言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

いくさ(17)軍・階級

2010年05月10日 | Weblog
 古代軍団編成階級用語で最後になった「校尉」の尉の漢字説明である。
 中国の秦・漢に「大尉」をもって兵事を掌る職掌として存在していた。その他に「廷尉」は獄吏として、各県に「尉」を配置していたし、「尉」・「騎尉」などあったがこれら全て皆「武職」としての職名である。軍事と警察を兼ね、処刑の役目も負っていたのである。
 清の時代には「城守尉」・「防守尉」と様々に命名されながら「尉」の階級職種は存在し続けた。
 現在、将校として最下級の階級とされているのは皆さんご存知の通りである。

 日本の古代官制の四等官(カミ・スケ・ジョウ・サカン)ではジョウにあたる。
 大宝令に於いては兵衛府は名称が異なっていたが、養老令からは揃って衛府の第三位の官位である。軍団では校尉の1種類だが、中央官庁としての各衛府での尉官の種類は大尉と少尉の2階級である。
 
 漢字組成の解説を忘れそうだ。
 左部分は尻の下に並べるの意味、右部分「寸」は手の意味である。尻の下に並べ畳み掛け更に火熨斗を掛けて押さえつける様を言う。「熨(ひのし)」の源字なのである。

 キッチリした気分になる漢字だが、輩を鎮圧して押さえる武官の意味である。
 今も、幹部候補生学校出の尉官は若さがそのまま表に出ているし、叩き上げはそれなりに勢いを以て存在して居る気がするものだから尉の漢字の意味宜しく当て嵌まるではないかという気がするのだが。