美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

子どもたちが考える“上手な絵”って?~その2~

2014年07月02日 22時02分11秒 | 裾花中 美術室から
長崎です。

『リアル』『遠近感』『色遣い』『精密感』『立体感』

これが子どもたちが考える「上手な絵」。

「そんな絵は誰でも描けるようになるよ。そうじゃなくて,感じたことを自分らしく表現すればいいんだよ。」

私の言葉は子どもたちに届いてはいるけれど,子どもたちは簡単には納得しません。
だって,そういう絵を描いてみたいんだから…。

だとするなら,技能的な部分での指導も時には必要でしょう。
でもあくまでそれは,スキル獲得が目的なのではなく,表したい事柄を自分らしく表すため。
主題追求のため,でなくてはいけないと思います。

さてでは,どんな指導をしたらよいのか。
私は,新たな視点での「ものの見方考え方」のヒントを与える,ことが指導なのではないかと思っています,がいかがでしょう?

そうですね。
どんなことが新たな視点になるでしょうか。
例えば [明るいか暗いか],でモチーフを見てみること。はどうでしょう。

昨日の投稿に,生徒の学習カードの写真がありましたが,その記述の中にもありました。
光が当たっているところ,影になっているところ,ものの色と色を比べて,どちらがどれだけ明るいか,どちらがどれだけ暗いか,で色を決めて,着色していく。


時には固有色を無視しても,明暗さえしっかり描けていれば,子どもたちの言う『立体感』のある,『リアル』な絵になっていくのではないでしょうか。

明暗でものをみる,なんてことは私たちにとっては当たり前のことではありますが,当たり前と思っていたら,実は子どもにしてみると当たり前ではなかった,なんてことはよくあります。

もちろん新たな視点での「ものの見方考え方」のヒントになりそうなことは,まだまだいろいろ考えられるでしょう。


そんな新たな視点を,私たちの図工美術の指導にも取り入れていきたいものです。


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子どもたちが考える“上手な絵”って?

2014年07月01日 22時17分48秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。

人は,いつ頃から絵に苦手意識を持ち始めるのでしょう。
小学校4・5年生あたりからでしょうか。

中学生ともなると,絵を描くのが苦手,という子がかなり多くなります。
描く題材になると,意欲ががたんと落ちてしまいます。

それでも必要感を持って描けるよう,いろいろ考えて,驚きと感動のある授業を行ってきているわけですが…。
(おっと,この「感動」というキーワード。「感動」こそが創作活動の原動力となる!というのが私の持論です…。このことについてはまたいつかじっくりと)

「上手く描けない」と生徒は言います。
「うまい」って何だ? 何がどうなっていると「上手」なんだ?
子どもたちが考える「上手な絵」ってなんだろう…?

よし!聞いてしまおう!

と,いうわけで,来週研究授業を行う私のクラスの生徒に書いてもらいました。




『リアル』『遠近感』『色遣い』『精密感』『立体感』

子どもたちが考える「上手な絵」とは,おおむねこんなところでした!
これらの回答に対する,私なりの考察については明日お伝えしましょう!


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来週は研究授業~!

2014年06月30日 16時20分37秒 | 裾花中 美術室から
長崎です。

今日は北信大会後の計画休業日。
なのでこんな時間に更新です。


裾花中では,教員は1年に1回,必ず授業公開をすることになっています。
また,各教科ごとに教科内研究授業というものも行われます。

美術科は2人で行っているため,毎年教科内研究授業を2人で行い,指導主事の先生をお呼びしてご指導いただいています。

今年は,来週がその日!

私は2年生で授業を行おうと思い,今指導案を書いています…。


2年生は,自分のテーマ曲から発想して想像画に表す題材。
授業は,着色に入る直前のあたりになりそうです。

まだ1時間の流れがしっくりこなくて,産みの苦しみの真っ最中~!!



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中学3年生の最後の題材 大募集!

2014年06月16日 21時16分44秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。

湯本先生から石のオブジェ(お守り)【6/15投稿】,坂井先生からはペットボトルのタイムカプセル【5/15投稿】,と,お二人の先生から,中3の最後の題材の紹介をしていただきました。

義務教育最後の題材となると,生徒たちに対する私たち教師の思いがいっぱい込められた題材になるのではないかと思います。

そういう私は昨年度まで,木製の箱(彫刻)作りでした。
小学6年生っぽくて,ごめんなさい。
最終の時数調整がしやすいというのがよさです…(笑)

なんて,冗談ですよ。


さて,これをご覧の美術科の先生方は,どんな題材で中3をしめくくりますか?
中1のオリエンテーションと同じくらい,私は興味があります。

「こんな題材をやってるよ」という先生がいらしたら,メッセージかコメントをいただけるとうれしいです。

よろしくお願いします!


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教育美術6月号 

2014年06月02日 20時58分09秒 | 裾花中 美術室から
裾花中学校,長崎です。

『教育美術』の6月号の特集は,「美術教育のサポーターⅠ〈インターネット編〉」


こちらで,美 going on を紹介していただきました。
たくさんの有名ブログに混じって載せていただき,とても恐縮してしまいます。

さて,今回の特集の中,「中学校美術ネット」の加藤浩司さんの記事をたいへん興味深く読まさせていただきました。

まずは,全国の美術科教員の約6割以上が45歳以上という事実に驚き…!
平均年齢が46.2歳で,美術がダントツに高いのに驚き…!
35歳以下の美術科教員は10.6%で,これまた一番少ないということに…,本当にショックを受けました。

加藤さんは,さらに「つながることが大きな力を生み出す」と訴えています。

私もまったく同感です。

個人と個人,様々な団体とつながっていくことで,私たちは自信を持って教育にあたることができます。

今,長野県美術教育研究会でも少しずつですが,つながることを大切にしようと,事務局を初め上層部の方々によって,新しい組織作りへと改革を進めていただいています。

図画工作美術科の未来のために,私も微力ながらこれからもがんばっていきたいと思います。

「e-Stat学校教員統計調査」 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001038372&cycode=0
「中学校美術ネット」 http://jhsart.net/

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中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~

2014年04月02日 18時29分35秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。

アドレス使えるようになりました。メッセージ,コメントお待ちしています(^_^)/

さて,前回の続きですが,裾花中では1年生の最初の題材は,“MYてぬぐい”です。
題材名は『粋にならべて 日本を感じて』

まず,てぬぐいは中学生になって初めて清掃時に使うことになるもの。これまでは全くといって良いほどなじみのない物だと思います。
そのデザインにこれからの中学校生活への願いを込めてオリジナルの手ぬぐいを制作していきます。

キーワードは「粋」。

手ぬぐいは,今でも多くの日本人に愛される日常品の一つであり,伝統的な工芸品でもあります。
江戸時代には生活必需品として定着し,「粋」や「洒落」を演出するために,そのデザインには縁起柄や吉祥柄を組み合わせたものも存在します。

子どもたちは,デザインのおもしろさを感じ,工夫しながら,昔の人々と同じように,自然にそこに願いを込めて製作していくことになるのです。
つまり,これが「表現主題」ですよね!

この題材から入ることで,図工からスムーズに美術へと移行していけることを願っています。

今年の1年生の制作の様子も。随時アップしていきますので,お楽しみに!

・中一ギャップは図工美術にもある!?~その1~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その2~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その3~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~

平成26年度がスタート!

2014年04月01日 21時54分48秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。

本日は4月1日。
今日から平成26年度がスタートしました!

年度の変わり目ということで,現在メッセージを送っていただくアドレスが,私自身使用できず,内容を確認できずにいます。
別のアドレスに設定し直されるまで,しばらくお待ちください。ご迷惑をおかけします。

中一ギャップは図工美術にもある!?~その3~

2014年03月31日 15時18分20秒 | 裾花中 美術室から
裾花中学校 長崎です。

昨日のつづき…。さぁやっと本題に入ります。

どんなテーマでもかまわないけれど,『自分のテーマ』に向かって試行錯誤しながら制作していくのが美術なのでしょう。

だけど,子どもたちがこれまで学んできた図工とこれから学んでいく美術とでは…,私たち大人はすんなりつながるものでも,子どもたちにとっては少し感じ方が違うんだということを知っておかなければならないと思うのです。

3年間の美術で学ばせたいことはたくさんあるけれど,時間数の少ない中でやりくりしていくと中一の最初からしっかり美術そのものにふれさせることになりがちなのですが…。

小学校の教師を長く続けてきた私としては,生徒がつまづく中一の最初の数ヶ月の題材はよ~く吟味する必要があるのではないでしょうか,と訴えたいわけです。

みなさんは,この春入学してくる中学一年生の最初の題材,どんな授業をするつもりですか?

・中一ギャップは図工美術にもある!?~その1~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その2~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その3~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~

中一ギャップは図工美術にもある!?~その2~

2014年03月30日 11時36分22秒 | 裾花中 美術室から
裾花中,長崎です。昨日の続きです。

小6の子どもたちにとって,「表現主題」って,楽しい図工には関係のないものだったのです。

図画工作では,主題は無くてもかまわない…とは言わないまでも,漠然とあればいい。私はよく「表現への願い」という言葉を使いますが,主題というよりは「なんとなくこんな感じにしたい」くらい。

つくっていく中で「願い」が少しずつ更新されて,主題になっていけばいいし,願いのまま作品になった(またはならなかった)としても,その過程の中での一人一人の子どもの学びを評価したいのです。

もちろんそれこそが,図画工作が目指す「つくり出す喜び」につながるもので,逆に言えば,図画工作の題材では,子どもたちに明確な主題は必要ない,とさえ思います

そんな学習を6年間積み重ねてきた子どもたちが中学校に入学し,「表現主題」をつきつけられるわけです。

『アナタハ コノ作品デ 何ヲ アラワシタイノ?』

「え?なにそれ!?」「作って楽しい,描いて楽しいじゃいけないの?」


ちょっと専門的になりすぎてきたかな?もう少しおつきあいください。

つづく…!

・中一ギャップは図工美術にもある!?~その1~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その2~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その3~
・中一ギャップは図工美術にもある!?~その4~