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DAZN観戦 2022年J2リーグ第20節 栃木SCvsV・ファーレン長崎

2022-06-08 15:09:56 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(14節・山形戦、1-2)
※前回の長崎の記事はこちら(15節・仙台戦、0-2)

<前節からの変更>

栃木=右センターバックの鈴木がアンダー代表招集のため、三國ケネディエブスにチェンジ。その他は変更無し。なお三國は3日前の天皇杯でスタメン。

長崎=こちらも左サイドバックの加藤聖がアンダー代表に招集、それを受けて米田を左サイドハーフから転用し、さらに澤田が右SHから左SHに。そして空いた右SHに奥田が入る。もう一人、CBを櫛引→二見に変更し計2人。控えでは、カイオ・セザールが初めてベンチ外(天皇杯でスタメン)となり、逆に前節初のベンチ外となったクリスティアーノが復帰。そしてカイケが初のベンチ入り(天皇杯で途中出場)と、助っ人陣を中心に激しく入れ替わり。

スタメン

この日ベンチに復帰した長崎・クリスティアーノの古巣対決という触れ込みでしたが、栃木に在籍していたのは9年前の出来事であり。
その当時(2013年)のオフに経営問題が浮上した事で、彼をはじめ様々な有力助っ人の力でJ2を戦っていたクラブにとっては転機の年となりました。
以降緊縮財政へと移行し、J3降格も経験するなど落ち込み、残留ライン付近での戦いを余儀なくされる事となり。
今季は長崎へ移籍し、それ以来のJ2での戦いとなったクリスティアーノ、戦術的に異物扱いされがちながらもこうして古巣を相手にする日を迎えました。(ただしベンチスタート)

試合が始まり、早速の前半1分に栃木がロングボールを蹴り込んだのち、右サイドで矢野のスルーパスに走り込んだ谷内田がエリア脇からシュート。(GK富澤キャッチ)
その後も、田坂和昭前監督の時代を彷彿とさせる、ラフな放り込みにより押し込むという「ストーミング」のような振る舞いを見せ。

長崎は相手のその姿に面食らいながらも、何とかその流れを断ち切ったのち自らがボールを支配していく展開に持ち込みます。
その長崎のサッカーに対し、栃木も本来の長所であるプレッシングを掛けて対抗。
かくして、長崎がボール支配率7割以上を常にキープする戦いが幕を開けました。

ボックス型の基本形を採る最終ラインから、ショートパスを繋ぎつつ栃木をいなしていく長崎ですが、肝心の好機には中々繋げられず。
栃木のプレスをショートパスでかわしきって前線へ運んだのは11分の場面のみで、後はロングパスを交えたり、逆に栃木のロングボールを跳ね返して直接前線で拾ったりというもの。
そのため20分までの長崎の攻撃機会は5度のみで、守備の時間が長くなった栃木は2度(いずれも自分の集計)と、異様な少なさで推移する序盤戦となりました。

22分の長崎、右サイドから攻める姿勢を見せたのち、二見が一気にエジガル・ジュニオへと縦パスを入れ。
これがカットされて栃木ボールとなるも中央で米田がカットして再度攻撃、拾った植中がミドルシュートを放ち。(ブロック)
多少強引ながらも、このシュートが文字通りの号砲となった感があり、以降はお互い通常通り(?)に攻撃機会を得ていく展開に移行します。

栃木はマイボールの時間が少ないながらも、一旦ボールが浮き球になると、矢野・瀬沼のツインタワーというべき存在感が光り。
30分には瀬沼がフリックしたボールに植田が走り込み、クリアされるも矢野が再度落とし、拾った福森が左サイド奥へ切り込むという攻撃。(奪われてクロスは上がらず)
最終ラインの高さに欠ける長崎にとってそれは十分な脅威になると感じたシーンでしたが、その直後の32分コーナーキックを得る栃木。
この左CKをキッカー谷内田はショートコーナー、植田の返しを経てダイレクトでクロスを上げると、ファーサイドでフリーとなっていたカルロス・グティエレスがヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、ボール支配率は無関係とばかりに栃木が先制点を挙げました。

ビハインドとなった事で、ボールを握らされる展開を強いられる長崎。
失点直後の34分には敵陣で神戸に奪われ、拾った植田が前進ののちシュート体勢に入られる(撃つ直前でディフェンスに遭う)という具合に栃木のショートカウンターも見られます。
しかしリードを得た栃木は5-4-1のブロック形成を重視する体勢へと移り、1トップの矢野が1人チェイシングをする中で、長崎はひたすら後方でボールを回す事を余儀なくされます。

最終ライン~ボランチでのパス回しに終始し、殆どボールを運べない長崎。
キーとなるのは前述の攻め(22分)のように一列飛ばしのパスで、巧い具合に栃木のブロックを前に喰いつかせ、そのスペースにエジガルが降りて縦パスを受けるというような攻撃。
39分に一度見られたものの結局シュートには繋がらず、思い切りに欠ける長崎というイメージに終始。
そしてそのパスワークを遮断した栃木の方が攻撃機会で上回るという、悪循環のような前半の終盤と化していました。
43分に右サイドでのエジガルのポストワークから中央→左へと渡り、米田がカットインを経て中央からミドルシュートを放った(枠外)のが唯一のフィニッシュだったでしょうか。
栃木1点リードのまま前半を折り返す事となり。

共にハーフタイムでの交代は無く後半が始まり。
修正を施したいであろう長崎が動いてくるとも思われましたが、その予想が外れるどころか、スタメン11人のままかなり長い時間粘る事となった松田浩監督。

その期待に応えたい長崎選手、最初に攻撃機会を得たのは後半3分で、それが結果に繋がります。
ここも右サイドでエジガルがボールを持って前進、中央へ流れたのち左へ展開という前半43分と類似したシーンから、再び中央へ戻されたのち加藤大がエリア内のエジガルへ浮き球を送り。
すると手前で頭でクリアに入った栃木・瀬沼のミスにより、エリア内左奥へ転がった所に米田が走り込んでクロス。
低いボールでニアサイドを突いた所に、澤田が合わせてゴール。
思い切り良くエリア内を突いた攻撃が奏功し、同点に追い付いた長崎。

これで長崎は幾ばくか落ち着いたのか、前述したような、一列飛ばしの縦パスをエジガルに当てる攻撃を見せて栃木サイドを翻弄していき。
栃木は前半のような、「ボールを持たせて自分達のペースに持ち込む」事が出来なくなった以上、再び何処かでプレスを嵌めたい状況となります。

そして11分、敵陣で神戸がボールカットを果たすと、拾った谷内田の縦パスを矢野がエリア内へフリック(繋がらず)というショートカウンターを見せ。
17分にも敵陣左サイドで神戸のボールカットから、福森から上がったクロスを中央で矢野が合わせにいき、流れた所をファーサイドで瀬沼が受けるもオフサイドとなり撃てず。
ボール奪取からのツインタワーを活かす攻撃で長崎サイドを脅かし、ペースを握る事に成功すると、今度はGKのロングフィードからの攻撃。
19分に矢野を目掛けたロングフィードのこぼれを福森が左サイドで拾い敵陣でパスワーク、植田のポストプレイを挟みサイドを移すと、右ハーフレーンから黒﨑がクロス気味にシュートを狙い。
しかし手前でブロックに当たったボールは惜しくもゴール左へと外れ。
20分に2枚替え、黒﨑・瀬沼→森・トカチへと交代し尚も押し込む栃木。
22分にもGK川田のロングフィードから、谷内田→福森と渡り左サイドを前進、福森からクロス。
低いボールに矢野が走り込み、こぼれた所をファーサイドで拾ったトカチが眼前にはGKのみとなる絶好機が到来するも、シュートは富澤にセーブされ勝ち越しならず。

追い付いたものの、一転攻勢に出た栃木に苦しめられる長崎。
メンバー交代も交えその圧を強めにいく栃木に対し、動かずに耐えているような状況でしょうか。
そして後半も半分を過ぎ、前年までの「強制的な飲水タイム」こそ無かったものの、変節をじっと待った成果が訪れます。
25分、スルーパスが左サイドの澤田へと渡り、溜めを作り上がりを待ったのち中央へ展開。
加藤大を経由してエリア内へ送られたボールをエジガルがスルー、そしてその奥で植中がシュート。
ゴール左へと突き刺さり、エジガルの献身性が見事に実り逆転を果たします。

初めてリードを奪われる事となった栃木、こうなると主体性を押し出しての攻撃を余儀なくされ。
その隙を突くように27分に長崎が、クリアボールの収めから裏狙いの浮き球パスを送るという定番の流れを経て、受けた奥田がエリア内を突くという決定機。
しかしGK川田が前に出て防ぎ。
何とか凌いだ栃木、試合はまだこれからという雰囲気を高めます。

そして30分、右サイドからの攻めでCKを得た栃木。
キッカー谷内田のクロスを、中央ややニア寄りで矢野が合わせにいき、ファーサイドにこぼれた所を合わせたのはまたもグティエレス。
セットプレーで炸裂するディフェンスリーダーのヘディングで再びゴールネットを揺らし、同点に追い付きます。

再びイーブンの状況となりますが、押せ押せの栃木に対し、長崎は自陣でパスミスも目立つなど再度苦境に陥ります。
流れを変えたい長崎ですがそれでもまだベンチは動かず。(栃木は34分に植田→五十嵐へと交代)
35分に鍬先のボール奪取から好機を掴み、植中の中央突破からパスを受けたエジガルがエリア内右を突いてシュート。(GK川田セーブ)
ここからCKが2本続いた事で、勝負所と判断したのかようやく動きを見せる松田監督。
満を持してクリスティアーノがピッチに送られます。(奥田と交代、同時に澤田→山崎へと交代・39分)

それでも40分にトカチがシュートを放つ(枠外)など、栃木優勢の流れは続き。
投入されたクリスティアーノは42分に多少強引にミドルシュートを放つ(ブロック)も、その後44分にアフターチャージで警告を受ける等、展開に呑まれているかのようなシーンを作ってしまい。

その流れそのままに突入したアディショナルタイム。
栃木が再びGK川田のロングフィードからの攻撃で押し込むも、後方に戻したのち三國のパスがズレた所をクリスティアーノに拾われ。
するとこの局面で彼の力が発揮され、一気にドリブルで敵陣エリア手前まで持ち込むクリスティアーノ。
他選手も並走するパワー溢れるカウンターになると、放たれた豪快なシュートがゴール左隅へと突き刺さり。
大興奮必至の勝ち越しゴールを齎したクリスティアーノ。
しかし助っ人にして気心を持ち合わせていたようで、古巣相手故に喜びの表情を殆ど見せなかったのが印象的でした。

その後残されていた交代カードを使いつつ(エジガル→ビクトル・イバルボ、その後に植中→カイケ)、リードを守り切る姿勢を取る長崎。
道中、栃木はロングパスののこぼれから再度トカチがシュートを放った(GK富澤キャッチ)ものの、無事に2-3のまま勝利に辿り着きました。


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