ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 愛媛FCvsSC相模原

2021-11-24 16:08:13 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(35節・磐田戦、2-2)
※前回の相模原の記事はこちら(38節・群馬戦、1-1)

残り3試合、という所で発生した降格圏同士の直接対決。
ともに勝ち点34で、18位のクラブ(金沢)が勝ち点37という状況なので、解り易い「残留への蜘蛛の糸を掴む」べくの戦いとなりました。

高木琢也監督就任以降、秩序あるチーム作りの成果が表れてきた相模原。
ロースコアの接戦を演じる事で勝ち点を稼いでいるという印象ながら、時々カオスな試合結果が齎される事もあり。
32節・水戸戦がその発端で、取られたら追い付くの繰り返しをアディショナルタイムまで演じ、4-4というスコアでの引き分け。
この荒れ模様は功罪を齎し、36節・北九州戦(2-1)で逆転勝利を演じたかと思えば、前節・岡山戦(2-3)は逆に先行逃げ切りを果たせずの逆転負け。
非常にスリリングであり、傍らから観ている方は面白いですが、当事者としては計算し辛いのは困りものでもあり。
ただし既にリーグも最終盤で、どんな形でも良いから勝利が欲しい状況なので、この「総員突撃」ともいうべき前傾姿勢はある意味大事でしょう。
しかし流石にディフェンスのテコ入れが必要と判断されたか、3バックの中央には鎌田が久々のスタメンとなり、ベンチにはこちらも久々の梅井が入りました。

ともに3-4-2-1というフォーメーションで、かつ愛媛・相模原のどちらも「ある程度のボール保持はするが、ガチガチのポゼッションスタイルとは言えない」チーム。
それ故、ミラーゲームの特徴が色濃く表れる試合となりました。
立ち上がりはそのマンマーク状態を避けるように、お互いロングボール中心の組み立て。
相模原が1トップ・平松狙いのパスを中心としたのに対し、愛媛は2列目の近藤・川村を裏へ走らせるパスが中心となった入りを見せました。

いかにも狙いが解り易いですが、対処する側としてはイレギュラーに弱いという要素もあり。
それが起こったのが前半10分の相模原の攻撃で、右サイドでポストプレイの連続での前進から成岡が裏へミドルパスを送ると、受けるべき平松がオフサイドポジションに居たため走らず。
しかしそのために後方から受けに走り込んだ石田を愛媛サイドはケアできずとなり、フリーで奥で拾った石田がカットイン、エリア内からクロスを入れるという事態に。(ブロックされてコーナーキックに)
得た右CKで、クロスがクリアされた所を石田がミドルシュート(枠外)と、イレギュラーな事態からファーストシュートを生んだ相模原。

一方の愛媛、1トップ(吉田)を囮とするような攻撃を続けていましたが、16分に内田のスルーパスで吉田を走らせるシーンが生まれ。(繋がらず)
そして20分、右サイド後方から西岡が一気にエリア内へロングパスを送ると、走り込んだ吉田が中央からヘディングシュート。(GK三浦キャッチ)
距離がある浮き球のパスに点で合わせるという、こちらも相手が予測し辛い攻撃で好機を作った愛媛。

それでも基本はミラーゲームらしい睨み合いといった状況が長く続き。
飲水タイム(24分)以降は、愛媛がポゼッションに針が振れ始めます。
右センターバックの西岡が前に出る、右肩上がりの姿勢でパスを繋いでの組み立てが目立ち。
しかし相模原も無闇なプレスは掛けず、5-4-1のブロックで構える体勢を取る、一種の膠着状態に。
試合を動かすべく、35分に高木利弥(相模原・高木監督の息子)が右ハーフレーンからミドルシュート(枠外)、39分には川村が中央からミドルシュート(ブロック)と遠目から撃ちに掛かった愛媛でしたが実りません。

一方の相模原も、後方から繋ぐ姿勢を見せるも、愛媛のプレッシングの前に奪われるシーンが目立ち。
終盤の42分、ゴールキックからのロングフィードで、平松がフリックしたボールを拾った松橋が細かいタッチでの前進からシュート。(GK岡本キャッチ)
やはり効率が良いのはロングボールでの攻撃、という事が示され、以降相模原のターンとなるもシュートまでは持ち込めず。
結局スコアレスのまま前半終了と、負けたくないという意思が両チーム前面に表れる展開となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く、迎えた後半戦もそんな状況は変わらず。
後方からショートパスを繋いでのビルドアップを展開するも、シュートは後半5分の川村のミドルシュート(枠外)と、遠目からのもののみとなった愛媛。
ロングパスを送り、そこから押し込んで攻勢を掛けるも、敵陣でのパスのズレが目立ち好機に繋げられない相模原。

愛媛のプレッシングも変わらない状況の中、相模原は9分にGK三浦の縦パスでプレスをいなしたのち、ショートパスを繋いでの攻撃を敢行。(シュートまではいけず)
しかし大まかな流れは変わらぬまま、双方最初にベンチが動いたのが12分。
相模原が清原→安藤に、愛媛が吉田→唐山へと交代します。

采配の交錯を経て、愛媛が唐山を絡めてのチャンスを演出。
13分に中央で近藤→川村→唐山とダイレクトで繋ぎ、そのまま唐山がエリア内へ進入するもGK三浦が前に出て抑え。
直後の同じく13分、ヘッドでの繋ぎを経て受けた唐山がそのままミドルシュートを放つもジャストミートせず。
途中加入以降、能力を発揮する事はするものの、肝心の得点には未だ辿り着けていない唐山。
藤本不在という逆境の中、その力が呼び起こされるのが待望されます。

その後相模原もやり返し、17分には最終ラインでの繋ぎから成岡が左サイドへロングパス、収めた平松のスルーパスに走り込んだ夛田がグラウンダーでクロス。
ニアサイドで安藤が走り込むもシュートは撃てず、GK岡本に抑えられ。
相模原もボール保持への意識が高まりつつありますが、以降愛媛の好機が続く展開に。
そうした状況で、22分に愛媛がこの日初のCKを得たというのは意外でしたが、相模原サイドもここまで2本。
共にCKの少ない展開で、ディフェンスの対応が光っていたという事でしょうか。

24分に飲水タイムが挟まれましたが、愛媛は内田・相模原は川上がともにピッチに倒れ込んでしまう状況でのブレイクとなり。
内田は自力で起き上がるも、川上は担架で運ばれる事態になり、明ける際に交代となります。(梅鉢と交代・同時に松橋→中山に交代)
しかし内田も、その後もプレーを続けたものの27分に再度足を痛めると、そのまま交代となり。
このタイミングで3枚替えを敢行(内田・山瀬・近藤→岩井・横谷・榎本)と、勝負に出た愛媛サイド。

交代でシャドーに入った榎本(川村がボランチにシフト)が、左からのカットインで抉る場面を作るなど、勝利へのゴールへと迫る愛媛。
その一方で、バックパスをGK岡本がトラップミスして相模原にCKを与えてしまう(34分)など、前掛かりの意識の功罪が表れつつありました。

終盤も目前となり、集中を続けていた守備力も低下が懸念される時間。
37分の愛媛、小原が右サイドをドリブルで仕掛けて一気にエリア内を突き、マイナスのクロスを入れるもブロックに遭い。
ゴールまで後一歩といったシーンが描かれると、直後の38分には今度は榎本が左サイドで仕掛け。
カットインの姿勢で中央へパスを送り、そこから横谷→川村→唐山シュートと、鮮やかなダイレクトプレイを経てボールは相模原ゴールに突き刺さり。
ようやく初ゴールに辿り着き、その場で雄たけびを上げる唐山。

先制されて後の無くなった相模原、40分に最後の交代。
鎌田・藤原→梅井・木村と、最終ラインを2枚替える手段を採りました。(木村が中央CB)
同時に愛媛も小原→田中へと交代。

その後FKを得たという事もあり、パワープレイかと錯覚するかの如く前線に張るのが目立った、一際長身である梅井。
何とか前線にボールを運びたい相模原、左サイドで裏にパスを送る→クリアされスローイン、の繰り返しという漸進戦法で敵陣へ。
梅井がロングスローを投げるシーンとなり、なりふり構わずという攻撃を敢行しますが、それが見事に功を奏します。
44分、梅井が投げたボールは直接ゴールへ向かう軌道となり、虚を突かれたか目測を誤ったGK岡本が弾いた末にゴール内に吸い込まれます。
スローインが直接ゴールに入ってもノーゴール扱いになるのですが、ゴール手前で触ったという事で得点が認められ、オウンゴールという形で同点とした相模原。
愛媛にとっては最終局面を迎えるという段階で、イレギュラーに対応出来なかった悔やみきれない失点になってしまいました。

そのままATに突入し、勢いに任せるかの如く攻勢を掛ける相模原。
クリアボールを拾った平松が右へ叩き、石田のクロスからファーサイドで安藤がヘディングシュートを放つもGK岡本がセーブし、左へこぼれたボールを成岡が再度クロス。
そして中央で今度は平松がヘディングシュートを放ちますが、惜しくもゴール上へ外れてしまいます。
愛媛も再度の勝ち越しを狙うべく攻め上がり、その結果戦術と我慢がウェイトを利かせる様相はすっかり消え失せ、完全オープンな展開となり。

カウンターでゴールに迫る相模原、成岡のスルーパスを受けた夛田がエリア内左を突いてグラウンダーでクロス、走り込んだ梅鉢がファーサイドで合わせシュート。
GK岡本が辛うじて足でセーブするも、中央へ転がった所に走り込んだのは1トップの平松。
しかしシュートはジャストミートせずにゴール左へ逸れ、またも逃してしまった平松。
これで勝利の運気は尽きたかと思われましたが、この日のサッカーの神様は尚も気まぐれぶりを発揮します。

愛媛の攻撃、唐山が左からのカットインでエリア内を突くも、相模原・木村に反則気味に奪われてまたも相模原のカウンター。
縦パスを受けた平松のキープを経て、成岡のスルーパスで中山が抜け出して受け、GK岡本の跳び出しを右へかわしてシュート。
空っぽのゴールに吸い込まれ、土壇場で勝ち越し点を挙げた相模原。
本当にオフサイドギリギリという中山の抜け出しに、神の意思が舞い降りたかのような錯覚を覚える幕切れとなりました。

その後愛媛はラストプレーで左から高木利(岩井の投入で右WB→左WBへシフト)のクロスに繋げたものの、結局得点は生まれる事無く、ゴールラインを割った所で試合終了の笛が。
劇的な勝利を挙げ、残留の芽を膨らませる事に成功した相模原。
カオスな試合展開もこの日は大きな追い風となり、悲願へ辿り着くまで残り2試合です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする