オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

2020年2月29日のオベロン会

2020-02-24 | みかん

 

こんにちは、急に春めいてきましたね。梅を楽しんだのも束の間、もう桃の季節。いやいや、桜もすぐ咲きそうだなどという声も聞こえてきました。世の中は、急速な流れと忙しなくなりがちですが、ここは一呼吸おいて、ゆっくりと文学作品を読みながら、心の余裕も取り戻したいですね。

さて、今週末のオベロン会は、笹川渉さんが発表してくださいます。笹川さんからの要旨をご紹介します。

「ChlorisからFloraへー王党派詩人とMiltonによるChlorisの物語の描き方」

 
William Strode の抒情詩 ‘I saw fair Chloris walk alone’ (‘On a Gentle Woman Walking in the Snow’) は、政治的混乱の時期にあった17世紀半ばに王党派によって最もよく受容された作品の一つとして数えられています。一見すると素朴で美しい抒情詩という枠をでないように思われる作品ですが、この作品で言及されるChlorisの担ってきた17世紀における政治的意味を捉え直すと、王党派詩人や彼らと政治的に対立したJohn Milton の扱い方の違いが見えてきます。本発表ではこの作品が王党派のMiscellanyや手稿で置かれた文脈を俯瞰した後、Miltonの初期作品や後期作品のParadise Lost や Paradise Regained でのChlorisとFloraの語られ方を見ることで、どのような違いを見ることができるのか考えたいと思います。
 
知の巨人たるミルトンの「平凡」な作品が、時代のポリティクスのなかで、どのように読まれたのか、そのダイナミズムを感じ取れることでしょう。たのしみですね。
 

会場と時間は、いつもの通りです。

午後2時半より。(会場費:1000円)

場所は、国際文化会館
都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分。
東京メトロ南北線 麻布十番駅 4番出口より徒歩8分。

 

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