鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

地形図に見る鳥海山蕨岡口登拝道の変遷

2024年01月12日 | 鳥海山

 鳥海山五万分の一地形図が初めて世に出たのは陸地測量部大正二年測図、大正三年発行のものです。

 この時の蕨岡口登拝道は駒止から水吞を経由して鳳来山に至り横堂に出るもの。明治、大正、昭和初期の登山案内にある道です。

 上記は鳥海山五万分の一地形図、陸地測量部大正二年測図、大正三年発行の部分です。
 赤い印が旧登拝道。鶴間池への登山道はありません。地元の筍取り、炭焼きのために人が入るだけだったでしょう。

 こちらは国土地理院大正二年測量、昭和三十九年改測、昭和四十一年発行の五万分の一地形図鳥海山より。

 赤の破線が旧登拝道。青の破線がソブ谷地経由して鳳来山、横堂へ至る、いつの間にか蕨岡口と思われるようになった登山道。現在はほぼ廃道。熊が頻繁に出るところとして知られています。熊愛護の方はぜひ訪れ敵意のないことを熊に伝え仲良くしてください。向こうにはその気は一切ありませんのでご注意ください。

 白糸の滝から鶴間池への道が見えます。大台野からは標高880mあたりまで道が記載されています。

 大澤神社は直近まで記載されていましたがかつては赤滝の前に無雪期仮設されていたもの。その後建物はないにもかかわらず地図上に記載されていました。それもいつの間にか横堂に大澤神社と記載され、多くの登山者が現存する石の祠を見て大澤神社だと思っていたようです。こちらの指摘で国土地理院も建物のないことを航空写真で確認し、地形図から削除しました。


※昭和四十一年発行の地形図は実際はカラーなのですが、カラーの謄本は高いのでモノクロを購入しました。また、オークションサイト等で鳥海山地形図お折り畳まれてよれよれになったものを結構高い価格で出品していますが、国土地理院に謄本交付申請すれば現存する陸地測量部測量以降の地形図は安く簡単に入手できます。また、送料は少しかかりますが折り畳まないでの送付もしてくれます。

※地形図の記載に当たっては国土地理院の地図の利用手続きを一読し、記載が可能であるか確認してから記載しましょう。

 

 


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