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DAZN観戦 2022年J1リーグ第26節 湘南ベルマーレvs鹿島アントラーズ

2022-08-24 16:00:48 | サッカー視聴記(2022年J1)

<湘南スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 谷
RCB 岡本 CCB 大野 LCB 舘
RWB 石原 DH 米本 LWB 畑
IH 茨田 IH タリク
FW 瀬川 FW 大橋
<鹿島スタメン> 4-4-1-1
GK クォンスンテ
RSB 広瀬 CB 関川 CB 三竿 LSB 安西
RSH 仲間 DH 中村亮太朗 DH 樋口 LSH アルトゥール・カイキ
ST 土居 FW 鈴木優磨

「外国人監督を解任→チームOBが監督就任」という流れを2年続ける事となった鹿島。
以前現地で観たこの試合では、本当に上位チームなのかと思うほど内容は良くなく、下位である札幌に終始押され気味であり。
そこから改善の兆しが見えなかったとあっては監督交代も止む無しと思われますが、ここから鹿島の凋落が始まる事となった……なんて展開にはならない事を祈るばかりです。

その鹿島の監督に就任した岩政大樹氏ですが、シーズンも終わりが見え始め、かつ優勝争いに踏みとどまらなければならないという状況では出来る事は少なく。
前年の相馬直樹氏(現大宮監督)以上に、いかにチームを壊さないかの手腕が問われる所でしょうか。

終盤を迎えたJ1で、そんな下から見れば贅沢ともいえるような悩みを抱える鹿島とぶつかった、残留争いの渦中にある湘南。
ストライカーの町野も、故障に苛まれるなどで前回観た京都戦以来得点は無く、フィーバーは終焉といった感じ。
この日も運動量と人数を掛けた前進でペースを握らんとしますが、立ち上がりはミスによる危機が目立ち。
前半4分中盤でカイキが奪って攻守交替させた鹿島、鈴木優の裏へのミドルパスを受けた土居がエリア内左を突いた所、湘南・岡本に倒され。
反則の笛は鳴らずと際どいシーンになると、直後にはクリアミス(蹴り出したボールが味方に当たる)を拾った仲間がそのままシュート(GK谷キャッチ)というピンチの招き方。
ホーム(レモンガススタジアム)での試合ながら、断続的に降り注ぐ雨という天候の影響か、好循環を得られない入りとなりました。

この日はレギュラーを弄り、岡本が3バックの右に入るという布陣。
そのため片側を上げてのビルドアップは影を潜めたものの、代わりにその岡本の裏狙いのロングパスを交えながら好機を作る湘南。
12分にそのロングパスに走り込んだ大橋が右サイド奥からマイナスのクロス、ニアサイドで瀬川が合わせるもディフェンスに遭いミート出来ず。
15分に今度は中盤でのボール奪取から右サイドをショートパスで前進、タリクのエリア内の瀬川へのパスはカットされるも、こぼれ球を自ら拾ったタリクがそのまま浮き球をコントロールした末にボレーシュート。
しかしGKクォンスンテのセーブに阻まれ、依然としてゴール運の無いタリク。

長短交えて相手を押し込む体勢を作った湘南に対し、次第に鹿島は耐えるだけといった状況を強いられ。
22分には湘南のコーナーキックからカウンターに持ち込んだものの、ドリブルで突き進んだカイキのラストパスは鈴木優に渡らず。
飲水タイムが挟まれた(23分)のちもその流れを修正する事は出来ず、湘南の独壇場といった展開で進んでいきます。

28分に右CKを得た湘南、キッカー茨田のクロスの跳ね返りを畑がダイレクトでエリア内へ送ると、混戦の中細かく繋いだのち瀬川が左奥からシュート。
これを鹿島・三竿が戻りながらのブロックで何とか防ぐも劣勢は明らかで、この辺が暫定政権(肩書き上は正式な監督の岩政氏)ならではの苦しさでしょうか。
自身のサッカーの形が次第に停滞していく中で監督の座を受けた故に、それを覆せる程の手段を施せなければこうなる、といった感じであり。(といっても冒頭の通り、無理に手を施せる状況でも無く)
次第にカウンターの機会も得れなくなるほど押し込まれ。
42分には敵陣でカイキがパスカットするも、そのまま遠目からシュートを放つ(枠外)など、無理目なフィニッシュを狙うなど焦りと苛立ちが滲み出ます。

しかしペースを握っている湘南も、それを得点という結果に繋げる事は出来ず。
それが出来れば今頃はもっと上位に居る、と揶揄する声が聞こえてきそうでもありますが、目下7試合連続で得点は1以下という有様であり。
前試合(2週間前)で5失点した守備面が取り沙汰されていたものの、課題は依然として得点力といった流れで試合は進んでいき。
結局スコアレスのまま前半を終える事となりました。

ハーフタイムを挟み、湘南は大橋→町野へ交代と、課題克服のためストライカーの投入に踏み切り。
一方、攻撃の形自体がままならない鹿島は3枚替えを敢行します。
中村亮・仲間・土居→キムミンテ・和泉・エヴェラウドへと交代し、キムミンテがセンターバックに入る事で三竿がボランチへと上がり。
そしてエヴェラウドがトップ、鈴木優がセカンドトップの位置というFWとなります。

流れを変えようという鹿島ベンチの意気込みを感じたものの、後半の入りも湘南ペースは変わらず。
後半2分舘のドリブルから町野のボールキープという、後方の上がりと前方のポストワークを交えたのち、米本の縦パスがエリア内を突き。
受けた瀬川が切り返しののちシュートを放つも、GKクォンスンテにセーブされ決定機をモノに出来ません。

前半よりもサイドチェンジの割合を上げ、左サイドから畑が突破力を見せるなど、後半に向けてギアを上げてゴールに迫るという立ち回り。
その狙い自体は概ね成功していたものの、やはりゴール前での運気が無く。
7分には敵陣で茨田が左サイドでのボール奪取から、カットインののちエリア内へパスを送り、走り込んだタリクがヒールパスを選択するも空振りしてしまい。
11分には敵陣でのパスワークの末に、瀬川のシュート気味のキック(エリア内へのロビング?)がブロックに入った鹿島・樋口の腕に当たりハンドの反則。
これで直接フリーキックを得たものの、キッカーを務めた町野の直接シュートは落ちずに大きくゴール上へと外れ。
流れを失ってしまいそうな最後のシーンが続くと、その通りの結果が齎される事となります。

14分の鹿島は一旦攻撃が途切れるもクリアボールを繋ぎ、右サイドで持ったエヴェラウドがカットインでエリア内を突いてスルーパス、奥に樋口が走り込み。
そしてマイナスのクロスを入れると、リターンのような形で合わせたエヴェラウドのシュートが、GK谷を弾いてゴールに突き刺さり。
劣勢が続いていた鹿島が先にゴールに辿り着き、リードを奪いました。

これで精神的に余裕が出た鹿島。
以降はロングボールをエヴェラウドが収め、最後方からのビルドアップでは鈴木優が降りて出口役となる事で、ボールを運べる体制が出来上がり。
18分には最終ラインから受けた鈴木優が縦パス、樋口ポストプレイ→三竿裏へミドルパスという流れるような攻撃で、エリア内に走り込んだ和泉がシュート。(ブロック)
前半から見せていた、湘南の攻撃を凌ぎつつの逆襲という流れが一層スムーズに行えるようになります。

一方焦りという要素と戦わなければならなくなった湘南。
長短織り交ぜる攻撃も、ショートパス主体の前進ではフィニッシュまで繋げられず、ロングパスの割合が増えていき。
それにより得たスローインから、22分には米本が左からのカットインを経てミドルシュート(左サイドネット外側)というシーンもありましたが、ビハインドを抱えたまま後半の飲水タイムが挟まれます。

共にHTで交代カードを切ったためか、中々次の一手が見られない両ベンチ。
湘南サイドが先に動きを見せ、3枚替えの準備をしていた所で28分に右サイドからの攻撃でCKを獲得。(ここでの交代は待ち)
するとキッカー茨田ファーにクロス→大野折り返し→瀬川ヘディングシュートという、完璧な流れを見せてゴールゲット。
付け加えるならば、高い跳躍で大野が鹿島・三竿に完璧に競り勝ち、瀬川のシュートはフリック気味の絶妙な合わせといった所でしょうか。
苦境を跳ね返す、セットプレーでの一撃を炸裂させました。

同点に追い付いても予定していた交代カードは変えず、直後に石原・タリク・茨田→中野・平岡・阿部へと交代した湘南。(畑が右ウイングバックへとシフト)
勢い付いてさらに32分に左CKを得ると、キッカー阿部ファーへクロス→中野と同様のパターンを見せるも、中野が鹿島・安西を倒してしまっての反則で実らず。

逆サイドに移っても、武器のスピードを前面に出していた畑。
しかし34分に阿部のスルーパスに走り込んだ際に、足を攣らせてしまい倒れ込み。
序盤からハイテンションを貫く湘南スタイル故に、真夏の戦いはやはり厳しいものがあったでしょうか。
何とかプレーを続けた畑でしたが、その後クロスが精度を欠くシーンを作るなどやはり影響は隠せず。
結局37分に交代の運びとなりました。(福島と交代、福島が右CBに入り岡本が右WBへ回る)

一方同点に追いつかれた鹿島は、それにより再びサッカーの形の乏しさが顔を出し、湘南の攻撃を受け続ける展開に。
32分に樋口→舩橋に、37分にカイキ→エレケへと交代していくも、流れを押し返すには至りません。
さらにエレケ投入でポジションも不透明なものとなり、鈴木優が中盤に降りる事でエヴェラウドと2トップを組んだ、新加入かつ初出場のエレケ。
しかしかなりフリーダムに動く選手といった印象で、両サイドを動き回りボールを受けんとし、それにより鈴木優の位置も決まるといった感じに。
それにより右サイドハーフなはずの和泉はやや後ろ気味で、3ボランチといった布陣に見えました。

そんな乗り切れない相手を尻目に攻め上がる湘南。
39分にはスローインから、投げ入れられたボールを町野がダイレクトでエリア内へ送り、そこに走り込む瀬川。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず、再び決定機を逃してしまいます。
それでもカウンターを狙うには格好の展開ともいえる鹿島、43分にそのチャンスが訪れ、エレケのパスを右サイドで受けたエヴェラウド。
湘南の戻りが遅れ、中央の鈴木優とともに2対1の状況が出来上がりましたが、エヴェラウドのパスはあろう事かゴール方向へ逸れてしまい繋がらず。

ともに勿体無い逃し方をした直後、湘南はさらに岡本が足を攣らせてしまう事態となり。
右WBが受難といった絵図であり、これを期に瀬川と入れ替わり最前線へ位置する事となった岡本。

相手の弱みに付け込むように、遅まきながらもここから攻め上がる鹿島。
既に時間はアディショナルタイムで、湘南は押し込まれたのを受けてか、再び岡本と瀬川のポジションを入れ替えてあくまで勝ち越しを狙いにいき。
しかしその後齎されたのは船橋のボール奪取による鹿島のカウンターで、左サイドでエヴェラウドがクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだ鈴木優がスライディングで合わせ。
しかし中央のエレケへ折り返しを狙ったボールは、ディフェンスに当たり繋がらず。
その後CK・FKを1本ずつ得たものの、結局時間が足りずにゴールまで辿り着けなかった鹿島。

1-1で引き分けとなり、下位の湘南の方が、優勢だっただけに悔やまれる勝ち点1となったでしょうか。
今後順延になる試合も挟まれ過密日程となる中、過去何度も残留争いを勝ち抜いてきた実績?を活かす事は出来るか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第32節 レノファ山口FCvs水戸ホーリーホック

2022-08-23 16:00:47 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の山口の記事はこちら(30節・山形戦、0-1)
※前回の水戸の記事はこちら(29節・大宮戦、1-0)

<前節からの変更>

山口=2人を変更し、そのうちの1人が出場停止明けの田中で、高井と入れ替わり左シャドーに。もう1人が右ウイングバックで兒玉→吉岡。前節登録即スタメンとなった前はこの日もボランチで出場。サブには池上が復帰し、24節(秋田戦)以来のメンバー入りとなる。

水戸=中2日で順延試合(28節・大分戦)を控える立場で、前節退場で出場停止の鈴木を含めて変更は3人。その鈴木の代役は山田奈央が選択され、その他は左サイドバックが大崎→タビナス・ジェファーソン、FWが木下→土肥。(そのためフォーメーションも4-4-2→4-2-3-1にシフトか)新戦力組は、横浜FCから加入の安永がベンチ入り、一方の鵜木はまだベンチ外。

スタメン

未勝利が7試合まで伸びてしまった山口。
しかし救いは「内容は良いが勝てない」頃の流れに戻りつつある事で、前節(岡山戦・2-3)は勝利まで後一歩という試合内容を上位相手に繰り広げ。
高井・前の新戦力(といっても両者とも出戻りですが)が加わる一方で、システム変更が一定の効果を上げているようであり、そろそろ自信を確信に変える結果が欲しい所でしょうか。

水戸は、順延試合を2つも抱えている状態。
今夏も選手の入れ替わりがあったものの、例年に比べて大人しいのは苦しいチーム状況故か、ないしはもはや送り出せる資源が枯渇気味になってしまっているのか。
しかしこの日の相手は、高井が完全移籍したという因縁のある山口。

そんなカード故か、いきなりの前半1分に山口の1トップ・梅木が、水戸・山田奈のチャージを受けて頭部を痛める入りとなってしまい。
幸いプレー続行となり、4分には菊地の裏へのロングパスを受けた梅木、そのままエリア内を突いてシュート(枠外)とファーストシュートを放ち。

エースの気丈な動きで好循環を得たでしょうか。
迎えた6分、水戸の攻撃を渡部のパスカットで切り前進するなか、ゲーゲンプレスを受けるもこぼれ球を拾った田中がそのまま自陣からシュート。
大胆ともいえるロングシュートでしたが、水戸の前からいく姿勢がGK山口瑠伊をも前目の位置取りにさせており、必死で戻る彼の頭上を越えたボールは見事にゴールマウスを捉え。
鮮やかな長距離のシュートを決め、先制点を挙げます。

その間に、チャージを受けてボールをこぼされた佐藤謙介が倒れ込む事態となるも、無事に起き上がりプレー続行。
しかし9分には再び梅木が水戸・山田奈のチャージを受け、頭部を抑え倒れ込んでしまい。
今度はダメージも大きかったようで、脳震盪チェックの末に何とか無事が確認され、ピッチ外へ→復帰という流れとなります。

そんな痛々しいシーンの連続に、水戸のプレスを受けて苦戦……という今後の展開が予想されたものの、以降プレスで相手を悩ませたのは山口の方でした。
12分に敵陣中央エリア手前で沼田がボールカットし、切り返しからシュート。(ブロックに当たりゴール左へ逸れる)
ショートカウンターでゴールを脅かしたのを機に、水戸にペースを与えずに攻撃権を独占する流れとなります。

前回観た時(4バックか5バックかが曖昧な時間帯が目立った)と比べ、守備では5-4-1ないしは5-2-3の布陣を作りつつのプレスがハッキリと形になっており。
スペースを与えず、ビルドアップを許さない姿勢がしっかり構築されていたという印象で、こうなると水戸の苦戦は必至な状況でした。
ロングボールで前進を図っても、収めようとした梅田がハンドを取られるなど実る事は少なく。
逆に水戸の前掛かりな姿勢を突くように、攻撃では裏狙いのロングパスが繋がり。
24分には菊地のロングパスが右サイドの吉岡に渡っての好機、一度はクロスがクリアされるも、拾った前が再びクロス。
ニアサイドで合わせた梅木がヘディングシュート(GK山口瑠セーブ)と、追加点を狙う流れが出来つつありました。

飲水タイムが挟まれ(24分)、何とか流れを変えたい水戸。
山口と同様にプレッシングをひっくり返すべくのロングパスを通さんとするも、抜け出した梅田がオフサイドを取られるなど苦戦は続き。
37分には前田のミドルパスに抜け出した梅田、ダイレクトで中央へ横パスを送ったものの、走り込む椿には渡らずクリアされ。
39分に高岸がミドルシュートを放つ(ブロック)まで、シュートゼロの時間が続く事となりました。

水戸が徐々に攻撃を仕掛けるも、山口の優勢は明らかなままで前半も終盤を迎え。
しかしここで流れを変えかねないアクシデントが発生します。
44分の水戸の攻撃、前田のパス出しを防ぎにいった山口・前でしたが、スライディングでブロックするも勢い余って足裏で前田の脛を削ってしまう事態となります。
たまらず主審の笛が鳴り響き、突き出される赤いカード。
危険なプレーという判定で一発退場の判定を受けてしまった前、以降山口は10人での戦いを余儀なくされました。

そのフリーキックからの二次攻撃で、エリア内左でロングボールを収めたタビナスが、カットインからシュート。
ブロックに当たりゴール右へ逸れるも、水戸の大攻勢を予感させるシーンを作り。
山口は以降も5バックでの守備を変えず(5-3-1の布陣)という姿勢が見えた所で、前半を終えます。

数的優位を活かしたい水戸、後半は立ち上がりから攻め上がり。
しかし後半2分に、ロングパスを収めにいった梅田が再びハンドを取られると、その場から中々動かなかった事で山口・渡部に後ろから押されてしまい。
これでややヒートアップとなったものの、梅田が倒された反動で山口・佐藤謙がそれに引っ掛かって倒れる珍妙なシーンも副次的に生まれた事で乱闘にまでは発展せず終わります。
それでも攻勢を作りたい水戸にとっては、リズム悪く時間を進めてしまった事に変わり無く。
その後山口がCK攻勢の流れに入った事で、水戸の焦りを呼んだでしょうか。

全員敵陣に入っての攻撃を見せるも、しっかり守備体系を取る山口に対して崩しの部分で難儀する水戸。
12分に流れを変えるべく3枚替えを敢行。
山田奈・タビナス・土肥→新里・安永・木下へと交代、最終ラインを2人代えた事で、高岸がセンターバックへ・椿が左SBへ降りるというまさに攻撃のための布陣となります。
そんな秋葉忠宏監督の必死な采配も実らず、その後山口は今度は左サイドからのスローイン攻勢で、ロングスローを交えながら好機を作り時計を進めていきます。

中盤の構成は、安永がボランチ・新里が右サイドハーフとなり、曽根田が右SH→左SHへシフトした水戸。
曽根田・椿というアタッカー2人が揃った左サイドを軸にして攻め上がりますが、山口サイドも決して彼らにスペースを与えず。
奥まで進入してのクロスも、付いていかれた末にブロックに阻まれる等、ストロングポイントが活きずにシュートまで繋げられません。
そんなリードを守る体制を貫く山口も、1トップの梅木が前半に受けた度重なるダメージの影響か、20分に倒れ込んでしまい続行不可能に。
すかさず交代措置が採られ、担架で運ばれたのちに岸田が投入される事となりました。

24分に飲水タイムが挟まれ、水戸は再度交代カードを切り。
黒石・椿→後藤田・大崎と今度はサイドバックを一遍に入れ替えと、大胆な策を続けます。
しかしこれで交代枠は早くも5枚全て使い切り。

出場停止で不在の鈴木よろしく、CBにシフトした後は敵陣での舵取り役を務める高岸。
中央を固める山口に対しサイドへとボールを振り、そこからクロスか一旦戻してエリア内を突くパスを入れるかという択を迫るも、肝心のフィニッシュには中々辿り着けない水戸の攻撃。
29分にはスローインからの攻撃で、中央での高岸の縦パスから細かく繋いだ末に、梅田が反転しながらシュートを放つもゴール上へと外れ。
山口はこの際に菊地が足を攣らせてしまった(痛めた?)のを契機に、こちらも一気に3枚替えという手段を採り。
菊地・吉岡・沼田→生駒・高木・高井へと交代します。

古巣対決、かつ水戸在籍時は山口相手にゴールも決めている(11節)という因縁を残した高井がピッチに登場。
しかし既に守り切れば良い状況故に、華麗に躍動して劇的なゴールを……という展開を描く事は無く。
それでもそんな攻めっ気からか、暫くして岸田とポジションを入れ替わり最前線でチェイシングする役割を担います。

決定機が欲しい水戸は35分、敵陣で梅田がボール奪取してドリブルで運んだのち、山口サイドが戻り切らないうちに左から大崎のクロスがファーサイドに入り。
これを走り込んだ新里が合わせボレーシュート、しかしGK寺門のセーブに阻まれ同点ならず。
ブロックを作られては得点どころかシュートも望み薄なので、この場面のような形が欲しい所。
40分には再びカウンター気味の好機、曽根田のスルーパスを左サイドで大崎が受けてドリブルに入り。
しかし戻ってきた山口・高木に奪われてしまい実りません。

結局確率の低い、山口の守備の崩しを強いられる事となる水戸。
数的不利を突いての、サイドのエリア角付近まで運ぶ事は容易ながらも、そこからどう崩すかという答えは最後まで出す事が出来ず。

山口のスローインやゴールキックでの時間を使う姿勢にも悩まされつつ、最後の攻勢を掛けたいAT。(その最中に山口は田中→山瀬へと交代)
もはや頼みはセットプレーといった感じで、左サイドのスローインから大崎がクロス、ファーサイドで梅田が折り返したボールをエリア内左で前田が拾い。
そして再度クロスという執拗なボールの交差を見せ、コーナーキックに繋げ。
そこから楠本がヘディングシュートを放つも、右サイドネット外側に留まるなどやはりモノに出来ず。

水戸の攻勢を凌ぎ切り、1-0で試合終了の時を迎えた山口。
実に8試合ぶりの勝利と、ようやくトンネルを抜け出したホームでの試合となりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第32節 横浜FCvsファジアーノ岡山

2022-08-22 16:01:34 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(28節・ヴェルディ戦、1-0)
※前回の岡山の記事はこちら(29節・千葉戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(5節、岡山 1-1 横浜FC)

<前節からの変更>

横浜FC=前節が順延で火曜にずれ込んだため中3日に。サウロ・ミネイロ(前節前半に負傷交代、渡邉が55分出場)に代わり伊藤(シャドーに入り、小川がシャドー→FWへシフト)、山下に代わり特別指定の近藤がスタメン、計2人を入れ替え。新加入の助っ人マルセロ・ライアンが初のベンチ入り。

岡山=柳の出場停止のみならず、アクシデント(後述)により急遽6人入れ替えを余儀なくされる。フォーメーションを3-4-2-1へとシフトし、外れたのは柳のほか徳元・河野・本山・田中の不動のレギュラー陣に、切り札のチアゴ・アウベス。彼らの代わりは濱田、ステファン・ムーク、成瀬の他新戦力の輪笠。それに宮崎智彦・宮崎幾笑がベンチ外から格上げ。その他廣木・野口・関戸と、ベンチにも緊急的に格上げされた顔ぶれが並んだ。

スタメン

予期せぬ事態に塗れたうえでこの試合を迎えた両クラブ。
横浜FCは、中止(台風に拠るもの)となった前節・群馬戦が次のミッドウィークに即組み込まれる事となり、勝利した(1-0)もののコンディション面で難儀する事が予想される一戦。

しかし岡山の方は、直前になってウィルス感染者が続出するという塗れ方となり。
レギュラー陣が揃ってベンチ外となったメンバーを見ても、白紙状態から選考を余儀なくされた事が想像出来ます。
秋田から獲得(強奪?)した輪笠を初出場初スタメンという加え方をした他、両宮崎(宮崎智・宮崎幾)を再度組み込むなど、固定傾向だったスタメンが一気に入れ替わる事となりました。
尚3-4-2-1へと布陣も変更しましたが、これは首位・横浜FC対策の意図で決められていたものであるとの事。

そんな緊急事態を強いられた岡山、試合の入りこそ2分足らずで3本クロスを入れるなど押し込んだものの、防がれると一転。
前半4分敵陣でのパスワークの中、宮崎幾のヒールパスが繋がらずという拙い失い方からカウンターを受け、拾った伊藤のスルーパスで小川がGKと一対一になるという横浜FCの決定機。
エリア内に進入してGK堀田を左にかわそうとした小川が倒れるというシーンになりましたが、堀田は小川に触れておらずノーファールで防ぎ。
ここから横浜FCペースとなり、続く5分にも中村拓海の裏へのロングパスに走り込んだ近藤が中央へ横パス、伊藤が放ったダイレクトでのシュートが右ゴールポストを直撃。
その後のコーナーキックからも、セカンドボールを拾い続けた末に3度目のクロスを小川が落とし、伊藤がボレーシュートにいくもオフサイド。
圧を掛け続ける横浜FC、首位チームらしいサッカーを見せます。

その後は3-4-2-1同士のビルドアップ合戦へと場面は映り。
岡山は3バックといっても、普段が4バックなのでセンターバック2人+サイドバック1人という組み合わせ。
 CB CB SB
SB DH DH SH
図的に簡単に表すと↑のような布陣なので、SBが本職の宮崎智をどう前線に絡ませるかが肝となりそうであり。
ボランチ1人がヨルディ・バイスと濱田の間に降りるという最終ラインの形が何度か見られたものの、結局は横浜FCのプレッシングの前に、前線狙いのロングボールが多く割合を占め効果的とはいきません。

一方の横浜FCは、前節から続く岩武の不在で、左右のCB(右=中村拓・左=亀川)がともにSBが本職の人材。(岩武も前年まではSBの選手でしたが)
そのため両者ともワイドに開くのを基本形としつつ、GKスペンド・ブローダーセンも前に出て絡むビルドアップ。
それに加え、ドイスボランチの片割れである和田がワイパーの如くサイドでボールに絡むというスタイル。
レーンチェンジのパスをハッキリさせたパスワークによる前進を主体として、攻撃を作っていきます。

飲水タイムが挟まれる(23分)と、そんな定型を持つ横浜FCが、急造的な岡山を制して徐々に押し込むという流れになり。
攻撃権を支配していくも、31分にはスルーパスに走り込んだ近藤のクロスから、小川がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
悔しさの感情をゴールバーを殴るという行為で露わにする小川、良いペースながらもそれをスコアに繋げられないもどかしさがチームからも感じられ。

すると徐々に自陣でのパスミスが目立ち流れが悪くなり。
そんな中迎えた41分、ハイボールの競り合いで横浜FC・伊藤と岡山・宮崎智が激突し、両者倒れ込んでしまい。
宮崎智の頭部(顎の辺り?)から出血するという事態に発展し、両者ピッチ外に出たものの、直ぐに復帰した伊藤を尻目に宮崎智は顔の周囲部にテーピングがぐるりと巻かれる痛々しい絵図で復帰する事となりました。

数的不利の間ボールキープに徹した岡山、宮崎智が復帰して迎えたアディショナルタイム、プレスに成功して敵陣深め右サイドで成瀬がボールカット。
拾ったムークがエリア内右からマイナスのクロスを入れ、ニアサイドでミッチェル・デュークが合わせにいくも眼前でクリアされ実らず。
その後もスローインからの攻撃で佐野がシュートを放つ(枠外)など、最後は岡山の攻勢が描かれて前半が終了。

ハーフタイムで横浜FCが動き、何度か岡山のチャージを受けて痛んでいた長谷川が交代となり、松浦を同ポジションで投入。
迎えた後半、その横浜FCが前半同様に攻撃。
サイドに開いた和田によりパスワークを展開しクロスまで持っていく事数度と押し込むも、クロス精度を欠くなどして成果は挙げられず。

反対に岡山は後半7分、横浜FCのお株を奪うようにレーンチェンジのパス主体で左サイドを前進、宮崎智斜めの縦パス→輪笠スルー→デュークエリア内へダイレクトパスという流れる攻撃。(輪笠が走り込むも繋がらず)
ここから雲行きが怪しくなってくる横浜FC、10分の攻撃では上げられたクロスに対し伊藤が合わせにいくと、バイスとの競り合いに。
縺れて倒れ込んだ末に、バイスの脚が伊藤の頭部を襲う事態となり、たまらず主審の笛が鳴り響きます。
故意か否かを巡り両軍入り乱れるシーンとなりましたが、バイスに警告が出された事で何とか決着。

冷静さを欠く懸念が強まる中で、岡山は得意手であるデューク狙いのロングパスへと攻撃を切り替え。
さらにデュークが右サイドでターゲットとなるのに努めた事で、そこから好循環を掴みます。
16分にはそのデュークの落としからムーク→輪笠→宮崎幾とパスを繋げた所、宮崎幾が横浜FC・ガブリエウに反則を受けた事で直接フリーキックの好機。
これをバイスが直接狙うも、ゴールほぼ正面となりGKブローダーセンが抑えます。

横浜FCは劣勢を受け、さらにベンチが動いたのが19分。
近藤・武田→山下・山根へと2枚替え、両ウイングバックを一気に取り替える策を採ります。
それとほぼ同時に岡山も動き宮崎幾→ハンイヴォンへと交代。
その後はボールを顔面に受けて輪笠が倒れてしまう(22分)シーンが目立つなど、不透明な中どちらが流れを掴むかといった展開に。

そして24分、ハンイヴォンのドリブルをガブリエルが引っ掛けてしまい反則・警告を受け。
これを期に岡山が押し込み、デュークのシュートがブロックされて右CKを得たのが25分。
ポジション取りで揉めてやや時間が掛けられたのち、キッカー河井のクロスを中央で濱田がヘディングシュートと、フィニッシュに繋げる岡山。
しかし小川のブロックで防いだ横浜FC、こぼれ球をクリアすると拾った山根がドリブルで一気に持ち込んでのカウンターとなり。
そして並走する山下と共に2対1を作った末、横パスを受けた山下がエリア内に進入しシュート。
ボールは前に出たGK堀田がセーブするも、勢いは死なずそのままゴールに吸い込まれて見事にカウンターを完遂させました。
流れ通りの結果が出るとは限らない、サッカーの恐ろしさを対眼するかのような先制点が生まれました。
同時に後半の飲水タイムが挟まれ、さらに岡山が河井→齊藤へと交代して再開された試合。

デューク・齋藤の2トップとしたうえで、佐野が中盤中央へとシフトし、3-3-2-2(輪笠のアンカー?)とも3-5-2(ムークと3ボランチ?)とも取れる布陣へと移行した岡山。
これによりハンイヴォンが突破力を活かしての左ウイングバックへと移ったものの、これが不発。
29分にサイドライン際で横浜FC・山下と競り合い倒された事で、あろう事か報復で山下を押し倒してしまいます。
余計な警告を受ける事態となり、反撃ムードを高められず。
その後33分に、横浜FC・山根のドリブルを反則で止めた濱田も警告を受ける等、リードされた事で苦しさが一気に露呈してしまった感じでした。
そしてそれと同時に成瀬が足を攣らせてしまい、交代の措置が採られ。
成瀬とともにムークが退き喜山・野口を投入、ハンイヴォンが今度は右WBへと移るなど急場のやり繰りを強いられます。

一向に上向かない流れのまま時間を費やしたものの、迎えた41分。(横浜FCは39分に田部井→ハイネルに交代)
GK堀田のフィードから右サイドでボールを運び、エリア内中央でパスを受けたデュークがシュート。
しかしGKブローダーセンのセーブに阻まれ、乾坤一擲といった好機もモノに出来ず終わります。

43分に横浜FCも最後の交代カードを使い、伊藤→高橋。
これで山下がシャドーに、中村拓が右WBにシフトと一列ずつ上がり守備固め。
苦しい岡山はATを待たずしてバイスが前線に上がるパワープレイ体制へと移行し、CKから再び濱田がヘディングシュートを放つ(ゴール左へ外れ)など見せ場も作り、決してノーチャンスでは無かっただけに結果が出ないのがもどかしくもあり。

再びのCKでGK堀田も前線に上がるなど押し込む岡山でしたがATも終盤、チャージを受けて倒れ込む横浜FC・山下に対してデュークが頭部を蹴りにいった?事で、山下が(痛む足を堪えながら)ヒートアップし再度揉める事態に。
頂けないシーンを作る事3度とあっては、勝負運を呼び込むに至らないのも道義、といった締まらない最後となってしまったでしょうか。

結局1-0のまま横浜FCが勝利に辿り着き。
新潟戦(23節)同様、苦しい展開を強いられながらも昇格争いのライバルを振り切る試合となり、残り10試合で大団円へと向かう体勢を作り上げられるでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第20節 FC今治vsFC岐阜

2022-08-19 16:01:05 | サッカー視聴記(2022年その他)

<今治スタメン> 4-4-2
GK 茂木
RSB 下口 CB 安藤 CB 照山 LSB 上原
RSH 山田 DH 楠美 DH 三門 LSH 近藤
FW 中川 FW フィリップ・ピシュチェク
<岐阜スタメン> 3-4-2-1
GK 桐畑
RCB 藤谷 CCB フレイレ LCB 宇賀神
RWB 生地 DH 柏木 DH 庄司 LWB 畑
IH 石津 IH 藤岡
FW 田中

ひょんな事から、大宮のキャプテンであった三門の出奔?先となった今治。
この日がスタメン2試合目で、後方から昇格争いに加わらんとしているクラブのブーストとなるべく中盤の底を固め。

一方岐阜の中盤の底には、中心的存在となり得る柏木がこの日スタメン復帰。
彼不在の5試合で4敗(1勝)という有様で、上位戦線からの脱落を強いられてしまっただけに、そのピッチ上の指揮官ぶりに期待がかかる状況であり。

試合が始まり、今治のプレスの緩さ(FWにピシュチェクが初スタメンという影響か)を尻目に、長いパスを中心に攻撃を組み立てる岐阜。
それに右サイドでの生地・石津の関係性を絡めるなか、逆サイドの畑が躍動。
前半8分に左からクロスを入れ、ブロックされるも拾った庄司のパスを受けてミドルシュートを放つ(枠外)と、続く9分にもカットインを経てエリア外からシュートを放ち。(ブロック)
この日が誕生日という要素を力に変えている節が見受けられました。

今治はそんな岐阜の攻勢を防ぎつつ、少ない好機を活かすという、2週間のブレイクが代替試合で無くなった影響による省エネっぽい立ち回り。
しかしプレスが掛からないのは仕方無いにせよ、折角自分のターンになっても、前進しきらないうちにアーリークロスを上げるだけの攻撃に終始するシーンばかり。
岐阜の堅い3バックに対し、戻り切らないうちにボールを入れるという意識が強すぎたでしょうか。

そんな一言で言えば「重い」ようなサッカーの今治に対し、有利なうちにスコア差を付けたい岐阜。
21分には右サイドで生地のスルーパスに走り込んだ田中がクロスを入れる体勢となり、ブロックに合うもエリア内へこぼれたボールを柏木が拾い、彼の落としをダイレクトで石津がミドルシュート。(今治・下口がブロック)
エリア外から積極的にゴールを狙う姿勢を貫くも、得点は挙げられず。

飲水タイムののち、今治の緩いプレスを突くように、3バックの左右を上げさせてのビルドアップ体制を採る岐阜。
ピッチ上で修正を図るという手法は、現在の「戦力隆々だが、ベンチの存在感は……」というような岐阜の編成の影響か、ないしは柏木のようなブレーン的存在の選手が幅を利かせているからなのか。(ブレイク中にベンチが指示を出した可能性もありますが)
30分には最終ラインでの繋ぎのなかで宇賀神が中央へ絞りつつ前進し、右サイドで前進した生地の中央へのパスを石津がスルー、流れたボールをその宇賀神がダイレクトでミドルシュート。
狙いすましたような攻撃の形でしたが、エリア内で今治・照山のブロックに阻まれます。

そんな選手間のアイデアが色濃く表れる攻撃を見せる岐阜ですが、一方の守備面ではやや苦戦。
32分の今治の攻撃、近藤がドリブルから中央へミドルパスを送った所に、岐阜・藤谷がアフターチャージを犯してしまい反則・警告。
その後藤谷は今治選手にチャージを受けて痛むシーンが目立つなど、これでやや及び腰になってしまったでしょうか。
39分には今治・中川のドリブルを反則で止めたフレイレも警告を受ける等、最終ラインの選手にプレッシャーがかかる状態に。
その直接フリーキックから、今治は照山が(キッカー上原の小さい蹴り出しから)シュートを狙ったものの、エリア内で岐阜・庄司のブロックに阻まれ。
43分には再びフレイレの反則で中盤右サイドからのFKとなり、またもトリックプレーを選択した今治ですが今度は不発。

今治のセットプレー絡みの攻撃を受け、徐々にリズムが悪くなってきた岐阜。
そして45分ここも右からのスローインによるリスタートからで、素早く奥へ投げられたボールをピシュチェクがトラップから浮き球パス、収めた山田がエリア内へ送り。
受けた中川がエリア内右を抉り、そのまま奥からシュートを放つと、角度が無い所ながらボールは左サイドネットに突き刺さり。
決して満足な攻撃が出来ていなかった今治ですが、それを帳消しにする先制点を挙げました。

一方序盤から攻勢を掛けながらも、リードを奪われてしまった岐阜。
その姿は、オフにあれだけ大補強を敢行しながら、上位争いに加われない位置に留まっているというクラブ自体の流れに従うかのようであり。
その後アディショナルタイムに柏木がミドルシュートを放った(枠外)のみで、前半を折り返します。

早めに同点にし、好循環を取り戻したい岐阜を尻目に、最初に決定機を掴んだのは今治。
後半4分左サイドからピシュチェクがカットインを仕掛け、ディフェンスに遭うもエリア内へこぼれた所を山田が拾い。
そしてフリーでシュートを放ちましたが、GK桐畑がセーブして何とか防ぎます。

いきなり肝を冷やした岐阜、その後は宇賀神のフィードを中心に反撃体制を作り。
9分にはその宇賀神のサイドチェンジを受けた生地が右サイド奥を突き、クロスがブロックされコーナーキックに。
そこからの二次攻撃、右サイド手前からの生地のクロスで、藤谷のヘディングシュートがゴールネットに突き刺さるも惜しくもオフサイドでノーゴール。
14分には再び宇賀神のミドルパスを左奥で受けた畑から、半円状にパスを回した末にエリア内右で受けた生地がシュート。
これをニアサイドで庄司がコースを変えたものの、枠外に飛んでしまいモノに出来ません。

その直後には今治のゴールキック、ロングフィードを収めにいったピシュチェクに対し岐阜・フレイレがまたも反則を犯し。
幸い2度目の警告こそ出なかったもののヒヤリとするシーンで、今治のFK(この日はハーフライン付近からでも放り込みを選択していた)となると再びリズムを失っていきます。(そのFKの前に、岐阜は畑→菊池に交代)
そして17分再び今治に決定機、右サイドで楠美の縦パスを受けたピシュチェクからスルーパス、受けた山田がサイドからエリア内右を突いてシュート。
GK桐畑がセーブしたこぼれ球を近藤が詰めるも、ジャストミート出来ず桐畑に抑えられ、試合を楽にする追加点は生まれず。
それでも相手の焦りに乗じて少ない好機をモノにするというゲームプランは遂行されつつあり。

22分に飲水タイムが挟まれ、岐阜は明ける際に2枚替え(ブレイク前に準備はしていた)、田中・藤岡→山内・富樫。
直後の24分、今治のGK茂木のパスミスを柏木がダイレクトで縦パスで繋ぎ、受けた石津がエリア内右を突くという好機が訪れるもフィニッシュまではいけず。(クロスがクリアされる)
続く25分に今度は岐阜のクリアミスを中川が拾って今治の好機、そのままドリブルで中央を進み、エリアライン際からシュートするもブロックに阻まれ。
お互いミスの応酬という第4クォーターの入りとなります。(26分に今治は中川→インディオに交代)

試合展開は混迷加減となり、岐阜は既に前半のような攻勢を続けられる流れでは無く。
一方の今治サイドも、初スタメンのピシュチェクが苛立っていたのか、31分にボールを持った岐阜・庄司に対し後ろから押し倒してしまい反則。
試合から消え気味になっていた故か、それとも同じ助っ人のインディオとの相性の悪さが現れたのか。
隙が見られた所で、このFKで変化を付ける岐阜、柏木の左サイド奥へのスルーパスに走り込んだ菊池がクロス。
そして富樫が中央でヘディングシュートを放ちますが、GK茂木が横っ飛びでキャッチ。

好機をモノに出来なかった岐阜、直後に今治のカウンターを防ごうとした宇賀神が(インディオに対する)反則で警告を受け。
これで3バック全てが警告を貰う事態となってしまいます。
さらに時間が進み手詰まり感が深まる中、その3人のうちフレイレを諦める選択を採った横山雄次監督。
ヘニキと交代するとともに、同時に柏木も諦め吉濱へと交代。(藤谷がリベロに回る)
この交代の直前に柏木が反則を受けていた事で、FKで攻める岐阜。
キッカーは柏木から吉濱に代わったものの、そのクロス(左サイド)から今治がGK茂木と照山が味方同士で交錯。
両者倒れ込み試合が止まり、熱量を上げていきたい終盤戦で中断を強いられます。(両者とも無事でプレーを続ける)

43分に今治が動き、2枚替え(上原・ピシュチェク→冨田・駒野)とともに布陣変更。
<後半43分以降の今治> 3-4-2-1
GK 茂木
RCB 下口 CCB 安藤 LCB 照山
RWB 駒野 DH 楠美 DH 三門 LWB 冨田
IH 山田 IH 近藤
FW インディオ
典型的な守備固め体制である、5バックシステムを採りました。

何とか追い付きたい岐阜。
ATに突入し、様々な手で好機を齎してきた宇賀神も左サイドを上がって攻撃に絡む他無く。
石津の左からのクロスの跳ね返りに走り込む宇賀神、そして左ハーフレーン・エリア手前からシュートを放ちましたがブロックされたうえ、クリアボールが岐阜最終ライン裏のスペースに。
すかさず走り込む今治・インディオを、腕で止めにいってしまった藤谷。
主審の笛が鳴り響き、反則と共に退場を告げる2枚目の警告が突き付けられ。
この土壇場で数的不利を強いられる事となります。

以降4-4-1の布陣で最後の望みを賭ける岐阜。(今治は最後の交代を敢行、山田・三門→島村・岡山)
何とかCKを掴むも、既に目安時間は大幅に過ぎ。
GK桐畑もエリア内へと上がっての最後の攻撃、キッカー吉濱のクロスをGK茂木が弾くと、桐畑が果敢に詰めにいき。
収まらないボールを意地でゴールにねじ入れようとするも、GK茂木が抑えて試合終了の笛が鳴るという、両GK同士の攻防で締められる事となりました。

前節からホーム3連戦という事で、監督の橋川和晃氏も3連勝宣言をする(放送席の談)など、可能性が見えて来た昇格チャンスをモノにせんとしている今治。
三門の補強もその意欲の表れでしょうが、この日は勝利したものの、先制点に辿り着くまでは硬直的なサッカーという印象が強く。(これまで今季シュート数はリーグトップだったが、この日は6本のみ)
Jリーグ参入して3年目、いきなり1年目に昇格争いに加わったものの、2年目の前年はそれ故の近視的思考に囚われてしまい迷走。
結果主義への傾倒で失うものも当然ある、という事を考えさせられますが、果たして今季の結末はどうなるでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第31節 ジェフユナイテッド千葉vsFC町田ゼルビア

2022-08-17 16:12:51 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(29節・岡山戦、1-1)
※前回の町田の記事はこちら(25節・水戸戦、2-3)

<前節からの変更>

千葉=新井一耀・チャンミンギュが外れ(鈴木大輔も再離脱となり)、3バックのレギュラーが誰も居ないという状況に。2人の代わりは佐々木(左センターバック)の他、熊谷アンドリューをスクランブル的にリベロに起用。その他は前節と同様。控えにはスクランブル体制を受けてか、2種登録されたばかりの谷田が入る事に。

町田=中心選手の平戸がベンチ外となり、代わって太田が2試合ぶりのスタメン。その他は前節と同様。

スタメン

監督という立場にも拘らず、累積警告によるベンチ入り禁止処分を受ける破目となった町田のランコ・ポポヴィッチ監督。
復帰したのちも29節(山形戦、0-1)にまたも警告を受けるなど、その気勢の激しさは止まる所を知らず。
しかし中心的存在の平戸の欠場はショッキングだったようで、試合前インタビューであっさりその事に言及するなど意気消沈気味に見えました。

対する千葉も離脱者続出で、とうとう3バックのレギュラーが不在のなか戦う事態に。(幸い、補強した田邉が定着の兆しを見せていますが)
この日は3試合ぶりに復帰した熊谷が、あろう事か3バックの中央を務めるというどう見ても厳しい状況。
そしてその唯でさえ不安定なラインが、またもトラブルに見舞われる事となります。

そんな苦境の千葉は、1トップのチアゴ・デ・レオンソ狙いのパスでペースを掴まんとする入りに。
前半3分は中盤からの戻しを受けた田邉の縦パスをレオンソがフリック、エリア内へ送ったもののブワニカ啓太には通らず。

一方の町田は5分に敵陣やや深めでボール奪取した翁長が、その勢いのまま千葉・小林のチャージを受けた事で倒れて反則。
これで得た左ハーフレーンからの直接フリーキック、キッカーのヴィニシウス・アラウージョはシュートかクロスか見分け辛いボールを入れ、手前に入ったドゥドゥがフリック気味に合わせにいく際どいシーンを作ります。(ドゥドゥは触れず、GK新井章太がキャッチ)

その直後には逆に千葉が反則を受けたり(7分)、12分には町田・翁長が千葉・末吉に足を踏まれて痛む(反則は無し)など、ラフなプレーで試合が途切れがちとなり。
お互い流れを作り辛い展開を強いられましたが、影響を受けていたのは千葉の方でしょうか。
町田のビルドアップに対し規制を殆ど掛けられず、自陣に入る辺りでようやくプレスを掛けるという体勢だったものの、町田サイドはヴィニシウスのポストプレイを絡めながら悠々敵陣でパスを繋ぎ。

そして迎えた18分、ここも太田のダイレクトの縦パスをヴィニシウスがポストプレイ、戻されたボールを再度太田がダイレクトでパス。
受けたドゥドゥが抜け出し、そのままエリア手前からシュートを放ってゴールネットを揺らし。
ヴィニシウスというポストワーカーの存在で、ドゥドゥの裏抜け能力が如何無く発揮されての先制点となりました。

その後そのドゥドゥが、千葉・福満のチャージを受けて激しく倒れ込んだのが21分。
傍らから見てもダメージは深そうでしたが、何とか無事立ち上がったドゥドゥ。
しかしブレイクが長くなった事で、同時に飲水タイムが挟まれます。

明けて暫く経ち、今度は千葉サイドをアクシデントが襲い。
27分に熊谷が足を痛めてしまい続行不能と、代役を務めた選手が離脱するという追い撃ちを掛けられ。
結局西久保が投入され、田邉が中央を務める事となった3バック。(西久保が右・佐々木が左)

依然として流れを作り辛い状況で、ビハインドの千葉は長いパス中心に何とか組み立てんとし。
ブワニカをターゲットとしたロングボールは、町田・深津のマンマーク気味のチェックにより機能せず。
しかしレオンソへのパスや、サイドへ裏狙いのパスも絡めながら押し込み、コーナーキックを数多得て同点を狙いにいきます。

終盤を迎え、43分には田口を中心としたパスワークで右サイドから攻め、エリア内で受けた風間がディフェンスに遭いこぼれた所を田口が反応してシュート。
これがブロックされて右CKとなると、試合絵図をより困難なものとするシーンの発端となり。
キッカー田口がクロスを上げるもクリアされたのを余所に町田選手が1人倒れますが(笛は鳴らず)、その脇で町田・高橋祥平が千葉・佐々木と言い合いの末に押し倒し。
その報復のような行為がカメラに映っているのを余所に尚も千葉の攻撃は続けられ、田口の再びのクロスを西久保が合わせ、枠外となった所で混乱の収束に追われる事となります。
いかにも「ラフプレーを生き甲斐とするような選手」(最近は絶滅危惧種っぽい)という属性持ちの高橋祥らしいシーンでしたが、結局カードの類は出なかったばかりか、町田選手が倒れた事に拠る千葉の反則とされる判定で落ち着き。
これに紛糾する尹晶煥(ユンジョンファン)監督はじめ千葉サイド、といったのが前半最大のハイライトとなったでしょうか。

その後突入したアディショナルタイム、ドゥドゥの抜け出しを千葉・西久保が反則で止めた(警告)事によるFKで、ヴィニシウスの直接シュートはゴール上へと外れ。
しかしスタジアムの雰囲気は(千葉のホームという事もあり)最悪に近いものとなり、そのまま前半を終える事となりました。

当然の事ながら、ハーフタイムの尹監督の指示(のちの放送席の談)に「落ち着いてプレーする事」というものが加えられる事となり。
試合をひっくり返すためにも、その精神が問われる事となった千葉。

その効果か中盤の底を固める田口が躍動し、それを止めようとしてチャージ・反則を取られてしまう町田、といった立ち上がりの絵図となり。
そして迎えた後半5分、右サイドからのFKを(反則を受けた)田口が蹴り、エリア内中央へのロビングを西久保が合わせにいくもそのままファーへ流れ。
エリア内左で拾ったのは末吉で、そのままシュートを放つと、ボールはブロックに入った町田・深津の左腕に当たった事で主審の笛が鳴り響き。
深津の左腕は閉じていたものの、逆の右腕が開いていた事により印象悪く映ってしまったのか、それとも度重なる町田の反則に拠る印象の悪さか。
ともかくハンドとなりPKを獲得した千葉、キッカー・レオンソは上部へシュートを放ち、ゴールバーに当たったものの内側に入って無事ゴール。
早い段階で同点に追い付いた千葉。

その後は乱戦模様の試合らしく、途中出場の西久保によりロングスローを絡めながら相手を脅かしていく千葉。
9分にはそのロングスローから町田がカウンターに持ち込みますが、高江のドリブルを遅らせた末に太田へのパスをカットして防いだ千葉が逆カウンター。
クリアされたボールをレオンソ・ブワニカのツインタワーが浮き球で繋いでいき、最後はブワニカのシュートがブロックされてCKと、運気は千葉に傾いているように映りました。

攻撃を受け続け、敵陣で千葉サイドのパスのズレに助けられるなど、リードを失った事でリズムも悪くなった町田。
交代カードを切る必要性に迫られるなか、18分には太田が千葉・佐々木のチャージを受けて倒れ込む事態となり。
しかし折りしもその太田との交代準備が既に進められており、さらに太田は股間を蹴られての悶絶?という形であったため、千葉サイドとは違って傷は残さずとなりました。
投入されたのは鄭大世(チョンテセ)で、彼が頂点に入る事によりヴィニシウスが右シャドーへと降り。
直後の20分にドゥドゥの左サイドへの裏抜けから、エリア内へのパスを受けた鄭がシュート(ブロック)と、一つ形を作ります。

その後も千葉・末吉の顔面に、町田・奥山の蹴り出したボールがクリーンヒットしてしまい倒れる(21分)など、選手の痛むシーンの頻発で途切れがちな試合の流れ。
そんな中、23分の町田は最終ラインからのビルドアップの最中に、深津が足を痛めてしまうというアクシデントに襲われます。
それでも上記の状況故に試合を切らせる訳にはいかないという思いからか、倒れずにプレーを続けた深津。
その後千葉の反撃によりディフェンスにも入るという痛々しいシーンが見られたのち、右サイドからのヴィニシウスのクロスがクリアされCKとなった事で、ようやく交代の措置が採られました。
投入されたのは前年千葉に在籍していた岡野。

その後のCKからの攻撃が途切れた所で遅めの飲水タイム(26分)となり、千葉サイドもそれが明ける際にレオンソ・風間→櫻川ソロモン・見木へと2枚替え。
投入された櫻川が左サイド奥で攻撃に絡みますが、目立ったのはラインアウトによる判定への不満というシーンを頻発させてしまった櫻川。
HTでの監督の指示が忘れられたかのような振る舞いであり、これで運気が逃げてしまった節がありました。

32分に翁長がラフに裏へロングパスを送ると、千葉・佐々木のクリアミスでエリア内右で鄭がシュート体勢という絶好機を得た町田。
放たれたシュートはゴール左へ外れモノに出来ずも、以降潮目が変わり攻勢に入ります。
右CBが岡野へと代わった事で、攻撃参加意識の強い彼により、ミシャ式でのビルドアップへと傾倒していく町田。
疲労度が目立ってくる時間帯に来て推進力が増された事で、千葉は一気に劣勢を強いられます。
39分に再度2枚替えを敢行(福満・末吉→米倉・秋山)してもそれを押し止める事は出来ず。

そして40分、左に開いた高橋からの攻撃で、ミドルパスが選択されてそれを収めた鄭。
エリア内へ向けたパスがディフェンスに当たりこぼれるも、ドゥドゥへの絶妙なパスとなり、そのままカットインを仕掛けにいくドゥドゥ。
たまらず後ろから千葉・西久保が足を掛けてしまい、ドゥドゥが倒れて主審の笛が鳴り響き反則・PKに。(まだ中央に佐々木が残っていたためこの西久保の対応は疑問)
これをドゥドゥ自らが蹴りにいき、細かな助走から見事にGK新井章の逆を突いて左へとシュート。
この日2点目は胸すく勝ち越しゴールとなりました。

残り少ない時間で点を取る必要性が生まれてしまった千葉。
この日再三敢行されたセットプレー攻勢へ縋る事となり、町田のチャージも止む事は無かったためそれはスムーズに持ち込まれ。
しかし得点源の新井一やチャンミンギュ不在がこちらの方面で響く格好となり、そこから得点どころかフィニッシュすら放つ事は出来ません。

そのままATに突入すると、結局は西久保のロングスローを両サイドで使う事態となり。
しかし最後まで町田ゴールを脅かす事は出来ず、試合終了の笛が鳴り響き。
この試合に勝利して町田と順位を入れ替えるという目論見は、こうしてはかなく終わりました。

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