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DAZN観戦 2020年J2リーグ第17節 東京ヴェルディvs愛媛FC

2020-09-08 18:41:43 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回のヴェルディの記事はこちら(11節・福岡戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(15節・水戸戦)

共にポゼッションスタイルを浸透させつつあるチーム同士の戦い。
試合前の想像としては、ボールの握り合いを主体にした、ノーガードの攻め合いか。
あるいは様子見パスの連続による決め手に欠く凡戦か。
しかし実際に行われた内容はそのどちらでもありませんでした。

ヴェルディは大ベテラン・大久保が復帰してきて、これがスタメン3試合目。
この大久保含め、過去3試合全てスタメンを張っている選手が8人と、この連戦ではやや固定化(前の5連戦もそんな節がありましたが)傾向に。
当然目指すサッカーの追求と、そのためのコンビネーションを深めるのが第一という思惑が感じ取れます。
大久保がセンターフォワードを務める、1節以来の布陣を敷いているだけに尚更でしょう。

試合が始まると、愛媛はいつものポゼッションスタイル……では無く、明らかにロングボールを多くしての攻撃。
対するヴェルディは普段通り……といきたかったのでしょうが、愛媛の守備に対してボールを運ぶのに難儀するシーンが続発します。

それもそのはずで、この日はこれまでとは一変した「相手に合わせた守備的なサッカー」を取り入れてきた愛媛。
しかもマンツーマンを軸に、しっかりとヴェルディ選手をチェックする戦略を採ってきました。
いつもの3-4-2-1のフォーメーションも、相手に合わせているためか、守備時には4バックのように見えなくも無い陣形に。
これに度肝を抜かされたのか、ヴェルディ側も序盤はパスを繋ぐ事が出来ず。

一応序盤は攻め合いの形になるも、ヴェルディの方は相手の愛媛のミスに付け込んでのものが多く、おまけにシュートは皆無と主体性は今一つ。
そんな流れに乗れないヴェルディの隙を突く愛媛。
前半17分、自陣でこぼれたボールを森谷が繋ぎ、清川が右サイド奥へロングパス。
これが走り込んだ西岡大志に渡り、彼の戻しを受けた森谷のクロスを、エリア内で丹羽がボレーシュート。
GKマテウスは一歩も動けずという、豪快なシュートがゴールに叩き込まれて愛媛が先制に成功します。
直後の18分にも、川村が敵陣でのボール奪取から丹羽がシュートを放ち(GKマテウスキャッチ)、流れは愛媛に傾いたかに見えました。

しかしここからヴェルディが反撃に出ます。
攻めの形を作れない中、序盤からロングパス・スルーパス主体への切り替えが見られていましたが、中盤に差し掛かり板に付いた模様。
23分、高橋の右サイドへのロングパスに小池が走り込み、そのままクロスが上がると大久保がヘディングシュート。(GK加藤セーブ)

期待を持たせて飲水タイムに突入しますが、明けた後は愛媛のマンマークに苦難するシーンが多く。
特にセンターフォワード(から若干下がり気味?)の大久保は、ボールを受けにいった所を潰される場面が目立ち(まあ当然の対応なのですが)、中々自分の色を発揮出来ず。
28分には井上の縦パスを受けた所を、愛媛・木暮に倒されボールロストするも反則は無し。
逆に31分は、自身が敵陣でボールをこぼし、拾おうとするも愛媛・西岡大暉ともつれ合って反則を取られてしまいます。
審判の笛も敵に回りつつある、という印象でした。

流れに乗れないヴェルディは39分。
ビルドアップする所に愛媛のプレスを受けるも、一旦GKマテウスまで戻したのち、マテウスの縦パスで一気に剥がす事に成功。
ここから森田→佐藤左へサイドチェンジ→井上中央へ→大久保エリア内へロングパス→小池折り返し、という攻撃を繰り出すもシュートには繋がらず。
しかしこれが契機となり、終盤はヴェルディペースに。
45分には藤田譲瑠チマのパスを井上がスルーし、走り込んだ大久保がシュート。(ブロック)
アディショナルタイムには敵陣での佐藤のカットから井上がミドルシュート(ブロック)と攻め立て、再び良い流れを持ちつつ前半終了を迎えます。

後半を迎えるに辺り両チームとも選手交代。
ヴェルディは森田→山下へ、愛媛は清川→山瀬へと代えてきました。
これでヴェルディは井上が中盤へとシフト……とは言っても、可変システムなうえ頻繁にポジションを動くので、ただ見ているだけでは解り辛くもありますが。

後半の序盤も攻守が入れ替わりつつの展開ですが、単調な攻撃に終始する愛媛を尻目に、ヴェルディが果敢に愛媛ゴールを脅かしていきます。
後半3分、交代で入った山下が敵陣で拾うと、ドリブルから佐藤とのワンツーで中央へと向かいそのままエリア手前からシュート(枠外)。
10分には平の縦パスから、山下が大久保とのパス交換でエリア内に入った後左へ展開し、福村がダイレクトで低いクロス。
ファーサイドで大久保が跳び込むも合わず、その奥で跳び込んでいた小池が合わせるも角度が無く枠外に。

愛媛は前半とは一変して守備で後手を踏み、相手を倒してしまう場面が続出しますが、この日はこれが悉くノーファールに。
逆に13分にヴェルディ・高橋が丹羽を後ろから倒して反則・警告を貰う(このジャッジ自体は妥当)など、ヴェルディサイドにフラストレーションが溜まりそうな内容となっていきます。
それでもペースを握り一方的な展開を描いていくヴェルディですが、以降飲水タイムまでは、コーナーキックからの平のヘディングシュート(ゴール右上へ外れる)ぐらい。
防戦一方となり運動量を補填したい愛媛は、11分に小暮→長沼。
そして24分には足を痛めた渡邊に代えて田中と、カードを切っていきます。

前節・町田戦は、ビルドアップでの決定的なミスにより試合を落とした(1-2)愛媛。
それに直接絡む事となった田中と、GK岡本をスタメンから外すという荒療治が敢行され、特に2年前から全試合出場を続けていた岡本の欠場は注目点の一つとなりました。

代わってGKを務めたのが加藤、これが初スタメンとなったものの、特に問題無くゴールを守ります。
足元のプレーも、ショートパスとロングキックを使い分けて巧みに危険を回避。
この日の「守備的に戦う」チームのモットーを体現する存在といえたでしょう。

それなりに巧くいったこの戦いぶりですが、これまでやって来た方向性とは真逆のスタイルなのは言うまでも無く。
今後はこの路線でいくとしても、相手に合わせたサッカーを続けていけば、主体性は当然薄れていく事となります。
かといって今までのサッカーでは成績が行き詰まっていたのも事実。
打開するには両者の中庸策が考えられる訳ですが、これも舵取りを間違えれば中途半端なものとなり、チームバランスを崩していく一因となってしまうでしょう。
これらの要素を考えつつ、どう折り合いをつけていくか。

愛媛が交代策を交えた事で、ヴェルディ一辺倒だった試合の流れも改善に向かいます。
それでも29分にヴェルディが決定機を迎え、GK加藤のパスをカットした小池が右サイドで切り込んで、エリア内右からマイナスのクロス。
これを井出(大久保と交代で出場・17分)が合わせたものの、シュートはゴールの僅か左へ逸れてしまいます。
ここに来てミスが生まれてしまいヒヤリとした愛媛、30分にはようやくシュートシーンが生まれたものの、長沼の遠目からのシュート(GKマテウスキャッチ)と可能性は薄く。

34分には両チームとも2枚替え。
ヴェルディは佐藤・小池→松橋・新井。
愛媛は川村・丹羽→横谷・有田へと交代。
これでヴェルディの方はCFに山下が入り、ウイングは右に新井・左に松橋という配置に。

この前後には攻撃機会を掴めずにいたヴェルディでしたが、38分にカウンターから好機。
チマのミドルパスを井上が受け、そのまま左ハーフレーンをドリブルで前進。
そしてエリア内へスルーパスを出し、走り込んだ松橋がシュートするもブロックに阻まれます。
しかしこれを切欠に、再びヴェルディのワンサイドな展開へ移行する事に。

40分には井上が敵陣でボールキープの後、エリア手前中央からミドルシュート。(GK加藤キャッチ)
同じく40分、井上のスルーパスをエリア内右で山下が受けて中央へ出し、新井がシュート。(ブロック)
42分は左サイドでパス回しの後中央へと戻され、チマ縦パス→井上ポストプレイ→井出と繋がった後井出がシュート(ブロック)と、ポゼッションも取り戻しての攻勢。
しかし割り切った愛媛の守備の前にゴールを奪えません。

愛媛サイドは、この時間は必死のクリアばかりが目立ち、攻撃どころかボールキープすらままならず。
それでもリードを保ったままATに突入します。
ようやく落ち着いたか、GK加藤のロングフィードの後敵陣で空中戦となり、田中の落としを受けた山瀬がスルーパス。
これを有田が受けてエリア内に進入するも、GKマテウスに抑えられて追加点はならず。
しかし一息付かせる攻撃を見せる事には成功しました。

その後もヴェルディは若狭のシュート(枠外)など攻め掛かるものの、最後まで得点が生まれる事は無く。
結局0-1のままタイムアップの笛が鳴り響きました。
結果的に愛媛の策が見事に奏功したゲームとなりました。

今後の方針に迷いを生む可能性も否定出来ませんが、逆に結果つまり勝ち点3がチームを成長させていくという側面もあるでしょう。
プロである以上内容よりも結果を選択するのは責められず。
果たしてこの日の割り切りは、以降も使われていくのでしょうか。


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