日々是好日～にちにちこれこうにち

意味：その日その日が最良の日。
　　　晴れの日も、雨の日も、楽しい日も、辛い日も、
　　　全て良き日かな。

少しの間お茶を習ったことがあるのですが、
その時最初に教わった禅語です。

お茶の先生はＣ先生。
美人で気品があり、凛とした素敵な方でした。

習い始めて数ヵ月たった頃、Ｃ先生に胃癌が見つかり、
余命数ヶ月の宣告・・

数度の入院と手術を受け、どんどんお痩せになりながらも
私たちにお稽古を続けてくれたのです。

ある日のお稽古で
「どのような状況であっても、今この瞬間を精一杯生きたいと思います」
と静かに、穏やかに微笑みながら仰る姿は、
まるで黄金の光に輝いた観音様のようでした。

癌の末期で相当辛かったはずですが、
最後まで一度も愚痴をこぼしたり悲観したりせず、
益々輝きながら、感謝とねぎらいの言葉を残して、
初釜予定日にお亡くなりになりました。

見事に天命を果たされて行った姿が忘れられません。

生命の長さにとらわれず、価値ある人生を歩めますように。