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B-scale fan's log

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最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

ノーカントリー

2009年05月28日 | 海外映画 評価5
2007年 ジョエル・コーエン監督
    出演 トミー・リー・ジョーンズ、
    ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン
『ハンティングをしていた男性は、麻薬の取引跡に遭遇する。
 そこには大勢の死体と大量のヘロイン。
 そして200万ドルの大金を発見し持ち逃げをしてしまう。
 その彼を追う殺し屋と、2人を追う町の保安官は・・・』

新評価 5.0 (好きだなぁ)

最高な一作でした。
見苦しいので、たぶん2度と見ませんが。

高い目的意識を持ち、人を殺すことに躊躇いは欠片もない。
血も涙もない以前に感情すらないような殺し屋。
その殺し方は狙撃銃で遠距離から仕留めるようなものでなく、
野蛮にも近距離から自身の身も危険にさらしながら、
邪魔するものは同僚でも容赦せず殺す。

本来、映画でこの手の追手の脅威はジョーズであったり、
ジェイソンやターミネーターであったものが、
生身の人間でありサイコ・キラーでないことの恐ろしさ。
それ故に法の番人たる保安官が「俺たちの時代は終わった。」
とばかりに引退するシーンも理解できる。

逃げる男性も相手は人間なので知恵を絞り、
追跡をまこうとし、追いつかれたら手ごわく反撃をする。
まずまず逃れたと思うが愚かな老人の漏らした情報で、
殺し屋とは違う人間に殺され、
その老人はそんな事実は知らずに病で死んでしまう。

そして完全無欠のような殺し屋は、交差点での交通事故という、
ありがちな事故で命を落としかける。
何も知らずに彼を助ける少年たちも「人助けをした」と騒ぐ。
その不条理さ。
こんなシュールなリアリズムは好きですね。

グラン・トリノ

2009年04月27日 | 海外映画 評価5
公開中 クリント・イーストウッド監督
    クリント・イーストウッド主演
    出演 ビー・ヴァン、アーニー・ハー

新評価 5.0 (傑作)

最愛の妻に先立たれてからは、2人の息子にも避けられ、
死までの日々を愛犬と過ごす昔気質で気難しい老人。
昔は国のため朝鮮戦争に行き勲章も貰ったが、
多くの死を目にし、老いた今もなお心に傷を負っている。

そんな傷ついた老人を若い牧師が「懺悔」に誘う。
戦争以来「懺悔」をしたことの無い老人は、
“マニュアル通りの若い牧師”と相手にしないが、
若い牧師は老人に神の愛と心の平穏を説き続ける。

白人以外の人種や移民を嫌う老人だが、
老人の家の周りは移民ばかりが住む貧しい地区。
新しい隣人の若者とは彼が悪い親戚にそそのかされて、
老人の愛車グラン・トリノを盗みに来たのが出会い。

その後、移民のチンピラから隣人家族を助け、
隣人の若者の人生の指南役になってしまった老人。
あんなに嫌っていた他民族の若者だったが、
いつしか自分の息子のように気をかけていた。

しかしチンピラの嫌がらせは終わることなく、
自らの命の終わりの近さを知った老人は、
髪を整え、死に装束をあつらえ、教会で「懺悔」を行い、
息子に電話をかけ、チンピラの家に向かう。

さぁ、かっての「ガンマン」は在りしの日のように、
敵を倒し隣人達の元に戻ってくるのか?
老人は隣人達の未来のために何を残せるのだろうか?
そうこれは形を変えた「西部劇」ですよね。

ならば結末はどの西部劇映画と同じになるのか?
ぜひ劇場に行って確かめてください。
と薦めたくなる涙あり笑いありの、
イーストウッド監督の最高傑作の映画でした。

ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー

2009年02月11日 | 海外映画 評価5
公開中 ケニー・オルテガ監督
    出演 ザック・エフロン、ヴァネッサ・ハジェンズ、
    アシュリー・ティスデール、ルーカス・グラビール、
    コービン・ブルー、モニク・コールマン 他

新評価 5.0 (最高!!)

知っている人は知っている「ハイスクール・ミュージカル」と、
「ハイスクール・ミュージカル2」の続編シリーズ最終話。
元々はディズニーチャンネルのティーン向けの
2時間TVドラマだったので、
家族向け健全ドラマだったのですが、
人気うなぎ上りでどんどんスケール・アップ。
ついに映画化されてしまいました。

ディズニーのネームバリューとドラマの人気から、
全米のダンスや演技で未来を目指す若者を集め、
ケニー・オルテガ監督がばっちり締めているもんだから、
大人数のダンスシーンの統一感は特に圧巻。
もちろんメインキャストは歌もダンスも出来る様に、
みっちり指導されているのか、
若々しさだけが理由でない勢いがあります。

この映画は観るというより感じる映画。
サントラ盤も買ってしまったし、また見ても良いかも。
不満は吹替え版しかないことか。
夜間の上映は字幕版でして欲しかったな。

パフューム ある人殺しの物語

2008年07月28日 | 海外映画 評価5
2006年 トム・ティクヴァ監督
    出演 ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、
    アラン・リックマン
『18世紀のパリ、魚市場で産み落とされた男は、
 驚異的な嗅覚を持つが自分の体臭を持っていなかった。
 ある日、芳しい香りの女性を誤って殺してしまうが、
 その日から彼は女性の香りを求めて調香師になり、
 理想の香水作りに没頭するが・・・。』

新評価 5.0

人の体から匂いを抽出するという目的の為に、
美しい女性を次々誘拐して結果的に殺す。
その狂気に鳥肌が立ちそうになりますが、
そこに、ある種の無垢さを感じてしまう、
危ない香りのする映画です。

めずしくアラン・リックマンが善人?を演じていて。
彼の娘が助かるように応援?しましたが、
そんな彼ですら腰砕けになるような、
調香師を破門した聖職者ですら芳香で天使と言わす、
完成した香水とはどんな香りなのでしょう。

おっと、そちらに興味が行くとオタクな犯罪者と、
同方向になってしまいますね。

スピード・レーサー

2008年07月07日 | 海外映画 評価5
公開中 アンディ・ウォシャウスキー監督
    出演 エミール・ハーシュ、
    クリスティナ・リッチ、マシュー・フォックス、
    スーザン・サランドン、ジョン・グッドマン

新評価 5.0 (最高!!)

最高です。昔の記憶のイメージのままで感動しました。
まさかレースシーンを見ながら感涙するなんて予想外。
昔のタツノコ・アニメが好きだった人は、
ストーリー的には全く心配せず見に行って間違いなしです。

なによりアニメの実写リメイクでは珍しい成功作と思います。
監督の自己解釈や時代に合わせた編集などせずに、
重力を忘れた荒唐無稽さを映像で勝負する潔さ。
原色多用の映像も私好みでした。

キャスティングも絶妙でしたね。
特にマシュー・フォックスのレーサーXなんて○。
最後まで正体をあかさないのも◎です。

蛇足:
昨日のF1イギリスGPも面白かったです。
たとえ贔屓のレーサーの成績が振るわなく、
好きでないレーサーが好成績をおさめたとしても。
あれこそレース観戦の醍醐味です。

上海の伯爵夫人

2008年05月06日 | 海外映画 評価5
2005年 ジェームズ・アイヴォリー監督
    レイフ・ファインズ主演
    出演 ナターシャ・リチャードソン、
    真田広之
『1936年の上海の夜の街を舞台に、
 家族と視力を失った元米外交官と、
 亡命したロシア貴族の未亡人が、
 生きるよりどころを求めて出会う。』

新評価 5.0

久々に満足のできる映画に出会いました。
視力とともに心を閉ざしたバーの支配人と、
娘のことだけが生きがいの店の看板ホステス。
互いの私生活は知らず、仕事のつきあいだけで、
愛するものを求めてはいない2人が、
日本軍の上海攻撃で全てを失いかけたときに、
互いが必要なこと気がつく・・・
素晴らしい映像と音楽も雰囲気にぴったり。
これぞ映画。

真田広之とファインズの掛け合いも素晴らしいので、
ここで日本軍の軍装がいまいち等と無粋は言うまい。

ドレスデン、運命の日

2008年03月26日 | 海外映画 評価5
2006年 ローランド・ズゾ・リヒター監督
    出演 フェリシタス・ヴォール、ジョン・ライト、
    ベンヤミン・サドラー
『第2次大戦末期、連合軍の無差別爆撃で廃墟となる
 ドレスデンを舞台に、ドイツ人の看護婦と、
 乗機を撃墜され脱出したイギリス人パイロットの恋を描く。』

新評価 5.0

2時間半近い作品なので間延びを心配しましたが大丈夫。
特に後半のドレスデン市街が猛爆を受けて、
炎の嵐のなか主人公たちが逃げ回る部分は圧巻。

この映画は特にバランスには配慮して作ったらしく、
無差別爆撃をする側の内部での反発、
爆弾を落とされる側の無数の悲劇。
物語前半はメロドラマっぽくも有りますが、
ナチスを盲従するもの批判するものと描きながらも、
通俗的な脚本に終わっていないのも◎。

尚且つナレーションで制作費を抑える演出では無いので、
画面的に見ていて楽しい(?)です。
でもランカスターは実機を1機も使っていないとは驚き。

某局の空襲ドラマも一部のシーンの借用でなく、
全体の流れをもパクって欲しかったですね。

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

2008年02月02日 | 海外映画 評価5
2005年 マルク・ローテムント監督
    出演 ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、
    ファビアン・ヒンリヒス
『1943年ナチス支配下のドイツで、大学生の兄妹が、
 大学構内で反戦ビラをばら撒いたところを逮捕される。
 そして逮捕から5日目に彼らは処刑された。』

新評価 5.0

「この戦争は間違っている」と信念から声をあげた兄妹。
その行為は国の法律に違反するものであり逮捕されるが、
尋問官も内心思うところは同じなので同情し、
仲間を裏切る条件でゾフィーを助けようとするが、
彼女は断固拒否。

自分たちの行為を認め、国家反逆罪にとわれた兄妹は、
ガチガチの体制側の人民裁判官によって、
糾弾され死刑を求刑されるが、
傍聴人の白けたドイツ国民の雰囲気から気持ちは明らか。
だが誰も怒り狂った権力者から彼らを守る勇気はない。

ここで格言。
「大人になるという事は、言って良い事悪い事の分別が付くこと。」
では、その反対。
「王様が裸だと指摘するのは、いつも子供の役目。」
誰の言葉か知りませんが言い得て妙です。

そして守るべき命が有るために、
権力者が怒りに触れないように、
真実から目をそむける人を非難出来ませんが、
この映画の尋問官のように恥は知るべし。
まして利己主義など論外。マ

ラブソングができるまで

2007年11月05日 | 海外映画 評価5
2007年 マーク・ローレンス監督
    ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア主演
『80年代にアメリカで大人気だったポップグループのスター。
今は同窓会や遊園地のイベントで歌う懐かしのシンガー。
ある日、彼のファンのセクシーシンガーが新曲の依頼を。
そして彼は作詞家を捜すことに。』

新評価 5.0

出張先のホテルで偶然視聴。
以前、義兄弟が「つまらない」と批評していたのですが、
いや面白いじゃないですか!。
冒頭の80年代のMTVのありがちPV映像や、
ブリトニー的な露出多めのシンガーの絵的な楽しさも含めて。

ラブソング自体は早々に完成するのですが、
最後に歌って貰うまでの凸凹な紆余曲折。
ラストはもちろんハッピーエンド。
ドリューの姉さんも好い人だ!。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

2007年11月04日 | 海外映画 評価5
2001年 ジョン・キャメロン・ミッチェル監督
    マイケル・ピット主演
『東ベルリン生まれのロック好きのハンセル。
 憧れの国アメリカに渡るために、
 米兵(男)と結婚と性転換手術をするが、
 アメリカで彼に捨てられ、
 ロックシンガーとして再出発する・・・』

新評価 5.0

なんとも変な映画を見ました・・・。
ゲイのロックシンガーの愛の話。
それ系のロックスターは沢山いる筈ですが、
この主人公はドラッグ・クイーンで、オマケに・・・、
いや、そんな気持ち悪い映像はないので結構みれます。
ストーリー、音楽、映像全てが悪くないです。
了見の広い人なら一見の価値あり。

劇中に出てくる絵はニコロデオンでよく見る絵ですね。
誰の絵だろ?