酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

岡田監督の孤独と決断

2010年06月28日 | スポーツ
日本が決勝トーナメントに進出したことによって、岡田監督へのバッシングは

さすがに聞かれなくなった。

それどころか、一部メディアからは「名将」の言葉さえ目にするようになった。


私は元々サッカーに関しては門外漢であり、彼の評価については中立的である。

というより、何も知らないから評価の下しようがないというのが実情である。


従って、つい1ヶ月ほど前に岡田非難の嵐が吹きすさんでいた時にも

(日本が連敗していて勝てそうな気がしないということ以外には)

非難の理由がよく分からなかったし、その理由をあえて知ろうともしなかった。


しかしいかに門外漢とはいえ、ここに来て日本の戦いぶりが

明らかに変わって来たことは、私といえども見ていれば分かる。


現に外国のメディアの評価もずいぶんと変化したようだ。

そして最近では、岡田監督の戦術が急変したと言われるのを目にすることが

多くなった。

しかもW杯直前のあの時期に変更することのリスクを指摘する声も多かった。



あれだけのバッシングに耐えて、尚且つ大胆な作戦変更を本番直前に決断できる

精神力とは、一体どのようなものなのだろうか。

私は岡田監督自身に興味を抱くに到った。

そしてネットで少し調べてみたら、大変貴重な記事に出会うことができた。


それは昨年12月11日に、岡田監督が早稲田大学で行った講演を

記事にしたものである。(Business Media 誠


これは岡田監督に関心を抱く人にとっては必見の記事だと私は思う。


少々長い記事ではあるが、私の関心のある範囲で極めて大雑把に書くと

  ● 監督業とは周囲の雑音を断ち切って決断する仕事

  ● どん底を経験すると無心になれる(開き直ることができる)

  ● 代表に選ばれなかった選手の家族からは恨まれる

  ● 97年のW杯フランス大会のアジア予選で、本戦出場が危ぶまれた時に、

    岡田監督の自宅には脅迫状や脅迫電話が殺到した為、

    警察が24時間パトカー警備をしていた。

    また、予選最終戦の直前には、監督は奥さんに
 
    「負けたら2年くらいは日本に住めなくなると思うから、

     覚悟していてくれ。」と電話していた。


特に最後の項目は尋常ではない。

今時こんなことがあっていいのか、というほどひどい話である。



ところで、父の日の前日の6/19(オランダ戦当日)に日経新聞に

「南アフリカの父へ」と題した、岡田監督を気遣う「娘より」という文章が

全面広告で掲載されていた。

本当に監督の娘さんが書いたものかどうかは、確認の仕様がないし、

私にはさして興味もない。

また全面広告にも拘らず、肝心の広告主の表示がないというのも不思議な話だ。


しかし真偽の程はともかく、広告としては確かに卓抜なものではあった。



それはともかく、デンマーク戦の後、岡田監督は

「サッカーがチームスポーツだということの証明ができた。」と言っていた。

そして選手からも「チームの一体感」を口にする人は多い。


さらには決勝トーナメント進出くらいでは少しも満足していない本田にも

大いに期待が持てる。

(最後に些細なことではあるが、デンマーク戦後のインタビューで本田が、

日本国内のファンの寝不足に触れていたことに少々驚いた。

あの状況の中で、彼はこんな配慮もできる人間なのか。)