「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

人間の土地

2005年11月21日 | book
やっと本をきちんと読めました。
よかったよかった…
ま、仕事は失敗ばかりで頭はパニック
なんですけどね。
だからこそ、本を読む時間は落ち着いた
大切な時間だと改めて気付いたのですマル

「人間の土地」
サン=テグジュペリ
訳・堀口大學
新潮文庫

宮崎駿監督が表紙を描いて気になっていたんですよ~
以前に読んだ夜間飛行も嫌い話ではなかったんですけど、
やはり遭難するのが普通の話なので、
テンションが高まるような笑う本では無いですから…

この作品も初期の郵便飛行の話です。
ただ、夜間飛行よりもユーモアっぽさを感じる。
すーっと心が静まる美しい文章が綴られている。
切なさや哀れみやらも感じるけど、それを
重く感じるのではなく、それとなく感じさせる。

郵便飛行には目的地がある。
だがそこまで行くのは容易ではない。
さらには、時として砂漠の真ん中や高山の山中に
不時着し、目的地へ行くことも叶わなくなる。

いや、そもそも砂漠の真ん中に落ちた人間に
とって、目的地とは何であろうか…

仲間が遭難する。
だがそれは今のように劇的ではない。
行方不明になる。
連絡が10分、1時間、1日経ってもこない。
やがて仲間は「いなくなる」

この作品は静かである。
この作品が人生の指針だって?
いいや、そうは思わないよ、私は。
不屈の精神も勇敢な生存劇とも私は思わないよ。

そんなに激しく無いんだ。
静かなんだ。
とにかく静かなんだよ。
雲の上だ。

宮崎アニメの紅の豚で、主人公の豚が人間の時に
体験したあれです、撃墜された飛行機などがたくさん
空を飛んでいる、あのシーン。

あの静かさだ…

最新の画像もっと見る

コメントを投稿