のBlog にもツツジが楽しめたハイキングとのお礼のメッセージが届いています。
今年もみなで登山道にツツジを植栽しながらハイキングを楽しみたいと思います。ぜひご参加ください。

日時
2013(平成25)年4月20日(土)
9時和留沢公民館を車で出発し、林道途中まで車で移動します。
(10分前までにご集合ください)

スケジュール
9:00 和留沢公民館 出発
9: 15 林道到着、下車
下に向かって植栽をしながら下山
12:00 公民館到着
12:30 峯自然園にて昼食・交流会
適時解散

参加費用
バーベキュー代 1000円/人

なお、今後もツツジをはじめ、
広葉樹の植栽を続けて行きたいと思います。
1グループ1本以上の苗木植樹費の
ご協力をお願いします。(1本500円)

注意事項
雨天時は延期します。Yahoo!天気予報において
前日の15時現在で、2mm以上の場合は中止しますが、
ご不明の場合は、0465-34-5845(小田原植木)まで
お問い合わせください。
駐車場は2~30台程度は確保いたしました。
各自の車はここに置いて頂き、乗り合わせで参ります
山道ですので、足元等はしっかりした装備で
ご参加ください。

申し込み 4 月10 日
小田原市役所農政課FAX(0465-33-1286)
または、小田原植木 FAX(0465-34-9931)まで
参加者全員のお名前、連絡先(携帯等当日の連絡が出来るもの)、
大人・子ども別人数をお知らせください

酒匂川で堤防嵩上げ工事中!

2013-03-19 00:48:35 | ブリ川-酒匂川の環境
酒匂川水系酒匂川浸水想定区域図より抜粋


足柄の土木遺産に詳しいBAZUさんの記事をご紹介します。
BAZUさん詳細記事ありがとうございます!

酒匂川/中曽根堤防嵩上げ工事
http://blogs.yahoo.co.jp/bazu55555/30384018.html

先の9号台風で避難勧告が出た地域の堤防が高くなるようです。
川床に堆積した砂の浚渫だけでは心配ですが、堤防が高くなるのはありがたいですね。
でもこの部分だけ?
今後延長の予定があるかどうか知りたいところです。

ブログ中の以下のデータは是非じっくりご覧ください。
浸水した時、最も深い所は何と5mです。
5mと言ったら平屋の屋根も水の中???
私が住んでいる地域は最深で50cmですが、それでも床上浸水です。。

記事中、江戸時代の霞堤古地図が興味深いです。

<strong>酒匂川水系酒匂川浸水想定区域図
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f3747/p11314.html


(ぶり森のらこ)

酒匂川で繁殖する絶滅危惧種「コアジサシ」の現状と課題(基本編)

2013-03-17 15:14:08 | ブリ川-酒匂川の環境
酒匂川の下流部は、全国で絶滅危惧種(環境省)とされているコアジサシ(下記写真)の集団繁殖地です。
小田原市の「市の鳥」もコアジサシなんですよ(^_^;)
ところが、酒匂川で「1個体も繁殖しない」(つまり雛が全滅)なんて年が多いという問題を抱えてます。



■■■■■コアジサシってどんな鳥????■■■■■
コアジサシ(英名Little tern)の繁殖生態として以下特徴があります。
■(1)季節は?
 5月に東南アジアから飛来して7月頃まで雛を育てて、秋に東南アジアへ戻る(夏鳥という)。
■(2)産卵環境と餌は?
 中州などの広い砂礫地の地面に直接、卵を産み地上で雛に餌(小魚)を与える。
■(3)酒匂川のどこにいるの?
 集団繁殖地(コロニー)を形成し、親鳥がキュリーキュリー鳴きがなら群れ飛ぶので、関心があれば見つけやすいですよ。
 集団繁殖地(コロニー)が例年形成されやすい場所は、
 ・国道一号線酒匂橋あたりの中州
 ・飯泉取水堰~JR鉄橋の中州(下記写真)
 ・小田原アリーナあたりの中州
 ・大井高校あたりの中州など。


■(4)外敵は?
 猛禽類のチョウゲンボウや野良犬、タヌキなどの肉食哺乳類に雛が食べられてしまいます。集団繁殖地(コロニー)を形成し、親鳥は集団で外敵を威嚇して雛を守ろうとします。
 威嚇とは言っても、しょせんハトよりちょっと小さい鳥(全長27cm)。親鳥が外敵を追っかけ回してキーキー鳴きわめいて脅しをするだけ。嘴で外敵をつつくまでのことは滅多にやらない。実は臆病者なのです。

■■■■■繁殖失敗するのはなぜ????■■■■■■■
こんな弱気な性格なんで、問題点は以下のとおり。
■(1)雛は飛べないし泳げない
 梅雨時期の台風等の大雨で、丹沢湖のダム放水の規模が大きいと、繁殖地である中州が水没し卵と雛が全滅する。
■(2)釣り人
 鮎釣りの釣り人が中州に長時間はいると、親鳥が警戒して、雛に餌を運ばなくなり、雛の生育が遅れたり、飢え死にする。でも多くの釣り人は、なぜ鳥がキーキーわめいているのか知らない。漁協との協力関係が大切。
■(3)哺乳類による捕食
 流量が減って中州が陸と繋がると犬、タヌキ、キツネ等の外敵が侵入し、雛を食べてしまう。
■(4)上空からの敵(チョウゲンボウ、カラス)
 近年繁殖失敗がつづき、親鳥数百羽という大規模なコロニーが形成されない。数十羽程度の小規模なコロニーばかりになってしまった。小規模なコロニーだと、親鳥による集団防衛力が弱いのでチョウゲンボウ、カラス等の上空からの敵に雛を食べられてしまう。
■(5)繁殖地の劣化
 大雨が無い年が数年続くと、中州に草が生えてしまい、繁殖地として利用されなくなる(平成21年までの要因)。大雨が全く無くてもダメで、大雨があるとその年は雛が全滅するというなんとも難しい鳥です。大雨の翌年から数年が、繁殖成功するチャンス。

 などの問題があり、酒匂川では、近年、毎年、ほぼ全ての雛が死んでしまっている(繁殖失敗)。繁殖失敗しても、親鳥が死ぬわけではないので、翌春また飛来するのですが、何年間も繁殖失敗してると、親鳥も年老いて徐々に死んでしまいますし、酒匂川に愛想を尽かして、他の繁殖地を求めて他県へ行ってしまうんではないかと危惧されてます。
 もともと、繁殖を毎年成功するような性格の鳥ではないのですが、他県の繁殖地も、毎年うまく繁殖しているところはほとんどありません。なので環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種になっているのです。

■■■■■■保護活動はやってないの???■■■■■■
やってますよ。産卵場所(中州)の環境整備などをやってるんですが、なかなかうまく成果が出ないというのが現状です。
 いままでは、中州に草が沢山生えてしまい、産卵に適さ無くなっていたので中州の環境整備などをやっていました。また、大雨で中州が水没するときに雛が逃げられるように、相撲の土俵のような高台を中州に作ったこともありました。
  産卵場所の整備は、地元企業も参加しての市民イベントにもなっているので、下記の朝日新聞のように昨日(2013/3/16)も「市の鳥・コアジサシの郷づくり」として行われました。
 しかし、平成22年の台風9号以降酒匂川の環境は大きく変わりました。台風9号以降、数度にわたる台風などで、中州の草木は流出してしまいました。このため実は産卵に適した「広い砂礫地の中州」は、あちこちにできました。
 なので今後は、産卵場所以外の保護活動に重点をシフトする必要があります。


市役所の募集案内「市の鳥・コアジサシの郷づくり」へのリンク

■■■関係者はどうなってるの??■■■
私ども野鳥の会だけでなくいろいろな方の協力を得てやっています。
・日本野鳥の会神奈川支部西湘ブロック(通称:野鳥の会)
・小田原市役所(環境部環境保護課)
・神奈川県小田原土木センター(県の出先機関、酒匂川を管轄)
・酒匂川漁協
・地元企業・市民の皆様

■■■もっと知りたい!、活動に協力したい方は■■■
■(1)ブログ「Little tern's Room」に過去の活動と繁殖記録が掲載されてます。
http://a011w.broada.jp/sasibatokoazisasi/

■(2)日本野鳥の会神奈川支部西湘ブロックの活動に参加してみて下さい。
非会員も参加できます。申込み問い合わせ先は、上記Little tern's Room。
      以上、伊豆川哲也(ブリ森レポーター、野鳥の会西湘ブロック)