鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

即席麺のおもいで

2019年11月29日 | 兎糞録
チキンラーメンのことが書いてあるブログを見ていて、子どもの頃食べた、松永食品のトノサマラーメンという即席麺を思い出しました。

この「日本懐かし即席めん大全」には見覚えのあるラーメンがいっぱい掲載してあります。劉昌麺、王風麺、緑色のヤクルトラーメン。明星チャルメラの屋台を引くおじさんのズボンの膝には継ぎが当ててありました。これは、差別だと騒ぎ立てるおばさんたち?の圧力で継当てのないズボンに変わっています。

そのころは即席麺といったのか、インスタントラーメンと言っていたのかは記憶にありませんが、そのトノサマラーメンというのは、どういう縁でうちに売りにきていたのか、背中に大きな風呂敷を背負ったおば(あ)さんがウチに行商に来ていました。
このトノサマラーメン、検索かけたらけっこう懐かしがっている方がいるものでしたね。しかも、中京地区限定商品だったらしいです。この東北にはどれくらい出回っていたのでしょうか。
このおば(あ)さんの持ってくるものの中に、当たりのクジが出るともう一つ貰えるというお菓子があって、当たりくじを見せると、おば(あ)さんはいかにも口惜しいという顔でもう一個お菓子を渡すのでした。母親は行商に来られるのを嫌がっていたようですが、このトノサマラーメンが楽しみでした。

その次に記憶にあるのは今もあるエースコックのワンタンメンです。
この辺りでは常時在庫をおいているのは車で30分も離れたスーパーのみ。今回は、コブタの側にキティちゃんがくっついていました。
日曜日のお昼に食べることができるのは小学校の頃の楽しみでした。今も見つけると安売りしていなくても買ってしまいます。

カップヌードルが売り出された頃のことも記憶にあります。なんと言っても当時、一個100円という高いものでしたから。東京の阿佐ヶ谷の高架沿いの道を歩いていくと、突き当りにカップヌードルの自販機が置いてありました。
うちの母親はカップヌードルのことを、ずっとヌードカップルと言っていましたが。

その頃袋入りの即席麺はたしか一個30円前後、新商品が発売されると5食入り一パックが100円で売り出された記憶があります。カップヌードルがいかに高かったかという事ですね。煙草のハイライトが70円から80円に値上げ、セブンスターが100円の時代ですから。お金の無いときは20本入り50円のエコーですね。
ちなみに、サントリーのホワイトが750円、角瓶が1,450円。トリスは350円、サントリーレッドが500円。ジョニ赤5,000円、ジョニ黒10,000円の時代です。もちろん、そのころ上限はホワイトです。下宿で皆で酒盛りの時、同級生の女子が、お父さんのジョニ赤をくすねてきたといえばもう宴会は盛り上がりでした。

ある日、阿佐ヶ谷の狭い下宿にいると、夜遅く友人が遊びに来て、腹減った、何かない?という。
特売で買った5食入りのインスタントラーメンがあるから自分でどうぞ、と言ったらつくって食べ始めたけれど、すぐに食べ終わり、まだ足りないという。じゃもうひとつどうぞと言うと早速つくり、また食べる。食べ終わるとまだ足りないという。ならばどうぞ、というとまた一袋。
結局この友人はたて続けにインスタントラーメンを5袋食べてしまいました。
後にも先にもインスタントラーメンを5袋続けて食べた男は見たことがありません。
貧乏人の大事な買い置きの食料が小一時間の間に消えてしまったのでした。

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