「夏着物」と「浴衣」の違いってなんでしようか。
実はもうお気づきの方も多いと思いますが、
当ブログの、今回の「浴衣」の連載で使用されている 「浴衣」と、昨夏の「旅の着物に・・八ヶ岳編」で
モデルさんが着用した「夏のきもの」の一着目は、同じ着物です。
左「浴衣」 右「きもの」
◆このような、綿麻の白地に、かすり模様の生地から仕立てられた着物は、
素肌に着れば、浴衣になり。
襦袢(じゅばん)を下着に着れば、「きもの」になります。
「浴衣」は、
「素肌に着る」と言っても、外出着として着る場合は、下着が必要となります。
今回のように、白が基調のきものの場合は、透け防止の観点からも、
下着は重要です。
「浴衣」の下着は、肌襦袢。
着物と肌が直接触れる部分が少ないほうが、衛生管理面からもメリットがあります。
裾のはだけが心配な方。や、
そんな「着物の弱点」のイメージを逆手にとって、
ちょっとした裾のはだけなんか気にしない、アクティブな浴衣女性を演出する手として、
下半身の下着として、「スパッツ」を着用。 なんて手も、アリ。 だそうです。
(これは、高名で、常に着物の将来に頭を巡らせる、和装の大先生からいただいたアイディアです。)
「浴衣」の足回りのポイントは、素足。
一方、
「きもの」
として着る場合は、長襦袢(ながじゅばん)の着用が、絶対条件になります。
長襦袢
「夏着物」用の下着ですから、通気性が問題です。当然薄手の素材です。
肌襦袢の上に長襦袢を重ね着します。
① 長襦袢の衿が、着付けをしたときに露出するのは、胸元の囲みの部分ですが、
そのえりの部分(右写真の囲みの部分)に、色物や柄物の半襟を縫いつけ、コーディネイトします。
この着付方は、
あたかも、男性がジャケットを着する時に、シャツとネクタイなどで襟元のVゾーンをコーディネイトをする着こなしのように
映ります。
(なお、このような、白の長襦袢の衿をそのまま生かせば、着付した時の衿元も白となります。)
② 帯締め (上の写真の帯の部分の囲み)は、
帯を固定させるための機能として必要なものであると同時に、カラー・コーディネイトのポイントともなります。
着付のさいごの帯締め選びが、なかなか決まらない。
・・・なんて経験、皆さんお持ちではないですか。
「きもの」としての着こなしの最重要ポイントは、足回り。
「足袋と草履」をしっかりキメれば、
夏のちょっとしたお出かけ着としては、十分通用します。
つづく。