言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

北朝鮮と牡丹

2016年03月11日 | Weblog
 北朝鮮に触れたついでに、思い出した事がある。
 「赤旗」の特派員をしていた大学の先輩の話である。
 視察に出ていたジョンイルが大勢の供を連れ歩いていた時のことだ。
 
 ジョンイルは牡丹の花が好きで-何も中国かぶれのもたらした結果では無く単に好みの問題だと思うが-視察先でも丹精込めた花が無理繰りに盛んな華精を発揮して満開状態になっていた。歓迎の意を表さなくてはならないのだから。
 それは良かったのだが、その時に悲劇が起こった。
 あまりにも偶然に、沢山ある花の中で最前列の花がポロリと一つ落ちたのだそうだ。
 哀れなのは牡丹の管理人である。言うまでもなくそのまま刑場の露と消え去ったそうなのだ。

 先輩はしみじみと思い出して語っていた、
 “だから言ったではないか!花を針金で括っておけと!”
という述懐の苦々しさには、北での生活の中で個人的な繋がりがあったことなんだろう人を救えなかった思いが籠もっていたように、私には思えた。

 花一つで人の命が!
 まかり間違うと、国家全体がたった一人のこんな人物の機嫌一つで、そして判断一つで暗黒世界から抜け出せないまま幾世代も送らねばならない。
 我々日本人は、肝に銘ずべきである。

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1 コメント

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Unknown (只野 茂煮多)
2016-03-12 22:28:59
はなのいろは うつりにけりな いたづらに!
なんてことでしょう!!

私ならレモングラスを植えておきます(笑)
邪気がわが地に流れ込んで来ないように…

それともコンクリートの壁を作りませうか…

ボタンの開花寿命は短いです。
花の専門家であればいつ散るのかが瞬時にわかります。
花に携わる管理人としては失格だったのでしょう。
だからと言って粛清は恐ろしい話ですね。
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