goo blog サービス終了のお知らせ 

美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

あさってから2学期! ~長野県の夏休みが短いわけ~ 

2014年08月19日 20時45分49秒 | 雑感ノート
裾花中学校,長崎です。

本校は,あさって8月21日が始業式です。

明日は,職員会があったり,授業の準備をしたり…ということで学校に出勤します。
美術部も文化祭に向けてステージバック制作のために朝から活動します。

全国の方々は,「え!?もう始業式?と驚かれるでしょうが,長野県ではだいたいこんな感じで,お盆が終わるとすぐに2学期が始まります。

ちなみに本校は,というと,7月29日から休みに入りましたので…夏休みは23日間ですね。

長野県教育委員会のホームページには,こんなページがありますが…

・長野県の学校はどうして夏休みが短いのですか

その質問の,納得できる答えになっているかというと,少々疑問です。
もちろん各学校ごとに休業日を決めているのはそのとおりなのですが,夏休みが短い分,他の日に休みを回しています…みたいに読めます。

実は大事なのは,年間の登校日数なのです。

本校の今年度の年間登校日数は210です。たぶん近隣の小中学校もだいたい同じだと思います。
全国でいうと,登校日数は200日より下という学校がほとんどでしょう。

長野県のホームページで,こんなページを見つけました。

・長野県の公立学校の休業日について

こちらの回答は,長野県の学校の実情や願いを正直に表していて,たぶん読まれた方々の多くは(子どもも保護者も)納得していただけるのではないでしょうか。

このブログは,小中学生の皆さんも見てくれているようなので,私からも少しだけ解説させてもらうと…

当たり前のことですが,公立学校は1年間で国語は○時間,図工は○時間…○年生では全部で○時間学習しなさい,と国で決まっています。そうした年間の教科に割り当てられた時間数は全国どこの学校だろうと同じなのです。

長野県が他の県と比べて多いのは,行事や児童会活動,学校裁量の時間といって,教科の学習以外の部分。

それは,長野県が昔から大事にしてきた運動会や音楽会(音楽会のない県も多いですよね?),遠足や文化祭,クラスマッチなど…。
他の県では,大変だからと削られてしまったり,規模が小さくなってしまったりした昔から続いてきた多くの行事が今もしっかり残っています。

長野県の先生たちは子どもたちが本当の意味で成長するためには,教科の学習だけではないそれ以外のところも大切だと思っているからなのです。

その結果,年間の登校日数が平均すると全国よりも10日ほど多くなってしまいました。
というわけです。

こんな理由で,長野県の夏休みは短いのですが…。
どうでしょう。
それでも納得してもらえない方々は多いかもしれませんね…。

でも,長野県の夏は他県に比べてやっぱり涼しいと思いますよ!
長野県の小中学生の皆さん,あさってからまたがんばろう~!


記事に興味を持っていただけましたら,クリックしてください。
にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へにほんブログ村



絵を描く意味

2014年08月17日 22時37分35秒 | 雑感ノート
長崎です。

義理の祖父が15日に亡くなった。

ずっと寝たきりだったが、家には祖父が描いた油絵がたくさん飾られていた。
祖父は頑固な中学校の美術教師だったらしい。

らしい、というのは、本人からは絵の話も教師時代の話も聞いたことがなかったから。
いや、私がなんとなく聞きづらかったという方が正しい。

先ほど、お通夜のあと、初めて祖父のアトリエを見せてもらった。
この部屋には祖父は何年も入っていないはずだ。

使い古した絵筆。
描きかけのキャンバス。
イーゼルに着いた絵の具の色。

そこには、確かに祖父の思いや歴史、生きていた証が残されていた。

私には、ここが祖父の人生そのもののように思えた。

絵を描くって、ものの姿を写しながら、やっぱり人の想いを後に残す行為なんだ。
これは、音楽とも文学とも違う。
美術にしかできないことだ。
ましてや写真じゃできない。

ほんの少し、人が絵を描く意味が分かったような気がします。
ありがとうございました。

絵のこと、教育のこと、もっと話せばよかったな。

よしだナイトプロジェクト 平成27年度版 図画工作の教科書に!

2014年05月29日 21時07分01秒 | 雑感ノート
裾花中学校,長崎です。

ご存じの方も多いと思いますが,来年度,図工の教科書が変わります。

先日,日本文教出版の平成27年度版教科書を見せていただきました。


全面改定された教科書は色彩豊かで写真も多く,ページをめくるだけでもワクワクしてきます。
きっと小学生の子どもたちも同じような感想を持つことでしょうね。

教師側から見ると,材料や用具の扱いについてのページがとても丁寧に書かれており,授業ですぐにも使えそうです。

また,作品の展示の仕方や図工の地域への広がり,人とのつながりなどについても大きく取り上げられていて,造形活動のいろいろな可能性にふれることもできます。

これを見た子どもたちであれば,誰もが「やってみたい!」と思えるような取り上げ方がされていました。

その5・6年上の教科書に,よしだナイトプロジェクト2012のことを載せていただくことになりました!

29ページ上に,解説の文章とともに校門の上に並べられたアルミ缶とプラスチックカップで作ったキャンドルの様子が写真で紹介されています。
うっすら雪がつもっているところが,冬の夜の感じがでています。

教科書に載る,というのはずいぶん前から担当の方に教えていただいてはいたのですが,こうしてきれいに製本されてみると…,本当に本当に!うれしく思います。


記事に興味を持っていただけましたら,クリックしてください。
にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へにほんブログ村

教育・学校 ブログランキングへ

図工美術の題材に,必要感は必要!?

2014年05月17日 22時28分28秒 | 雑感ノート
裾花中学校,長崎です。

10年ほど前から,私が授業をするときに心がけているのが,子どもたちにとっての必要感です。
これは,図工美術に限らず,算数でも国語でもそうでした。
なかなかすべての授業でこれができるかというと難しいのですが…。

さて,これをお読みになっている皆さんはどう思いますか?

「~したいから,どうしてもヒマワリの絵を描きたい!」

「~のためには,絶対に粘土で友だちの姿を表したい。」

子どもたちのそんな姿が想像できますか?
う~ん。できるものならそうしたいけれど,必要感を持たせるって,そんなに簡単ではないですよね。


6年生の題材『残したい想い出』では,「忘れたくない○年生のときのあの光景を絵に残そう」という提案を子どもたちにしました。
卒業を目の前に控えた6年生だからこそ,の題材で,「あのときの校舎の感じ,友だちの顔,聞こえてくる音,天気,気持ち。」その子のまぶたの裏に見えている光景を具体的に
表していくにはどうしたらいいか,自然と追求が深まっていきました。

今年度中学2年生で行っている,自分のテーマ曲からの想像画も,いったいどうしたら生徒が必要感を持って具体物を描くことができるか,という発想からたどりついた題材です。

「描かされる」から「描きたい」に意識が変わるには必要感しかない,と私は思うのです。

私にもまだ答えは見えていませんが,とりあえず今の私の教育観の拠り所は「子どもにとっての必要感」なのです…。

記事に興味を持っていただけましたら,クリックしてください。
にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へにほんブログ村

教育・学校 ブログランキングへ

NHK Eテレ新番組『キミなら何つくる?』

2014年04月09日 21時03分29秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

先日お伝えした,Eテレで始まった図工の新番組『キミなら何つくる?』見ましたか?


なかなかよく考えられていて,おもしろい番組になっていると感じましたが,皆さんはいかがでしたでしょうか?

第1回は「えがこう!感じてフラワー」。COWCOWの2人とうぶちゃんという女の子が,花の絵を描いていくわけですが…,

先生役のよしくんが

『ぼくは,花の形がおもしろいと思って,形で描いている』

と言って,

『今日は,それぞれが感じた花を,思うように描いてみよう』

と2人に投げかけます。
(これって,師範と学習課題ですよね!)


紙をを選んで,さぁ描き始めようと思ったら,うぶちゃんは,

「花のやさしいふんわりした感じを描きたいんだけど,花を見ないとうまく描けないよ」

と言います。
(「描きたいものがあっても,描き方がわからない」子どもがよく言う言葉です。)

これに,よしくんはナイスな返しをします!

『見たままそっくりに描こうと思わなくてもええやん。うぶちゃんが思う,やさしいふんわりした色や形で描いてみたら?』

まさに理想的な声がけ,アドバイスです!


その後うぶちゃんは,絵の具の混ぜ方や水の含ませ方にもちょっとふれて,思い描く感じに描いていきます。

多田くんは,フィンガーペインティングで。


作家さんの作品紹介や実際の学校での授業の様子の紹介もあって,

これで10分とは,本当にもりだくさん!

主張したいところがしっかり伝わってくる,丁寧なつくりになっていると感じました。たくさん子どもたち,そして先生方に見てもらいたい番組です。

長野県には,図工の専科の先生はいません。どの小学校でも,担任の先生が図工を教えます。
なので,昔ながらの作品主義的な指導法がいまだに普通におこなわれていたりします。
そんな先生方には「目から鱗」でしょう!
次回も楽しみです。

さて,明日から教科の授業が始まります。まずは明日はオリエンテーション。
どんなオリエンテーションを行うのか。またご紹介していきたいと思います。



興味を持った記事がありましたら,クリックしてください。
にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へにほんブログ村

図工の番組がNHKで放送開始だそうです!

2014年04月08日 18時09分46秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

NHK(Eテレ)で,明日9日9:10~9:20,図工の新番組が放送されるようです。


NHKのブログでは,

『決まった「正解」がない図工。だからこそ、自分の思いを表現するための「発想・構想」の過程を大切に番組を作っていきたいと思っています。番組を見た子どもたちが「自分も作ってみたい!」と思ってくれることを願っています。
番組ホームページ上には、みんながつくった作品を見られたり、自分がつくった作品の写真を送れたりするコーナーもあります。作品の写真や番組の感想を、ぜひホームページにお寄せください!』

と,紹介されていました。

楽しみですね!これを機に,図工美術がもっと盛り上がったらいいのになぁ…!


にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へ
にほんブログ村

明日は入学式!

2014年04月03日 22時07分41秒 | 雑感ノート
裾花中,長崎です。

県下の多くの学校も同じだと思いますが,本校も明日は平成26年度入学式です。
新しい生徒を迎える準備と,クラス替え後の私のクラスの準備とで,美術のことについて考えている余裕はあまりなかったのですが…。

教科会の中でスケッチブックの扱いについて話題になりました。
毎年1年生の最初に,スケッチブックを購入する学校は多いと思いますが,みなさんの学校ではどのように使っていますか?
私は,なかなか3年間でしっかりと使いこなせていないのが正直なところです。
サイズも小さくし,枚数も少なくして,アイデアスケッチなどではフル活用してはいますが,もっと有効な使い方はありそうです。

このあたりのことについても,今後話題にしていけたら,と思います。