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DAZN観戦 2022年J2リーグ第29節 水戸ホーリーホックvs大宮アルディージャ

2022-08-01 16:01:56 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(25節・町田戦、3-2)
※前回の大宮の記事はこちら(27節・琉球戦、1-1)

<前節からの変更>

水戸=前節が中止なため27節(甲府戦、1-1)を基準。センターバックの一角が鈴木→山田奈央、左サイドバックがタビナス・ジェファーソン→大崎。ボランチの前田に代えて曽根田が右サイドハーフで入り、新里涼が右SH→ボランチへシフト。左SHは椿→杉浦。2トップ(といっても前試合は4-4-1-1気味)は2人とも入れ替え、木下・土肥→安藤・梅田。以上6人を入れ替えた。

大宮=3人を変更。CBの一角に新戦力の袴田を早速起用(西村と入れ替え)したのをはじめ、ボランチの一角が小島→大山・右SHが武田→柴山。控えでもレンタルで加入した岡庭が初のベンチ入りと、夏の新戦力が幅を利かせる。

スタメン

水戸はウィルスによる活動停止に苛まれ、1節間が空いての試合。
最も出場時間の多い鈴木までもがベンチ外となるなど、コンディション面で多大な苦労を強いられた感のスタメンとなりましたが、今こそ全員サッカーの神髄を見せるといった状況でしょうか。

そんな、秋葉忠宏監督が「危機的状況」と表現した水戸の一方で、相手の大宮は成績面での危機は普遍的に付いて回り。
夏の補強で加えた袴田や岡庭をメンバー入りさせ、残留に向けて一致団結したい中で、激震に見舞われる事となります。
出番を失っていたキャプテンの三門が完全移籍でチームを離れる(J3今治へ移籍)事となり、再編成を余儀なくされる結束力。
新たなキャプテンに富山が指名され、引き締め直す事に必死な状況ですが、貢献してきた大ベテランに対してこうした追い出し方をするツケが出ないかどうか。
それともチームを変えるための犠牲に留まるかという面で、以降の戦いぶりが文字通り左右する事となりそうです。

ともかく、コンディションという物理的な課題の水戸と、移籍による精神的な揺れという懸念の大宮。
それでも直接的な物理面の影響から、フィジカル面を押し出す戦いを繰り広げるはずの大宮が有利となるはず。
ともに4-4-2がオリジナルフォーメーションのため、ミラーマッチという要素もあれば……と予想を立てたものの、試合序盤であっさり覆される事となります。

前半4分、水戸は自陣でのボール奪取から梅田のボールキープを経て、新里涼が右→左へサイドチェンジ。
受けた大崎の手前からのクロスはブロックされるも、以降も水戸はサイドチェンジを軸に攻撃を組み立て。
またこの際に降りてきてボールを受けた梅田も、その後自陣に戻って守備をする献身性が目立ちました。

そして8分、ここも梅田がプレスバックしてのパスカットから、曽根田が右→左へサイドチェンジという流れ攻撃で組み立て。
一旦攻撃が途切れるも奪い返して最終ラインへ戻した9分、楠本から左へミドルパスが送られると、ノーマークで受けた大崎が奥へ切り込み。
チェックしにいった大宮・茂木がスリップするという幸運もありましたが、そうして上げられたファーサイドへのクロスを、大外で曽根田がヘディングシュートを放って仕上げ。
茂木の転倒以前に、相手のSBをケアすべき右SH・柴山がそこに居ない(ハーフレーンの杉浦に引っ張られていた)という大宮ディフェンスの曖昧さが失点に直結する事となり、水戸のサイドチェンジ中心の攻めはあっさりと先制点に繋がりました。

失点のショックの表れか、その後反撃したいはずの大宮が押され続け。
有利に働くはずのデュエル、特に守備時で水戸に競り負ける場面が続出し、容易に好機を作られてしまいます。

それでもコンディション・フィジカルが原因とは言い難く。
水戸の攻撃が5レーンを巧みに使い、レーンチェンジのパスを駆使して相手より優位なポジションを確保できていたのが、水戸有利となった要因でしょう。
失点シーンのようなどフリーにさせる事こそ無くなった大宮ディフェンスですが、SB・SHの2人がワイドとハーフレーンをしっかり使ってのパスで前進を図る水戸に、デュエルに持ち込む直前でかわされる・不利な体勢でデュエルを仕掛けるといった崩され方。
そんな攻撃の下地から、16分に中央突破から曽根田がシュート(ブロック)、17分には右サイドから黒石クロス→安藤ヘディングシュート(GK志村キャッチ)と攻め立てる水戸。
すっかり後手に回る大宮に対し、19分にはゴールキックを直接左サイドで受けた安藤がドリブルからグラウンダーでクロス、梅田のスルーを経て曽根田がシュート(枠外)と手数を掛けない攻撃も炸裂させます。

一方、FWをターゲットとしたロングボールが中心となるも、水戸の激しい寄せもあり巧く繋がる事は稀な大宮の攻撃。
それも水戸の攻撃の巧みさを引き立たせる事となりました。

飲水タイム(23分)以降も、水戸ペースの試合絵図が変わる事は無く。
パスワークに翻弄される大宮を尻目に、30分以降は縦への突破も混ぜ始め。
32分自陣でボールカットした黒石がそのままドリブルに入り、長距離を運んだ末にエリア内左へスルーパス、奥で受けた杉浦がシュート気味に低いクロスを送るもGK志村に抑えられ。
33分には安藤が敵陣でドリブル、チェックしにいった大宮ディフェンスをパワーで振り切った末にスルーパス。
これが繋がらなかった所で、腕で安藤を阻止しようとした大宮・大山の反則を取られ。(大山に警告)
この直接フリーキックはゴールに繋がらなかったものの、フィジカル面でも敗北を突き付けられる結果となった大宮サイド。
水戸の組織立った攻撃を受け続け、散々語られていた「際」の強さを発揮する事無く沈んでいくといった展開となりました。

混乱状態が伺える大宮。
39分には水戸のゴールキック、GK山口のロングフィード一本で裏を取られ、杉浦がエリア内に進入してシュートするも枠を捉えられず。
41分には再び大山が警告を受けている事を忘れたかのように、裏に抜けようとした梅田を倒してしまい反則、しかしカードは出ず命拾い。
続く42分にはビルドアップの際に新里亮の右へのフィードがミスとなり直接タッチを割るなど、攻守両面で絵的にキツいシーンを見せてしまいます。
何とか水戸・黒石の(矢島慎也に対する)反則により得たFKから、クリアボールを拾った菊地がシュート(ブロック)と、アディショナルタイムでフィニッシュを見せたもののそれだけといった感じ。
結局1-0のまま前半終了となります。

共にハーフタイムの交代は無く、迎えた後半も水戸が前半同様にサイドチェンジを多用して組み立て。
その効果はやはり覿面のようで、後半4分に敵陣でのボール奪取から決定機。
右サイドで奪った黒石がそのままドリブルでエリア内右を突き、入れられたマイナスのクロスを受けた新里涼からラストパス、走り込んだ杉浦がシュート。
しかしGK志村のセーブに阻まれてしまい、止めを刺し損ねる事となった水戸。

後半もコンディション面での不安を感じさせない立ち上がりとなった水戸でしたが、アクシデントに見舞われた事でそれが顔を出してしまいます。
8分、ハイボールの競り合いで大崎が大宮・茂木の腕を受けてしまい、頭部から出血。
治療を経て12分に復帰するも、その直後に杉浦が足を攣らせてしまい、交代の措置が取られる事となり。(椿と交代)
疲労度が顔を出すのは集中が切れた所、という事をまざまざと見せつけられた格好となりました。

これを境に試合展開も変わり、大崎がピッチ外に出たタイミングで2枚替えを敢行(茂木・大山→岡庭・富山、菊地がボランチに回る)した大宮がペースを掴み。
富山・河田の2トップにボールが収まるようになった所に、矢島慎がエリア内への浮き球をその2人に収めさせ、自身が彼らからの戻しを受けるという攻撃で水戸ゴールを脅かしに掛かります。
水戸は16分に異議でベンチに(河野高宏GKコーチに対し)警告が突き出されるなど、劣勢故の弱みが顔を出すようになり。

それでも完全にその流れを掴めない辺りがいかにも下位の大宮で、18分に再び敵陣でのボール奪取から好機を作る水戸。
奪った梅田のパスを受けた安藤のドリブルを経て、走り込んでリターンを受けた梅田がエリア内を突いてシュートしましたが、前方の安藤に当たってしまい跳ね返り。
再び攻撃権は水戸に移り、大宮は富山が(水戸・平塚に対する)反則で警告を受けるなどリズム悪く時間を潰す事となり。

水戸サイドが2枚替えの準備をしていた所で、飲水タイムが挟まれ。(23分)
明ける際に交代する手はずでしたが、ブレイク中に対策されるのを嫌ったか一手待った水戸ベンチ。
結局最初にプレーが切れた26分に交代となります。(安藤・黒石→土肥・タビナス)
この間がリズムを失わせる事となったか、あるいは元からの懸念であるスタミナ面か、以降大宮が再び攻勢に入り。
右サイドから柴山・岡庭の前進にFWのポストワークを絡め、組織的にサイド奥を突き始めます。
逆に水戸にとっては、前半から何度も大崎・杉浦の関係性で好機を作っていた左サイドで押し込まれる形となり。

それでも大宮は33分に3枚替えを敢行。(柴山・河田・矢島慎→武田・奥抜・泉澤)
右サイドの柴山に見切りを付け、以降泉澤の突破力を軸に逆の左サイドで打開を図るようになり。
水戸は勢いを失った事で守勢を余儀なくされるも、同時にそれは大宮にとってスペースが消されるという事でもあり、泉澤をもってしても苦しい状況を強いられます。

そんな中で37分、左サイドで泉澤が細かいパスワークを交えながらエリア内左を突き、奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで受けた奥抜が反転しながらシュートを放つも、ゴール上へと外れ逃してしまいます。
凌いだ水戸ですが既に反撃に出る余裕は無く、39分に得たFKでは、距離はあったもののキッカー新里涼は放り込まずにショートパス。
そのまま繋いで前進を図りつつのボールキープを見せ。
リードを保ちたいという意思を見せたのち、40分に最後の交代を敢行します。(梅田・曽根田→木下・高岸)

その後大宮は最後方から富山狙いのロングボールで何度か好機を作るも、逆にそれに執着しすぎてしまい。
単なるボールの蹴り合い・前への送り合いへとシフトし、そのままATまで迎えてしまう事となりました。

そんな中でAT初頭に、エリア内まで迫った水戸・木下が、奪われた所で反則を取られるとボールを蹴り出してしまい。
この遅延行為による警告を境に、大宮がようやく一方的に攻め上がる体制が出来上がるも、時既に遅しといった感は否めません。
泉澤がボールを持つも水戸の守りの固さを前に奥まで切り込めず、結局手前から放り込むのみに終始。
終盤は袴田も前線に上がり、小野のロビングをエリア内で収める場面もありましたが、結局ゴールを奪う事は出来ず。

1-0のまま80分以上を過ごし、リードを守った水戸が価値ある勝利を挙げ。
対照的に大宮は再びの停滞を予感させそうな試合となってしまいましたが、次からの上位相手の連戦(横浜FC・仙台)で、意地をぶつけたい所でしょう。


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