葡萄酒な日々 avec les Grands Terroirs d'HOKKAIDO

札幌・円山「葡萄酒倉庫」のワイン・日本酒・食材・生産者情報。

ワインに教えられて。

2010-05-28 03:19:50 | 日々
フランスワイン専門店として18年。

私にとってワインは売り物であると同時に

多くの事を感じさせ、また考えさせてくれる、感性の栄養ドリンクです。

私の好きなワインは、素朴なものも、優雅なものも

どちらもその土地の特徴がギュッと詰まった混じり気の無いものです。

フランス人は地勢、土壌、気候とそこに生きる人との関係性を

「テロワール」といいます。

まさに、テロワールを感じさせてくれるワインこそ

当店が取り扱うべきワインと考えております。

と、まぁ、日々そんなことを考えていると

日本人にとってのテロワールとは?

私の身近なテロワールとは?

料理に於けるテロワールとは?

と、暇なので考えてしまう次第であります。

そんな時、この文章を読んで疑問が解決しました。

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* 130周年を迎えて
北の錦は、平成20年に130周年を迎えました。
そして、2008年からは、糖類などの添加物を完全廃止。
北海道唯一の100%全商品、本醸造以上の酒造りを実現しました。
2010年からは100%北海道産米への切替にチャレンジします。
地元栗山町は、全国一の米どころ空知の南にある町です。
お米のお酒の味を、過度のアルコール添加や糖分で、
伸ばしていく方法は本意ではありません。
白米を使う比率を、さらに高めて「農を醸する」山里の地酒として、
世界一と誇れる日本酒文化をささやかにでも守っていく覚悟です。

* 道産米で北海道の意地をみせてやりたい
うちの南杜氏は道産米を操る名人、脇田前杜氏に長年にわたり技術を叩き込まれた
生粋の道産子。先代の米三郎からの至上命令だった『内地米(山田錦)に負けない道産米酒』。
30年間努力してきて、ようやくお客さんに認められようとしているんです。
ここ数年発売している道産米の限定純米酒は全部完売しています。
道産のお米をつかって良い酒だと褒められるのが一番うれしい事です。
私たちには『北海道の造り酒屋が北海道米を使わないで北海道がよくなるはずはない』
って気概がいつもあるんです。農家とのより深いつながりを持って、
ずっと頑固で大地にしっかり根を張った酒を造っていきたいと考えています。

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何回読んでも素敵です。

「農を醸する」、米作りに適した土地、気候、地域の農家さん、

そして託された米を醸す造り酒屋さん。

まさにこの文章からは北海道南空知のテロワール=「農」を感じます。

さらに私はお皿の上にもテロワールを表現し感じ取ってもらえるよう

努力しなくてはと思うようになりました。

より純度の高い北海道料理を作れるようになりたい。

皿の上の食材が全部仲間の生産者さん達のものだったら、最高にやりがいがあります。

しかしときにフランス料理の技法だけでは壁にぶつかることもあります。

知り合いの農家さんが作った日本の調味料(味噌や醤油)、

北海道特産のコンブ、季節の山菜などなど、

日本料理の技法を知っていればもっと地域の食材を活かせる。

そんな時、同じ思いを共有できる仲間の料理人が現れました。

偶然にも中学校の同級生で私の知らない間に

日本料理と醸造酒(ビール、日本酒、ワイン)の知識を身につけていました。

私の仕事の半分を担ってほしい。フレンチと和食でディスカッションしながら

新たな郷土の味を作っていきたい。

ということで、独立開業間近の人間を無理やり引っ張ってきました。

今後の葡萄酒倉庫はフレンチと和食の技法で新しい郷土の味を追求する店として

頑張ってゆきます。もちろんワインを始め、合わせるお飲み物にもとことんこだわります。

札幌の円山で、広い北海道のさまざまなテロワールを感じて下さい。

なお、これを機に「Bar a vin & Bistro 葡萄酒倉庫」から

「葡萄酒倉庫 avec les Grands Terroirs d'HOKKAIDO」

とサブタイトルを変更いたします。

※お店の中はまったくそのままでメニューとコンセプトの一部が変更するだけです。
  お客様には今まで通り、お気軽に当店をご利用いただければと思います。

※5月31日(月・定休)~6月3日(木)まで店舗外壁の補修と
 新メニューの仕込みのためお休みさせていただきます。