ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第26節 V・ファーレン長崎vsいわてグルージャ盛岡

2022-07-13 16:00:33 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(22節・群馬戦、2-0)
※前回の岩手の記事はこちら(21節・ヴェルディ戦、2-2)

<前節からの変更>

長崎=センターバックの二見に代えてFWの植中を入れる。植中は4-2-3-1のトップ下に入ったため、そこから玉突きで加藤大がボランチへ、鍬先がCBへとシフト。入れ替えたのは1人だけなものの、それが大きくポジションチェンジを齎した格好に……と言いたい所だが、実は前節後半からの布陣をなぞった模様で、二見(前節ハーフタイムに交代)の離脱が疑われる。

岩手=この日も大幅ターンオーバーで、3バックの右が小野寺→深川・中央が牟田→甲斐。ボランチの一角が小松→弓削、左ウイングバックが中村大亮→。シャドーは桐・奥山→オタボー・中野と2人とも代え、1トップもモレラト→キムジョンミン。総じて7人を入れ替えて挑むものの、ジョーカーとなるべきブレンネルは(前節退場処分を受け)出場停止と痛手。

スタメン

ファビオ・カリーレ監督が就任して3試合目の長崎。
4-2-3-1のシステムを採り、中盤の人数を増やす事と、前政権での4-4ブロックの両立を図っているといった所でしょうか。
その通りに成績的にも無敗を継続と反撃体制を整えてきた所で、スカッとした勝利が欲しい状況。

この日の相手は下位の岩手ですが、ターンオーバーをフル活用する事で徐々に上向き、着実に勝ち点を稼いで降格圏を脱する事に成功しているクラブ。
前回対戦時(4-0)のような一筋縄ではいかない対戦となる予感を孕ませつつ、キックオフの時を迎え。

開始間もない前半1分に、鍬先のロングパスから澤田→植中と渡り、中央やや左で受けたエジガル・ジュニオがミドルシュートを放つ幕開け。(GK松山キャッチ)
その後3分には岩手に敵陣でキムジョンミンのボール奪取から、拾った弓削がエリア内へ切り込む場面がありました(シュートは撃てず)が、その後は両者基本形を見せつつの様子見となります。

ひたすらキムジョンミン目掛けたロングボールを供給する岩手に対し、長崎は最後方からボールを繋ぐ姿勢を見せ。
そのビルドアップの基本形は、左サイドバックの加藤聖を高めの位置に取らせるべくの立ち回り。
右SBが内側に絞ったり、ボランチの加藤大が村松の右側に降りたりする事で、3枚の最終ラインを形成してそれを貫かんとしていました。

しかし岩手は相手の前方へのパスに対して食いつく傾向が強いのは、前回観た際と全く変わらず。
立ち上がりの時間を経て、それを利用していく思惑へと変節する長崎の攻撃。
それでもその理由の最大要因としては、前半10分の先制点だったでしょうか。
最終ラインからのパスワークを経て、加藤大のミドルパスを受けたクリスティアーノのクロスがブロックされての右からのスローイン。
米田によって投げ入れられたボールをクリスティアーノが浮き球で返し、受けた米田が奥を突いて柔らかいクロスを入れると、エジガルが中央で合わせヘディングシュート。
これでゴールネットを揺らし、イニシアティブを握った事で「無理に自分達のサッカーを貫かず、相手の弱点を突く」意識が強まった感がありました。

逆にリードされた岩手は反撃に出るも、キムジョンミンが落としたボール、あるいはこぼれてのセカンドボールから巧く繋げられれば……という粋を出ない攻撃。
守備では前述の通り、前がかりな姿勢を長崎に突かれるシーンが目立ち。
その影響か、23分にはクリアミスをクリスティアーノに拾われてしまい、そのままミドルシュートを放たれる(GK松山キャッチ)など混乱気味に映っていました。
その後セットプレーに持ち込み、2本目のコーナーキックでキッカー弓削のクロスをキムジョンミンが合わせ、ヘディングシュートでゴールネットを揺らし。
しかしその前方でオタボーがGK富澤に対してのオブストラクションで反則を取られ、ゴールは認められません。

遅めの飲水タイム(28分)ののちは、岩手もしっかりとショートパスを繋ぐ最終ラインからの組み立てを見せ始め。
その道中にアクシデントに見舞われてしまい、南が長崎・クリスティアーノのチャージで倒れた際に、肩を強打したようで続行不可能となります。
これで36分にビスマルクと交代で退き、右=ビスマルク・左・加々美という配置となったWB。
以降、そのビスマルクの突破力で押し込む岩手。
41分には右サイドのスローインからの攻撃で、ビスマルクのクロスが流れたボールが長崎DFに当たり、こぼれた所をすかさずオタボーがシュート。(枠外)

しかしその後長崎の反撃を受け、左サイドで加藤聖が前進するという当初の狙い通りの攻撃で押し込み。
そしてスローインを得ての44分、スルーパスから澤田のクロスが入ると、蓮川がクリアにいくも逆方向へと蹴ってしまいネットに突き刺さるボール。
今季2度目のオウンゴールを犯してしまった蓮川、リードが2点に広がります。
直後のキックオフから、キムジョンミンの落としを中野がシュート(枠外)と好機を作ったものの、結局得点出来ないまま前半終了を迎え。

攻めざるを得ない状況の岩手ですが、既に前半で交代カードを切っていた事もありHTでは動かず。
「動きたくても動けない」という我慢の采配を強いられる中、既存の選手が試合を動かす事でカバーします。

後半3分、ここもビスマルクの居る右サイドから仕掛ける岩手。
ビスマルクからのスルーパスを受けた中野から、オーバーラップしてきた深川がパスを貰ってそのまま奥まで切り込み。
これでCKを得ると、以降4本CKが続く攻勢となります。
その1本目(右CK)に、クロスをGK富澤がパンチングで弾くもエリア内で蓮川が拾いシュート。(ブロックされ2本目に)
4本目(左CK)にはクロスがクリアされ、エリア内右にこぼれた所を甲斐が蹴り込むもクリアされ。
エリア外まで跳ね返せない長崎の隙を突くようにフィニッシュに持ち込みます。

その後も深川は良い位置で攻撃に絡み、8分にはビスマルクの戻しを受けたのち中央へ流れて左へ展開、受けた加々美がカットインからシュート。(ゴール右へ外れる)
しかしその直後の長崎の攻撃で、植中のドリブルについて行った結果、交錯して脚を痛めてしまった深川。
良さが消えてしまうという懸念の中、その後も気丈にプレーを続けます。

以降の岩手は前述のシーンのように、右サイドを囮としつつ左から好機を作り。
14分には右サイドのスローインから、中央に渡って弓削縦パス→オタボー浮かせるポストプレイ→キムジョンミン落としでエリア内を突き、クリアされたのち左から加々美がクロス。
これをキムジョンミンの手前で弓削が合わせるも、放たれたヘディングシュートはGK富澤のセーブに阻まれました。

15分にキムジョンミン・中野→モレラト・奥山へと2枚替え、目線を変えての攻撃を仕掛けんとする岩手。
長崎に殆ど攻撃機会を与えずというほど怒涛の攻撃を続けていましたが、迎えた19分のCK。
クリアされたボールを奥山が追撃するも、エリア内でカットされてエジガル→鍬先と渡り、鍬先の独走を許すカウンターに。
そしてエリア内右へとスルーパス、走り込んだ澤田がマイナスのクロスを送った先にはクリスティアーノが。
しかしワントラップから放たれたシュートを、あろう事かふかしてしまったクリスティアーノ。
結果的にこの決定機逸が高くついた格好となりました。

そして直後の20分、岩手は右サイドでビスマルクからのクロスが入ると、再びクリアボールをエリア内で(モレラトが)拾う流れに。
一旦エリア外へとこぼされ、拾ったオタボーのシュートはブロックされるも、拾った加々美のバックパスから弓削がミドルシュート。
地を這うという表現をしたくなる軌道のボールが、強烈に左ゴールポストを叩いてゴールイン。
GK富澤も反応できずというスーパーゴールで、1点差に詰め寄ります。

長崎は23分にクリスティアーノ・澤田→奥井・奥田へと2枚替え。(米田が右SB→右サイドハーフへシフト)
それでも流れを手繰り寄せる事が出来ず、飲水タイムが挟まれたのち再び岩手の猛攻が始まる事となります。
長崎が攻撃リズムを失った要因としては、難しいパスを狙いすぎといった感じであり。
岩手が前半とは打って変わって、自陣で構える姿勢の守備を取った事もあり、縦パスを入れても遮断されてしまうシーンが目立ちました。
そしてサイドを変えるパスも不発に終わり。

第4クォーターの岩手は、26分にビスマルクがパスカットから右サイドを単独突破し、そのままカットインからの切り返しでエリア内右を突いてシュート(GK富澤セーブ)という迫力ある攻撃での幕開け。
そして続く27分、長崎のスローインをカットした加々美から、中央でパスを受けたオタボーがミドルシュート。
これも地を這うような軌道の強烈なゴール右へのシュートが、GK富澤のセーブを弾いてのスーパーゴール。
ミドル2発という鮮やかな流れで、同点に追い付いた岩手。

これがリーグ戦初ゴールのオタボー、尚も得点を狙いにいった29分、ビスマルクのクロスをヘッドで合わせ。
しかしボールは右サイドへと流れていった刹那、足を攣らせてしまったようで倒れ込み、担架で運ばれる事態となり桐と交代に。
天国から地獄、といった感じになってしまったオタボー。

一方冷静になりたい長崎は、このオタボーの退場を切欠に攻撃権を支配。
勢いが削がれた岩手を尻目に、本来のボールポゼッションを高めての攻撃を敢行し勝ち越しを狙いにいきます。
35分には右サイドからのクロスを、植中の胸での落としからエジガルがシュート。(ブロック)
37分には左ハーフレーンでのフリーキックから、キッカー加藤聖のクロスに植中が合わせヘディングシュート。(枠外)
それでもエジガル・植中2人のフィニッシュワークも一杯一杯といった感じで、38分にはエジガルに代えて山崎が投入されます。(同時に加藤大→櫛引へと交代、鍬先がボランチに回る)

そして2-2のまま終盤を迎えると、流れは再び岩手へと大きく傾き。
長崎のパスを遮断するシーンも再度目立ち、相手に攻撃の芽すら作らせない流れを復活させます。
それでも疲労度もピークな時間帯故、怒涛の好機の連続というよりは、スローインの連続による漸進戦法が主でしたが。

アディショナルタイムも3分を過ぎた辺りで、待ち望んでいた決定機が訪れます。
GK松山のパントキックが直接左サイドのモレラトに渡り、そのまま奥に進入したモレラトからのマイナスのクロスが中央へ。
桐のスルーを経て受けた弓削が右へと横パスを送り、シュートを放ったのはこの日絶好調のビスマルク。
しかしゴール右へと外れてしまい、モノに出来ず終わってしまいました。

結局そのまま引き分けを告げるホイッスルが鳴り響き。
ホームという事もあり、気分的には敗北感の方が大きいと思われる長崎。
複数失点で勝利を逃してしまった事で、良い流れも逃げてしまわないか不安となりますが、新監督の下今後どういった歩みを見せるか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第26節 ヴァンフォーレ甲府vsブラウブリッツ秋田

2022-07-12 18:19:45 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(23節・山口戦、1-2)
※前回の秋田の記事はこちら(19節・町田戦、0-2)

<前節からの変更>

甲府=5人を変更、左センターバックが大和→野澤陸。ウイングバックは両者とも代え、右が関口→荒木・左が小林→須貝。須貝は右CBからのシフトなので、浦上が中央CB→右CBへ回り、中央CBには大ベテランの山本が入る。そしてボランチの一角が石川→松本、右シャドーが鳥海→宮崎。それでも3連戦ともスタメンの選手は計5人と少なくない。

秋田=小柳が戦線復帰後初のスタメンとなり、池田と入れ替わってセンターバックに入る。その他10人は不動で、3連戦というスパンでは7人が3戦ともスタメン。その他のうち小柳(池田)以外の3人(茂・小暮・井上)は前節からの継続と、連続性を重視。尚、ベンチには中心選手と言ってもいい稲葉が戻ってきた。

スタメン

目下3連敗中と厳しい状況の甲府。
何かを変えなければいけないという中で、折りしも主将であった新井涼平がスキャンダル発覚に伴い契約解除となり。

本来ならば苦境に更なる追い撃ちが……という要素となり得るのでしょうが、今季の新井涼は離脱期間が延々と続いている立場であったので、実害はあまり無いのが救いだったでしょうか。
主将を荒木へと交代し、ネジの締め直しには丁度良いと思って挑む他無い。
そんな気概が、この日のピッチ上ではそこかしこに感じられました。
相手は特異なサッカーを貫く秋田で、戦略云々よりも気持ち、という戦いを挑むには格好といえたでしょうか。

甲府ペースの入りと思われたものの、前半3分に左サイドで井上が甲府・山田に反則を受けて秋田のフリーキックになったのを境に、セットプレー攻勢が始まり。
その後のコーナーキック(5分)から、齋藤がヘディングシュートを放ち(枠外)先制攻撃を見せると、今度はロングスローにより押し込み。
右から藤山・左から江口が投げ入れるという万全(?)の体制により、8分の2度目の左からのロングスローから、跳ね返りを千田が落として継続。
拾った江口がエリア内左を突いてシュート、ブロックされたボールを尚も繋ぎ、左からクロス(流れる)→右からクロス(ニアサイドで齋藤が合わせるも高い軌道でゴール上へ外れる)と波状攻撃を掛けました。

尚も攻勢を続けたい所でしたが、直後には甲府のビルドアップを敵陣で茂がカットに入るも、跳ね返りが自身の腕に当たってハンドとなり逃してしまい。
命拾いという格好になった甲府、11分に右サイドのスローインから繋ぎ、松本のエリア内右からのグラウンダーのクロスに長谷川が合わせシュート。(秋田・千田がブロック)
15分には敵陣でのパスカットから、ボールを持った宮崎がドリブルで右サイドを前進、エリア手前からシュートを放つもゴール左へと外れ。
秋田のフィジカルを活かし前進するサッカーに苦戦しながらも、その間隙を突くようにフィニッシュを浴びせていきます。
その後も秋田のセットプレーが量産されていきますが、ゴールを奪う事は出来ず、飲水タイムへと辿り着き。(22分)

ブレイク明け、最初のチャンスは秋田に訪れ、クリアボールが左サイドで繋がって茂がドリブルで奥まで持ち込み。
そして茂のクロス、ブロックに当たったボールがファーに上がり、藤山が折り返すもクリアされ。
ディフェンスに遭いながらも惜しい所までいくという秋田らしい攻撃でしたが、反面甲府に似たような事をやられた際に防ぐ手立てはあったか。

その後暫くの停滞時間を経て、迎えた32分。
敵陣でパスを回す甲府、右サイドでの展開から山田がエリア内右でボールを持ち、奥に切り込んでクロスを入れる体勢に。
これが秋田のブロックに当たるも、中央に浮いたボールに長谷川が走り込み、足で合わせてゴールネットを揺らし。
ディフレクションしたボールへの対処が差となった感じで、甲府が先制点をもぎ取りました。

先制した甲府、さらに36分に荒木がロングスローを投げ入れる攻撃。
これがニアサイドのウィリアン・リラに収まり、そのままシュートを放つもGK田中が脚でセーブして何とか防ぎます。
お得意のロングスロー見せられただけに留まらず、決定機まで繋げられるという具合に、自身のアイデンティティを奪われる格好となった秋田。

以降甲府ペースへと流れが移り変わり、最前線のリラをターゲットしたロングボールを中心として陣地を押し込む甲府。
それに良く応え、秋田のフィジカルにも負けずにポストワークに奮闘するリラ。
この時間帯はフィニッシュに繋げられずも、秋田に持ち味を発揮させる事無く前半を終了させます。

そして後半もその流れは継続され。
リラがボールを収めて流れを作る甲府に対し、ロングパスを受けた所での対処をしっかりと取られてしまい、攻撃機会を得れない秋田。
秋田のトラップ際を狙い、適切な足での対処が光った甲府ディフェンス。
無理に秋田のフィジカルに付き合う事無く、かつ背を向ける訳でも無いという絶妙な塩梅だったでしょうか。

そんな下地が出来上がった事で、追加点を狙いたい甲府。
後半6分、須貝がミドルパスを送ると、受けた宮崎のボールキープからスイッチを経て自ら左サイドを上がってクロス。
これをファーサイドでリラが合わせにいったものの、秋田・小柳との競り合いで体勢を崩した事で、伸ばした腕に当ててしまいハンド。
故意と取られて警告を受けてしまったものの、甲府有利の流れは不変でした。
10分、右サイドで荒木のスルーパスに宮崎が走り込み、ディフェンスにこぼされるも拾い直した所を秋田・小柳に倒されて反則。
これで得たFK、キッカー松本のアウトスイングのクロスを、戻りながら中央で合わせたのは野澤陸。
ヘディングシュートがゴール右上を捉え、ポスト内側を叩きつつも吸い込まれ。
秋田サイドが欲しかったであろう、セットプレーでの得点で点差を広げました。

直後に齋藤・吉田伊吹→青木・武へと2枚替えを敢行する秋田。
ベテラン・青木の投入により、ターゲットへのロングボールを軸とした攻撃にも何らか味を加えて反撃の狼煙としたい立場。
15分のGK田中の右サイドへのロングフィード、合わにいったのは井上で、このフリックの跳ね返りを拾った青木からパスを繋ぎ。
そして井上のエリア内右へのスルーパスに、後方から走り込んだ藤山からグラウンダーでクロス。
完全に崩しての攻撃でしたが、中央で合わせにいった茂の眼前でクリアされて惜しくもモノに出来ず終わります。

結果的に、ここで1点差になっていれば……と後悔せざるを得ない展開となった秋田。
17分の甲府の攻撃、山本のパスカットから後方で繋いだのち、須貝のミドルパスに走り込んだ松本。
受けたの秋田・輪笠との競り合いで倒れたものの、すかさず起き上がって拾い直し輪笠を置き去りにしてエリア内に進入、そしてシュート。
GK田中がセーブしたものの、そのまま転がってゴールに入り。
これまで1点がやっとだったチームが、目覚めるように3点目を奪いました。(複数得点は12節以来)

一気に点差を広げられた秋田、19分に再度2枚替えを敢行し、小暮・江口→中村・稲葉。
これが10試合ぶりの出場となった稲葉、彼の離脱以降9戦未勝利と、判り易い不振に陥っていただけに存在感を齎したいといった残り時間。

ポストプレイを狙ったロングパス一辺倒から、裏狙いへのパスへと変調して攻撃機会を得ていく秋田。
飲水タイムが挟まれた(23分)のちも圧力を強めていきますが、守備意識を高める甲府の前に、中々フィニッシュを浴びせる事は出来ず。
中盤の稲葉の存在もあり、セカンドボールを拾えるようにはなりましたが、得点を奪うには一歩足りないといった状況。

一方、ブレイク明けに最初のカードを切った甲府。(宮崎・長谷川→鳥海・飯島、24分)
相手の攻撃を受けつつも、冷静に攻撃機会を伺うといった立ち回りで、迎えた33分。
左サイドで山田のスルーパスを受けた須貝がクロスを入れ、ファーサイドで足から跳び込んだ飯島が合わせシュート。
ミートせずもボールはゴール方向へ転がりましたが、惜しくも左ポストを叩いてしまいゴールはなりませんでした。

気を取り直す秋田(32分に茂→高瀬へと交代)は34分、ロングフィードを中村が足でフリックした事で武が右サイド裏に抜け、藤山のクロスに繋げ。
やはり単純なFWの頭を狙った攻撃よりも効果がある、と思わされた直後の左スローインからでした。
稲葉の手前からのクロスがニアサイドに上がり、武がフリック気味に合わせヘディングシュート。
綺麗にすらされたボールが右隅へと突き刺さり、1点を返した秋田。

稲葉復帰に合わせるかのように盛り返す秋田、尚も37分、武がボール奪取してそのまま独走状態となる絶好機に。
エリア内へ進入し後はシュートだけという状況に持ち込んだ武でしたが、甲府・山本の必死のスライディングもあり、GK河田に距離を詰められた事でシュートはゴール左へと外れてしまいました。

それでもこの際に甲府は山本・野澤陸・松本と3選手が一気に痛む(or足を攣らせる)など、秋田の勢いに対し被害甚大といった様相。
39分に再度交代カードを切り、山本・松本→小林・石川へと2枚替え。
これにより須貝が最終ラインに入った事で、3バックは右から須貝・浦上・野澤陸という並びで最終局面を迎えます。

その後は秋田が、ロングスローの体勢からフェイントを使うなど、絡め手によりさらに得点を目指し。
そこから右サイド手前から稲葉のクロスが上がり、GK河田が抑えた所千田と激突し、反則。
これにより思わずGK河田が千田に対して激高するなど、例え勝てていない状況でも、秋田のパワーは相手にとって一定の脅威であると再認識させられ。
しかし河田自身は冷静さを欠いてしまったか、その直後に遠目から放たれた武のミドルシュートに反応が遅れ。
ゴールかと思わされたボールは右ポストを直撃と、際どいシーンとなってしまいました。

最後は秋田の左サイドからのクロス攻勢を凌ぎ続ける甲府。
そのまま試合終了の時を迎え、無事に勝利に辿り着きました。
負の要素を洗い流す勝ち点3となるかどうか。

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2022年J1リーグ第21節 北海道コンサドーレ札幌vs鹿島アントラーズ in札幌ドーム

2022-07-11 16:01:36 | サッカー観戦記

そろそろリーグに置いて目に見えた優劣が付いてくる時期であり。
その例に漏れず、残留争いに巻き込まれるかどうかという瀬戸際の札幌が、この日挑むのは優勝争いに参加中である鹿島。
前半の対戦時(13節)には1-4というスコアで鹿島が勝利とあって、札幌サイドからは悲壮感漂う、といった試合前の予想でしょうか。

この試合も札幌が負けるようであれば、いかに名将ミハイロ・ペトロヴィッチ監督といえど、これ以上指揮を執るのは難しい立場になるのでは無いか。
つまり残留に向けた戦いへのシフトと、そのための監督交代の断が下される、といった予想を脳内で勝手にしてしまう自分。
そんなタイミングで、この日の場内イベントは札幌のスポーツ大集合というべき企画であり、何処と無く何かが起こりそうな予感を感じつつ札幌ドームへ。浦和時代最後の試合のような3枚替えに匹敵する自滅采配とか

試合前に覗いたメモリアルコーナー、前年に志半ば(?)で逝去した石水勲氏のパネルが飾られておりました。

一般入場(11:30)前に現地着した事もあり、何処かでゆっくりしたいという思考に陥りましたが、この時とは違いレストランはドーム内側からしか入れなくなっており不可能に。
暑さもあり体力的な消耗甚だしい、といった状態で何とか入場しました。

バックスタンドややアウェイ寄りの高目の席。
ピッチへの俯瞰の視点を確保したのは、町田・千葉での観戦経験から、それ無しでは耐えられなくなっているからか。

そして犠牲になるのは電光掲示板の視点であり。
メンバーが表示される側がこれではキツイ。
良いとこどりをするには、対価を支払う(=メインスタンド側で観る)のは必然という事を改めて思い知るに至りました。

この日のスタジアムグルメ。
今季のコラボ商品にそそられるものが無かった(以前あったはずのラーメンが無かった)ので、選択したのがカツ丼。(出来立てかつリーズナブルで美味しうございました)
というか、赤黒カラーが主体な以上どうしても辛系・スイーツに偏るのは必然でしょうな……

何となく撮った、リボンビジョンに表示されたサッポロビールの広告。
早く呑みに行きたいという思考に囚われている男と化しているのか。

そんな事を考えつつ、疲労による眠気にも襲われた結果、ドーレくん(と、日本ハムのマスコットであるポリーポラレス)の場内一周を見逃してしまっていました。(見つけた時はバックスタンド側から去ろうとしていた姿)
心の中で狼狽しつつも、イベントが始まり。
「あいプラン LOVE&THANKSマッチ」と釘打たれたのに従い、タキシード姿となったドーレくんが印象的なワンシーンが描かれたのち、メインイベントの時間に。

メインスタンド側で行われた(当然)ので、バックスタンド民は電光掲示板を頼りにするしかない。
左=日本ハムOB・谷口雄也氏、中央=レバンガ北海道・桜井良太選手。
そして右がお馴染みの河合竜二氏と、野球・サッカー・バスケのプロスポーツ3機軸を中心としたトークショーでした。

道中、マスコット3体も加わった姿。(日本ハム=ポリーポラレス・レバンガ北海道=レバード)

のちにポッカサッポロによる表彰式が行われ、前回に観たマスコット・リボンちゃんが現れたのですが、このためだけの登場だったようで上記3対とのコラボは無し。
本格的に「北海道のマスコット大集合だな……」と思わされたのはフェイクか。

そんなイベントの最中にピッチ内で目を惹いたのが、少年・少女によるピッチへの散水。

 

微笑ましいの一言であるシーンでしたが、同時にピッチ状態のムラを心配してしまい。
主に鹿島サイドの低調ぶりが目立った、その試合内容への影響は果たしてあったのか否か。

イベントが終わった事で、再びタキシード姿になり、ピッチ内中央で待つドーレくん。
待っていたのはお馴染みコンサドールズのパフォーマンス。

 

宙返りなどといった、やけにアクロバットな演技が多くなったのは気のせいか。
その筋っぽい男性2人が加わっていたのもありましたが。

終了後もピッチに残り、何やら闊歩するドーレくん。
その先に居るのは……

アウェイの鹿島サポーターの一団。(練習時間の際に撮影)
その熱狂的な集団の前にも臆せず(?)、一礼を行うドーレくんでありました。

そして練習時間。
GKの登場を経て、フィールダーが現れた際、一斉に動きを示す札幌ゴール裏サポーター。

一斉に赤黒のフラッグを振り回し。
絵的に美しいと感じるか、はたまた見苦しいと感じるかは人それぞれだと思いますが、個人的にはやや後者よりですかな……。
やっぱり絵的にはコレオが一番、という個人的感想もあり。

札幌・鹿島ともに体幹運動・サーキットを入念に行うといった練習風景。

そしてメンバー紹介の時間が訪れ。
他クラブに比べて早いのは有り難くもあり、反面練習が観れなくなるという思いもあり。写真撮らなければ良いだろ

鹿島の紹介の際に、前甲府・中村亮太朗の名前が読み間違えられた(「ゆうたろう」と呼ばれた)という一幕もありつつ、ホームチームの紹介へ。

今年は前年の灰色ベースとは打って変わって、本来のカラーである赤を前面に押し出したのですね。

「何でも出来る」選手である駒井ですが、チーム状況が状況だけに、「何でもやらなければいけない」ように見えてしまうのは気のせいか。
この日はシャドーでの登録っぽかったものの、実際は最終ラインに降りる事が多くボランチの仕事ばかりとなっていました。

同じく複数ポジションをこなす、ないしはこなさなければならない高嶺。
この日は普段福森の居る左センターバックで出場。
これが終盤戦で劣勢を招く伏線となった感がありましたが、果たしてミシャ氏の意図はどうだったのか。

1トップのベテラン・興梠、完全移籍への移行、はたまた「ローストチキンコオロギ」の札幌支店の誕生はあるのかが個人的に気になります。(どうでもいい)

練習の最中のスタメン紹介により、すっかり脇に置かれる感じの練習風景。(自分もですが)
そのため、暫くして響き渡った「練習時間終了となりました」というDJのアナウンスが何ともシュールに聞こえ。

その後ボールパーソンの紹介(札幌スポーツ&メディカル専門学校のメンバー)を経たものの、やや冗長に感じる選手入場までの間。
果たして早めの選手紹介は功罪どちらに振れているのだろうか……といった事を考えつつ、迎えた選手入場~キックオフ。

この際も、タキシード姿のままのドーレくんでありました。

 

両チームの円陣を経て、キックオフの時間へ。

メンバー表は、前述の通り電光掲示板が見えづらいという事で、手書きで。

<札幌> 3-4-2-1
GK 菅野
RCB 田中駿太 CCB 岡村 LCB 高嶺
RWB 金子 DH 駒井 DH 宮澤 LWB 菅
IH 荒野 IH 青木
FW 興梠
<鹿島> 4-4-2
GK クォンスンテ
RSB 常本 CB 三竿 CB キムミンテ LSB 広瀬
RSH 和泉 DH ディエゴ・ピトゥカ DH 樋口 LSH アルトゥール・カイキ
FW 土居 FW エヴェラウド

札幌はいつものフォーメーション、といっても相手に合わせるように4バックの形を取るので、宮澤を実質CBとしたような位置取り。
一方の鹿島、トップスコアラーであった上田の海外移籍という要素もあり、鈴木の欠場と相まってFWが貧弱な印象を受け。
2年前のストライカーであったエヴェラウドの落ち込みぶりは謎ですが、やや持ち直してきた最近(2試合連続ゴール中)を経てのスタメン復帰で、名誉を回復できるかどうか。

試合が始まり。
順位的に力の差が大きそうな両チームでしたが、そんな危惧とは裏腹に、札幌が押し気味に試合を進めていきます。
鹿島はロングボール主体の攻撃が巧く繋がれば……といった攻め方で、かつプレッシングも今一つ掛けられずに札幌の敵陣での展開が多くなり。
この辺は上田移籍も含めてのメンバー再構築の影響か、はたまた中3日という日程の所為なのか。
目立つのは、デュエルの部分で反則を取られたエヴェラウドが苛立つシーンばかりとなりました。

札幌は普段の武器、というかそれしかない攻撃パターンと化しつつある、フリーの右ウイングバックへのパス出しを抑え気味にして展開。
金子が右サイド前線で一人佇むという状況であっても、そこにロングパス・ミドルパスを送る事を我慢しているかのような立ち上がりとなりました。
そんな変節も奏功したかペースを掴み、前半5分には菅→荒野→金子と繋がって、金子がシュートを放ち先制攻撃。(枠外)
7分には右からの金子のスルーパスを受けた興梠、エリア内に進入してシュートを放つもオフサイド。

鹿島は中々ボールを前に運べず、ロングボールを前線に送り込んでも、生み出されるのはエヴェラウドのストレスといった感じ。
競りにいって相手を倒してしまい、反則ないしは一悶着起こすといったシーンが相変わらず続きます。(18分にはその流れで、痛んだ岡村が一旦ピッチ外に→すぐに復帰)
何とか縦に速い攻撃を繰り出すも、スルーパスがカットされたりオフサイドになるなど不発。

そんな鹿島を尻目に19分の札幌、青木のポストプレイから中盤で繋いだのちに金子へのミドルパスを使い、受けた金子が上げたクロスから興梠がヘディングシュート。
眼前でブロックされたこぼれ球を田中駿がミドルシュートするも、これもエリア内でブロックに阻まれます。
思わぬ劣勢を強いられる鹿島は、エヴェラウドの苛立ちが伝染するかのように反則を量産してしまいリズムを得られず。
27分には菅を倒してしまった和泉に対して反則・警告。

札幌の攻撃の橋頭堡である金子は、普段ならカットインからのシュートを狙う所でも、ボールキープや利き足とは逆の右足でのクロスを中心とし。
そして上がって来る荒野との関係性を発揮し、右サイド奥で絶好機を齎すシーンが目立つも、ゴールは奪えず。
40分にはその金子がカットインからバックパス、走り込んだ田中駿が再びミドルシュートを狙いましたが、エリア内の宮澤に当たった?事でオフサイドとなる不運もあり。
これで前半は打ち止めとなるも、終了間際(45分)には金子のドリブルを反則で止めた広瀬が警告を受けるという具合に、鹿島の被害の広がりは止まらず。
そのまま終始札幌優勢といった前半が終了しました。

メインスタンド側でダンスするマスコット3体。

「ここがゴール裏、これが熱狂的な札幌サポーターだよ」という、ドーレくんの2人へのセリフが聴こえそうなワンシーン。
そしてバックスタンド側に来る……かと思われましたが、あろう事かここでUターンの運びとなり、こちらの眼前には来てくれなかった。(泣)

迎えた後半、巻き返したい側の鹿島もベンチの動きは無く、ともに代わらぬメンバーでキックオフ。
そして早々の後半1分に、再びハイボールの競り合いで岡村を倒したエヴェラウド、とうとう警告を受けてしまい。
これにより後半の試合展開も、変わらず札幌優勢の流れに定まった感がありました。
結局何一つ良い所が無いまま、11分に交代となってしまったエヴェラウド。
安西と交代・同時に樋口→舩橋へと交代した事で、FWにカイキがシフトする運びとなりました。(安西は左サイドハーフ・舩橋はボランチ)

しかし札幌も中々得点に辿り着ける機運が高まらず。
15分には宮澤の左サイドからのグラウンダーのクロスを合わせにいった菅、シュートはミスキックとなりミートせずに終わるなど、ここ最近の不振が最後のシーンに影響してしまっているのか。

そんな流れを変えるべく、18分に荒野→福森へと交代した札幌。
当初はその福森が本職の左CBに入り、高嶺が一列上がるといった布陣を取りました。

前半は抑え気味だった金子へのパスを、徐々にメインへと押し出して攻めにいく札幌。
その金子からクロスが山ほど上がりましたが、シュートには繋がらず時間を潰していきます。
28分には高嶺のドリブルが鹿島・常本に反則で止められた事で、左サイドからのフリーキック。
蹴るのは当然福森(彼の出場以前のキッカーは菅)で、クロスがクリアされたこぼれ球を金子がエリア内右からシュート。
しかしブロックに阻まれてしまい、その後コーナーキックを2本続ける「プレースキッカー福森」の見せ場となるも、この流れでも得点出来ません。

守勢の鹿島、30分に再度ベンチが動いて土居→中村亮。(舩橋がボランチ→FWへとシフト?)
札幌も33分に動き、興梠→中島。
アンダー代表に選出された中島が久々に出場の運びとなり、刹那的にスタンドも沸き上がります。

しかしフォーメーションを弄ったのか、福森が中央、つまりボランチの位置でのプレーが目立つようになり。
反対に高嶺がスタート時の左CBの位置取りをするなど、コペルニクス的な転換が行われたようでした。
後からDAZNで観返してみると、25分の辺りからこの転換が起こっていたので、交代と同時のタイミングでは無かった事を付け加えておきます。
果たしてこれがベンチの指示なのか、それとも福森の攻めっ気によるピッチ内の自発的な動きだったのか。

当初はセットプレー攻勢もあり目立たなかったものの、35分辺りから福森の守備能力の不安がマイナスに働いてしまい。
札幌ペースだった試合が一変し、以降鹿島が怒涛の攻撃を見せる事となります。
福森なりにそれを防がんとしたのか、後方でボールを持つ鹿島に対して果敢にプレスに行く場面もありましたが、それをロングパスでいなされて裏を取られかかるといったシーンもあり。
また、ボールに異常が発生し交換が行われるという具合に外部的要因も発生した事もリズムを失うのに一役買ったでしょうか。

37分にはクリアボールが直接カイキに渡ってドリブル、エリア内右からシュートを放つもGK菅野がナイスセーブ。
直後のCKからもキムミンテがヘディングシュートを放つ(枠外)など、これまでのうっ憤を晴らすべく札幌ゴールに迫る鹿島。
しかし何とか最終ラインを固めた事で、鹿島もサイドからどうにかするしかない流れへと移り。
主に左サイドから、広瀬と安西の関係性で前進して好機を量産するも、中央でのパワーが足りずといった感じでゴールを奪えず。
引き分け濃厚の流れが大きくなるアディショナルタイム。(札幌は42分に青木→西へと交代)

結局、左サイドの安西が2本シュートを放つのみに終わったその後の鹿島のフィニッシュ。(いずれも枠外)
劇的な先制点を挙げるための土台は作ったものの、それを活かす事は無く。
スコアレスのまま試合終了の笛が吹かれ、ともに勝ち点1を分け合う事となりました。

一歩抜け出し気味の首位・マリノスを追う立場の鹿島は、痛い一戦となったでしょうが、連敗を止めた札幌も一息つくのは許されず。
神戸・清水の勝利により残留ラインも押し迫るといった状態で、やはり「完全に残留争いに巻き込まれた」と見るべきでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第25節 FC町田ゼルビアvs水戸ホーリーホック

2022-07-09 16:21:41 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の町田の記事はこちら(19節・秋田戦、2-0)
※前回の水戸の記事はこちら(19節・千葉戦、1-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(15節、水戸 0-0 町田)

<前節からの変更>

町田=連戦にも拘らず、11人ならびにサブメンバーとも変更無しと、スタメン固定傾向の町田らしさ全開で挑む。

水戸=前節出場停止だった前田の復帰を含め、4人を変更。サイドバックを左右とも入れ替え、右=村田→黒石、左=タビナス・ジェファーソン→松田。ドイスボランチも両方入れ替え、新里・高岸から前田・平塚のコンビに。そして新里は右サイドハーフへと移り、杉浦が外れる。

スタメン

前節の仙台戦(2-3)で、前半36分に通算4枚目の警告を貰い、あろう事かベンチ入り停止処分を受けてしまった町田のランコ・ポポヴィッチ監督。
ピッチサイドで熱さを隠さない漢も、その副作用ともいえる審判団への異議が異様に目立っていたとあれば、ある意味必然の結末であり。
彼の代わりに米山篤志コーチが監督の仕事を果たす事となったこの日。

その町田、中3日での試合ながら、スタメンの変更は全く無し。
ポポヴィッチ氏の思考が色濃く表れているのは流石だと思いながらも、平均年齢が高めのメンバーという状態で、夏場の連戦をこなすのは酷だという危惧も拭えず。
それを振り払うために、前半で勝負を決めてしまいたい意図が強く表れたでしょうか。

キックオフから最初に攻撃機会を得たのは町田で、しかも深津のロングパスを水戸・鈴木がクリアミスし、ドゥドゥが拾うという生まれ方。
そして右サイドを前進する太田がグラウンダーでクロスを入れると、平戸が合わせてゴールネットを揺らし。
開始1分という電光石火の先制点(公式記録では2分)を挙げました。

直後の3分に水戸も相手のミスから好機、パスミスをカットした木下がエリア内左に進入しマイナスのクロスを入れるも、受けた新里はコントロールミスで撃てず。
共に決定的なミスを犯す入りとなりながらも、確実にそこを突いた町田と、モノに出来なかった水戸とでしっかりと明暗が分かれた立ち上がり。

その後は水戸が最終ラインから攻撃を組み立てる流れとなり、それに対する町田のプレッシングをいなし、同点にせんと好機を作り続け。
13分には鈴木の縦パスを安藤がポストプレイで浮かせ、受けた木下がエリア内右を突いてシュートしましたが、GKポープ・ウィリアムのセーブに阻まれ。
決定機を逃したどころか、この際に安藤が足を痛めて倒れ込む事態となってしまいます。

何とか続行の運びとなり、一旦ピッチ外に退いた安藤。
しかしその間に町田の攻撃となり、一度は裏へのパスをGK山口瑠伊が抑えるも、センターバック・鈴木のパスを奥山にカットされて再度町田の攻撃。
安井の斜めの縦パスを中央やや左寄りで受けた平戸、そのままエリア手前から巻くシュートを放ち、綺麗にゴールネットを揺らし。
今度は15分でのゴールで、早々に2点リードを得た町田。(尚、安藤がどのタイミングでピッチに戻ったのかは映像では確認できず)

こうなると1点目の後のような、意識を切り替えての反撃も巧くいかなくなる水戸。
敵陣でポゼッションを高めようとするも、町田にパスをカットされては縦に速く運ばれてしまい、更なる失点危機の方が目立ってしまう展開を強いられます。
30分には再び町田のパスミスを、今度はエリア内で木下が拾うという好機を得るも、町田の素早い切り替えの前に結局フィニッシュに持ち込めず。
逆に34分の町田の左スローインからの攻撃で、安井の裏への蹴り出しを、オフサイドポジションに居たドゥドゥに気を取られたためか反応が遅れて平戸に抜け出され。
そして戻しを受けた高江がミドルシュート(水戸・前田が頭部でブロック)と、自身のミスはシュートに繋げられるという流れは継続されます。
おまけに先程足を痛めた安藤が、ここで交代の運びとなってしまい。(梅田が交代出場)

町田の流れは継続され、既に2得点を挙げた平戸が尚もゴールを狙い。
39分には太田がドリブルでエリア内右を突いてグラウンダーでクロス、ニアでの奥山からスルーされたボールに合わせシュート。(ゴール右へ外れる)
41分にはGKポープロングフィード→ドゥドゥフリックという単純明快な流れで裏抜け、拾ってそのままエリア手前からシュート。(GK山口瑠キャッチ)

一方早くもFWの交代を強いられた水戸、40分にその梅田のヒールパスを左サイド奥で受けた椿がカットインからマイナスのクロス。
ニアサイドで木下が合わせる決定機となるも、シュートは枠を捉えられず。
ゴールに最も近付いた瞬間となるも、以降は好機を生み出せず、逆に梅田が珍妙なシーンを作り出し。
45分にこぼれ球を追い掛けて競り合いとなった梅田、お相手の翁長を倒してしまい反則。
1分程倒れ込む事態となった翁長でしたが、(無事起き上がった)直後のフリーキックで、GKポープが遅延行為で警告を受けてしまい。
後半にもこの両者の競り合いは引き継がれ、後半5分に今度はハイボールの競り合いで、梅田の腕を頭部に受けてしまい倒れる翁長。
なお放送席でも指摘されていた梅田の腕の振り回しは、この直前にも町田・高橋が被害に遭うなど、チャンスシーンとは無縁の所で目立つ有様となっていました。

結局2-0のまま折り返しとなり、ハーフタイムでともにベンチが動き。
町田はドゥドゥ・長谷川アーリアジャスール→鄭大世(チョンテセ)・平河へと2枚替え。(平戸が左サイドハーフ→トップ下へシフト)
水戸は平塚・黒石→金久保・後藤田とこちらも2枚替え。

狙い通りに前半のうちに2点リードを得た町田でしたが、2点とも水戸サイドのミスに拠る所が大きい、いわば棚ぼた的な要因が強く。
その後もカウンター気味に水戸サイドを脅かすシーンが多かっただけに、願わくばこの流れで3点目を入れておきたかった所であり、そして後にそのツケが現れる事となりました。

鄭というターゲット役が入った事で、一層カウンターへの傾倒が強かった感のある後半の町田。
7分にはこぼれ球をダイレクトで平戸が繋ぎ、平河がドリブルからミドルシュート。(GK山口瑠セーブ)
10分には縦パスを収めた鄭から、左サイドから平河・太田のスルーパスの連続を経て、鄭がエリア内右からシュート。(右サイドネット外)
そして12分、中盤でボール奪取した平河がそのまま抜け出して独走し、エリア内でGKと一対一に持ち込む決定機に。
しかし放たれたシュートはGK山口瑠のセーブに阻まれ、どうしても3点目が奪えない町田。
その間にも水戸が反撃を試みるも、フィニッシュに辿り着けない状況となっていただけに、自ら試合を苦しくした感が強まり。

さらに不運な事に、15分には攻撃の中心となっていた平戸が足を痛めてしまい交代の措置が取られ。(担架で運ばれる)
すかさずヴィニシウス・アラウージョが投入されましたが、これで4-4-2気味のフォーメーションへ移った事で、攻撃リズムも変わってしまったでしょうか。

後半開始からシュートを放てない時間を続けていた水戸でしたが、迎えた19分。
右サイドでのパスワークから中央へと戻されたのち、前田の縦パスから強引に繋ぎ、こぼれ球を梅田がバイシクルでエリア内へ送った所に金久保が走り込んでシュート。
しかしGKポープにセーブされ、左にこぼれたボールを尚も椿がクロスに繋げましたが、放たれた木下のヘディングシュートは枠外に。
それでも停滞感を払拭出来た、という所でベンチが動きます。
木下→高岸へと交代し、ボランチに入った高岸によって金久保が一列上がるに従い、4-2-3-1気味の布陣へとマイナーチェンジ。
町田が4-4-2にシフトしたのと入れ替わるように、水戸が4-2-3-1にシフトするという面白い流れとなりますが、これが大当たりとなったでしょうか。

そして24分、ここもサイドを変えながらのパスワークで敵陣で展開、椿がディフェンスに遭いこぼされたボールを金久保がスライディングで繋ぎ。
受けた前田のエリア内へのミドルパスに、走り込んだ梅田がピンポイントで合わせボレーシュート。
至近距離からのシュートにさしものGKポープも止められず、ゴール左へと突き刺さり。
先程と同様にエリア内への裏抜けを決めた水戸、反撃の狼煙を上げました。

何とか流れを引き戻したい町田、失点直後に高江→菅沼へと交代しますが、それは果たせず。
水戸の猛攻は続き、すっかり自陣で押し込まれる目も当てられない状態となり。
固定メンバーの弊害もそれを後押しする事になったでしょうか。

32分にCKからの水戸の二次攻撃、クロスがクリアされた所を後方から鈴木がミドルシュートを放ち。
これを町田・太田がブロックするも、腕に当たってしまいハンドの反則を取られ、エリアからすぐ手前の直接フリーキックに。
ペナルティアークの左側という至近距離でのキックでしたが、キッカー前田の直接シュートはふかしてしまって枠外に終わります。

何とかリードを守った町田ですが、既に疲労困憊の感は否めず。
そこを突くように、椿の突破力を前面に押し出し始める水戸。
つまりは左サイドからの進軍で、それが報われたのが38分でした。
前田とのパス交換を経て、ここではスルーパスを選択した椿、走り込んだタビナス(松田と交代で出場・28分)からクロス。
ファーサイドで梅田が前方へ落とした所に、走り込んだ新里が合わせてゴールネットを揺らし。
とうとう追い付いた水戸。

こうなると水戸が押せ押せの状態となるのは明白。
町田は何とか敵陣に持ち込み、左からの翁長のロングスローに活路を見出さんとするも、そのボールをダイレクトでカットされた挙句(クリアですらない)カウンターに持ち込まれる失態も演じてしまいます。
強引な攻撃も相手に好機を与える結果に終わったとあれば、何も出来る事が無いといった精神状態に追い込まれ。

そして迎えた42分、左サイドでこぼれ球を拾った前田から中央へと渡り、新里がドリブルからエリア内右へスルーパス。
走り込んだ後藤田のグラウンダーでのクロスを、同じく後方から走り込んで来た前田が合わせシュート。
逆転を告げるゴールに、水戸選手が歓喜の輪を作る中、悔しがるGKポープによるゴールポストが叩かれた音が大きく響く事となりました。

前半からは思いもよらぬビハインドの状況に追い込まれ、反撃を敢行する体力も手段も底を突きかけている状態の町田。
44分に太田→岡野へと交代し、DFの岡野を前線に置くという判りやすいパワープレイの体制に全てを賭ける事となり。
そのままアディショナルタイムへと突入し、それにさらに深津を加えてなりふり構わない格好で攻め上がります。

左サイド手前からの長距離のクロスに、ファーサイドで深津が合わせにいった所、GK山口瑠がパンチングで辛うじて弾いた事でCKを得た町田。(尚、水戸ベンチは山口瑠が触れなかったとして猛抗議)
そしてGKポープもエリア内に加わるという、最後の攻撃を敢行し。
尚も左から翁長がロングスローを入れるシーンに続き、投げ入れられたボールを岡野がフリックし、その跳ね返りをさらにボレーシュートにいった岡野でしたがミート出来ず。
そして右へ流れた所で、ヴィニシウスが拾ったものの底で試合終了の笛が吹かれ。
真夏の熱気に相応しく、水戸が逆転勝利を果たす熱い試合となりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第25節 栃木SCvs東京ヴェルディ

2022-07-07 16:01:33 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(20節・長崎戦、2-3)
※前回のヴェルディの記事はこちら(21節・岩手戦、2-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(2節、ヴェルディ 3-0 栃木)

<前節からの変更>

栃木=中3日での試合だが、変更は根本→植田の1人のみ。それを受けてここ2試合続けていた矢野・根本の2トップによる3-3-2-2(3-1-4-2)を、この日は矢野1トップの3-4-2-1へ戻す。また前節出場停止のカルロス・グティエレスは、この日もベンチ止まりで復帰ならず。

ヴェルディ=唯一の中2日(琉球も)という要素もあり、栃木とは対照的に8人と大幅入れ替え。サイドバックが右=馬場→宮本・左=深澤→奈良輪。アンカーが山本→加藤弘堅、インサイドハーフは右=梶川→井出・左=森田→西谷亮。3トップは右ウイング=バスケス・バイロン→アルハン、センターフォワードが佐藤凌我→河村・左WGが新井→小池。井出・加藤弘・小池・奈良輪が1試合おきにスタメンと、ベテラン故のターンオーバーという要素を強く感じさせる

スタメン

前半の日程をすべて消化したというタイミングで、監督交代を敢行したヴェルディ。
新監督の城福浩氏は、就任と同時にJ2最年長の座を金沢・柳下正明氏と争う(といっても、年の差は不変ですが)状況となるという具合に大ベテランの指導者であり。
いくらオフに就任が噂されていたとはいえ、彼のような経験豊富(かつ戦術家としての能力は今一つ)な指導者を就けるのは、ハッキリと結果重視に踏み込むためのものなのかどうか。

若手中心の編成であるヴェルディが、シーズン途中でこのような監督交代に踏み切ったのはミスマッチ感があり。
それでも、今季から復活したプレーオフにより、昇格を諦めない姿勢を見せる必要があるのも否定は出来ず。
城福氏はJ2では成功体験しかない監督(とはいっても1年のみですが)なので、とりあえずは冷静にその歩みを見ていきたいと思います。

ボールポゼッションが売りというのがヴェルディの共通認識ですが、前監督・堀孝史氏の影響もあり、それが徐々に薄れてきている今季。
城福氏就任により、さらにその流れが加速する恐という危惧は当然でしょうが、この日もその印象は否めない内容となりました。
ウイングに新井のみならずバイロンのプレー時間が増え、おまけにこの日は新助っ人のインドネシア人・アルハンが初出場。
ヴェルディのサッカーとは毛色の違う選手の重用が目立ち。
そしてこの日佐藤凌がベンチスタートという事で、彼をターゲットとしたロングボールの供給も出来ず。
彼含めてGKと2CB以外8人ものメンバーが入れ替わったという要素もあり、ボールを前に運べずに、栃木に攻撃権を握られる展開を強いられます。

それでも前回対戦時には、敵陣深めでのボール奪取に拠るショートカウンターを連発していた栃木。
この日はヴェルディサイドが、ボールポゼッションをある程度放棄するかのように振る舞った(繋がらない裏へのロングパスが目立つ)事で、持ち前の鬼プレスを発揮する事は出来ません。
従って栃木サイドがボールポゼッションを高め、主体的な攻撃へと傾倒するという逆転現象が起こり。
(とはいってもヴェルディサイドの方が支配率が高いのは、裏へのロングパスを送る前に、仕込むように自陣でのパス回しが目立っていたからだろう)

ショートパスを繋ぎながら、左CBの大森が積極的に前に出て絡み、厚みを持った攻撃を展開していき。
最終ラインは、時折ボランチ1人が降りる通称・ミシャ式の形も混ぜていくなど、機能不全気味のヴェルディのお株を奪うように主導権を握ります。
前半21分にはこぼれ球をダイレクトで大森がスライディングで繋いでから左サイドへ展開、谷内田のスルーパスに走り込んだ森がマイナスのクロス。
植田が合わせにいくもディフェンスに阻まれ、こぼれ球を植田が繋いで谷内田がシュートするもゴール右へと外れ。
23分には福森の左→右の対角線のロングパスから、走り込んだ黒﨑の横パスを受けた植田が再度シュートに行き。
またもディフェンスに阻まれ、今度は植田自らこぼれ球をシュートしましたがブロックに阻まれます。

一方のヴェルディ。
今季初の出番となったアルハンですが、開始直後にマッチアップする栃木・福森とやり合う(どちらかと言えば福森が一方的にけしかけていたようでしたが)というシーンから始まり。
その影響を引きずったか、29分には福森のドリブルを後ろから引っ張ったアルハン、反則・警告を受ける事となります。
このシーンで福森が主審に激しく警告をアピールするなど、はやJリーグの洗礼を浴びたような感じのアルハン。

劣勢故に、そんな珍妙な光景が目立つといったヴェルディ。
39分にようやくポゼッションによる好機が生まれ、右サイドで井出と共に攻撃に絡んだアルハンからクロス。
これを中央で小池がボレーシュートに繋げましたが、GK川田がキャッチ。
このシーンで、自身のサイドとは逆の左足でのクロスを上げたアルハン。
本職は左SBとの事であり、いきなり逆の右サイドでの出場となったのには、城福氏ならではの意図の表れなのかどうか。

結局スコアレスで前半を終え、同時にアルハンのデビュー戦も終わり。
ハーフタイムで新井と交代(同時に西谷亮→森田へと交代、小池が左WG→右WGへとシフト)し、本来のメンバー投入で巻き返しを図ります。

劣勢を新井の突破力で打破しようとしたものの、後半立ち上がりの試合内容もそれほど変わらず。
ヴェルディは前半よりもポゼッションへの意識を高めたものの、栃木ディフェンスの前に効果的な攻撃は繰り出せません。

後半8分の栃木は自陣でのボール奪取から左サイドで前進、その際に植田がヴェルディ・加藤弘に倒されたものの繋ぎ続け、黒﨑の低いクロスに森がニアサイドで跳び込むも僅かに合わず。
流されたために、プレーが切れたのち加藤弘に警告が突き出され。
15分には逆にヴェルディが、ンドカ・ボニフェイスミドルパス→佐藤凌フリックに走り込んだ森田が栃木・大谷に倒されるも、攻撃継続して新井が左サイド奥でキープする状況へ。(切り返しの連続もクロスは上げられず)
するとこちらも大谷が警告を受けるという具合に、アドバンテージ→警告の応酬といったシーンが描かれます。

連戦にも拘らずほぼ同一メンバーでこの試合に挑んだ栃木、その影響か早めの交代を強いられ。
11分に矢野・森→根本・大島へ2枚替えをしたものの、その後はヴェルディの盛り返しもあり、好循環を潰すような交代となってしまいました。
逆にヴェルディは14分に佐藤凌→井出へと交代、同時に4-4-2(加藤弘・森田のドイスボランチ)気味へとマイナーチェンジ。
最前線に佐藤凌が加わった事で、攻撃リズムも蘇りを見せます。
19分ンドカのロングパスを左サイドで新井が収め、カットインでエリア内を突き。
ディフェンスに遭い中央へこぼれた所に、森田がミドルシュートを放ちましたがエリア内で栃木・大谷が頭でブロック、僅かにゴール上へと逸れ。
直後のコーナーキックでも、二次攻撃で新井のクロスを佐藤凌が折り返す好機を作りましたが、ゴールを奪う事が出来ず。

反撃したい栃木は、そのCKの直前というタイミング(20分)でさらにベンチが動き。
前線2人を代えたのに続き、今度はボランチを揃って代えるという手を打ちます。(神戸・植田→佐藤祥・西谷優希、谷内田が一列上がってシャドーに)
以降ヴェルディがやや停滞し、谷口がコンタクトレンズの異常で一旦ピッチ外に出るというアクシデント(25分、1分程で復帰)も加わった事で、再び流れを得ようと攻め上がる栃木。
ヴェルディも奈良輪→深澤へと交代した直後の29分、右サイドで黒﨑のスルーパスに走り込んだ大島がエリア内右へと切り込み、こぼれ球を佐藤祥がシュートしにいくも防がれてCKに。
その右CKから、キッカー大森がニアにクロスを入れ、跳び込んだ大谷には合わずもその一列奥で大島が合わせ。
しかし放たれたヘディングシュートはゴール右へと外れてしまいました。

肝を冷やしたヴェルディ、直後の31分に再度ポゼッションを高めての攻撃。
サイドを移しつつ前進し、一旦は奪われるも敵陣で森田が奪い返し、縦パス→河村ポストプレイを経て受けた佐藤凌がエリア手前中央寄りからシュート。
栃木・大谷のブロックを掻い潜ったグラウンダーのボールがゴール右へと突き刺さり、ついに均衡を破ります。

優勢の時間が長かったものの、結局前回対戦と同じく追いかける立場となった栃木。(35分に谷内田→トカチへ交代)
33分に縦パスを受けた福森が左サイドをドリブルし、カットインを経てエリア内左からグラウンダーでクロス。
中央で大島が跳び込んだものの僅かに合わず。
41分にも中央からエリア内右へのスルーパスに走り込んだ黒﨑がマイナスのクロスを入れるも、エリア内の西谷優・大島には合わずと、この日の栃木はグラウンダーでのクロスが悉く不発に終わったのが最終的に痛かったでしょうか。

38分には敵陣での黒﨑のボール奪取からようやくショートカウンター気味に攻撃、エリア内でパスを受けた根本が切り込んでシュートしましたが、GKマテウスのセーブに阻まれ。
43分には右サイドから攻撃、黒﨑がアーリーで低いクロスを入れ、ニアサイドで根本が合わせたものの枠を捉えられず。
他の手段も使いつつゴールに迫りましたが、得点を生み出す事は出来ませんでした。

一方のヴェルディ(35分に小池→山越へと交代・宮本がボランチへ、河村が右SHへ、森田がFWへシフト?)、前回観た際とは一変し、新井が自陣深めで守備参加するシーンも目立つなど監督交代の効果が見え始め。
40分になる前から早くも逃げ切り体制へと移行し、左サイド奥に持ち込んでもクロス・シュートにはいかない立ち回りを見せる等、勝負へのこだわりを徹底します。

そして3分あったアディショナルタイムでも、ろくに好機を生み出せない栃木。
何とかボールポゼッションを高めて隙を伺うも、活路を見出す事は出来ず。
道中ヴェルディ・深澤が頭部にチャージを受けて倒れた影響でやや長く時間が取られたのち、試合終了の笛が鳴り響き。

やはり結果に拘る姿勢が強くなったという印象の、城福氏率いるヴェルディ。
その通りに就任後は4戦3勝(1敗)と勝ち点を稼ぎ、間に挟まった天皇杯3回戦でも、J1・川崎を破る快挙を成し遂げる上げ潮ぶり。
しかしその燃料が尽きた時にどう立ち回るのか、広島の2018年シーズンの失速ぶりが思い出される所ですが、果たして跳ね返す事が出来るか。

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