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DAZN観戦 2021年J2リーグ第38節 ファジアーノ岡山vsモンテディオ山形

2021-11-09 16:08:39 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(33節・ヴェルディ戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(30節・京都戦、0-2)

この試合とは無関係な、それもJ1のクラブの話になりますが、今季も下位で悪戦苦闘を強いられている清水。
とうとうミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の契約解除にまで繋がってしまい、前年同様に平岡宏章氏が暫定監督として残りを戦う事になりました。
空前絶後(?)の大補強を敢行したにも拘らず、ほぼ毎年のように残留争いに加わっているクラブの状況は変えられず。
もはや選手や監督どうこうでは無い、クラブないしは地域性の問題として根幹からの解決策を施さねば、この状態から抜け出せないという危惧が膨れ上がり。

そんなクラブの状況を、対岸の火事として見ている訳にいかないのが、レンタルで岡山に在籍している川本・石毛・GK梅田辺りでしょうか。
川本はミッチェル・デューク(彼も元清水……)の加入以降レギュラー陥落していますが、梅田・石毛はすっかり欠かせない主力として定着。
このままシーズンを終えた時に、清水に戻るのが幸せな選択となるのかどうかを熟考するオフとなるのは請け合いで、果たしてどうなるか。
特に年齢的に後が無い石毛にとっては、大事な時期になりそうですがさて。

さて試合に話を戻し、3連戦の最後という要素も考慮されたか、色々とメンバーを弄ってきた岡山。
その中で、全試合出場の上門がベンチ外となったのは気掛かりですが、目下8戦無敗(3勝5分)という好循環を継続中。
原動力となっている堅守に磨きがかかり、上位クラブにとって厄介な相手となっているのが後半戦の岡山であり、少々のアクシデントでは揺るがず。

この日も、最終ラインからボールを繋がんとする山形に対し、マンマーク主体のプレッシングで主導権を渡さない入りとなります。
いきなり山形・中原のパスミスでコーナーキックを得たのを皮切りに、敵陣でのボール奪取を成功させ続けて好機を量産。
ともに4-4-2(山形は4-4-1-1ですが)というフォーメーション故、人に付く守備を展開するのは容易であり。
特に相手ボランチ(藤田・南)に対して、白井・パウリーニョのボランチがしっかり付き纏い、回り思うようなプレーをさせないシーンが目立ちました。

しかし前半9分に山形がフリーキックを得てからは徐々に流れが変節。
この左サイドからのFK、キッカーのヴィニシウス・アラウージョのクロスが直接ゴールに向かうボールとなり、GK梅田が辛うじて右CKへ逃れるセーブ。
このCKでの二次攻撃、南のロビングを山﨑が左から折り返し、エリア内中央でヴィニシウスが受ける好機となり乱戦模様に。
尚も繋ぐ山形、左から山田康のクロスが上がり、ファーサイドで藤田が足で落とした所をヴィニシウスがシュート。
GK梅田がセーブするも、こぼれ球を藤田が中央へ送って熊本がシュートと、1点ものの場面でしたが井上のブロックで何とか防ぎます。

以降13分に岡山は、敵陣でパウリーニョが奪ったのち、デュークがカットインからシュート気味にボールを入れる(クリア)シーンを作るも劣勢に陥るのは止められず。
山形の主体的な攻撃の前に、カウンター狙いへと傾倒する事になります。
24分には右サイドへの展開から藤田が中央へ送り、南の縦パスが加藤には繋がらずも、これが疑似的なエリア内へのスルーパスになってヴィニシウスが走り込み。
GK梅田が前に出て何とかブロックで防ぐなど、早くも忙しい展開を強いられた梅田。

飲水タイムの後も、山形の攻勢は続き。
特に、南・藤田のボランチ2人が縦関係になる攻撃を多くした事で、岡山は容易にプレッシングで捕まえられない状態となります。
何とか自陣深くで相手の進軍を止めたり、クロスをクリアしたりという守備が増えていき。

一方の攻撃では、ロングボールを送り(主にFWの裏狙い)、そのセカンドボールを拾って展開する方法に活路を見出し。
山形サイドもプレッシングを強めにかかる中、これは有効に作用する事となり、徐々に流れを押し戻していきます。
40分にはGK梅田のロングフィードをデュークが落としてから、徳元がエリア内左を突いてシュート。(山形・半田がブロック)
41分には左~中央でパスを繋いでの前進から、白井が左ハーフレーンからミドルシュート。(枠外)

フィニッシュシーンが膨らんできた岡山、そしてその流れが先制に結び付きます。
45分、安部のサイドチェンジを受けた石毛がスルーパス、受けた山本のリターンを受けて再度短いスルーパスをエリア内右へ送り。
走り込んだ白井が低いクロスを入れ、ニアでデュークが待ち構えるも、ディフェンスに当たってズレた所を石毛が走り込んで押し込みゴール。
自身のチャンスメイクから果敢に前に出てシュートに繋げた石毛、清水時代よりずっと活き活きとしたプレーという印象の得点が生まれました。(これで10試合で4ゴール目との事)

先制されてしまった山形、直後のキックオフで再度主体的な攻撃を展開するも、逆に岡山のカウンターで押し込まれ。
そこからセットプレーも絡めての岡山ペースで前半を終えます。

この「山形の攻撃からのカウンター」の流れは、後半の入りもしばらく続く事に。
後半1分、山田康太のスルーパスに走り込んだヴィニシウスがヒールで繋ごうとするも、中原が奪われてそこから岡山がカウンター。
これはシュートに結び付かず、3分には山形が左CKを得るも、クロスがクリアされたのち再度カウンターを浴び。
白井が左からクロスを入れるも、山本には僅かに合わずという攻撃となり、冷や汗をかく山形。
何とか反撃体制を整えるべく、5分には山田康がエリア内へロングパスを入れ、裏へ走り込んだ加藤がシュート。(ブロック)
やや強引なやり方でフィニッシュに持ち込むも、その後も岡山のプレッシングからの出足の良いボールカットに苦しめられ流れは変わりません。

ついに交代カードに手を付けたのが15分で、中原・山田康→マルティノス・國分へと2枚替え。
しかし山田康が下がった事で、自陣で岡山のプレスに嵌められる事が増え、逆に押し込まれる破目となる山形。
岡山は敵陣でのスローインや、CKといったセットプレーで山形ゴールを脅かし。(18分に岡山は山本→木村へと交代)
18分には右からのスローインで、左へ展開ののち徳元がクロス、ファーサイドでデュークがヘディングシュート。(枠外)
23分には左CKから、クロスの跳ね返りを徳元が直接ボレーシュート。(枠外)
山形は得点どころか失点の危機に苛まれるという状態で、23分に飲水タイムが挟まれます。(その直前に加藤→林へと交代)

林投入により、本来右サイドハーフのマルティノスが左に回った山形。
以降、南が最終ラインに降りて組み立てるシーンが目立ち、左右くまなく使って攻め上がる流れを何とか作り上げます。
それでもゴール前では堅守の岡山に対し、強引にエリア内へパスを送る事しか有効打は撃てず。
27分には南の縦パスがエリア内右の林に渡り、ディフェンスに遭って右CK。
キッカー國分のクロスを、山﨑が合わせヘディングシュートするも枠を捉えられず。
31分には右サイド手前から半田がクロス、中央でヴィニシウスが合わせるも奥へ流れ、マルティノスが走り込んで折り返すも繋がらず。

それでも押し込まれつつあった岡山、32分に下口・石毛(木村投入後はFWに回る)→廣木・イヨンジェへと2枚替え。
久々の顔見せとなったイヨンジェは36分に河野のクロスの跳ね返りをエリア内右で拾い、そのままシュートする(GK藤嶋キャッチ)見せ場を作るも、以降も山形の攻撃シーンは続き。(35分に山形は藤田・山田拓巳→岡﨑・吉田へ交代)
直後にCK攻勢に持ち込んだ山形(この際に異議で岡山・パウリーニョが警告を受ける)、2本目の左CKからの二次攻撃。
右サイド奥で受けた山﨑はマイナスのカットインからのエリア内への縦パスを選択すると、林のフリックを経て混戦状態へ。
そして中央から岡﨑がシュート、ブロックされた跳ね返りを左へ繋いで國分がシュートと矢玉を浴びせるも、國分のシュートは枠外に。

押し込んだ末の好機を逸し落胆を隠せない山形、その直後のゴールキックで、戻りきらないうちに岡山のカウンターを浴びて逆にCKを奪われ。
これで運気を失った感があり、以降は左サイドでのスローインの連発で時間を稼ぐモードに入った岡山。
ロングスローが出来る徳元を中心に長短のボールを使い分け、相手に攻撃権渡さずにそのままアディショナルタイムへ。
ようやく山形がターンを奪い返し、何とか同点にせんと最後の攻勢へ突入します。

この日は逃げ切りモードに入っても、十八番である5バック(3-4-2-1)へのシフトを中々行わなかった岡山。
相手も4-4-2が基本である以上、マンマークを続ける意味合いもあったでしょうか。
ATで押し込まれた段階で、2枚替え(デューク・徳元→濱田・宮崎幾笑)とともに、5バックシステムへ変更する決断を採ります。
しかしその後、山形が一瞬の左サイド(岡山右サイド)でのギャップを突き、ライン際でマルティノスが抜け出して奥からクロス。
このこぼれ球をエリア内で岡﨑が拾い、半田が右から入れたクロスに対し中央で林が足で跳び込んで合わせ。
しかしこの渾身のシュートも枠を捉えられずと、モノにする事は出来なかった山形。
結局1-0のまま試合終了となり、敗戦とともに昇格の可能性がゼロとなってしまいました。

一方、無敗を継続する運びとなった岡山。
山形の多彩な可変に対しても怯まず、プレッシング主体で凌ぎきったのは大きな成長を感じさせました。
清水からのレンタル組がどうなるかは不明ですが、来季に繋げられるでしょうか。

コメント
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