goo blog サービス終了のお知らせ 

B-scale fan's log

Since 2004.4.16

最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

マスター・アンド・コマンダー

2011年01月06日 | 海外映画 評価4
2003年 ピーター・ウィアー監督
    出演 ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、
    ビリー・ボイド 他
『ナポレオンの大陸軍とイギリスがヨーロッパの覇権を争う時代、
 イギリスのフリーゲート艦サプライズ号は、
 フランス軍の海賊船アケロン号を無力化するため、
 南米まで来たが容易に捕捉できず緊張感が漂っていた。』

新評価 4.0 (あまく)

年末に見たのですが相変わらずの多忙で今頃・・・。
公開当時の番宣の記憶と違っていて、
リアルな海の男たちの熱い物語でした。
これならば劇場で見てもよかったなと思える良作。

世界中の船が帆船だったころの戦争映画なのですが、
見敵必殺の伝統を受け継ぐ士官、プロの荒くれ者の乗員、
荒れ狂う自然や、風のやんだ退屈な海、帆船の装具など、
海洋冒険小説の要素を多く盛り込んだ物語。

そして何より予想外に強敵なフランス軍の軍艦に、
たった1隻で立ち向かうイギリスのフリゲート艦。
そんな緊迫感の中にガラパゴス島の探検と、
欲張りながらも物語に筋が通っていて面白い。

この映画の艦長と軍医の関係はスタートレックの
カークとマッコイに相通じるものがあるのも、
個人的にツボでしたが、
ひょっとして定番的な人物配置なのかな?

再会の街で

2010年12月13日 | 海外映画 評価4
2007年 マイク・バインダー監督
    出演 アダム・サンドラー、ドン・チードル、
    ジェイダ・ピンケット=スミス、リヴ・タイラー
    サフロン・バロウズ、ドナルド・サザーランド 他
『ニューヨークで幸せに暮らす歯科医は、
 ある日、飛行機墜落で妻子を亡くした、
 大学時代の友人を見かけ声をかけるが、
 彼は子供のような生活を送っていて・・・。』

新評価 4.0

コメディのアダム・サンドラー主演だけど、
このストーリーで笑いはないと見ました。
「50回目のファーストキス」では予想外に感動。
今回もシリアスな演技に期待です。

事故で妻と三人の幼い娘と愛犬までも失って、
自分の殻に閉じこもったサンドラー。
そんな彼を心配する友人のチードル。
これが物語のプロットですが、なかなか凝ってます。

まず人生の成功者に見えるチードルも、
現代に生きる男として仕事のストレスにさらされ、
何より妻からの束縛に息苦しさを感じている。
そんな彼が全てを失った友人を慰める。

一方、全てを失った悲しみを紛らわすため、
毎日を遊んで暮らしているサンドラー。
保険金で仕事は不要だし、頭を悩ませる家族もない。
そんな彼を不自由な現実に引き戻そうとする友人。

見たくない現実なら見なくても良いのでないか?
そんな思いも浮かびますが、やはりまずいのか。
友人なら失意の男の次の一歩を助けるべきですかね。
何も持たない自由は幸せな生き方でないと?

またアダム・サンドラーで感動してしまいました。

奇跡のシンフォニー

2010年12月02日 | 海外映画 評価4
2007年 カーステン・シェリダン監督
    出演 フレディ・ハイモア、ケリー・ラッセル、
    ジョナサン・リス=マイヤーズ、テレンス・ハワード、
    ロビン・ウィリアムズ 他
『産まれた時から孤児院で育った少年には、
 周囲の音が特別に聞こえる才能があった。
 ある晩に不思議な音に誘われ施設から飛び出し、
 たどり着いたのはマンハッタン・・・。』

新評価 4.0

良く出来たお話で、本当に嘘みたいな物語。
もとから全部が作り話なんですが、
あまりに無駄が無くて感動。
こういった潔さは大好きです。

リアリティーなんて頭から無視。
奇跡のような巡り合わせの連続。
悪人も実は人思いのええオッサン。
エンディングも盛り上げてバッサリ切ります。

そう。中途半端が一番アカンのです。

ナイト&デイ

2010年10月15日 | 海外映画 評価4
公開中 ジェームス・マンゴールド監督
出演 トム・クルーズ、キャメロン・ディアス 他

新評価 4.0

ジャンルはスパイ・コメディ映画。
アクションはいつものトム様品質ながら、
危機一髪の窮地からは編集で切り抜けるので、
肩に力が入らずリラックスで楽しめます。

悪い奴らを撃ち倒し、訳あって味方も撃ち倒す。
おいおい味方を殺しちゃまずいだろ。
そんなシリアスなドラマじゃありません。
美男美女のちょっとワイルドなコメディ。

セリフは結構シリアスでしたけどね。
「いつか○○したいは諦めたのと同じ」とか。
そう、やりたい事は今やらなきゃ。
だからあのエンディングも好きです。

主演二人がふけて見える気がするのですが、
本来はもう少し若いキャスティングでは?
でもキャメロン・ディアスはビキニで頑張りますし、
ビックネームで楽しめるなら、それも有りですね。

つぐない

2010年09月10日 | 海外映画 評価4
2007年 ジョー・ライト監督
    キーラ・ナイトレイ主演
    出演 ジェームズ・マカヴォイ、
    シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ 他
『貴族の女性と使用人の男性の許されぬ恋。
 その二人の逢瀬を見てしまった女性の幼い妹は、
 抑えきれない感情からある事件の偽証をし、、
 男性は刑務所に、そして戦地に送られてしまう。』

新評価 4.0

純情な少女の嘘で引き裂かれた姉と恋人。
嘘なら私もいい歳のオッサンにやられたけれど、
身分の格差でしてはならないことが有るとしても、
かといって下の者を嘘で落としめるのは論外。

あの少女は幼さゆえの潔癖や、
姉への嫉妬心から偽証をしたのではなく、
見たいと思ったものを実際に見たと思い込み、
姉の恋人に対して間違った証言をしたと思いたい。

少女でありながら戯曲を書く利発さや、
戦時にあっては学業より奉仕の心を表す、
そんな女性が嘘つきでは物語が小さいです。
やはり途中で自分の間違えに気付いたと。

少女は誤りに気付き正そうとするが、
時すでに遅く、二人に謝ることが出来ず。
自分が見たものの意味が分からなかった後悔を抱き、
償いに自分の小説の中で二人の幸せを描く。

だからタイトルは「つぐない」なんですね。
どんな善人でも魔が差すことは有りますからね。
相手が自分より格下なんて傲慢があるとなおさら、
いかに償うかで人間の出来が決ります。

時代設定は第二次世界大戦のあたり、
戦地に送られた恋人は北フランスに、
そしてダンケルク撤退のシーンがあるのですが、
これが大きなセットで見事な情景でした。

見事と言えば少女から老女までを演じた、
三人の女優も素晴らしく。
ロモーラ・ガライの出演作を続けて見ましたが、
すごい美人ではないけれどいい女優ですね。

エンジェル

2010年09月07日 | 海外映画 評価4
2007年 フランソワ・オゾン監督
    ロモーラ・ガライ主演
    出演 サム・ニール、ルーシー・ラッセル、
    マイケル・ファスベンダー 他
『想像力溢れるが傲慢で貧しい少女の夢は、
 いつか有名な小説家になること。
 やがて成功した彼女には有能な女性秘書がつき、
 彼女はその秘書の弟の売れない画家に恋をする。』

新評価 4.0

違う映画と勘違いして見はじめたのですが、
良さそうのでそのまま鑑賞。
最初は感じの悪い妄想癖の小説家が、
その想像の世界にファンを取り込んで大成功。

得意の絶頂のさなかに自分に興味を示さない、
浮気癖の画家に恋をし気を引こうとして、
そこからは不幸に向かって一直線。
彼と結婚したのも幸せと言えないような転落ぶり。

幼い頃に憧れた大邸宅や名声を手に入れたが、
自分の生き方を貫き通したために、
本当に欲しいものは何も手に入れられず、
逆に大切なものを次々と失っていく。

彼女の小説も忘れ去られ何も残らなかったが、
夢見た世界を実現し、夢見た時間を生き、
たった一人の理解者を得ることができた。
成り上がり者の人生としては上出来なのかな。

守護神

2010年08月22日 | 海外映画 評価4
2006年 アンドリュー・デイヴィス監督
    ケヴィン・コスナー主演
    出演 アシュトン・カッチャー、
    ニール・マクドノー 他
『現場では年を取り過ぎたベテランの海難救助士。
 彼の夫婦生活は彼の仕事第一主義で破綻状態。
 そして、ある嵐の晩の出動で彼はチームを失ってしまう。
 彼は休養も兼ねて新人の訓練センターに行くことに。』

新評価 4.0

公開当時は正直期待していませんでした。
邦題タイトルが「守護神」とは佐々木投手(当時)かよと。
しかも主演が今更のケビン・コスナーですから。
でも今回、何か感じるところがあって見てみました。

人生の問題を抱えたベテランが訓練センターで、
若くて有望で、しかも無謀な新人と出会い・・・。
もう定番で手垢がついていそうな物語でしたが、
グイグイと引きつけられる展開。

主人公の年をとっても現場大好き主義な性格と、
無駄な訓練より実践的な手法を教える姿勢が、
私の気質と同じだからかな。
大事なのはチームワークと仲間を見捨てないこと。

なによりリアルなのは救えない命を描いたこと。
邦画なら上司の命令を振り切って単独で救助とか、
絶体絶命な状況で奇跡的を起こす感動シーンが一切なし。
この映画では救うことが出来る命を助けていく。

助けることが出来なかった後悔を胸に秘めて。
という台詞も良かったのですが、
終盤のベテランとルーキーのペアのエピソードがなお良し。
なるほど、だからタイトルは「守護神」ですか。

でも救いようのない奴は本当居ますよね。

ソルト

2010年08月03日 | 海外映画 評価4
公開中 フィリップ・ノイス監督
    出演 アンジェリーナ・ジョリー、
    リーブ・シュレイバー 他

新評価 4.0

仕事帰りに時間があったので再び川崎109に。
スパイが身分を隠し敵地の社会に潜み時期を待つ。
偶然にもアメリカで美人スパイ逮捕の事件があって、
話題性がました映画です。

そんなロシアの休眠スパイが活動を開始する。
目的はアメリカとロシアを戦争させること(笑)。
なんてバカらしい物語。ですがジェイソン・ボーンごとく、
テンポが良いアクションはとても面白い。

ヒロインが復讐の鬼という点もいいですね。
難しく考えずに見るには良い映画でした。
しかも続編を作る気まんまんです。

僕らのミライへ逆回転

2010年05月24日 | 海外映画 評価4
2008年 ミシェル・ゴンドリー監督
    出演 ジャック・ブラック、モス・デフ、
    ダニー・グローヴァー 他
『昔、有名なジャズ奏者が産まれた小さな町角の建物。
 今はレンタルビデオ店になっているが、
 今どきビデオテープしかない店は立ち退きの危機に。
 折りしも店の常連客の異常体質のせいで、
 店のビデオテープの映像が全て消えてしまう。』

新評価 4.0

なにげにお気に入りなジャック・ブラックの出演作。
前半は彼お得意のハチャメチャな怪演技で、
物語を引っ張っていきます。
なんせ消えたレンタルビデオに自分たちがリメイクした、
ハリウッド映画を取り込んでいくのですから、
ハチャメチャでも大丈夫。

初回作「ゴーストバスターズ」から評判になってくる。
いまだにDVDプレイヤーを買えない人たちが多く住む町。
安い娯楽のレンタルビデオに出ているのが、
自分の街の見知った隣人なんですから、
ハリウッド映画の海賊版とかそんな話は抜きにして、
町おこしとして盛り上がってきて、
なんだか映画も感動作的な雰囲気に。

最後まで見て感動できるかどうかは疑問ですが、
私は感動しました。

幸せのルールはママが教えてくれた

2010年05月09日 | 海外映画 評価4
2007年 ゲイリー・マーシャル監督
    出演 ジェーン・フォンダ、リンジー・ローハン、
    フェリシティ・ハフマン、 ダーモット・マローニー
    ケイリー・エルウィズ、ギャレット・ヘドランド 他
『都会での乱れた生活から隔離するために、
 田舎の祖母の家に預けられることになった17歳の少女。
 敬虔で規則正しい生活の祖母に反発しつつも、
 田舎町で人の優しさにふれた彼女はある告白をする。』

新評価 4.0 (抑え目に)

何となく観たので掘り出し物に当たった気分でしたが、
映画評を見るとあまり評価は高くないのですね。
まずは邦題がよくない。原題は「GEORGIA RULE」です。
ジョージア州のローカル・ルール(習慣)かと思ったら、
舞台はアイダホ州。祖母ジョージアさんのルールらしく。

まず乱れた都会娘役はリンジー・ローハン。
彼女の実生活そのままのような奔放な行動と、
弾けるような肢体は見どころでは有りますが、
彼女の行動の裏には悲しい経験が隠されていて、
とても痛々しく見える名演でした。

祖母役は?と思っていたらジェーン・フォンダ。
ちょっと演技にオーラが無さ過ぎでしたが、
厳しいながらも娘と孫を思いやる抑えた演技。
リンジーの母役もいかにも訳ありセレブ演出で、
この3世代の母娘を軸に物語は進んでいきます。

なぜこの都会娘は人騒がせな少女になってしまったのか、
映画は途中からその話に入っていくのですが、
若さゆえの他人を傷つけるためにつく嘘と、
彼女自身がいろいろな秘密を守り、
大切な人を傷つけないためにつく嘘。

題名からは決して想像のつかない悲しい物語です。