テレビで今年の回顧番組を見ると、思わず涙が出る。
でもそれは決して大震災の映像ではない。
大震災の映像は私には未だに悲痛すぎて、涙の対象ですらない。
より正確に言えば、あの映像を見る勇気が私にはないのである。
いつの頃からか、私はあの津波の映像から目をそむけるようになってしまって
いたのだ。
(教育心理学的立場から、そしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)の観点から
も、あの津波の映像を子供に見せない方がいいという意見があることには
私も同意する。フラッシュバックは避けるべきだろう)
別段トラウマというわけではないのだが、あの映像はちょっとしんどい。
震災直後に、これは本当に起こったことなのか、といういささか現実逃避的な
感想を抱いたことを私は未だに覚えている。
ところで、涙が出る映像とは、女子サッカーW杯の決勝戦のことである。
今から思うと、優勝に到った過程で、ポイントは幾つかあったと思う。
まず準々決勝でのドイツ戦・延長戦での丸山のシュート。
次には決勝での宮間の同点ゴールと、同じく澤の同点ゴール。
さらには意外と忘れられがちなのだが、岩清水のレッドカード退場になった
あのファウル。
あの岩清水の行為がなければ、日本はまず負けていた。
私は日頃ルール遵守を主張しているが、あの場面に限り岩清水の行為を
許したいのだ。
(フェアでないことは自分でも分っている⇒言い訳できないことも
分っている。でも私にも意地があるので、「許して下さい」とは
言いたくない)
それどころか私は、あろうことか何とあの岩清水のプレイを褒め称えたい
のである。
一発退場のレッドカードを食らったプレイを褒めるとは?
私も自分でも、自らのモラル判断の軸がぶれたことを感じざるを得ない。
確かにあの岩清水のプレイは、どう見てもフェアプレイではありえない。
それは岩清水本人が、W杯帰国後自ら、子供たちに「あれはまねしないで」と
言っていたことからも伺われる。
(私はむしろ岩清水のこの発言に、彼女の誠実さを感じたものだ)
要するに世の中には勝ちに繋がる反則もあるということである。
結局、日本は100%フェアプレイをしていたら、アメリカに負けていた
だろうということである。
これはさすがに、辛い選択である。
その意味では、アメリカ側からそういう指摘が聞かれなかったことは
今更ながら不思議な気がする。
話を優勝に到ったポイントに戻す。
PK線で、アメリカがあんなに重圧を感じていたのはかなり意外であった。
あれではまさに、御誂え向きの仕立てではないか。
最後のゴールを決める直前の熊谷の表情が、何とも絵になっていた。
蹴る前にふっと息を抜いて、上を見詰める。
熊谷本人の話によると、キーパーと目を合わせると相手のペースにはまる
ので、目を合わせないために上を見たらしい。
でもこのシーーンは多くの日本人が注目していたはずで、
あの黒柳徹子さんもこの場面の熊谷の表情に言及していて私を驚かせた。
黒柳さんは”スポーツ音痴”として有名な人だが、見るべき所は見ているのだ。
アメリカのエース・ストライカーのワンバックが言っていたことだが、
アメリカがリードしても日本が再三追いついて来るので、アメリカにも
ある種の焦りが生じていた感はある。
それこそが、勝って当たり前と思われていたチームの唯一の弱点と言える
のかもしれない。
(試合前に、岡田前日本代表監督はこのことを指摘していて、さすがと
思わせられた)
しかし我々はなでしこジャパンのメンバーの活躍によって、望外の喜びを
味わわせてもらった。
彼女たちに感謝すべきだろう。
そしてできれば来年もまた、ロンドン五輪で喜びを味わいたいものだ。
でもそれは決して大震災の映像ではない。
大震災の映像は私には未だに悲痛すぎて、涙の対象ですらない。
より正確に言えば、あの映像を見る勇気が私にはないのである。
いつの頃からか、私はあの津波の映像から目をそむけるようになってしまって
いたのだ。
(教育心理学的立場から、そしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)の観点から
も、あの津波の映像を子供に見せない方がいいという意見があることには
私も同意する。フラッシュバックは避けるべきだろう)
別段トラウマというわけではないのだが、あの映像はちょっとしんどい。
震災直後に、これは本当に起こったことなのか、といういささか現実逃避的な
感想を抱いたことを私は未だに覚えている。
ところで、涙が出る映像とは、女子サッカーW杯の決勝戦のことである。
今から思うと、優勝に到った過程で、ポイントは幾つかあったと思う。
まず準々決勝でのドイツ戦・延長戦での丸山のシュート。
次には決勝での宮間の同点ゴールと、同じく澤の同点ゴール。
さらには意外と忘れられがちなのだが、岩清水のレッドカード退場になった
あのファウル。
あの岩清水の行為がなければ、日本はまず負けていた。
私は日頃ルール遵守を主張しているが、あの場面に限り岩清水の行為を
許したいのだ。
(フェアでないことは自分でも分っている⇒言い訳できないことも
分っている。でも私にも意地があるので、「許して下さい」とは
言いたくない)
それどころか私は、あろうことか何とあの岩清水のプレイを褒め称えたい
のである。
一発退場のレッドカードを食らったプレイを褒めるとは?
私も自分でも、自らのモラル判断の軸がぶれたことを感じざるを得ない。
確かにあの岩清水のプレイは、どう見てもフェアプレイではありえない。
それは岩清水本人が、W杯帰国後自ら、子供たちに「あれはまねしないで」と
言っていたことからも伺われる。
(私はむしろ岩清水のこの発言に、彼女の誠実さを感じたものだ)
要するに世の中には勝ちに繋がる反則もあるということである。
結局、日本は100%フェアプレイをしていたら、アメリカに負けていた
だろうということである。
これはさすがに、辛い選択である。
その意味では、アメリカ側からそういう指摘が聞かれなかったことは
今更ながら不思議な気がする。
話を優勝に到ったポイントに戻す。
PK線で、アメリカがあんなに重圧を感じていたのはかなり意外であった。
あれではまさに、御誂え向きの仕立てではないか。
最後のゴールを決める直前の熊谷の表情が、何とも絵になっていた。
蹴る前にふっと息を抜いて、上を見詰める。
熊谷本人の話によると、キーパーと目を合わせると相手のペースにはまる
ので、目を合わせないために上を見たらしい。
でもこのシーーンは多くの日本人が注目していたはずで、
あの黒柳徹子さんもこの場面の熊谷の表情に言及していて私を驚かせた。
黒柳さんは”スポーツ音痴”として有名な人だが、見るべき所は見ているのだ。
アメリカのエース・ストライカーのワンバックが言っていたことだが、
アメリカがリードしても日本が再三追いついて来るので、アメリカにも
ある種の焦りが生じていた感はある。
それこそが、勝って当たり前と思われていたチームの唯一の弱点と言える
のかもしれない。
(試合前に、岡田前日本代表監督はこのことを指摘していて、さすがと
思わせられた)
しかし我々はなでしこジャパンのメンバーの活躍によって、望外の喜びを
味わわせてもらった。
彼女たちに感謝すべきだろう。
そしてできれば来年もまた、ロンドン五輪で喜びを味わいたいものだ。