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DAZN観戦 2022年J2リーグ第21節 東京ヴェルディvsいわてグルージャ盛岡

2022-06-15 16:05:45 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(18節・金沢戦、1-3)
※前回の岩手の記事はこちら(順延15節・大宮戦、1-0)

<前節からの変更>

ヴェルディ=ここ2戦でスタメンに名を連ね始めたベテラン勢がこの日も継続、それを含めて11人とも変更無し。ベンチには、GKマテウスが今季初めて入る。

岩手=3日後に代替試合が控えている立場であり、それを踏まえてか5人入れ替え。センターバックは右に蓮川・中央に牟田(←甲斐)・左に田平(←小野田)と大改造。その他ボランチの一角が弓削→小松、シャドーは増田・中野→オタボー・色摩と2人とも変更。

スタメン

声出し応援の運営検証試合という位置付けとなったこの試合。
しかし、同時に怒号や罵声までも復活してしまうのが付き物であり。
前日に行われたルヴァンカップ・プレーオフステージで同様の位置付けとなった鹿島vs福岡では、敗退が決まった鹿島がサポーターの罵声を浴びるという皮肉な結末になりましたが、この試合ではどうか。

岩手は最大目標であるJ2残留に向けて、FC東京から蓮川をレンタルで補強、前節から早速センターバックの一角に起用してきました。
それが奏功したか勝利を挙げ(甲府戦・1-0)、昇り調子でこの一戦に臨み、蓮川にとっては早速味の素スタジアムへの帰還となり。

一方のヴェルディ、未勝利が続く状態を受け、端戸・平・加藤弘堅・奈良輪といったベテラン選手の重用へと針が振れ始め。
丁度折り返し地点となるこの試合を前に、何処と無く不穏な空気が表に現れ始めたような感じですが果たして。

様子見といった入りを経て、ファーストシュートは岩手。
前半5分に縦パスを受けにいった色摩がヴェルディ・深澤に倒され、中央の良い位置での直接フリーキック。
これをフェイクを交え、モレラトが蹴ると見せかけて蓮川がシュートを放つも、枠を捉えられず。
絡め手でゴールを狙った岩手でしたが、逆にそれが拙かったのか、その後ヴェルディの怒涛の攻撃を許す結果となります。

この日は4-3-3の基本形らしき、2CB+アンカーという形のビルドアップを立ち上がりから見せるヴェルディ。
アンカーの加藤弘が、岩手の5-4-1ブロックで出来る前方の五角形の内側に位置取り、相手にプレッシャーを与えていくスタイルを貫き。
そこから繰り出されるパスワークに対し、岩手も前に出て掴まえようとしますが、喰い付き過ぎといった印象でスペースを与える結果となります。
最終ラインからパスを受ける加藤弘に対してはボランチが、その脇で受けようとする井出・梶川に対してはCBが前に出るという形が目立ち。
決まり事がハッキリしているのは意思統一に役立ちますが、相手に読まれて逆手に取られやすいといった側面もある諸刃の剣。

16分のヴェルディは左サイドから前進、井出のエリア内のスルーパスに走り込んだ杉本がシュート、ブロックされてコーナーキックに。
そこから3本続くCK攻勢となり、1本目(左CK)に早速キッカー梶川のクロスが直接ゴールに向かい、GK松山が何とか弾く際どいシーンが作られます。
すると右に移った2本目にも、ニアサイドへの低いクロスを加藤功がフリックで直接ゴールを狙い、岩手・オタボーがゴール前でブロック。
3本目はショートコーナーから、井出がレーンを中へ移してエリア内右を突きそのままシュート(枠外)と、3本すべてをフィニッシュに繋げたヴェルディ。

そして迎えた23分、ここでヴェルディは基本の組み立てを逆手に取り、加藤弘が前目に位置取って中盤3人がフラットに並ぶ形を取ってのビルドアップに。
しかしそれを囮に使い平が持ち運んで左へ展開、杉本のクロスを中央で端戸が収めてのポストプレイを経て、ペナルティアークから梶川がシュート。
ブロックされた跳ね返りを深澤が右から折り返すと、クリアに入った岩手・蓮川があろう事かゴールに蹴り込む形となってしまい、オウンゴール。
岩手ディフェンスの目線をずらす事に成功したヴェルディの、全員での先制点といった所でしょうか。

先制後も、25分に杉本の左からのマイナスのクロスを受けた井出がエリア内左からシュート(GK松山セーブ)と決定機を得るヴェルディ。
その後は岩手の喰い付きを利用し、ダイレクトパスをテンポ良く繋いで好機を作る場面が目立っていきます。

しかしダイレクトパスを重視し際どいパスが多くなった分、前に出る岩手ディフェンスのボールカットも増えていき、ヴェルディペースの流れは途切れる結果となります。
特に中盤で蓮川が、自身のミスを取り返さんと前に出てカットするシーンを目立たせ。
35分には左サイドから南がクロス、合わずに流れたボールを拾った蓮川、自らミドルシュートを放ちますがエリア内の宮市に当たってしまい実らず。
それでも主体的な攻撃を仕掛けるのは難がある岩手、反撃の機会は多くなく、以降前半終了までフィニッシュは放てず仕舞いとなります。

逆にヴェルディは38分には左サイドから前進し、杉本がエリア内左を突いて中央へ横パス。
そして端戸がシュートを放つもGK松山がキャッチ。
先制点のシーン然り、加藤弘の存在で中央をけん制しつつ左から前進するといった攻撃は未だ健在であり。
しかし楽にする追加点は奪えず、1-0のまま折り返す事となります。

ハーフタイムで双方選手交代が行われ。
ビハインドの岩手がオタボー→奥山へと交代しましたが、リードしているヴェルディが2枚替え(杉本・端戸→新井・佐藤凌我)と多くカードを切り。
ベテラン偏重故にスタミナ面を考慮した交代が多くなるのは仕方ない事ですが、前半左サイドで好循環を齎していた杉本が退いた事で、やや後手に回った印象を受けた後半戦。

そして立ち上がりから、スローインを含めたセットプレー中心に攻勢を掛ける岩手。
後半2分には敵陣中央でのFKを得、距離があったためキッカー・モレラトは放り込みを選択すると、こぼれた所を牟田がシュート(枠外)と後半もファーストシュートに辿り着きます。
勢いに乗り、ヴェルディのビルドアップに対しても果敢にプレッシングを掛け、5分にはGK長沢に対して色摩が勢い余って反則を与えるシーンも見られ。

一方のヴェルディ、7分にはCKから右サイドで長く繋いだ末に、エリア内右から佐藤凌がシュートを放つもGK松山がセーブ。
一つ決定機を作ったものの、岩手のプレッシャーの前に加藤弘が最終ラインに降りてのビルドアップを余儀なくされるなど、全体としては押され気味に映り。
10分には岩手の攻撃から、南が右ハーフレーンを前進してシュートを放つもブロックされ、その後の攻撃をカットされてヴェルディがカウンターを仕掛け。
井出がドリブルでエリア目前まで持ち込み右へパス、走り込んだ梶川がグラウンダーで中央へ送ると、ファーサイドで小池が合わせシュート。
しかしGK松山の左手一本のセーブに阻まれます。
ゴールを脅かすシーンこそあれ、いつの間にかカウンターを狙う側に立たされていたヴェルディ。

直後に南と宮市の位置を入れ替え、尚も攻勢を掛ける岩手。
15分にその流れを固定するべく3枚替えを敢行、モレラト・宮市・色摩→和田・ビスマルク・中村充孝へと交代します。
すると16分にヴェルディも動き、加藤弘→石浦へと交代し梶川がアンカーへと回り。
その直後の17分に右CKを得た岩手、ここから決定機を生み出し。
キッカー南のクロスは流れたものの逆サイドから奥山が再度クロス、そして中央で牟田が合わせヘディングシュート。
右ゴールポストを直撃し、尚もゴール目前で和田が拾い継続するも混戦となり、こぼれた所を田平がシュートしますがブロックに阻まれ惜しくもゴールならず。

一方のヴェルディは、前半のような中央を巧に使ってのサイドアタックが望めなくなり。
20分には平のロングパスの跳ね返りを拾って敵陣で展開、左サイドからの新井のパスをエリア手前で受けた石浦、巧いターンでエリア内を突いてそのままシュート。
しかしGK松山がキャッチと、折角絶好機に持ち込んでも松山の牙城は中々崩せずに終わり。
それでもロングパス攻勢へとシフトした事で、岩手ペースの流れの立ち切りには成功します。

そして25分、仕留めたのはやはりカウンターでした。
岩手・蓮川の縦パスを梶川がカットすると、そのままドリブルで敵陣へ持ち込み左へパス、新井が突破力を活かす場面に。
カットインで中央を伺いつつエリア内へとラストパス、走り込んで受けた深澤のシュートがゴールに突き刺さり。
良い時間帯で追加点を挙げたヴェルディ。
声出しを解禁されたサポーターの熱狂も受ける中、勝利への進軍を開始する……と思われました。

何とか反撃したい岩手は再度攻勢に入り、26分には田平が左ハーフレーンからミドルシュート。
ブロックに当たりCKになったものの、このプレーで足を攣ってしまった田平、交代の憂き目に遭う事となり。(小野寺と交代)
そして得た右CK、キッカー南のクロスから再び牟田がヘディングシュート、コース上に居た中村充がスルーするもこれが今度は左ゴールポストを直撃。
オフサイドを気にして触らなかったのかもしれませんが、中村充がコースを変えていれば1点だっただけに悔やまれるシーンとなり。(GKの横にヴェルディ・佐藤凌が居たためオフサイドでは無かったはず)

再び岩手の圧を受ける形となったヴェルディ、35分に再度ベンチが動き。
奈良輪→谷口へと交代し、CBが3人出るという状況でどうやら3バックへとシフトした模様で。
しかしFK直前での交代が拙かったのか、左ウイングバックとなるはずの新井が、その後も前目でのプレーが目立ちます。
5バックでの守備が全く取れない状況となり、新井に意図が伝わっていないのか、それとも元来の攻めっ気を新井自身が抑えられないのかといった絵図に。
前回観た際も終盤に3バックへとシフトしたヴェルディ、この時も新井は左WBでしたが、攻撃のためのシフトだったため違和感は無く。
しかし守備のための交代のこの日は完全に足並みを乱す存在となってしまいました。

その後も押し込まれ、39分にはゴールキックの際にGK長沢が遅延行為で警告を受けるヴェルディ。(40分に井出→阿野に交代)
とうとう最終ラインでミスが生まれたのが41分で、深澤の繋ぎがこぼれ球となり、中村充が繋いで岩手のショートカウンターに。
和田がエリア内へ持ち込んでシュート、ゴールネットが揺れた事で一気に岩手の流れとなります。

44分、右サイドでのスローインからの攻めで小野田からクロスが上がり、中央で跳んだビスマルクにンドカ・ボニフェイスが釣られて跳んでしまい、ファーへこぼれた所に中村充が走り込み。
そしてシュートが放たれると、ゴール左上に突き刺さり同点に。
僅か4分で2点差を追い付く胸すく展開となった岩手。
牟田のヘディングシュートが全てポストに阻まれた時は万事休すと思われただけに、それだけヴェルディの(グラウンド・ベンチ双方での)ミスが大きく響く結果となったでしょう。

残された時間では、選手のクオリティで勝るヴェルディへと針が振れ。
しかし既に運気は無く、最後に長いボールポゼッションから必死に好機を伺いましたが、結局シュートには繋げられず。
試合終了となり、2-2で引き分けに終わりました。

この日も(ヴェルディの)罵声を生みかねない展開となった、声出し応援検証試合。
ヴェルディサイドのダメージは深刻だったようで、翌日には監督交代が発表される事となります。
堀孝史氏が双方合意の形で退任(後任には、シーズン前にも噂された城福浩氏)となりましたが、起用法を代えてもカンフル剤とならず結果が出ないとなれば、仕方無いといえるでしょうか。

コメント
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