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DAZN観戦 2021年J1リーグ第36節 柏レイソルvsアビスパ福岡

2021-11-23 16:19:37 | サッカー視聴記(2021年J1)

<柏スタメン> 4-4-2
GK キムスンギュ
RSB 大南 CB 高橋祐治 CB 古賀 LSB 三丸
RSH マテウス・サヴィオ DH 三原 DH ドッジ LSH 仲間
FW クリスティアーノ FW 武藤
<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB エミル・サロモンソン CB カルロス・グティエレス CB ドウグラス・グローリ LSB 志知
RSH 金森 DH 中村 DH 前 LSH 杉本
FW フアンマ・デルガド FW ジョン・マリ

オーソドックスな4-4-2同士の、リアクション重視のサッカーを展開するクラブ。
ぶつかり合うとなれば、睨み合い・我慢のし合いの展開が予想されますが、逆に1つの拍子で歯車が狂い流れが一気に傾く事もありがち。
そんな展開を避けるべく、徹底して崩れずに睨み合う事を止めない事が求められる対戦となりました。

個人的な話をすると、下位カテゴリの試合を中心に観ている身としては、「自分達のサッカー」がピッチ上に色濃く表れる試合は非常に趣深いものがあり。
ただし相手が居るのがサッカーというスポーツであり、サッカーを表現できる状況というのは、相手の強度が足りないが故に長所を存分に出せるという要因も少なからず存在します。
当然その強度はカテゴリが上がる程強くなる訳で、J1ともなると「自分達のサッカー」だけでは生き抜くのは不可能なレベル。
それを承知で尚も自身のスタイルの完成度を高めていくと共に、「相手に合わせたサッカー」も取り入れつつ、J1で勝ち抜ける程のチーム力を身に付けるのが理想形ですが現実は難しい。

既にリーグも終盤の中、柏・福岡ともに残留を決めたクラブ。
ともに苦しい時期もありましたが、接戦をモノにして勝利を稼ぐ姿は、無事これ名馬といった感じでしょうか。

立ち上がりの福岡は前半1分、相手のクリアボールをサロモンソンがダイレクトで縦パス、マリのポストプレイを挟んでさらにフアンマがダイレクトでエリア内左へスルーパス。
走り込んだ杉本のクロスはクリアされるも、縦に速い攻撃を見せるという「堅守からのカウンター」というリアクションサッカーの定番のスタイルを展開。
これを機に序盤の主導権を掴んだ福岡。
一方の柏も同じく1分に、左サイドから運んで武藤が一気に裏へスルーパス、走り込んだ仲間がシュート(オフサイドで取り消し)と同様の思考が窺える攻撃を見せます。

しかしペースを握る福岡が押し込み、開始10分間で3度コーナーキックを得る等攻勢を掛け。
少ないパス数で敵陣深めを突き、得たセットプレーをモノにするという、これまた判り易いリアクション系のスタイルの得点パターンを見せます。
その流れのまま14分に4本目のCKを得た福岡ですが、中々シュートには結び付かずにいると、同じスタイルの柏もやり返し。
17分には右サイドからのスローイン、大南からライナーでのクロスが上がると、ファーサイドで仲間がボレーシュートにいくもジャストミート出来ず。(GK村上キャッチ)
直後の18分には今度は福岡が、後方での繋ぎを経てグティエレスが一気にエリア内へロングパスを送ると、エリア内左でフアンマがダイレクトでボレーシュート。(ゴール上へ外れる)

立ち上がりの福岡ペースが終わりを告げるも、お互い縦に速い攻撃を理想とするため、激しく攻撃権が入れ替わる展開に。
カウンターの好機を得ても、相手の素早いトランジションを受けて結局遅行を強いられるか、そのまま強引に攻めるもシュートに繋げられないといったシーンが目立ち。
この切り替えの早さもJ1ならではといった感じですが、得点の匂いは中々生まれずに時間が進んでいきます。
24分には福岡のチャンス、相手クリアを前が左サイドで繋ぎ、杉本のスルーパスに走り込んだ志知がグラウンダーでクロス。
ニアサイドに金森が走り込んでシュートにいくも、ミート出来ずGKキムスンギュが抑え。
こうした少ない好機を決められるか否かで展開も大きく変わりますが、この日は決まる事無くスコアレスは続きます。

遅めの飲水タイム(28分)を経て第2クォーター、中央の堅い福岡に対し、柏がボールポゼッションを高めて攻撃していくも効果は薄く。
最後方からパスを繋いで前線へ運び、サヴィオからスルーパスが供給されるも、それが繋がらずに終わり後一歩といった感じでした。
一方の福岡はエリア内へのロングパスでマリを走り込ませるシーンを度々演出。
GKキムスンギュが際どい所でパンチングで掻き出す場面(37分)も見られ、シュートは生まれずとも一発のパスで相手を脅かす攻撃。
この時間帯は柏の脅威となっていたマリ、38分に柏・三原に倒され反則、良い位置(ゴール中央・エリアからやや手前)での直接フリーキックとなります。
これをサロモンソンが直接シュートしますが、落ち切らずゴール上へと外れ。
結局フィニッシュはこのシーンぐらいのものでしたが、福岡優勢といった印象で前半を終えます。
尚、アディショナルタイムに福岡・グティエレスが柏・クリスティアーノとの交錯で倒れ込み、そのまま前半終了の笛が吹かれる事態に。
危ぶまれましたが、暫くして起き上がり後半も無事にピッチに立ちました。

前半に相手の出方を伺ったのちに後半勝負、という絵図が描かれ易いのもリアクションサッカーの特徴でしょうか。
十分に相手の特徴を把握して迎えた後半1分に早くも福岡の好機。
GK村上のロングフィードをフアンマが合わせるという単純な攻撃ながら、金森のエリア内へのパスを受けたマリがシュート(GKキムスンギュキャッチ)と、手数を掛けずに繋がれば強力な手段でもあり。
一方の柏も5分、空中戦を経て拾ったサヴィオがスルーパス、今度はクリスティアーノに渡ってエリア内左へと進入。
そしてクリスティアーノのシュートが炸裂するもGK村上がセーブ、こぼれ球を武藤が繋ぎ、サヴィオがシュートしますが福岡・志知がブロックで防ぎ。
ともに得点チャンスを生み出し、後半勝負の様相が表われた立ち上がり。
しかしモノに出来ず終わった事で、再度睨み合いの展開となります。

そんな中、12分には福岡・マリが空中戦で痛み倒れ込む中、柏が長いポゼッションにより敵陣で攻撃。
最後は大南のエリア内からのシュート(ブロック)で終わり途切れると、マリが(柏・高橋祐との接触で)頭部から出血している事が判明します。
治療のためピッチ外へ退き、10人となった福岡でしたが、無事にやり過ごして16分に復帰したマリ。

その後再度福岡がCKを得ていく流れを経て、20分に柏がGKのロングフィードからの好機と、福岡のお株を奪うような攻撃。
敵陣で繋いで揺さぶったのち、中央で三原の縦パスを受けたクリスティアーノが反転してエリア手前からシュート。(GK村上キャッチ)
福岡の堅守に苦しみ攻撃機会は少ないこの日の柏でしたが、フィニッシュの場面ではクオリティの高さを発揮していました。
一方の福岡もセットプレーを得る流れは変わらず、23分に左サイドからのFK、キッカー・サロモンソンのクロスをファーサイドでグローリが合わせ。
GKキムスンギュの跳び出しを受けつつもヘディングシュートに持っていきましたが、惜しくも右サイドネット外側。
その後柏も押し込み始め、26分にCKをゲット、これがようやくこの日最初のCKと福岡と対称的な状況になっていました。
このCKの直後の27分、流れの中でサヴィオと仲間が左右を入れ替えての攻撃を経て、サヴィオのミドルシュートが枠外となった所で後半の飲水タイムに。

ブレイク明けに福岡が金森→田邊へ交代と、両チーム通じて初の交代カードを切ります。
睨み合いの状況で、流れを(良くも悪くも)変える切欠となる交代には中々踏み切れずという試合展開が窺えました。

しかしこれを境に攻め上がる福岡、30分には田邊が加わった右サイドでのパスワークを経て、前のパスをエリア内で受けたフアンマ。
前を向いてシュートへの体制を作るも、柏・三丸のチャージで足を刈られ倒れ撃てず。(反則無し)
直後の31分にはその不完全燃焼をぶつけるように、サロモンソンの右からのクロスをファーサイドで合わせたフアンマですが、シュートはGKキムスンギュがキャッチ。

福岡が交代効果を得た事で、堰を切ったように柏も選手交代を敢行。
34分には武藤→瀬川へと交代。
福岡が37分にフアンマ・杉本→渡・吉岡へと2枚替えしたのち、再度カードを切ってサヴィオ→戸嶋。
そして41分には仲間→神谷と、短い間に3度交代を敢行した柏・ネルシーニョ監督。
それでも中々流れを変えられず、福岡の時間帯は続き。
田邊(37分の吉岡投入により右SH→左SHへシフト)が嫌らしい位置でボールを受ける事で攻撃リズムを生み出し、好機に繋げていました。
終盤の45分、吉岡の右からのクロスに渡が合わせボレーシュートを放つも、GKキムスンギュがキャッチ。

そしてスコアレスのままATに突入し、疲労が色濃くなりつつも双方粘り強さは変わらず。
柏は古賀縦パス→クリスティアーノフリックを経て、細かい繋ぎで福岡の堅守を潜り抜けてエリア内左を突きましたが、抜け出した神谷のシュートはマイナス方向に逸れてしまいモノに出来ず。
その後再度福岡が攻撃権を掴み、最後はセットプレー攻勢を掛けるも得点には結び付かず。
双方チームカラーに相応しいような、スコアレスドローで試合を終えました。

相手に合わせるような立ち回りの神髄ともいえる内容・結果が描かれた試合。
結果重視の思考が色濃いJ1ならではでしたが、現在激しい残留争いが繰り広げられているJ2(未だ降格クラブは決まらず……)は元より、今後J3にも降格制度が生まれるかというJリーグを取り巻く流れ。
結果に拘る事で、副次的にリアクションの意識が下部リーグに広がっていくかどうか、個人的に気になる所です。

コメント
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