パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

気になる「ネトウヨの人たち」

2017年10月23日 08時10分27秒 | あれこれ考えること

自民党にすれば、してやったりの今回の衆議院選挙(自民単独過半数)
野党が準備不足のうちに理由もハッキリしない(取って付けたような理由で)解散
策士の小池百合子氏も、予想したとおり『成功した理由で失敗する」を地で行って自滅
そして政策というよりは批判合戦に終止した選挙戦
また本質ではなく国盗りゲームのような扱い(解説)でダラダラと時間を潰したメディア(テレビ局)
問題は山積みだが、今回一番気になったことと言えば、少し別のこと

それは「ネトウヨ」と呼ばれる人たちのこと
彼らは自分にとっては非常に不思議な存在だ
ツイッターを見ていると、このネトウヨと呼ばれる人たちの投稿がちょくちょく出てくる
そして決まって「反日」とか「パヨク(左翼)」「朝鮮人」等の根拠のない言葉が当たり前のように使われている
そして投稿者のアイコンも旭日旗とか危なそうな雰囲気を感じさせるものが多い

この「ネトウヨ」と呼ばれる人たちの社会的・経済的環境はどうなんだろう(と勝手な想像をしてみた)
イギリスの国民投票でEU離脱を選んだのは社会的(経済的)弱者の人たちが多かったという
トランプ氏を応援したのはやはり格差を感じている弱い立場の人たちだったようだ 
オーストリアでもオランダでもフランスでも、どちらかと言えば社会的弱者の不満の受け皿が右に流れる傾向にある 

仮に日本でも社会的弱者が右に流れる傾向があるとしたら、彼らの不満は果たして自民党の経済政策で解決するのだろうか
自民党は資本主義社会、競争の原理に基づいて(理念的な、もしかしたら実態を反映しないかもしれない)規制改革を推し進め
その結果として得られる企業収益増が社会の下まで降りてくるというトリクルダウンを説いている
しかし、ピケティの「21世紀の資本」の膨大な資料によればトリクルダウンが見られた例は過去にどこにもないそうだし
現に儲かった分は内部留保という形で企業内に蓄積される
あるいは儲かった分はより効果的な利益を得る方法、つまり投資に使われる
また企業は人件費を下げることが利益につながるので、低賃金の人を選ぶことになり
それは結果的に日本人を雇用するより発展途上国の人を雇うことになる(国内でも海外でも) 

ここで、少し勘違いをして自分たちの仕事を奪っているのは他の国の人たちと考える人も現れてくる
(これはドイツでもイギリスでもアメリカでも見られる)
本来ならここで社会に内在する矛盾(外国人のせいではなくシステムに問題あり)に対して
怒りを持つのだが、今出来上がっている社会は強固で、それに立ち向かうとすれば挫折感・無力感を覚えるしかなくなる
そうすると個人のなかにはいつまでもイライラが残る
こんなとき人はどのように自分の鬱積した感情を納めるかといえば、
一番手っ取り早いのはその状況に屈してしまうことだそうだ
いてまでも勝ち目のない戦いに向かうより、勝つ方に身を置く、そうすれば少なくとも気持ちは楽でいられる
(つまり政権与党の軍門に下ること)

自信を失っている個人は、今度は自分たちの出自を誇りに思いたくなる
その結果出てくるのは「エスノセントリズム」
自分の育ってきたエスニック集団(族群)、民族人種の文化を基準として他の文化を否定的に判断したり、低く評価したりする態度や思想のこと。自民族中心主義自文化中心主義)
これが一歩間違うと国粋主義的な運動につながる 
いま感じているのは、「ネトウヨ」と呼ばれる人たちのメンタリティは実はこんなところに 有りはしないか

もちろん、社会的経済的弱者ばかりが「ネトウヨ」ではなく、それなりのポジションの人もいる
しかし、反射神経的に相手を攻撃するような「パヨク」「反日」「朝鮮人」をよく使う人々は
申仕分けないが、きちんと教育を受けた人たちでは無いような気がしてならない
そしてそれは各人の性格というより、おかれた環境(経済的弱者)で育まれたものではないか

話は飛んで、人に与えられた危険を察知するセンサーは、その感度に違いがあって
早めにアラームを鳴らす人がいれば、もっとあとになってからでないとセンサーが働かない人がいる
早めに感じてしまう人は「今のうちに手を打たないと危険なことになる」と感じる
しかし、そうでない人は「そんな馬鹿げたことは起きっこない」と思う
この早めにセンサーが働いてアラームを鳴らす人の心配が単なる杞憂であれば良いのだが
過去の歴史を振り返ると、今は危険水域に近づいているような気が、、、

宮台真司氏によればネトウヨは「感情の劣化」の最たるものらしい
しかし「天皇機関説事件」の本によれば、そんな馬鹿げた、
今にして思えば説得力を持たない(ネトウヨのような)理屈が
いつのまにか、どうにもならない世界を作り出してしまったとしている
遅くならないうちに、なにか言えるうちに何かを言い続けないと  危ない
(国も市も)

いつものよくまとまらない話 

 

コメント (2)
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