パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ラ・フォル・ジュルネに行く代わりに、あれこれ想像してみた

2023年05月05日 09時56分25秒 | 音楽

今年のGWは再開されたラ・フォル・ジュルネ
ベートーヴェンの記念の年(生誕250年)の2020年はコロナで開催されなかったが
今年は鬱憤を晴らすように「やっぱりベートーヴェン」が企画されている

理由あって見に(聴きに)行けないでいるが、その代わり音楽に関するネタを少し

昔、車での通勤時間にはクラシック音楽のかかるFMを聴いていた
曲の途中から聴き始めることが多かったが、その時の楽しみ方に
曲を知ってる場合には
演奏しているオーケストラはどこの国のオーケストラか?
指揮している人は誰か?
指揮者の年齢は若いか年寄か?

曲を知らない場合には
この曲はどの国の作曲家の作品か?
などを想像して曲が終わった後のアナウンスが楽しみだった

その的中率は不思議なことに、そんなに悪いものではなかった気がする
なんとなく、、という感覚は案外正しかったようだ

4年ほど前、名古屋でウィーンフィルとベルリン・フィルの
聴き比べができる機会があった
プログラムはブルックナーの交響曲8番で大好きな曲だ

料金は決して安いものではなかったが、自分自身に大金を使う言い訳を考えて
この貴重な機会を逃さないようにした
(同居人にはチケット価格は内緒)

指揮者はウィーンフィルがティーレマン、ベルリン・フィルがメータだったが
指揮者の違いよりもオーケストラの音色の違いに注意して聴いた

少し時間が経っているが、この時の記憶は端的に言えば
ウィーンフィルは輝かしい音色(特に頂点となる部分)
ベルリン・フィルの驚異的な合奏能力が記憶に残っている

またウィーンフィルはどこかオーストリアの自然を感じさせる雰囲気があったが
ベルリン・フィルは交響曲という抽象的な音だけの世界の充実ぶりを感じた

どちらかが良いという比較は成り立たず、それぞれの世界があるものだと納得したが
作曲家のブルックナー自身は常にウィーンフィルの音を聴いていたので
彼のイメージはウィーンフィルの表現の方が近かったかもしれない
(ただし、録音されたものはベルリン・フィルの演奏に良いものが多い)

ウィーンフィルの音は独特だ
それはピッチが若干高めに設定されているからとか
ウィンナホルンと言われる古いタイプの楽器を使われているからとか
弦楽器もやはり同じ様にその地のものを使用しているからとか言われている
自分がそれにもう一つ、ノリがいいという印象を持っている
ベルリン・フィルが常に経験できないオペラを、ウィーンフィルのメンバーは
日常的に経験しているのが影響していると思う

オーケストラの音は昔はもっと違いがあったと言われている
だからこそ、途中から聴き始めた音楽でもそれなりに想像することができた
でも最近は個性が無くなってきているらしい

ウィーンフィルは昔、女性の奏者がいなくて男ばかりの集団だった
ピアニストのマルタ・アルゲリッチはウィーンフィルの男ばかりの
メンバー構成に違和感を覚えていたので彼らとの共演は断っていたそうだ

頑固なウィーンフィルも世の流れには逆らえず、次第に女性奏者も入るようになったが
最初の頃は、オーケストラの音色に大きく影響しないハープ奏者だけだったようだ

今はジェンダーフリーと言われる世の中だが、個人的には(叱られそうだが)
オーケストラの音色の部分に影響するところなので
ウィーンフィルは男だけの集団であってほしいとも思う(時と場合に合わせて)

ブルックナーの音楽の感じ方は、男と女では違うと確信している(思い込んでいる)
指揮者の要求するものを受け取る感覚は、当然男と女の違いは出てくると思う
男性原理で進められていく音楽(ブルックナーの音楽はこうしたものと思う)が
一般的なマイルドにされてしまうのは、どこかもったいない気がしてならない

男が感じる世界観の表現
それだけで、それなりの価値があるような気がするが、、それは難しいのだろうか

話は変わるが、昔、こういうオーケストラの演奏があったら良いな!
と考えたことがあった
それはベートーヴェンの英雄を、ベートーヴェンが作曲したときと同じ年齢(33歳)の
指揮者と奏者で演奏したらどうなのだろうというもので
野心と若さのある人間の感じ方は、熟成された人々の感じ方とは違うはずで
きっと勢いのある、はつらつとした印象を与えるものになるのではないか!
と想像したりした

ということで、お気楽な話
連休の中日も大して予定なし
図書館に本でも借りに行くか!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名古屋グランパス対ヴィッセ... | トップ | 「昭和万葉集」で時代の気分... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽」カテゴリの最新記事