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B-scale fan's log

Since 2004.4.16

最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

座頭市

2009年01月04日 | 日本映画 評価4
2003年 北野武監督 ビートたけし主演
    出演 浅野忠信、夏川結衣、大楠道代、
    橘大五郎、大家由祐子、ガダルカナル・タカ、
    岸部一徳、石倉三郎、柄本明
『ある宿場町にやってきた座頭市。
 同じ頃、浪人とその妻も町にやってきた。
 病気の妻のために職を探していた浪人は、
 その町の新興勢力に用心棒となった。』

新評価 4.0 (満足)

何度か地上波で半端見をしていたので、
今回ちゃんと全編を鑑賞。
謎解きはいまいち納得できませんけど、
北野映画の中でも分かりやすい作品です。

今更、座頭市について説明をする必要はないと、
その時間を脇役の掘り下げに使っているので、
単純な勧善懲悪ながらも物語に深みがありますね。
ギャグもあれでも極力抑えたようだし。

妙な言語統制もしないし、暴力表現は半端なく、
殺伐さは北野作品のキーワードですが、
最近の他監督の作品でも似たシーンはあるのに、
この殺陣の凄みの違いは何でしょうね。

自虐の詩

2009年01月01日 | 日本映画 評価4
2007年 堤幸彦監督
    出演 中谷美紀、阿部寛、カルーセル麻紀、
    遠藤憲一、西田敏行
『東北生まれの子供頃から貧乏暮らしの幸江は、
 東京で知り合った元ヤクザで無職でイサオと、
 大阪の通天閣近くで夫に尽くして暮らしていた。
 やがて妊娠し夫も定職に就き幸せに近づいた時・・・』

新評価 4.0

4コマ漫画が原作と聞いてナンセンス・ギャグの
映画と思って見始めていたら大間違え。
恋愛映画で深い人間ドラマでした。
阿部寛のパンチパーマ姿でお笑い映画と判断せず、
人に勧めたい映画ですね。

舞台は通天閣近くの人情厚いディープ大阪で、
男みたいな!おばちゃん(カルーセル麻紀)を含めて、
バイオレンスな雰囲気をよくつかんでいますが、
カメラワークや小細工などはいつも堤ワールド。
その辺りも見て楽しいです。

悪夢探偵

2008年12月27日 | 日本映画 評価4
2006年 塚本晋也監督 松田龍平主演
    出演 hitomi、安藤政信、大杉漣
『東京で自分の体を切り裂いて死ぬ事件が2件連続発生した。
 警察は自殺と判断していたが、キャリア組の女性刑事は
 夢を見ながら死んだ経緯と携帯の発信記録から、
 事件には第3者の暗示と夢が関係すると推測。
 他人の夢の中に入る能力を持つ探偵に協力を求めた。』

新評価 4.0 (見てよかった。)

あまり気持ちの悪い映画は見ないほうですが、
hitomiが可愛いからと思い鑑賞。
まっ、演技力は二の次です。

確かに少々グロテスクでしたが映像的に面白く、
眠りたいのに眠ってはいけない、
死にたくないのに殺されそう、
今が夢の中か現実か分からない緊迫感など、
確かに気持ち悪く鑑賞しました。

続編もある様なので期待しましょうか。

舞妓 Haaaan!!!

2008年12月14日 | 日本映画 評価4
2007年 水田伸生監督 阿部サダヲ主演
    出演 堤真一、柴咲コウ、小出早織、
    京野ことみ、酒井若菜
『修学旅行ではぐれ、祇園に迷い込んだのをきっかけに、
 舞妓のファンサイトを開設するまでになった鬼塚。
 関東の本社で働く彼は京都支社に転勤となり、
 憧れのお茶屋で遊ぼうとしたが、一見さんお断りの壁が。』

新評価 4.0 (良作)

劇場公開時はクドカン脚本でパスしたこの映画。
いつもテンションが高すぎてついていけないのに、
主演が阿部サダヲでは更に倍増と心配したのですが、
今回テレビで見てみると適当に抑えられていて、
結構ツボに入り、楽しめました。

私も実家は京都に程近いところにあり、
昔から祇園近辺はうろうろしていたので、
見知った風景が多数・・・と言いたいですが、
いまだにお茶屋には入ったことはありません。
映画で初めて町の仕組みを知りました。

クドカンの顔の広さか色んな役者が出てましたが、
ミュージカルシーンはさすが元宝塚の真矢みきが圧勝。
いつもくどい北村一輝がオカマ医者で爆笑。
植木等さんの遺作です。合掌。

サウスバウンド

2008年11月13日 | 日本映画 評価4
2007年 森田芳光監督 豊川悦司主演
    出演 天海祐希、北川景子、
    田辺修斗、松本梨菜
『東京浅草に住む普通に見える4人暮らしの家族。
 しかし父親は元学生運動の闘士で、
 今も世の中の疑問に思う出来事と闘っていた。
 そんな家族が突然、沖縄の西表島に引っ越した。』

新評価 4.0 (良作)

主人公が“元”学生運動の闘士とみて嫌な予感が・・・、
自らの運動を隠す多くの彼らに良い印象は有りませんが、
この父親は今も闘士です。しかも思想かぶれでなく、
オカシイと思ったことを“空気”など気にせずに、
声に出して言える男。
・・・実にはた迷惑な男ですね。

でも「俺を見習うなよ。だが汚い大人にだけはなるな。」
と子供に言える父親は格好よくないですか?

今まで相性の良くなかった森田監督作品。
でも何か感じるものがあって見続けていましたが、
ようやく相性の合う作品と出会えました。
ただカメラワークはなんか引っかかるな~。

おくりびと

2008年10月30日 | 日本映画 評価4
公開中 滝田洋二郎監督 本木雅弘主演
    出演 広末涼子、山崎努、余貴美子、
    吉行和子、笹野高史、峰岸徹

評判が良いので見てきました。

新評価 4.0 (良作)

主人公は東京で所属する楽団が解散になったチェロ奏者。
故郷山形で得た仕事は遺体を棺に収める納棺師。
奥さんは反対し、幼馴染は苦言を呈する・・・。

世間には多くの職種があっても、身内にも言い難い
特殊な仕事に仕事に就く人もいるわけで。
でも、そんな人が居ないと世の中は回らない訳です。
そして大体の人は何となく就いた職場を天職と信じて、
なんとなく働いていたりします。

しかし主人公は偶然就いたこの仕事に次第に誇りと、
やりがいを持って働らくわけですが、
まわりの理解を得られない仕事と言うのは厳しいですね。
そんな意味ではこの映画はハッピーエンド。
奥さん役の広末も妙に可愛かったし、
ストーリーも手堅くまとまられて好感です。

峰岸徹氏の遺作です合掌。

ルート225

2008年10月15日 | 日本映画 評価4
2005年 中村義洋監督
    多部未華子、岩田力主演
『ある日、中学生の弟を迎えに行った高校生の姉。
 2人が家路につき、いつもの曲がり角を曲がると、
 その先は別の風景に変っており家が無くなっていた。
 ようやく探し当てた家には両親の姿は無く・・・。』

新評価 4.0 (意欲作)

新作映画はチェックしているつもりですが、
この作品は上映時はノーマーク。
今回は多部未華子が出演なので見てみましたが、
「世にも奇妙な物語」の拡大版のような、
パラレルワールドものでした。

3年前の作なので多部未華子がまだあどけないですが、
弟役の岩田力ともに姉弟役の演技が自然。
なんとかクールをよそおう姉と、うろたえる弟。
元の世界に戻ろうと2人で試行錯誤の末の、
ラストシーンは意外で、アメリカのTVドラマのよう。
受け入れられるかどうかで映画の評価は変わるでしょうね。

半落ち

2008年10月06日 | 日本映画 評価4
2003年 佐々部清監督 寺尾聰主演
    出演 柴田恭兵、原田美枝子、吉岡秀隆、
    鶴田真由、伊原剛志、國村隼、高島礼子、
    奈良岡朋子、樹木希林、嶋田久作、斉藤洋介、
    豊原功補、西田敏行、奥貫薫、高橋一生
『地方警察の警部が「妻を殺しました」と自首してきた。
 スキャンダルを穏便に片付けようとする県警幹部。
 刑事や検察、弁護士も真相を追いかけるが、
 警部は肝心なところは固く口を閉ざしていた。』

新評価 4.0 (良作)

会社の同僚も薦めていたし、佐々部監督だし期待度大で鑑賞。
前半は警察内部の悶着、検察との勢力抗争か?
中盤は警部の空白の2日間を追う松本清張ばりか?
と見ていましたが終盤に入って吉岡秀隆の出番あたりから、
ようやく物語の核心へ。

キャストが多数なのに上映時間2時間しかないので、
やや淡白に感じますが、さすが佐々部作品。
盛り上げるシーンはないのに、
しずかに坦々と感動にもって行きます。

デトロイト・メタル・シティ

2008年08月26日 | 日本映画 評価4
公開中 李闘士男監督 松山ケンイチ主演
    出演 加藤ローサ、宮崎美子、松雪泰子、
    ジーン・シモンズ

新評価 4.0 <微妙

学生時代はギターを持ってました(笑)。
当時は皆と剛やチャゲアスを弾きまわし、
正直どうもメロディが馴染めませんでしたが、
数年後に知った小沢やカヒミの方が・・・
いや、デスメタルは聞きませんがメタルも聞くので、
この原作漫画は非常にツボに入っています。
絵がアレですけどね・・・。

そんなこんなで映画化は楽しみにしていましたが、
出来上がりは正直微妙。
面白くなる盛り上がりは沢山あるのに、
どこか中途半端でやりすぎが有りません。
万人受けを狙う可愛らしい仕上がりかと。

松ケン、松雪がはじけた演技をしているのだから、
脚本ももう少しはじけて欲しかった。

紙屋悦子の青春

2008年08月20日 | 日本映画 評価4
2006年 黒木和雄監督 原田知世主演
    出演 永瀬正敏、松岡俊介、小林薫、本上まなみ
『1945年3月末、鹿児島で兄夫婦と暮らす紙屋悦子に
 縁談の話が舞い込んできたが、
 話を持ち込んできたのは悦子が思いを寄せる幼馴染の少尉。
 しかも見合いの相手は彼の同僚だった。』

新評価 4.0 (良作)

主に食卓のまわりで交わされる家族との会話の風景。
ともすれば微笑ましさを感じさせる会話の中から、
紙屋悦子や兄夫婦、日本のおかれている状況を
読み取ることが出来て、
別に過剰な演出や場面設定に頼らなくても、
じゅうぶんに戦争の悲しさを伝えてくれる、
これぞ私の思う映画というもの。

当時の南九州の3月末から4月上旬の状況を知っていると、
より、この映画の理解も深まるでしょうね。