言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

律令制度化の軍団

2007年02月23日 | Weblog
 言うまでもなく、軍団の最小単位は「兵」である。
 次ぎに「伍」。片手の指の数が「五」。「五」は「互角」の「互」でもあり、組み合わさってがっちりしているという意味を表す。
 現在の自衛隊の分隊の単位でもある。
 一番簡単に齟齬を来さない程度に機動的な単位でもある。
 次の単位はこれも以前に述べた「火」なのだが、「人偏+火」と書くのは隋・唐の律令制度化の軍編成のである。単なる火と区別するために人偏を添えたものである。
 両手を合わせた数としてこれも成る程と頷くことは出来る。
 で、次の単位が、「隊正(たいしょう)」で、今度は50人隊長だ。
 100人隊長を「旅帥(りょすい)」という。これは2伍→1火に対応して、2隊正→1旅帥となる。

律令制度化の軍隊

2007年02月21日 | Weblog
 それにしても大毅以下1000~600名の軍事編成の基本が随唐の律令制度を基本にしているには違いないが、指揮官からして散位とは!絶句するくらいに待遇が悪かったに違いない。
 改編すること数度に及び、軍事的な役割がハッキリと機能した記録がないまま消滅している。
 国司による使役が甚だしい事もあり、本来の役割から離れて私益に随分とこき使われた結果でもある。
 国家としては、外国の侵略が無かったし、大乱も無かったようだから、それも平和と言えば平和であったろうが、壮年に兵として赴き、白髪にしてやっと任務完了ではたまったものではない。
 組織は利用するものだが、これでは本来任務が有っても良くないし、流用も私的では悪である。何とも表すべき言葉がない。

律令制下の軍制「火」について

2007年02月13日 | Weblog
 今回は、「火」について。

 養老律令の軍防令が成文化されて初めて軍制が整ったのではないことは今更言うまでもない。
 が、文献として纏まったものの初出がこれである以上は軍防令から検討する以外にないのだ。
 それなりに面白き事有りなのである。
 
 「火」は10人単位の編成の名称である。
 初めて見たときには「火」?とは何でそんな名前が付いたのかと不思議であった。
 それが調べてみると、炊事する人数の範囲であると気づいて成る程!と感心したのだ。
 飯を食わないではいられないのだが、火を囲んで食事をする事からとは想像もしなかった。道理で、敵を欺くために竈の数を増やしたり減らしたりという記述を眼にすることが多かった訳がここにも関係していたのである。
 この話を、陸上自衛隊の某三佐と話していてやはりおなじように成る程と軍略の知識を思いだしていたのだからその通りなのだろう。