ブリの森づくりプロジェクト  

~森の再生からブリの来るまちへ~  小田原市無尽蔵・環境(エコ)シティ  ブリの森づくりプロジェクト 

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

冬みず田んぼに鴨が来た! 上曽我【鴨の命は里の水田でつながっているシリーズ】

2016-03-06 14:07:25 | ブリ里-農業コーナー
芦ノ湖や酒匂川のカモは毎晩、水田へ通勤してる! って、ご存知ですか?
鴨は夜に飛びながら水面を見つけて着水し、畦を超えるぐらいまで周囲を歩いて二番穂や落ちモミ、雑草の芽を食べて命をつないでます。
ところが、各地でカモが激減し、芦ノ湖では絶滅へのカウントダウンが始まってます。
ブリ森ブログ記事http://blog.goo.ne.jp/burinomori/e/0ce780f648006cc93b054be700f21259
減少の主要因は、農業形態の変化なのです。

■■水田の農業の変化■■
 ①冬期乾田の普及
 ②秋起こしの普及(秋耕、収穫後に稲わらすき込む)

 このためカモの餌場として、冬(ふゆ)みず田んぼの普及を呼び掛けているます。
 冬水たんぼの農法のパンフレットはこちら。 やり方が農家向けに書かれてます。石川県加賀市役所(片野鴨池周辺生態系管理協議会)が作成。

いくつかの農家に呼び掛けたところ、「NPO法人小田原食とみどり」で、ご賛同いただき、上曽我にある「春みず田んぼ」(固有名詞)にて試験的に湛水していただきました。以下、その報告です。

■■■■実験報告 冬みず田んぼに鴨が来た!■■■■
■日程
 2016/2/17 湛水開始
    2/21 夜間調査のため無人センサーカメラ設置
      (設置:野鳥の会西湘ブロック、貸出:オリエンタルコンサルタンツ)
      水面にカモ類の羽が多く浮いている。夜間に多くのカモが飛来。
      1週間程度で、新しい羽が少なくなる。飛来するカモが減少。
    3/1 湛水終了(春の田起こしのため)。
      湛水期間:約2週間
    3/3 水が引き水田中央に直径10m程度の浅い水たまりが残る
    3/5 水田中央の浅い水たまりは、水が無くなり、湿った泥地となる
    3月になり、雨が多くなったため、落水後も水田中央に浅い水溜りが残る。
    4/3 無人センサーカメラ撤去
    4月 田起こし。

■湛水方法:用水の取水、排水暗渠閉、排水の水戸口開(オーバーフロー排水)
■水深:約5~10cm。
■農業用水:通年通水
■場所:小田原市上曽我の圃場整備済みの水田地帯。「春みず田んぼ」(固有名詞)
■数量:1枚。面積:1,081m2
■無農薬。牛糞堆肥だけ
■営農:NPO法人小田原食とみどり

①冬期湛水中の水田景観とセンサーカメラ


②夜な夜なカモが二番穂を食べに来ていてる。写真はカルガモ


③水田水面には、カモの羽がたくさん!!(これはカルガモ)


④水田に浮いてたたくさんの羽。これで1晩分(毎日回収しました)


⑤水田に浮いてた羽。左と中列タシギ、右上オナガガモ雌、右下カルガモ


■鳥の飛来状況
今回は、2週間の短い湛水期間でしたが、センサーカメラからは、夜な夜な二番穂を食べに来ていてるカルガモ、マガモの他、タシギが写ってました。
日中は、ツグミ、ムクドリ、キジ、ハシボソガラス等が写ってました。
昼間の羽の回収では、カルガモ、オナガガモ、タシギの羽がたくさん浮いてました。昼間の羽の回収では、羽の枚数は、日毎に大きく違いました。
それも、最初の1週間に特に多く飛来し、2週間目は飛来が減りました。
この理由は、1週間程度で、二番穂や落ちモミをある程度食べていまい、その後は、採餌効率が悪くなるので他の餌場に移動するのではと推定されます。石川県の片野鴨池周辺の調査でも、「同じ水田に群れで飛来するのは1週間程度で、次々に別の水田に飛来することが多かった」というのと一致します。

■成果
今回の試験で、乾田と秋耕が普及した西湘地域では、水田1枚、さらに短期間(1~2週間)による冬期湛水においても、カモは餌場を見つけて連日飛来たので、カモの餌場提供に有効であることが判明しました。またこれらより減少中のカモの保護に有効です。

■今後の展望
 太平洋側では厳冬期の12~2月は、乾田化された水田が一番乾燥する時期でもあり、カモだけでなく、水田から姿を消しつつあるトンボの幼虫(ヤゴ)やカエル、ドジョウ、メダカなどの水田動物が、乾燥により死亡する時期です。この時期に、地域毎に一部の水田でも湛水すれば、多様な水田動物が多少なりとも越冬可能となります。
 水田の越冬水生動物は、肉食小形動物多いので、夏の害虫の捕食者となり害虫大発生の抑制効果が期待できます。ひいては、地域の生物多様性に貢献し安全安心な自然保護貢献のお米としてのブランド価値が上がることを期待します。

■冬みず田んぼ ご協力のお願い
 冬みず田んぼをやってみませんか? 詳しく知りたい方がいらっしゃいましたら、伊豆川が説明いたします。
 西湘地域や静岡東部で既にやっている方はいらっしゃいませんか? いらっしゃいましたら情報交換させてください。
 
■補足
●今回の試験的湛水は、小田原食とみどりによるご協力で実現しました。誠にありがとうございました。
●無人センサーカメラは、(株)オリエンタルコンサルタンツ 環境部より借用させていただきました。
●無人センサーカメラ設置管理は、日本野鳥の会 西湘ブロック。
●問合わせ・投稿:ブリ森レポーター伊豆川哲也
 izkw_tetsuya@yahoo.co.jp TEL090-4963-8860、博物館学芸員、日本野鳥の会西湘ブロック会員、ブリの森づくりプロジェクト会員
●野鳥の会および小田原食とみどりは、小田原市ブリ森プロジェクト構成メンバーではありませんが、ブリ森の主旨に沿うので掲載させていただきました。

投稿:ブリ森レポーター伊豆川哲也
コメント

冬水(ふゆみず)たんぼにご協力を! 【鴨の命は里の水田でつながっているシリーズ】

2016-03-05 18:49:07 | ブリ里-農業コーナー

水田農家の方々へ 冬水(ふゆみず)たんぼの普及にご協力のお願い。
各地でカモ、特に水面採餌カモ類が激減し、芦ノ湖では絶滅へのカウントダウンが始まってます。
■1. 芦ノ湖や酒匂川のカモは毎晩、水田へ通勤してる! って、ご存知ですか?
■2. 鴨は夜に飛びながら水面を見つけて着水し、畦を超えるぐらいまで周囲を歩いて二番穂や落ちモミ、雑草の芽を食べて命をつないでます。
   注釈:一番普通のカモであるマガモ、カルガモ、ヒドリガモなどの水面採餌ガモ類。
■3. しかし冬期乾田の普及により、水面のある水田が減り、鴨が降りれません。
さらに秋起こし(秋耕、収穫後に稲わらすき込む)の普及により、土の中へ二番穂や落ちモミが埋まります。鴨は土の中の餌は掘り出せないので、飢え死にし、芦ノ湖や酒匂川をはじめ、各地で減少中。

■4. このため水田での餌場確保を呼び掛けているところです。
 カモの餌場として、冬12~2月に半月~1ヶ月でもいいので、
 ①取水できる田では冬(ふゆ)水(みず)田んぼ、
 ②取水できない田は雨水(あまみず)たんぼ(排水暗渠と水戸口を閉める)、
 ③ベストのシマシマたんぼ(縞状秋耕と湛水)に、
 ④休耕田の湛水
  に、ご協力いただけないでしょうか。

■5. ひたひた数㎝浅い水があるだけで、カモだけでなく、水田から姿を消しつつあるトンボの幼虫(ヤゴ)やカエル、ドジョウなどの越冬地にもなり、安全安心で自然保護貢献のお米になります。
●石川県の片野鴨池や、宮城県の蕪栗沼・伊豆沼の周辺ではこの農法を普及させ鴨や雁の数を回復させ、生き物が暮らす安心な人気のブランド米で販売中!。

■6. 具体的な冬水たんぼの農法のパンフレットはこちら。 http://www.kagashi-ss.co.jp/kamoike/huyumizutanbo.html
パンフレットには、雨水(あまみず)たんぼ、シマシマたんぼによる効果や、やり方が水田農家向けに書かれてます。
石川県加賀市役所(片野鴨池周辺生態系管理協議会)が作成し、農業とカモを含めた生態系回復の両立がすすめられてます。

■トピック!!!
上曽我で、2016年2月に試験的に冬期湛水していただいたら、夜な夜なカモがたくさん!http://blog.goo.ne.jp/burinomori/e/fdb25c58d50688b32818a883e208d16d

掲載:伊豆川哲也 izkw_tetsuya@yahoo.co.jp   TEL090-4963-8860
  小田原市浜町在住の環境コンサルタント。博物館学芸員、日本野鳥の会西湘ブロック会員、ブリの森づくりプロジェクト会員、おだわら環境ネットワーク(仮称)設立準備委員。(元)箱根町立「森のふれあい館」博物館学芸員。
コメント