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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第39節 V・ファーレン長崎vs栃木SC

2021-11-18 16:08:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(34節・新潟戦、1-1)
※前回の栃木の記事はこちら(35節・町田戦、0-0)

既に昇格の可能性があるのは4クラブのみとなり、残り4試合まで迫ったJ2リーグ。
しかし2位と3位の間に7もの勝ち点差がある状況で、3位(長崎)と4位(甲府)のクラブは悲壮感を漂わせつつ、ただ勝利を挙げるしかない立場にあります。
そんな状況下で残留争いをしているクラブとの対決となれば、お互いの悲壮感がぶつかり合って複雑な試合内容になりがち。
3位の長崎ですが、この日は栃木との対戦。
敗れた場合は首位・磐田の昇格がその時点で決定するというばかりか、翌日京都の勝利で昇格の可能性が潰えるという瀬戸際の試合となり。

ただし残留争いといえど、栃木は比較的上に位置している(15位)ため、「いつも通りのサッカーで勝ち点を1でも積み上げる」という思想に落ち着きやすい状況でもあり。
それが長崎サイドには幸いしたか、悲壮感は初期段階で振り払う事に成功した試合となりました。

前半1分、いつものようにアバウトなボールを前線に送り、こぼれ球を拾いにいったジュニーニョが反則を受けてセットプレーの好機を得た栃木。
右サイド・エリアからすぐ手前という絶好の位置でしたがシュートには繋げられず。
「ストーミング」を貫く特異なサッカーは相変わらずであり、試合前の長崎・松田浩監督のインタビューでも、それを十二分に意識したようなコメントが聞かれており。
栃木が相手の警戒通りの立ち回りを見せた事で、変な言い方になりますが、長崎は幾ばくかの安心感を得たでしょうか。

その後の3分に今度は長崎が、加藤大が栃木・西谷に反則を受けて右サイドからのFKを得ます。
キッカーはウェリントン・ハットで中央へクロスを入れると、クリアしきれず中央へこぼれた所を毎熊がシュート。
GKオビ・パウエル・オビンナがセーブするも、尚も植中が拾って混戦となり、栃木のクリアを毎熊がブロックした所を植中がシュート。
これもGKオビンナが止めるも、さらに江川が追撃してゴールネットを揺らします。
栃木のお株を奪うようなセットプレーでの乱戦で、長崎が早くも先制します。

一方乱戦でクリアしきれなかったのが致命傷となり、リードを奪われた栃木。
その後攻め込むも、6分にはジュニーニョの豊田へのスルーパスがオフサイドとなり。
7分には右からのロングスローを黒﨑が投げ入れ、ニアで柳がすらすも繋がらず、逆に長崎のカウンターが炸裂。
ハットが中央をドリブルで突き進み、エリア手前からシュートを放つもGKオビンナがキャッチ。
栃木サイドの焦りが垣間見えます。

リードした長崎、上記のカウンターの場面以外では、最終ラインでじっくりと繋ぐ立ち回り。
栃木のプレッシングを受けるも、サイドバック(右=毎熊・左=米田)の上がりは控えめで、かつどちらか一方のSBが最終ラインに残って数的有利を作るビルドアップでそれをいなし。
こうした後ろ3枚でのビルドアップを徹底されると、苦しさを見せるのが今季の栃木。
前に出ていっても、GK高木和も使いつつパスを繋いで巧くかわす、長崎の落ち着いた振る舞いの前に実りません。

栃木の反撃姿勢を無事にやり過ごし、迎えた11分。
ルーズボールを澤田が拾ったのち、中央を経由して右サイドへ渡り、ハットと毎熊がスルーパスを応酬して一気にエリア内へ。
ハットが受けにいった所に栃木・谷内田の脚が掛かり、ハットが倒れると審判の笛が鳴り反則。
あっけないような感じですが、PKを得た長崎。
ゲットしたハットがそのままキッカーを務めましたが、この好機を生んだ大胆な推進力とは一転し、実に慎重にシュートを蹴りにいき。
しかしその結果弱々しく左へ放たれたボールをGKオビンナがセーブし、失敗か……と思われた瞬間、審判の笛が鳴ってやり直しというジャッジに。
GKオビンナが蹴る前に前方に出たという事で、再度のPKとなりますが、ここでもハットのシュートは慎重さが前面に出たものとなり。
再び左に蹴られたボールをGKオビンナがまたもセーブ、しかし今度はハットの目の前に転がって万事休すとなり、3度目の正直でネットに突き刺したハット。
グダグダした時間帯でしたが、無事に追加点を得た長崎。

2点差が付いた事で余裕が生まれた長崎を尻目に、1点を返しに攻め上がる栃木。
GKオビンナのロングフィードや、ロングスローなどを絡める普段通りの攻撃を徹底するも、長崎サイドも対処法は既に熟知されており。
20分にロングスローのこぼれ球を、中央で佐藤がボレーシュートにいきますがミート出来ず終わり、結局シュートを放てないまま飲水タイムを迎えます。

ブレイク後も攻め上がる栃木ですが、最初の好機(27分)で右サイドから黒﨑がクロス、巧くフリーのファーサイドに上げるも溝渕が谷内田と被ってしまう不運。
どうにも歯車がかみ合っていないシーンを描いてしまいます。
それでもクロス攻勢を貫くしかない栃木、29分には自陣からのFKでGKオビンナのフィードをジュニーニョが収めてから、西谷から上がったクロスを柳がヘディングシュート。
会心の一撃といった柳のシュートでしたが、GK高木和のセーブでゴールならず。
この試合が今季初出場となった高木和、昇格争いの最終盤という大事な試合ながら、突然の出番に臆せずのプレーを見せます。

その後は栃木のチャージに長崎の選手が痛むシーンが目立ちつつ(39分には栃木・西谷に警告)、迎えた前半の終盤。
長崎のビルドアップに対してプレスを掛け、何とか反撃の1点を……といった栃木。
そして44分長崎エリア内のGK高木和にプレスにいったジュニーニョ、高木和のキックをブロックして奪い、次の瞬間高木和の脚に引っ掛かって倒れ。
反則PKか、と思われましたが主審の笛は吹かれずとなり、得点チャンスとはなりません。
その後ジュニーニョが痛んで暫く倒れていたのもあり、正直PKとなっても可笑しくなかったと思われますが、それまでのチャージでの悪印象がジャッジに現れてしまったでしょうか。
結局2-0のまま前半が終了します。

ハーフタイムで栃木ベンチは動き、豊田・谷内田→森・山本へと2枚替え。
矢野が右サイドハーフ→FWへと回り、投入された2名がいずれもSHに入ります。(右=山本・左=森)

圧力をかけるも、中々シュートに辿り着けなかった前半の栃木でしたが、後半1分に早くも森がドリブルからミドルシュートを放ち。
グラウンダーのボールはゴール左へ僅かに外れるも、これが狼煙となり気勢を上げて攻め上がる栃木。
後半はサイドでのドリブルを多くし、クロスを上げる体勢を作る攻撃が目立ち。
それだけ開始直後の森の振る舞いが勇気を与えた、というような感じでしょうか。

しかしクロスが増えても、フィニッシュまでは繋げられずに時間が経過していき。
長崎サイドも栃木の攻撃を脅威と感じていたのか、16分に交代カードの使用に踏み切ります。
植中・澤田→都倉・加藤聖へと2枚替え。(米田が左SB→左SHへシフト)

直後に栃木はロングスローと見せかけて手前に入れ、そこから長く繋いでジュニーニョのシュート(枠外)に繋げ。
ゴール前で変化も付けつつ、まず1点を奪う事に集中していたようでしたが、その姿勢が再度ひっくり返される事となります。
19分最終ラインから左へ展開して前進する長崎、加藤聖の縦パスを受けた都倉が中央の加藤大へ送り、これがカットに入られるもこぼれ球がエリア内へと転がり。
米田が拾って切り込む所、飛び出したGKオビンナが足を引っ掛けてしまい、審判の笛が鳴り反則・PKに。(オビンナに警告)
2度目のPK(やり直し含めて3度)を得た長崎、キッカーは都倉が務めると、実にベテランらしい時間を使う振る舞いを見せたのちゴール左隅へシュート。
GKオビンナのダイブは届かず、決定的な3点目をゲットします。

直後に飲水タイムが採られ、先程の反則の際に足を痛めた米田、一旦プレーを続けるも26分に交代となり。(山崎と交代)
栃木サイドも再開直前にジュニーニョ→松岡へと交代して第4クォーターへ。

といっても逃げ切り体制の長崎に対し、栃木がどれだけ意地を見せられるかというのが残された見所でしょうか。
28分に左コーナーキックからの二次攻撃、逆の右サイド手前からのクロスをファーで柳が折り返し、中央で乾がシュートするも長崎・江川のブロックに防がれます。
36分には再びCK、今度は右からで森のファーサイドへのクロスに矢野が合わせヘディングシュート、しかしこれも長崎・都倉のブロックに阻まれゴール出来ません。

次第に好機の数も減っていく栃木。(39分に長崎は加藤大・ハット→名倉・大竹へと交代)
手詰まり感を振り払うべく、最後の交代に踏み切ったのが41分。
佐藤・西谷→三國ケネディエブス・小野寺へと交代し、DFを投入した分柳を前線へと上げる、最後の手段的な采配が採られます。
それでも敗戦への道を堰き止める事は出来ず、時間はどんどん進んでいき。

アディショナルタイムに入り、そんな栃木の衰運に付け込んで長崎が攻勢を掛け。
山崎や都倉がエリア内からシュートを放ち(両者とも枠外)、これから始まる「絶対に負けられない戦い」に上昇機運を持ち込まんとする攻撃を見せます。

結局3-0のまま試合が終わり、磐田の昇格決定を阻止する勝利を挙げた長崎。(翌日自力で決められますが)
2位・京都が勝利したため勝ち点差は詰まらずとなり、今後は最低でも3試合で勝ち点7が求められるという、まさに首の皮一枚という昇格条件。
また別会場では、4位・甲府は最下位の松本と対戦。
終盤に点を取り合う乱戦となり、何とか甲府が勝利(3-2)して昇格の可能性を残すも、冒頭で述べた「悲壮感のぶつかり合い」のような展開を演じる事となりました。
既に京都との直接対決も無いため、運を天に任せるしかない状況ですが、まずは自分達で出来る事をやるのみです。