パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

最近、良く聴く音楽は固定しつつある

2017年10月07日 08時25分32秒 | あれこれ考えること

それなりに所有しているクラシック音楽の音楽ソフト
ところが、最近は手に取るものがだいぶ固定化してきている
年令を重ねて、足し算よりも引き算、つまり選別していかないと(人生には)時間が足りない
と感じるようになったからかもしれないが、元々持っている自分の好みや感情に
正直になってきたのかもしれない 

ついつい引っ張り出すのは圧倒的にモーツァルト
ピアノ協奏曲・ヴァイオリンソナタ・弦楽四重奏曲を始めとする室内楽曲・ピアノソナタ・交響曲・オペラ
(取り上げた順番は聴く頻度の高い順)
そして聴く度に本当にすごいなと思うのは、歌がそれぞれの楽器間、フレーズで会話しあって
よく聴くと(しっかり聴かないと抵抗感がないだけで気が付かない)微妙な変化があって、まるで気分の変化
のようで、そして「美しいもの」というのはこういうものだと思える瞬間があって(圧倒的な感動とか感傷的とか違って)
それらが完璧という表現しか思いつかないような形で耳に届く
もちろん、天才モーツァルトにも駄作はあるようで、イマイチだなと思えるようなものもある
直感的なアイデアに富んでなくて、途中から職人風の作曲技術でこなしているような作品もある

直感的なアイデア、すっと心のなかに入っていく音楽
聞きやすいだけが良いわけではないが、本当に才能のあるものは音楽の最初から何かが違う
これは小説類の冒頭にも言えるかもしれない
最初の数行で自分と波長が合うか合わないか判断できたり、その先の何かが予感できたりする
小説に限らず科学的な分野の本でも、直感的に満ちたものかどうかは何となく分かる(と言っても個人的判断だけれど)

バッハの音楽はすごいと思う
その職人的な技術の完璧さ、どこか精神という言葉がふさわしいような音の流れ
でも横着が好きな自分にはちょいと辛い
ゲレングールドのピアノ演奏で有名なゴールドベルク変奏曲
この曲は変奏曲というだけあって主題のカノンが一度ごとに職人技で滞ることなく展開される
この様に変奏のパターンがこの曲の場合とても秩序だっている(と解説文にあった)

また平均律ではハ調長・ハ短調・嬰ハ長調・嬰ハ短調、、、とこれまた規則的に
真面目に秩序だっている
そして前奏曲に続くフーガも  とても真面目で中身が濃い
でも自分にとっては真面目過ぎる
例えば曲のなかに面白くしようとする部分があっても、それは理性で考えられた面白さのよう
 

ところがモーツァルトの音楽を聴くと、例えば変奏曲でももっと自由に感情の赴くまま
音楽が進んでいくように感じられる
そしてホッとする
もっと直感に富んだ音楽のよう

この直感というもの(あるいは好み)が、果たして何に由来するのか
生きてきた経験値、それとも生まれ持ったもの、、なのか
そしてこの直感と言うものは、人がいろんなことを判断するにおいて、信用するに値するか

一言で言ってしまえば、単なる好みに過ぎないかもしれない直感
それの支配する力の強さを侮れないことは、最近読んだ認知心理学関係の本で明らかにされたし
そうでなくても、なんとなく経験でわかっている

直感の指し示すもののなかには、人への評価がある
何かを考えたわけでなく、なんとなく感じる第一印象
この印象を忘却の彼方へ消し去ることは難しい

ただ問題は、自分のことは長年付き合っているのでわかってるつもりでも
他人からは直感的にどう思われているのかは分からないということ
(偏屈な頑固者  くらいかな、、、仕方ない )

わけのわからない話はやめて、モーツァルトを聴こう
今の気分で取り出すのは、オイストラフでK364かな 
(相変わらずの毒にも薬にもならない話) 



 


 

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