先日、初めて文楽を鑑賞してきました。
今年、大阪で何かと話題にのぼることの多かった文楽ですが、
舞台が素晴らしかったです。
人形遣いは頭と右手、左手、両足の3名によるチームプレー。
息の合った動きに、、まるで人形が自らの意思で動き、生きているかのようでした。
黒子をかぶっている、いないに関わらず、まったく気にならなかったのが印象的でした。
一人で役のセリフや状況を語る大夫。節をつけて場の盛り上がりを左右しています。
語りは古文が多いので、個人的にあまり得意ではないものの、
劇場横に字幕がでるので、時々確認しながら見ることが出来ました。
もし内容が分からなくても、人形の動きや、三味線の音、大夫の声で
何となく伝わってくる“雰囲気”自体が楽しめます。
そこが伝統芸能ならではなのかも知れません。
一つ一つの芸が深くて、わからないながらも
上手だなぁ~、素晴らしいな・・と感じるところが沢山ありました。
また、会場で購入したパンフレットが凄かった。
演目の解説本(舞台写真、出演者の顔写真入り)だけでなく、
別冊の床本集まで付いてきます。(字幕ででるあらすじ&全セリフ)
おまけに演目「冥途の飛脚」で、主人公が町をさまようその行程をしのぶ特製地図付き。
(この充実した内容で、たったの600円とは、凄い!の一言です)
文楽を楽しんでもらいたい、という意気込みが感じられて
何だか嬉しくなってしまいました。
ということで、初めてでも、大変楽しめた文楽。
もう一度見に行きたいと思っています。
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国立劇場 第二部 4時間公演
演目:
「傾城阿波の鳴門」~十郎兵衛住家の段~
(あらすじ)
今は訳あって大坂で盗賊生活を送る夫婦の家に、国に残してきた娘が両親を探す旅の
途中に訪ねてきます。
娘に難儀がかかると思い、実の親だと名乗ることのできない母。
(いとしさと切なさが伝わってくる場面でした)
娘も何らかの縁を感じながらも涙ながらに別れたものの、気持ちがおさえられず娘の
後を追う母。一方、外で乞食にたかられていた旅の娘を助け、
家に連れてきた十郎兵衛。
そこで娘が小判を持っていることを知り、金を預かってやると言いますが娘が抵抗し
誤って窒息死させてしまう。
変わり果てた娘の姿を見て驚く母。十郎兵衛も初めて実の娘と知る。
すると、亡き娘の懐から、十郎兵衛の母親からの手紙が出てきます・・・
「冥途の飛脚」~淡路町の段~
(あらすじ)
飛脚屋に、持参金つきで来た養子の忠兵衛は、最近、遊女の梅川に夢中。
その梅川が他の人からの身請け話が持ち上がったため、お店のお五十両を
身請けの手付に使ってしまう。
そんな中、江戸からの為替金三百両が届き、お客のもとへ届けるつもりが、
足が梅川のいる新町へ向かってゆく。