ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 ザスパクサツ群馬vsアルビレックス新潟

2021-11-26 18:33:04 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(38節・相模原戦、1-1)
※前回の新潟の記事はこちら(34節・長崎戦、1-1)

様々な障害にもめげず、J1昇格という目標に向かい戦い続けるJ2の上位クラブ。
その障害というのは色々あるものの、シーズン途中での他クラブによる選手の引き抜きが要因の一つとなるのが、下位カテゴリ故の物悲しさでしょうか。
しかし近年は、選手という枠組みだけに留まらないのが通例となりつつあるのか。

昇格の可能性が潰えた新潟、(この日の試合終了の翌日に)シーズンを待たずしてアルベルト・プッチ・オルトネダ監督の退任が発表される運びとなりました。
しかしその原因として、来季の監督人事に頭を悩ませるJ1クラブ・FC東京からのオファーが語られており、それを受諾したという事でしょうか。
昇格に向け、監督の下で一体となって戦い、サッカーの質的にも(細かい部分はさておき)文句無し。
そんなクラブが一つ下のJ2にあれば、格好の標的になるのは当然で、それがピラミッド型モデルのリーグ構成故の性。
それでも文句の一つも言いたくなるのが人情というものですが、そんな暇があるのならば未来に向けて歩みを止めないべきでもあり。
まあピラミッドの最頂点というべきA代表が「J3のクラブが行っているサッカーよりも質が低い」と揶揄されている現状もありますが

さて、新潟が来季に向けた体制作りを余儀なくされている一方で、未だ残留争いを勝ち抜く戦いを強いられている群馬。
この試合に勝利すれば残留確定の可能性が生まれる状況ですが、相手は上位クラブの新潟。
無理に勝利を狙って相手の支配力の高さに圧倒されるよりは、勝ち点1でもOKというサッカーに舵を切る事も求められるでしょう。
そんな舵取りに相応しく、百戦錬磨のベテラン・細貝がこの日ボランチで初のスタメンに入りました。

試合が始まると、早くも相手に対して肉弾戦も厭わずという圧を掛ける群馬。
特に岩上は、開始1分でボールを持つ新潟選手に対して激しいプレッシングを敢行、そのままチャージしてしまい反則。
尚もその姿勢は止まず前半3分には新潟・高木との空中戦、上から乗っかるように激しいチャージをしてしまうと、早くも黄色い紙が突き出される事となりました。
しかしその岩上も、8分にはボール奪取した所を新潟・田上に倒され反則を受け、足を抑えて蹲るシーンが見られ。(田上に警告)
10分には大前がアフターで倒されて反則・右サイドからのFKを得た群馬。(シュートには持っていけず)
不穏な試合展開の中、セットプレーが一つのカギとなりそうな予感を生み出しましたが、そんな流れも気にせずに主体的に攻撃を仕掛けるのが新潟。

この日は右からの攻撃が顕著で、右サイドバック・長谷川を使っての前進で好機を作っていき。
長期離脱から復帰し、36節(岡山戦・1-1)という終盤でようやく今季初出場となった長谷川。
今季未だ勝利を体験出来ていない(前節はベンチで未出場)状態で、それを果たすべくの奮闘、といった所でしょうか。

新潟のビルドアップからの攻撃に対し、しっかりとブロックを作り構える体勢を取る群馬。
安い失点は何としても避けようというスタイルで、ドローで上等とサッカーで語っているようでもあり。
それでも21分には前からプレスを掛けにいきましたが、高が縦パスであっさりと剥がしてチャンスを作る新潟、水戸のパスを受けたロメロ・フランクがエリア内右へと進入してシュート。(群馬・小島雅也がブロック)
下手なプレッシングは新潟の思うツボ、という事を如実に表しつつ、前半の飲水タイムへ。(23分)

中々好機を作れない群馬は29分、自陣からのスローインを受けた大前が左→右へとサイドチェンジ、受けた平尾のドリブルから敵陣で攻撃を展開。
田中稔也のクロスはクリアされるも、新潟のパスミスでこぼれた所を岩上が走り込んでシュート。(新潟・舞行龍ジェームズがブロック)
流れが変わるような雰囲気を生んだその刹那、新潟の決定機が。
田上のサイドチェンジを受けた長谷川の前進から、中央へのパスをロメロがスルー、こぼれて浮いた所をロメロがエリア内へ落とし。
そこに走り込んだ高木がシュート、GK清水がセーブした所を鈴木が詰めてシュート、しかし清水が再度セーブ。
この決定的ともいえる連撃を防いだ清水ですが、同時に防戦一方のイメージを植え付ける事にもなりました。

前半終了も近付いた44分、再度新潟が群馬ゴールに矢の雨を浴びせるシーンが生まれます。
ゴール中央やや左からの距離のあるFK、キッカー高木のエリア内へのロビングがこぼれた所を長谷川がヘディング。
群馬・渡辺がかき出した跳ね返りを、ロメロがジャンピングボレーで追撃しますがGK清水がセーブ、しかしさらに千葉がヘッドで繋ぎ鈴木がヘディングシュート。
清水の左を突いたこのシュートも、ライン寸前で群馬・岩上のブロックに阻まれてしまいます。
今度は3連撃となりましたが、これでも先制出来なかった新潟。
一方何とか凌ぎ切った群馬、アディショナルタイムは攻撃権を独占するもののフィニッシュには持ち込めず、スコアレスで前半を折り返します。

交代選手は無く後半開始を迎え、早速キックオフからの攻撃で好機を作った新潟、その直後に水戸が群馬・平尾のスライディングで倒され反則。
これで左サイドからのFKを得ると、キッカー高木のクロスをニアサイドでロメロがフリックしたボールがゴールに向かい。
中央で跳んだ田上がシュートかそのまま流すか、という二択が作られますが、GK清水は惑わされずセーブ。(田上が合わせたかどうかは微妙なシーン)
前半から当たっているこの日の清水、この場面でも動じず好守備を貫きます。

ピンチの後にチャンスあり、というかの如く、後半5分の群馬の攻撃。
内田からの展開で左サイドで前進、加藤の低いクロスが上がると、大前が身体を倒して合わせるヘディングシュート。
しかしゴール右へと外れ、劣勢をひっくり返すゴールは生まれず。
これを逃した群馬、以降10分以上に渡り攻撃権を支配されてしまいます。

守備一辺倒の相手に天誅を与えんと、先制点目指して攻め上がる新潟。
しかしボール支配すればするほど、得点の匂い自体が生まれにくくなりがちなのがアルベルト監督率いる新潟でもあり。
そんな負の要素を振り払いたい状況の8分、中央~左サイドでのパス回しに、ロメロのボールキープ力を加えつつ前進。
そして三戸からのクロスをファーサイドで鈴木が折り返し、拾った長谷川が中央へと切り返してシュート。
しかしゴールバーを掠めて枠を逸れてしまいます。

その後もゴールを脅かされるも、凌いだ群馬は17分。
自陣右サイドで青木が拾ってカウンターチャンスになると、青木はそのままドリブルで敵陣を疾走。
そして右奥からカットインでエリア内に進入、角度が無いながらも自らシュートで締めます。(GK阿部足でセーブ)
これでコーナーを得ると、2本目の左CKをキッカー大前は直接狙うようなボールを入れ、ニアサイドで青木が合わせにいくも流れてそのままポストを直撃。
少ない好機を活かすべくの攻撃を見せた群馬。
一方の新潟は21分に交代カードを切り、ロメロ・長谷川→谷口・堀米へと2枚替え。
SBとサイドハーフ、それも右サイドを揃って交代したものの、谷口が左SH・堀米が左SBに入り。
そして元来左であった三戸・田上を揃って右へとシフトするという面白い交代でありました。

しかしスコアレスのまま飲水タイムが挟まれ、尚も押しまくるも得点出来ない新潟。
26分にさらに三戸→小見へと交代するも、得点の機運は高まらず、逆にらしくないパスミスで攻撃が途切れるのも目立つようになります。

攻め疲れかとも思われましたが、疲労度という点では、前半からずっと集中して守っていた群馬も相当なもの。
その影響かこの辺りからアフターチャージが目立ち始め、再び反則シーンが膨れ上がる群馬。
34分には細貝が新潟・高をスライディングで倒してしまい反則を取られると、異議を唱えたようでその後笛と共に黄色い紙が突き出されます。
以降も主審の判定に盛んに不満を露にしていた細貝、そんな様子にチームメイトが2枚目を貰わないようになだめるというシーンも見られました。
そんな劣勢の状況でも、中々交代カードを切らない群馬・久藤清一監督。
必死に守備ブロックをスライドさせて凌ぐその姿から、下手に弄るべきではないという判断でしょうか。

それでも群馬は37分、岩上のロングパスに走り込む青木、新潟・舞行龍に先回りされるも相手に触らせてCKを獲得と巧いプレー。
着実に時間を使う立ち回りで、相手にフラストレーションを貯めさせていきます。

結局攻めまくった新潟ですが、前半のようにエリア内でフィニッシュ地獄をお見舞いするシーンは無く。
41分に、クロスの跳ね返しを中央で拾った田上がミドルシュート(GK清水セーブ)を放ったのが最も惜しかったでしょうか。
38分に高→高澤へと交代し、2トップへとシフトするのかと思われましたが、それまでFWだった鈴木がこれを機に降り始め。
鈴木がボランチにシフトしたようであり、はたまた福田が1アンカーの4-1-4-1のようでもあり。
超攻撃型、といったような布陣になりましたが、スコアレスのままATを迎え。

しかしそのATではロクに好機を掴めず。
そしてようやく群馬はカードを切り、青木→北川へと交代したものの、この1度のみとなり。
全員の意思を統一させ、確実な勝ち点ゲットへと向かっていきます。

最後までゴールは生まれる事無く、0-0で引き分けという結果に終わった試合。
勝ち点40に乗せた群馬、残留まであと一息という中、無理をしない立ち回りが光ったドロー。
勝ち点3を焦って登頂した結果、息切れしてしまう事だけは避けるという振る舞いで、納得感溢れたホームでの試合となりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする