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DAZN観戦 2020年J2リーグ第29節 愛媛FCvs栃木SC

2020-10-29 16:30:54 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の愛媛の記事はこちら(25節・徳島戦)
※前回の栃木の記事はこちら(27節・ヴェルディ戦)

23節・福岡戦(0-1)を境に、全く得点出来ない状態に陥ってしまった栃木。
無得点試合が続く事5試合、その間は引き分けを2度刻むのがやっとという状況でしたが、前節・琉球戦でようやく脱する事に成功しました。
しかも今季初の4得点を挙げ、4-1での勝利。(前年の最高は3得点)

方や、そんな4-1というスコアを3試合連続で記録、しかもいずれも敗戦となってしまっているのが最下位の愛媛。
四国ダービーに敗れてから燃え尽きてしまったかのような歩みですが、果たしてこの日も継続されてしまうのか。

26節(ヴェルディ戦)は退場者を出してしまった(長沼)のが直接的な原因でしょうが、それで無くても、シュート数で相手に圧倒されてしまっているのがそもそもの要因。
ヴェルディ戦も7対33と悲惨を通り越して喜劇的な数字を残してしまいましたが、27節・山形戦も6対18、前節・長崎戦は9対20と倍以上の差が付くのが当たり前。
四国ダービーでも7対25でしたので、長沼の退場(と出場停止)とは無関係に、相手に圧倒される下地が出来てしまっていた。

ポゼッション重視のサッカーとは聞こえが良い愛媛ですが、相手も同じくボール支配が出来るチームだと、支配率でも後れを取ってしまう。
連敗中は徳島・ヴェルディ・長崎と、ポゼッション同士での激突では悉くそんな現象を生んでしまっており、良い所が全く無いという状況では最下位に沈むのも道理。
データから見ても「中途半端なポゼッション」という言葉が頭を過ります。
こんな事になったのは前半戦のヴェルディ戦で「相手の良さを消すサッカー」に、一瞬でも傾いてしまったのが原因なのでは、というのが個人的な感想。

J3を見てみると、今季J初参戦となった今治が奮戦、J2ライセンスも(条件付きで)得るという昇り調子を描いています。
その存在が、同県のクラブである愛媛にとって大きなプレッシャーとなっているのでしょうか。

それはともかくとして、この日は連敗中の相手とは一線を成す、ボールポゼッションには全く拘らない栃木が相手。
それでも、自陣でのビルドアップに対する果敢なプレッシング、ロングパス一本から押し上げる攻撃と苦戦する要素が満載です。
そしてその通りに、栃木の圧力に押されまくりの愛媛。

立ち上がりの10分間で、攻撃機会は愛媛3度に対し栃木は7度と差を付けられます。(自分の集計です)
その中でも前半9分の栃木のフリーキックからの攻撃で、中盤からという遠い位置からでも、ゴール前に入れてくる栃木に対して中々クリア出来ず。
セカンドボールを拾われ続けたのち溝渕から3度目のロビング(クロス)がエリア内に入ると、榊が擦らしたボールを明本がトラップ、そして反転した榊がシュート。
GK岡本を抜くもゴール寸前で愛媛・池田がクリア、しかし尚も攻撃は続き、再度の溝渕のクロスがこぼれた所を山本がシュート(GK岡本セーブ)と波状攻撃。

栃木の「ストーミング」スタイルに簡単に呑み込まれる、そんなシナリオを想像させた立ち上がりの愛媛でしたが、以降はとりあえずロングボールを主体にする攻撃。
何とか栃木のプレスをかわして反撃せんとします。
13分にはロングパスの跳ね返しを田中が拾ったのち繋ぎ、長沼のスルーパスを受けた藤本が、ドリブルからエリア手前やや右でシュート。(GKオビ・パウエル・オビンナキャッチ)
19分には中盤で田中がボール奪取、藤本が右サイドをドリブルで進み奥からクロスを上げると、川村がファーで収めたのちシュート。(GKオビンナセーブ)
ロングボールにボール奪取と、相手の栃木をインスパイアしたようなプレーから好機に繋げましたが、GKオビンナの好守に阻まれました。

その後は栃木のサッカーにも何とか対応し、飲水タイム明けには27分に森谷がミドルシュート(ブロック)、30分には茂木がミドルシュート(ブロック)とミドル攻勢に。
栃木サイドも32分に西谷がミドルシュート(枠外)、35分にも明本がシュート(GK岡本キャッチ)と、双方シュートを放つ展開ながらスコアは中々動かず。

そんな中、栃木の前線からの守備のプレッシャーからか、GK岡本がキックミスでタッチを割ってしまう場面が散見。
この試合でも顕著だった岡本のキックミスですが、この日は相手GKにキックの大切さを思い知らされる事となります。

前半も終了間際の45分に愛媛はFKのチャンス、左サイドからキッカー森谷のクロスが入り、茂木のフリックがこぼれた所を中央で藤本がボレーシュートの体勢に。
しかしこのシュートは空振りで不発となる始末で、奥に居た川村がすかさずボレーシュートを撃ち直した(ブロック)ものの、「好機は作るものの流れが悪い」というようなシーンでした。
逆に栃木はアディショナルタイム、左コーナーキックからニアサイドで田代がヘディングシュート(GK岡本セーブ)と、綺麗なフィニッシュを見せたもののゴールは割れず。
結局0-0のまま前半終了。

ハーフタイムに愛媛が選手交代(三原→前野)を敢行したのを挟み、迎えた後半。
ロングボール主体の栃木ですが、意外とキックオフ直後の攻撃は、アバウトなロングボールで捨てる事無く攻撃に繋げている印象。(この試合ではゴールを奪った)
この日もそれに違わず、黒﨑が低いロングパスと変化を付けると、森のフリックを経て前線でパスを繋いで明本のシュート(ブロック)で終えました。

それでも後半の立ち上がりは、前野が入った事もあり愛媛が押し気味の展開となります。
そんな状況に冷水をぶっ掛けるように生まれた、GKオビンナのスーパーなアシスト。

後半8分に自陣からのFKとなった栃木、キッカーを務めたGKオビンナのロングキック。
これがやや低めの速いボールで愛媛エリア内を突くと、走り込んだ森がトラップで収める事に成功。
慌てる愛媛ディフェンスでしたが時既に遅く、森から放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
「ロングボール一発」という表現が生温い程の先制点となりました。

思わぬ形でビハインドとなってしまった愛媛。
その後も攻勢は変わらずでしたが、肝心のシュートは中々放てず。
17分のCKから、池田のヘディングシュート(枠外)までお預けとなります。

そんな流れを感じたのか、直後にベンチも動きます。
既に13分に藤本→有田へと交代していましたが、ここでは池田→横谷に交代するとともに布陣も変更。
この日は4-3-3(4-2-1-3か4-1-2-3かは今一つ解らず)でスタートした愛媛のフォーメーションでしたが、ここで3-4-2-1と従来の基本形へとシフトしました。
ボランチは森谷と横谷が務め、逆に従来ボランチでの出場が多かった田中・川村がシャドーへシフト。
ウイングバックは右に丹羽・左に長沼でしたが、飲水タイム(24分)を挟んだのち左右が入れ替わり。
一方の栃木もこの交代と同時に、榊→大島へと交代。

この変更当初こそ攻め上がりを見せていた愛媛、24分には横谷の縦パスを受けた川村が反転してシュート。(GKオビンナキャッチ)
しかし飲水タイム後は徐々にペースを失っていき、30分頃からは全く攻められなくなってしまいました。
シュートどころか敵陣に進入する事すらままならず、という状況。

そんな相手を尻目に、栃木は高い位置での守備が冴え続け、奪った後は漸進戦術で押し込みます。
奥からのスローインを量産し、奪われても相手に繋げさせず、クリアも満足にさせず。
綺麗にフィニッシュする場面は殆ど無かったものの、自陣に釘漬けにする事に成功しただけでも、リードしている側にとっては十二分な価値。
シュート数の乏しさが顕著な愛媛だけに、焦りの増幅という効果もあったでしょう。

しかし38分、その原動力となっていた明本が足を痛め、担架で運ばれて交代。(エスクデロ競飛王と交代・同時に溝渕・瀬川へと交代)
終盤に来てようやくボールを繋げるようになった愛媛ですが、それでも自陣ではリトリートに徹する栃木に対して有効打を放つ事は出来ず。
逆に45分、栃木のカウンターから大島がシュートを放つ(枠外)という具合に、追加点の危機にも晒されてしまいました。
結局ATでもシュートを放つ事は無かった愛媛、0-1のまま試合終了。
多少マシになったとはいえ、この日も8対12とシュート数で下回り。

栃木勝利の立役者となったGKオビンナ。
8月にマリノスから育成型レンタルで加入という経歴で、ここ最近8試合連続でスタメンと、完全に正GKの座を奪取。
しかしそんな出場記録を残していた矢先、マリノスへのレンタルバックが決定するという事態が発生してしまいました。
強靭なフィード力を発揮し、短期間で強烈な印象を残して颯爽と去る、という格好良い展開を描く事となったオビンナ。
GK事情が荒れ気味であるマリノスでの現状、チャンスを得る事はできるでしょうか。


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