空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

不ニ(ふじ)

2006-11-23 15:32:19 | プロフィール
 10/5から始まった『ナナン』のネットでの連載を昨日終えて、今さらながら気づいたのですが、ここに出て来る重要な場所としての“富士”とはたしか昔“不ニ”、とも書かれたとどこかで見た覚えがあります。それは富士の名としては世界に二つとない山、という意味だったと思うのですが、その文字の持つ“ニではない”という意味はまさに今にシンクロしていて、これからニ極ではなくワンネスへと向かおうとしている世界であることを思うと、不ニとはなんと象徴的な響きであることかと思わされます。

 『ナナン』に出てくるエピソードの中にはすべてではありませんが実際に経験したことを記しています。2000年の正月から3年ほどの間になだれを打って現れた数々のエピソードの集大成的なものを、スナイやナンネクといったわたしの思い入れある人物像に助けられて形にしてみました。

 例えばスナイの清めの儀式。聖なる植物を焚いた煙が場を浄化するというのは、ネイティブが使うといわれる特殊なセージを焚いた時に実際起こったことです。また、由緒ある神社でのお祓いでもそれはたしかにあり、受け取るためにわたし自身が変わったのも事実です。

 スナイにナナが現れる場面はこれも何年も前ですが実際にR・Lさんという方にある存在が現れるときに縁あって居合わせた時のその現場の空気感を描かせてもらったものです。
 また、スナイが意識をたましいのレベルに上げているとき、ひとからは顔が消え、肉体が消え、ゆらめく炎だけになる、というのも実際にそういった方であるJ・Cさんという方から聞いたお話です。この方が天と地を結ぶヒーリングをされたとき、心身の病に苦しむ友人の傷ひとつないありありとした根源的な魂に触れました。今想えばこの経験は決定的に大きいものがありました。そこにわたしの生命を信じる土台があります。

 日本武尊との出会いや夢の内容(一部わかりやすい構成に変えてありますが)、各地の神社や富士山に関連した神社でのエピソード、合気の技の最中に起こったこと、空に太古と未来と今が同時に存在すること、未来はあかるいこと、美しい地球を見おろしたときの安らいだ感覚、そして自分に剣を落として自分を祓ったときに起きたこと等々は実際のわたしの経験を書いています。
 特に、神社であったことは事実ですので、各神社の素晴らしさはぜひ実際に行って感じていただきたいと思います。そして、ここに書かれた神社に限らず、由緒ある仏閣もそうですし、建物などない自然の聖地はもちろん、日本には今も八百万(やおよろず)ほどの聖域があるのです。

 これらの断片的な出来事をつないでいっているので物語としての面白みには欠けるかもしれません。舞台は設定させてもらっていますが、フィクションと明記しようとしてやめたのは全くのフィクションではないからで、ジャンル的にはメッセージ・ストーリーとでもいうしかないのかもしれません。

 ここでは“階段の踊場”と表現されていますが、そういったようなある節目は迫ってきています。1999年と2000年とではあきらかに(特に目にみえない部分で)変わったように、これから6、7年後に来る変化は想像を超えるでしょう。
 2000年からさらにクリアになってきたその準備のためのうねりの中で、自分のたましいを見失わないで、世界の中の自分を、世界のために捧げてゆくことがこの峠を“真っ直ぐ越え”する道のようです。もちろん遠回りの道や、行き止まって違う道を選ぶといったそういった道は限りなくあまたあります。
さあ、この踊り場で、わたしたちはいったいどう踊るのでしょうか?

 最後に、この話で重要な役割を担っている日本武尊の登場するラジオドラマが、意識していませんでしたがこの話が終わってドンピシャのタイミングで放送されるようです。
 明日です。よろしかったら有名な日本武尊のエピソードをもう一度わかりやすいドラマとして味わってみてください。
 

NHK FMラジオ「ドラマ古事記」
昨年の第1部に続いて、今年は「第2部まほろば篇」
11/25
土曜夜10時~(50分)
脚本:市川森一/出演:石坂浩二 戸田恵子 江守徹 加賀美幸子

~第2部の今回はヤマトタケルが登場。女装した美少年が宴会にまぎれこんで敵を倒したり、父親にうとまれているのではと嘆くヤマトタケルを叔母のヤマトヒメがなぐさめたりと人間くさいドラマが次々に繰り広げられる。ヤマトタケルの哀しい最期も聞き所のひとつ。日本最古の歴史書「古事記」がこんなにおもしろい話だったのかと驚かされる。去年の反響は大きく、来年は第3部が予定されている。~

ひとつの“連絡網”であるところの
空歩く者 ben-chicchan(ベン・チークチャン)

『ナナン』
http://nana-n.jugem.jp