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TV観戦 天皇杯 JFA第102回全日本サッカー選手権大会3回戦 ガンバ大阪vs大分トリニータ

2022-06-24 16:47:30 | サッカー視聴記(2022年その他)

<G大阪スタメン> 4-2-3-1
GK 加藤
RSB 柳澤 CB 佐藤瑶大 CB 昌子 LSB 福岡
DH 齊藤 DH チュセジョン
RSH 中村 CH 倉田 LSH ウェリントン・シウバ
FW 山見
<大分スタメン> 3-4-2-1
GK 西川
RCB 伊東 CCB 坂 LCB 小出
RWB 増山 DH 保田 DH 弓場 LWB 屋敷
IH 中川 IH 宇津元
FW 呉屋

2回戦で全てのアマチュアチーム(とJ3クラブ)が姿を消す事となった、今年の天皇杯。
後は、J2のクラブがどこまで下克上を起こし続けるのか、といった所が見所となるでしょうか。

そんな中で組まれた3回戦は、監督の古巣対決が重要なファクターを占め。
大宮・相馬直樹監督が鹿島と、群馬・大槻毅監督が浦和と対戦という、偶然にしては出来過ぎというカードが組まれ。
そして大分の本拠地である昭和電工ドーム大分では、ガンバの監督を務める片野坂知宏氏が、前年まで6年間指揮を執ったクラブ(大分)と相対する事となりました。

J1とJ2の違いはあれど、ガンバ・大分ともにスタメンはほぼ完全ターンオーバー。
ガンバが山見、大分が(アクシデントで前半から途中出場の)坂が直近のリーグ戦から起用という程度の継続性で、「恩師に恩返しを……」と意気込んでいた大分のレギュラーメンバーも肩透かしを喰らっていないかどうか。(なおTV中継では正GKの高木がインタビューを受けていたが、結局ベンチ外に)
早々の前半1分に大分が先制攻撃、スローインからのこぼれ球を宇津元が左サイドからシュートを放ちその意気込みを表し、心配は杞憂のようでしたが。

その後はガンバが攻撃権を支配しますが、中々フォーメーションの判別が難しいビルドアップの形を採り。
本来センターバックの福岡が左サイドバックのようでしたが、その福岡が中央に絞っての3枚の最終ラインの形。
そして柳澤が「右肩上がり」宜しく高目に位置するため、3バックかも知れないという疑念も浮かぶような布陣でした。
結局この形は、リードを許した後は見られなくなるのですが。

前から来る大分に対し、裏に抜ける倉田へのロングパスで好機を作らんとするも、オフサイドを量産するなどで実らないガンバ。
13分には左サイドを前進し、チュセジョンの浮き球のスルーパスに走り込んだ山見が奥からカットインでエリア内を突かんとするも、これも実らずに奪われ。
するとその直後に坂のロングパスで一気にひっくり返す大分、左サイド奥で宇津元が反則気味にボールを受け、その勢いでカットイン。
一方宇津元のショルダーチャージを受けたガンバ・佐藤瑶は追走して阻まんとするも、結果は宇津元を後ろから倒した事に拠る反則・PK献上というものになってしまいます。
「なんで自分だけ反則に……」という感情が噴出しかねない佐藤瑶ですが、宇津元の方は正当なチャージといえるものなので仕方無い。
得たPKは呉屋が蹴り、ゴール右へのシュートにGK加藤も反応しましたが届かず、大分が先制点を挙げます。

ビハインドとなったガンバ、以降ボールポゼッションを高めて反撃に出る……と思われましたが、自陣でのボールロストを頻発させ危機を招いてしまい。
16分には中央でボールカットした弓場が、そのまま前進からミドルシュートを放つも枠外に。
20分にもミスから増山に右サイドで拾われる(エリア内の中川に送るも撃てず)など、動揺が顕著といった絵図に。

何とかその流れを終わらせボール支配するガンバですが、今度は「ボールを持たされる展開」を押し付けられる事となり。
序盤の左右非対称の形を改め、オーソドックスな最終ラインから、中盤以前の選手の頻繁なポジションチェンジで打開を図らんとします。
しかし崩れない大分の陣形、結局パスの出し所が見つからないという結果に終わり。
すると打開のために倉田が降りてボールを受け、そこから何とかするという流れへと移り変わり。
何とか数的優位で支配したのち、サイドへのミドルパスを中心としてアタッキングサードを突くも、これもフィニッシュを齎す事は無く。

ジリ貧のようなガンバを尻目に、大分は直接フリーキックからゴールを狙い。
33分には宇津元がガンバ・中村に反則を受けて中央やや右からのFK、遠目の位置ながらもキッカー増山が直接シュート、無回転で狙ったもののゴール上へと外れ。
37分にはエリアライン寸前で縦パスを受けた屋敷がガンバ・チュセジョンに倒され、またもPKかという疑惑も上がる程の絶好の位置でのFKとなり。
これを入念な位置取りからキッカーには3人が立ち、中川が狙ったものの、壁の右外に居た倉田にブロックされ実りません。

シュートゼロの時間が長くなったガンバ、何とか大分の間隙を突きたい状況。
それが見られたのが42分、コーナーキックからの二次攻撃で、倉田のロビングがエリア内左でバウンドして空中戦に。
しかし大分はその近くに居たのが身長の低い中川だったため、競りにいかずに隙を作ってしまい、シウバの落としを佐藤瑶が拾い混戦になりかけます。
GK西川が抑えたものの、自ら危機を招きかねない場面を作ってしまった大分。
その後はそれを誤魔化すかのように攻勢に移り、アディショナルタイムに弓場がエリア内からシュートを放つ(ブロック)など見せ場を作るも、追加点は奪えずに終わり。

大分の1点リードで折り返し、後半を迎え。
ボールは握っていたものの、急所を突くパスが出る事は稀といった感じの前半であったガンバ。
解決するにはターゲット役が不可欠といった結論を出したか、早くもパトリック投入に踏み切った片野坂監督。(シウバと交代、山見が左サイドハーフへ移る)

幕開けは浮き球の競り合いで、ここでもチュセジョンに対し競らなかった中川が反則を取られ。
左サイド遠目からのFK、キッカー山見の対角線のロビングをパトリックが折り返しにいくシーンを作り(シュートは撃てず)、その脅威を見せ付け。

その後大分がセットプレーから増山がヘディングシュートを放つ好機(後半3分)を作ったのち、スコアが動いたのが4分。
ガンバの自陣右サイドでのスローイン、パトリックのフリックで流れたボールを倉田がダイレクトでサイドを変える浮き球を送り。
受けた山見がドリブルでDFを剥がしてエリア内を突き、前に出るGK西川に対し、嘲笑うかのようなループシュートで仕留めて同点ゴール。
前年のこの試合のような救世主ぶりを発揮した山見。

パトリックの存在の大きさで、他選手もスムーズにパスを受けられるようになった印象の後半のガンバ。
10分には再び縦パスを受けたのは山見、入れ替わったのちまだ自陣からという位置でしたがロングシュートを狙い。
前掛かりの大分の隙を突いたものの、必死に戻ったGK西川にセーブされて2点目はなりません。

その前掛かりな大分、格下の立場にあってはモチベーションを保つにはリードが不可欠という思惑からか。
7分にはボールの奪い合いののち、拾った保田が前進からグラウンダーでミドルシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。
テンションを上げて攻め上がる大分に対し、ガンバは15分に再度ベンチが動き、倉田・チュセジョン→南野・奥野へと2枚替え。
格上らしく、ベンチを含めての総合力を見せ付ける立ち振る舞いでしょうか。

両者の姿勢がぶつかり合う事で、また湿度の高さが必至となる環境の昭和電工ドーム大分という要素もあり、次第に大分の息切れが目立ち。
それでもベンチは動きを見せずと、やはりチームの総合力では苦しさが露わになるもので。
20分に最終ラインで繋ぐガンバ、昌子のミドルパスを南野が落とし、収めたパトリックが右へ展開。
受けた柳澤がエリア右角付近からシュート、ブロックに阻まれるも右CKに。
ここでもキッカー山見のクロスから、中央で収めた昌子がシュート、これもブロックで何とか防ぐ大分。
しかしその二次攻撃は防ぎきれず、左サイドからの福岡のクロスをパトリックがファーサイドで合わせ、ヘディングシュートがGK西川の左を破り。
目論見通りにパトリックの存在感で逆転を果たしたガンバ。

しかし諦めを許されない大分、直後にはロングボールを呉屋がフリックにいき、こぼれ球を拾った屋敷が抜け出す絶好機に。
これをGK加藤が判断良くエリア外に跳び出してクリアと、油断禁物というシーンが描かれます。
26分にはGK西川から組み立てる大分、右サイドの展開から伊東がドリブルで持ち込んでエリア内右からクロス、ファーサイドで屋敷が折り返し。
しかしガンバがこれを防いで直接カウンターに持ち込み、またも山見がドリブルで長距離を持ち運ぶと、今度は中村への横パスを選択。
エリア内で受けた中村ですがGK西川の跳び出しを受け、こぼれ球を南野がシュートするも、枠を捉えられず。
今度は大分の攻勢をしっかりカウンターに結び付けたガンバでしたが、止めを刺す事は出来ませんでした。
直後の27分に、好機を作ってきた山見を退かせる選択を採るガンバ。(坂本と交代)
すると大分はようやく動き、増山・屋敷→野嶽・藤本へと2枚替え。

リードしているもののその差は1点、というプレッシャーからか、スローインの際にガンバ・柳沢が警告を受ける一幕も見られ。(33分)
楽になりたいのは一目瞭然でしたが、35分にその好機が訪れ再度カウンターに持ち込み。
中村が中央をドリブルで運んでスルーパス、抜け出したパトリックがGK西川を左にかわしシュート。
ゴールを揺らして3点目……とはならず、オフサイドの判定に阻まれる事となりました。

運動量は落ちたものの、依然勝利への意欲は衰えない大分。
37分には再び伊東の居る右サイドから攻撃、エリア内右を突いた野嶽のグラウンダーのクロスを宇津元がファーで受け、シュートを放つもガンバ・柳澤がブロック。
前半はあまり目立たなかった伊東がここに来て前線で絡むという具合に、疲労したチームを建て直さんという振る舞いを見せます。
直後に再度ベンチが動き、宇津元・呉屋→佐藤丈晟・梅崎へと交代。(藤本が右ウイングバック→FWへシフト)
ガンバも40分に中村→高尾へ交代し、42分には大分も再び交代。(弓場→エドゥアルド・ネット)
共に交代カードを使いきり、終盤の攻防へ。

最後の力を振り絞るかのように、サイドを突いて積極的にクロスを上げていく大分。
しかしその脆さが露呈し、止めを刺される事となり。
43分にガンバのロングボールをクリアミス、パトリックに渡ってしまいそのままGKと一対一に。
再びGK西川を左へとかわすパトリック、防がんとした西川に引っ掛かる形となって倒れると、主審の笛が鳴り響き。
当然ながら反則となりPK献上という事態を招いてしまいます。
蹴るのはパトリックで、豪快にゴール左上へと突き刺して追加点を齎し。
ようやく2点差となり、これで安心といったガンバ。

以降、右SHに入っていた高尾が最終ライン(右CB)に下がり、5バックのシステムで逃げ切りを図るガンバ。
ATにはまたもカウンターに持ち込み、坂本が中央を長距離ドリブルで疾走。
そしてエリア内からシュートを放ちますが、GK西川にセーブされてしまい4点目はならず。

それでも無事に逃げ切りを果たし、ガンバが4回戦進出を決める事となりました。
しかしリーグ戦では残留争いが現実味を帯びている状況のガンバ。(15位)
4回戦は1月も間を置かずに開催(7月13日)と、そろそろ「勝ち続けるも地獄・負けるも地獄」という、トーナメントの苦しさを味わう時期に入ってくるでしょうか。

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