言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

源平の夢・平家物語

2007年05月02日 | Weblog
 先日も登場した厳島神社の写真を見ると、それは風景としては画になるもんだと感心している。偶には、叉訪れてぶらついていても構わないという程度ではあるのだが。
 で、この場所を舞台として数々の歴史的な展開もあるのだが、現在は「夢」に関して書いているので、それに付いての話を続けよう。

 平清盛が安芸守だった頃、厳島に参拝した時の夢枕に厳島大明神が現れ「汝、この剣を以て一天四海を鎮め、朝家の御守りたるべし」のお告げと枕頭に銀製蛭巻の小長刀を得た。
 栄耀栄華を極めた後、慌て福原遷都した時、今度はいきなり枕元から忽然と消えてしまった。没落の予告である。
 次は、源氏の出番なのだが、どういう訳か源雅頼の若侍の夢に八幡大菩薩が頼朝に節刀を賜うという。何だか、夢の仲介者が多くてややこしいのだが、要は源平の力関係が逆転するぞと言う事だ。
 神様の勝手な辻褄合わせの権力交替予告編に使われた「夢」である。
 奇異譚としての物語の常套手段なのだ。

 個人の夢として見るのなら、血なまぐさい世俗の欲望にまみれたものは勘弁して貰おう。
 仄かに幸せを思う身を包むもので良いのである。