Presented by グレープス.com and スズキ美容室.com
and スズキ美容室・訪問サービス.com (長野県飯田市)
以前にも、触れさせていただきましたが、
「美容室」という業種は、管轄の省庁などを基準にした分類では、
「生活衛生業」(床屋さん、クリーニング店さんと同じ)という業種に分類されています。
が、一般のお客様にとっては、
「ファッション業界」の一部という認識がふつうなのではないでしょうか。
ファッション業界に属する、「化粧品業界」、「アパレル業界」と同様に、
美容室にとっても、色彩に関する知識、情報は、大変重要なものなのですが、
先の2業界に比べて、美容室の持っているその知識、情報と、理論は、
弱いと言わざるを得ません。
そんな中で、
わたしたちの美容室の本店、スズキ美容室の長い歴史の中で、
カラー部門のメニュー構成を支え続けていただいているヘアカラー剤のトップメーカー、Wella社から
美容師のスキルアップのためのカラー講習をご提供いただける機会に恵まれ、
グレープスのスタッフもこのカラーの理論講習を受講させていただきました。
そこで、私たちは、
◆「お客様の使われる言葉と色の嗜好の関係性」を知ることの重要性
◆色についての「自分の基準」が「お客様の基準」とどの程度ずれているのか、知ることの重要性
という、まさに目からうろこのヘアカラーの上達術を、ご教授いただきました。
ファッションと色彩の知識をお持ちの方であれば、
色彩学の勉強と言えば、いわゆる「パーソナルカラー」の知識習得ではないか、
と想像されるかもしれませんが、
Wella社のそれは、その予想を覆して余りある、
世界のヘアカラーマーケットを知り尽くした同社が、
日本のマーケットでも、永年にわたって研究を積み重ねてこられた、
巨大な研究成果の一端を見せつけられたような、圧倒的な内容でした。
ここで、
その一部をご紹介させていただきます。
◆美容師は、「ヘアメイクアップ・アーティスト」などとも表現される場面があるように、
ファッションセンスやクリエイティブ能力に長けている必要がある、と思われがちです。
が、
それ以上に、サービス業としてのスキルが重要であることに異論をはさむ方は、まずいません。
つまり、お客様のオーダーに正確にお応えして、
その仕上がりに満足していただかなくてはならないということです。
そのために、
美容室でのヘアカラーの施術では、
まず、お客様の望まれるイメージを色に落とし込むためのコミュニケーション能力が求められます。
◆「言語イメージスケール」と「配色イメージスケール」◆
この2つの図表は、重ねて使用されます。
それが、
お客様が希望するイメージ(言葉)を実際の色に落とし込む際の重要な根拠となるのです。
(Wella社が開発したオリジナルのツールです)
◆これは、「色彩学と一般消費者へのアンケート調査の統計によって構築された」まさに「ビッグデータ」と呼ぶにふさわしい代物です。
◆つづいて登場したのは、「色感テスト」なるもの。
(これもWella社のオリジナルです)
◆色に対する印象や、そこから浮かぶイメージが、
多くの人の感覚と合致しているのか、
それとも、ずれているのかを診断するテストです。◆
このテストの結果は、
美容室にとって、営業上、非常に重要なお客様へ提供するヘアカラーの色味の決定プロセスを、
この常識からずれている美容師さん(統計の結果を理解していない)の個人的な思考・嗜好のみで、行なうことの危険性を、
あぶり出してくれます。
・・・といったような
圧倒的な説得力をもつ、ビッグデータを活用したヘアカラーのスキルアップ術に、
当日、参加した美容室スタッフも、目が覚めるような思いを抱いたのではないでしょうか。
ただし、
今回のツールの活用は、
あくまで、「美容室の仕事=サービス業」という定義のうえに成り立つもの・・・ということの理解も
忘れていけないポイントのように思います。
何故かと言えば、
芸術の世界での最大級の褒め言葉である「個性的」、「独創的」などの概念は、
平均的な嗜好・思考からはずれていても、
または、はずれていればこそ、
人を感動させられる仕事や人物に対してのの讃辞であることに、
間違いない。
はずだからです。
つづく。