鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

鳥海山の種まき爺さん

2023年04月02日 | 鳥海山

 海山・飛島ジオパークのジオガイド大江さんが鳥海山の種まき爺さんについてFacebookで記事を書いていましたがそういえば毎日食べている米について、どういう基準で農作業の日程は決まるのかなどと全く考えてもいなかったことに気づきました。

 絵葉書の左〇で囲んだ所が鳥海山種まき爺さんの雪形ですが、こういった春の雪形は農作業の目安と聞かされてきましたが長年にわたる大江さんの観察によれば種まき爺さんとして見えるようになる時期は前後一ヶ月も開きがあるということ。「農作業の目安になるとは思えない、実際のところはまず暦が基準であり、あとは麓の河川の水温や、気温の変化、天候の長期予測などをみての判断かと思われる」とのことでした。

 そこで「太ももの会」のSさん、本職の方に伺いました、田植えの時期はどのようにして決められるのか。

 やはり一番は水によるようです。庄内地方赤川水系の水を利用している田は代掻き水が水路に流れてくるの日が何日以降と決められているのでそこが基準点となりおのずから田植えの時期は決まってくるのだそうです。鳥海山水系を利用する遊佐の田はもう少し早いとのことです。

 田植えをするための準備(田起こし、代掻き)、種まき、様々な仕事の日程が細かく決められます。大昔なら太陰暦ですし気候も違ったでしょうから種まき爺さんが田仕事の目安になったかもしれませんが雪形を参考にして種まきの時期を決めたというのは伝説のようなもののようです。Sさんの先代も種まき爺さんを目安にしたことは無いとのことで雪形は春の風物詩ということでしょうというご意見でした。


  ある年の五月

 我が家では米は必ず庄内産「はえぬき」。つや姫、雪若丸はちょっと高いので。以前はササニシキ、コシヒカリなどといろいろありましたが今は店頭で見かけるのはほぼこの三種。前は「どまんなか」という品種もあったのですが婦人連が命名が卑猥だとクレームを入れたとか。連想するほうがスケベだと思うんですけどね。この品種も好き勝手に栽培は出来ないのだそうです。

 昔は一人が一年に食べる米が一石、十万石の国ならば十万人分の米を産するということですが今の人は一食一合も食べないでしょう。とはいっても食料は自給自足しなければ国は滅びます。第一次産業は国が手厚く保護するのが当然です。税金で食っているなどと悪口を垂れるのは大間違い。知識人ぶった人の大好きな規範とする”外国では”(この手の人たちにとってなぜかアジア諸国は外国に含まれていないのです)農業は国によって保護されています。中には100%税金で保護という国もあります。押しなべて食料を自国で賄えない国は将来存続できなくなるとわかっているからでしょう。アメリカの保護政策だってすごいものですよ。食料は輸入すればよいと思っている方は想像力が無い方です。輸入できなくなっても自分には優先して手に入るとでも思っているのでしょうか。それは妄想力です。


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