なかなか書く気が起らず、今まで先延ばしにしてきましたが
私が行う『早期再発性ホジキンリンパ腫の治療メニュー』について。
正直、自分にとっては少し目をそむけたい内容でもある。
でも、このブログを最初に書こうと思った理由が
『情報を求める人へ、詳しい治療の情報と自分の経験を伝えたい』
だったこと。
それと、今書き残すことで
自分自身、辛い治療に立ち向かう覚悟を決めたかったこと。
そんな思いがあったので… 書くことにしました。
以下、専門的&かなりの長文です。
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1年以内にホジキンリンパ腫が再発した場合、以下のメニューが
標準治療として実施される。
【1】『ABVD』抗がん剤治療を4〜6コース実施
【2】自己末梢血 幹細胞移植+大量抗がん剤投与を実施。
まず【1】で一度がんを寛解させてから
続けて【2】の治療を行う事になる。
では詳しい内容について。
【1】抗がん剤治療4〜6コース
これは前回行なったのと全く同じ抗がん剤を投与します。
細かいことは以前の闘病記で書いているので省略しますが
「ABVD」の抗がん剤治療を4〜6コース実施します。
(1コース2回投与なので、計8〜12回の投与)
前回の投与から半年以内に再発すると、体に耐性がついて
同じ治療が実施できないらしいが、私の場合は
約10ヶ月経過していて、さらに先回2コースしか実施しなかったので
同じ治療で大丈夫らしい。
この抗がん剤がうまく効けば、の話だが
ひとまず がん細胞が体から無くなるまで(寛解まで)この治療を続ける。
2コースでがんが無くなればそこで終了するかもしれないし
6コースまで実施するかもしれない。
※人生で合計8コースしか投与できない。理由は『A』のアドリアシン
という薬が、心臓の筋肉に与える毒性が非常に強いため
薬の効きが悪いときは、抗がん剤の種類を変えて治療をする。
4コースで終わると仮定して、終了するのは2月の末くらい。
初発も再発もこの治療でとんでもなく苦しんでますが
この治療を初発の2倍〜3倍実施します…
でも、免疫低下による合併症等は除き
この治療で死んでしまう様なことはまずありません。
【2】自己末梢血 幹細胞移植&大量抗がん剤投与
「短期でホジキンリンパ腫が再発してしまった場合は
再度抗がん剤で寛解しても70%以上の確率でまた再発する」
というデータがあるそうです。
その為、通常の抗がん剤治療に加えて 根治を目指した治療が追加されます。
それが【2】の治療。
再発時の年齢が若い場合、短期の再発でなくても 予後の長期生存を目指して
この治療を実施する傾向にあるようです。
んで、具体的には何をするのか?
「再発する患者は基本的に血液を造る細胞自体に問題がある」
という考えの元、体内のあらゆる細胞を一度殺す治療をする。
その手段が、『大量抗がん剤投与』ということになります。
使える抗がん剤は数パターンあるらしいが、『ABVD』とは別のものを使う。
数日かけて、大量の抗がん剤(医師いわく、人が2~3人殺せる量)を
死なないように体を管理しながら投与をする。
この治療の負荷によって死亡する確率が、日本の実績で10~15%。
文字通り、死ぬほど辛い治療になるはずだ。
この治療を行うと、体内で血液を作ることができなくなってしまい
そのままでは死んでしまう。
その為、あらかじめ血液を造る幹細胞『自己末梢血 幹細胞』を取っておき
移植をする必要がある。
つまり
(1)骨髄から自分の造血幹細胞を採取する
(2)大量の抗がん剤を投与して細胞を殺す
(3)とっておいた自分の造血幹細胞を骨髄に戻す
というステップで治療をおこなう訳です。
造血幹細胞採取の際は、また別の抗がん剤(CHEASE)投与が必要になります。
小難しく書いてしまいましたが
ざっくり言うと、要するに『骨髄移植』です。
でも、白血病の様に 適合のドナーを探して他人の骨髄を移植するのではなく
自分の骨髄を移植できるので、かなりリスクは低いそう。
ただし、骨髄に転移があるステージ4の場合は
白血病と同じくドナーを探して移植する必要があります。
(私はセーフでした)
この治療を行った後の5年以上長期生存率は40~45%。
あらゆる細胞に影響が出る為、当然薬が手放せない生活にもなります。
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長々書きましたが、以上です。
治療での死亡率は10%以上
5年以上の長期生存率は50%以下
サイコロの丁半博打よりも分が悪い。
でも、病気の治療は博打とは違うんだ。
割合でくくられたって、患者の条件がみんな同じ訳じゃない。
私には守る家族がある、夢がある、信頼できる医師がいる
体力も考える知恵もある、そして治療に真っ向から立ち向かう強い意志がある。
絶対に負けない
どんな辛い治療も必ず乗り越えて見せる
後悔だけは絶対にしたくない。
出来ること、やるべきことを全力でやっていきます。