パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

上に立つものに必要なもの

2019年11月26日 09時11分06秒 | あれこれ考えること

来日中のローマ教皇が質素で世間に目を配る様を報道で知るにつけ
思い出すのはヘッセの小説「ガラス玉演技」のなかの名人のこと
名人は精神的に高度な秩序が保たれた世界に留まることを良しとせず
矛盾の多い世間に足を踏み出す決心をしている
世間との関わり、人間性への洞察、そして受容、そうしたものが名人とか
教皇となるような人には不可欠な要素と思われる

天皇が変わったこの年、いい機会だから天皇の歴史絡みの本を図書館から借りてきている
前回は「江戸時代の天皇」今は「昭和天皇と戦争の世紀」(加藤陽子)を読んでいるが
この中に気になるところを見つけた

それは昭和天皇が子供の頃の成長を見続けた方の記録だ

身体、感覚、想像力、理解度、推理力、恐怖、注意力、忍耐力、勇気、規律、ことば、
快活さ、沈着性、寛大さ、仁慈、謙徳、友愛、技術、気性等が細かく観察されたようだ

年齢が上になると人として要求されるものが増えてきている様子も明らかにされている

上に立つものの資格・要素はギリシアではリベラルアーツのもととなる「自由7科」
文法学・修辞学・論理学の3学、および算術・幾何(幾何学、図形の学問)・天文学・音楽の4科を
修めていることが必要とされた

ところが、これらの上に立つ人の条件を今の日本のあの人(指さしてやじは飛ばすは、質問にはまともに答えないあの人)
に当てはめるとそれらが、「全く欠けている」と思わざるを得ないし、その現実に絶望感すら覚えてしまう

彼の頭にあるのは「今だけ、自分だけ、お金だけ」のように見えてしまう

しかし、世間は自分のように感じる人間場ばかりではない
それもまた一つの現実
しかし、この現実は不安を覚えるばかりだ

 

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