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B-scale fan's log

Since 2004.4.16

最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

転校生 -さよなら あなた-

2008年09月04日 | 日本映画 評価5
2007年 大林宣彦監督
    蓮佛美沙子、森田直幸主演
    出演 清水美砂、田口トモロヲ、古手川祐子
『自身の作品の自らのリメイク。
 幼なじみの男女の同級生が突然の事故で、
 互いの体が入れ替わるファンタジー。』

新評価 5.0 (良作)

大林監督の作品は尾道シリーズから好きで、
一時よく見ていましたが久しぶりの鑑賞。
ところが冒頭から、あまりに傾いたフレームと、
あまりに早いカット割りに少々気分が悪く・・・。

リメイク作品なのでストーリーも知っているし、
油断して見流して忙しい映像にも慣れてくる辺りから、
物語は知らない方向に進んでいきます。
これは登場人物が死んじゃう物語かと思えば、
この監督らしい「生」にあふれる物語。
終盤に2人の体が入れ代わるのが、
また何とも悲しい展開です。

主演のひとりの蓮佛美沙子。
『バッテリー』では印象に残りませんでしたが、
本作では原田知代を連想させ好感度UPです。
今後の出演作にも期待。

サイドカーに犬

2008年07月28日 | 日本映画 評価5
2007年 根岸吉太郎監督 
    出演 竹内結子、古田新太、松本花奈、
    谷山毅、ミムラ、鈴木砂羽、椎名桔平
『30歳のOLの薫は、ある日、仕事をサボって釣堀に出かけ、
 そこで出会った少女との会話をきっかけに、
 20年前に母親が家出をした夏休みに、
 一緒に過ごした女性の事を思い出していた・・・。』

新評価 5.0

いきなり父子家庭になった家に、
ご飯を作りに来るヨーコさん。
両親の知り合いかと思ったら実は父親の愛人。
父親の新しい仕事も何か怪しいみたいで、
母親は愛想を尽かして出ていったのが分かってくる。

ヨーコさんは母親とは違うタイプの人で、
コーラは飲ませてくれるし、麦チョコは食べ放題。
タバコをふかす大人なのに、大人らしくないヨーコさんに、
少女が憧れてしまうのも分かる気がするし、
無責任さとは違う温かい友情が有ります。

結局、少女は母親に引き取られて、
ヨーコさんとはひと夏だけの友達として、
思い出だけの存在になり、
少女はヨーコさんみたいになれたかどうかは?ですが、
そんなノスタルジック感が良いな~。

脇を固める温水洋一、樹木希林もいい味出して、
トミーズ雅の演じる普段は大物ぶっているのに、
中身の“ちっさい男”、あんな奴いますよね。
伊勢谷友介が何気にちょい役なのも面白い。

幸福な食卓

2008年05月22日 | 日本映画 評価5
2006年 小松隆志監督 北乃きい主演
    出演 勝地涼、平岡祐太、さくら、
    羽場裕一、石田ゆり子
『中学3年の佐和子の家庭は、
 3年前に父親が自殺未遂。母は家を出て、
 高校で成績優秀だった兄は進学を止めた。
 ある朝、父は父親を辞めることを宣言。
 そんな彼女の前に転校生の大浦が現れ・・・。』

新評価 5.0

映画のスタート時点では完全にマイナス状態の佐和子。
明るい転校生のおかげで、だんだん上り調子に。
このままで終わる映画なら悪くないな~。
>満足度 4.0

やはり予想していましたが、
最近の邦画でお約束の突然の恋人の死。
なんだ、この映画もダメな映画か!!
>満足度 1.0

っと思っていたら、その2シーン後の
展開が秀逸。その次も、その次も。
このポジティブな連続展開におどろき。
この映画の見所はココ。
>満足度 4.5

ここで評価は終わるはずですが、
その後の5分近くにわたるカメラ長回し。
バックに流れるのはミスチルの「くるみ」。
この歌詞と佐和子の表情がいい!!
ここで更に評価UP。

夜のピクニック

2008年05月01日 | 日本映画 評価5
2006年 長澤雅彦監督 多部未華子主演
    石田卓也、郭智博、西原亜希、
    貫地谷しほり、加藤ローサ
『高校での最後の行事、一晩かけて80キロを歩く「歩行祭」で、
 ある女子高生は一度も話したことのないクラスの男子と、
 話す事が出来るかひそかに賭けをしていた。
 いっぽう男子も彼女が気になるものの話かけれない・・・。』

新評価 5.0

最初は高校生の恋の物語かと思わせつつも、
時折入る過去の映像で女子と男子の関係が、
だんだんと分かってくる。
あ~そりゃ簡単にはお互い話せないや。
上手い物語の展開です。

正直、主演女優がちょい外しているかなと思い、
今まで鑑賞の後回しになっていましたが、
役柄にぴったりでいいですね。

映像的には一昼夜かけて歩く高校生たちを、
光の変化と共に上手く映しこむのは、
さすがは岩井俊二の一門と言ったところでしょうか。
ならば少し不要なシーンがあるのも仕方無しか。

好きだ、

2008年02月08日 | 日本映画 評価5
2005年 石川寛監督
    出演 宮崎あおい、瑛太、西島秀俊、永作博美
『互いに好きなのに言いだせない17才のユウとヨースケ。
 ある出来事から2人は会わなくなってしまう。
 それから17年、二人は東京で偶然に再会する。』

新評価 5.0

公開中から興味があったのですが、ひさびさのヒット。
全編、宮崎あおいと瑛太の物語と思っていたら前編のみ。
この前編がロングショットで風景を写し込みながら、
台詞も少なめで若い二人のもどかしさを感じます。

そして話はいきなり17年後で主役チェンジ。
後編はアップショット多用ですが、
ここでも台詞の間の取り方のなんと長いこと。
想像力の働かない人には退屈に写るでしょうね。
加瀬亮の登場は?ですが。

今更ながら永作博美を高評価。

暗いところで待ち合わせ

2008年01月06日 | 日本映画 評価5
2006年 天願大介監督 田中麗奈主演
    出演 チェン・ボーリン、井川遥、宮地真緒
    岸部一徳、佐藤浩市
『父母の離婚後、訳あって一人暮らしをする女性。
 その駅のホームがよく見える一軒家に、
 駅で起こった殺人事件の容疑者が転がり込み、
 引き篭りがちな女性と、外に出られない男性の、
 奇妙な共同生活がはじまった・・・。』

新評価 5.0

ネタばれにならないように以下を書きます。

公開時から興味がありましたが、ようやく鑑賞。
129分を感じさせない物語の展開のよさ、
音楽も良いなとおもったら“めいなCo.”でしたか。
いつもは元気な女性の役が多い田中麗奈が、
この作品では○○の女性を丁寧に演じます。
予想以上の良作でした。

まぁ映画ならではの演出ではありますが、
女性がたまに外出した際に、横断歩道で躊躇する女性に、
車がクラクションの嵐、自転車は危険な切込みを行う。
そんな世知辛い世の中ですかね。

あと、働き者の中国人を笑い、苛める怠け者の日本人。
私は国籍に関係なく仕事の出来ない奴が嫌ですが、
また日本人が悪者ですか・・・。

Little DJ 小さな恋の物語

2007年12月15日 | 日本映画 評価5
公開中 永田琴監督 神木隆之介主演
    出演 福田麻由子、広末涼子
    西田尚美 石黒賢 原田芳雄

新評価 5.0 <甘く。

時代設定は1977年。中学1年生の男の子が主人公。
私と年代がおおよそ重なるのですが、
登場する少年少女の行動が幼く思えます。
そんなものだったっけ?という遠い記憶はさておき、

最初から主人公が死ぬことが決まっているので、
少年の行動の全てがなんとも切なく悲しく思え、
泣きたい人は存分に泣けます。

小林克也がDJ役ででたり、懐かしい歌の数々と、
子供が死んじゃう映画って事で
現在40代前後の親の世代で見るとシンクロで、
切なくなりますが、
今までの難病ものの設定が変っただけで、
定番ストーリーの変化球、映像も平均的で、
広く支持を得るのは難しいかな。

福田麻由子が大きくなったら広末涼子かい!
なんて突っ込みをする人は見ない方がいいです。

ALWAYS 続・三丁目の夕日

2007年12月07日 | 日本映画 評価5
公開中 山崎貴監督
    出演 吉岡秀隆 堤真一 小雪 
    堀北真希 薬師丸ひろ子

遅まきながら見てきました。
はい。前作は酷評していましたが、
気になる役者さんが出ているもので・・・、

新評価 5.0

いや~今回は良かったです。
前回と同じ人情話で何が違うんだ?と思う向きもあるでしょうが、
前作より出番多く、憎まれ役を演じる小日向文世の存在。
ここがポイント。
人情話は悪い奴がいてこそ、善い人が輝く。
前作にはこれが抜けていました。

彼の言う「甘いな、現実は厳しいものなのだ」
だからこそ映画の中くらい、
ご都合主義な演出があって有っても良いのです。
でも少し過剰だったかな・・・。
山崎監督は次はゴジラを撮って下さい。

ところで気になったのが鈴木オート社長の軍歴。
写真では3つ星の階級章をつけていたので上等兵。
体格と階級から考えるに再召集か正規兵ですね。
戦友会の看板から南方に送られた部隊の第7中隊所属。
敗戦後、車の整備会社を興すところと、
中隊番号の大きさから工兵か戦車隊あがりでしょうかね?
「艦砲射撃を受けて部隊はばらばらになった」との台詞から、
どこかの玉砕の島を防衛していたのでしょうか?
よく生きて帰って来たものです。
所々に戦後の影を引きずるのも、この作品の特徴です。

クワイエットルームにようこそ

2007年11月06日 | 日本映画 評価5
公開中 松尾スズキ監督 内田有紀主演
    出演 工藤官九郎、蒼井優、大竹しのぶ、
    りょう、高橋真唯、妻夫木聡

新評価 5.0

宿泊地近くの川崎で鑑賞。
他に見たい候補は有ったのですが、
地元の劇場はコンサバな作品しか上映しないので、
この作品をチョイス。
軽い笑いの映画と思っていたのですが、
精神病院の結構重い作品でした。

主演の内田有紀はよくこの作品を選びましたね。
離婚後の彼女の吹っ切れ具合が分かりますし、
この年代の女優は貴重なので復帰は嬉しいです。
舞台で鍛えられたせいか足の裏は汚いけど、
演技は堅実になったし仕事で頑張れ。

でも蒼井優の演技力はすえ恐ろしいな。

遠くの空に消えた

2007年08月19日 | 日本映画 評価5
公開中 行定勲監督
    出演 神木隆之介、大後寿々花、ささの友間、
    小日向文世 他

新評価 5.0 <すこし評価は甘いかも?

「ジブリの世界みたい。」
監督のお子さんがそう言っていたそうです。
そう見れば確かに似通った雰囲気は有りますが、
この世界観は素晴らしいの一言に尽きます。
実写でもおとぎ話を作れるのだと、
久しぶりに気づかせてくれる映画でした。

上映時間がやや長くストーリーに粗は有りますが、
この映画が分からない人は大人の仲間入り確定。
「信じれば夢はかなう」
そう信じなければ何も変わりません。

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