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DAZN観戦 2019年J2リーグ第38節 V・ファーレン長崎vsツエーゲン金沢

2019-10-30 17:14:59 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(36節・千葉戦)
※前回の金沢の記事はこちら(35節・甲府戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(14節)

終盤を迎え、勝ち点53で並んでいるチーム同士の対決。

この所「ポゼッションスタイルに移行している」との噂がある長崎。
確かに32節・徳島戦(1-1)では、元来ポゼッションスタイルの徳島に対し支配率でもさして負けておらず(48対52)。
しかし前回取り上げた千葉戦は結果も内容も伴わない敗戦(0-2)だったので、まだモノに出来ていないのか、それともその日その日でスタイルが変わっているのか。
未だ不明な所があります。

その一方で天皇杯では勝ち続け、ベスト4まで残っています。
先週行われた4回戦、同じJ2の甲府と戦い、2-1で勝利。
J1と違い中断期間も無いので、完全ターンオーバーを敷いた両クラブであり内容的には平凡(同時刻に行われた鹿島vsHondaなどと比べると)なものでしたが、勝利こそ大事というのがトーナメント戦。

その中で甲府戦でスタメンだった米田が、唯一この日もスタメンに顔を出しました。
前節(岡山戦)途中出場→天皇杯を経て、晴れて昇格(?)した大卒2年目の選手であり、右サイドバックでの出場。

試合が始まり、いつも通りの縦に速い攻撃と球際の強さを前面に押し出すサッカーを魅せたのは金沢。
立ち上がりは金沢ペースも、前半3分その隙を突いたカウンターで押し返したのは長崎。
大竹のロングパスを収めた呉屋が、そのままドリブルで単騎突撃を仕掛け、エリア手前からシュートを放ちます。(金沢・山本がブロック)

これが切欠となり、以降は長崎ペースに。
それも噂になっていた、ボールポゼッションを重視しつつの攻撃を展開します。
基本フォーメーションは4-4-2ですが、2トップの片割れである玉田が頻繁に中盤に降りてきたり、サイドハーフの大竹・澤田がボールサイドに寄って来たりというシーンが多々見られます。
当然それらはボールサイドに人数を掛けるという、パスを繋ぐ意識が根底にあっての行動だったでしょう。
ただそれらは攻撃型SBの亀川がいる左サイドが主で、レギュラー組に入って間も無い米田のサイドでは苦しかったか。
金沢側を押し込み続けたものの、前半17分までに5本のコーナーキックを得たのは全て左からのものだったのも頷けるデータでした。

しかし先制したのは金沢。
13分、右サイド奥に進入した金子が一旦藤村に戻し、その藤村はダイレクトでエリア内右へ浮き球を送ります。
これを長崎・亀川と競り合ってマイボールにした小島から金子へと渡り、クロスが上がるとファーサイドで垣田が落とし、中央で杉浦がボレーシュート。
豪快にゴール上部に蹴り込み、ファーストシュートが得点に結びつきます。

その後長崎の勢いは止まり、ボールを繋げずに攻撃機会も減っていきます。
この辺がスタイルがまだ確立出来ていない故の悲しさか。

時間が進み、金沢は30分辺りから左サイドでの攻撃を何度か見せ始めます。
長崎から見て右サイド、つまりは米田の方のサイドであり、新米選手の弱点を突こうという意図を感じました。
左SB沼田が躍動して何度もアーリークロスを上げたかと思えば、31分には自らミドルシュートを放つなど脅かしていきます。
金沢側も、レギュラー定着して日が浅い新人・石尾(セレッソユースから入団)の存在があり、そういった新米の空気に敏感になれていたのでしょうか。

それでも38分、長崎は米田が攻撃参加。
中央からやや左でのパス回しから、カイオ・セザールのサイドチェンジのパスを受け取った米田、そのままカットインしてシュートを放ちます。(金沢・山本がブロック)
しかし金沢左サイドの跳梁は止まらず、42分には沼田と加藤がワンツーで前進してからクロス。
続く43分、大橋の縦パスを受けたFW垣田が左へ流れ、沼田とスイッチを敢行してクロス。
何度も左サイドを脅かし続け、そして次の攻撃(同じく43分)。
藤村の左への展開から沼田が低いクロスを上げると、これがバウンドする対応が難しいボールとなり、垣田が右足で合わせてゴールイン。
執拗に弱点を突く姿勢をついに結果に結び付けました。

この日から、FWクルーニーが累積警告2度目(8枚)で2試合出場停止。
点取り屋の助っ人が出場出来ないという苦しい状況に見えた金沢ですが、優勢に試合を推し進める事に成功しました。

それもそのはずで、クルーニー以外にも得点を挙げられるのが金沢というチーム。
3得点以上をマークしている選手は10人(クルーニー含む)とやたら多く、誰をマークしておけば……というチームではありません。
それでもFW(垣田・小松・杉浦・山根)・サイドハーフ(加藤・金子・大石)が主な得点源なのは変わりませんが、「誰が出ても戦力ダウンしない」という点では大きな要素の一つです。

2点リードした金沢ですが、そのまま折り返そうという所に落とし穴が。
45分、センターバックの角田がドリブルで攻め上がると、澤田から左に展開されて亀川がクロス。
これを呉屋がマークを外してヘディングシュート、流石は得点王を争う男というような動きのゴールで、反撃の糸口を掴んだ長崎。

しかし後半立ち上がり、金沢の攻勢で幕を開けます。
今度は左からの攻めに拘らず、両サイドでチャンスを作りセットプレーも多く得ます。

反撃したい長崎でしたが出鼻を挫かれた格好で、早くも交代カードに活路を見出します。
後半9分という早めの時間帯で、大竹に代えて吉岡を投入。
ただしこれは定番化しつつある交代で、続いての交代である玉田(ビクトル・イバルボを投入・16分)も同じ。
いずれもベテラン選手の体力面を考慮しての交代で、プレースキッカーも務める大竹をこうして早めに代えざるを得ないのが辛い所であります。

こうして停滞感を振り払わんとした長崎は、17~18分に長きに渡る攻撃。
相手のクリアミスを呉屋が拾ったもののイバルボへのパスが遮断されたのが始まりで、そのボールを吉岡が拾って二次攻撃。
秋野・亀川・カイオのパス回しで中央~左サイドを往々とした後、亀川がクロス。
これは跳ね返されたものの秋野が拾ってカイオ→澤田→亀川と渡り、亀川がエリア内へスルーパスを供給し、受けたカイオがシュート。
GK白井にセーブされますが尚も攻撃、亀川がヘッドで中に入れるもクリアされ、そのこぼれ球を米田が拾って吉岡にパス。
エリア内に入った吉岡は一旦外に出た後、中央やや右寄りからシュートを放ったもののこれもGK白井がセーブ。
波状攻撃を見せたものの得点には至らず。

その後も攻勢をかける長崎、23分にはイバルボが左サイドで澤田とワンツーした後中央へパス。
受けたカイオがエリア手前からシュート、ボールは良くコントロールされたものの右ゴールポストを直撃しノーゴール。
26分、再びイバルボが左サイドから攻撃、カットインでエリア内に入った後シュートしますが、呉屋に当たってしまう不運。(その後カイオがシュートもブロック→こぼれ球を亀川ボレーシュートもミスキック)
33分にもイバルボが、今度は右からカットインで好機を作り、グラウンダーでクロス。
これに澤田が走り込んでシュートしますが枠を捉えられず。
イバルボがエリア近辺で決定的な仕事をするものの、得点に結び付く事は無く終わります。

いつしかシュート数も19対5という、圧倒的な差が付いてきた試合終盤。
36分には秋野のミドルシュートが炸裂もゴール右に外れ、試合を支配しての攻撃が焦りに変わりつつあった所で、直後に金沢が反撃。
大橋縦パス→山根(杉浦と交代で出場)収めて左へ展開→垣田低いクロスという攻撃、一旦はGK徳重が抑えたものの、あろう事か戻って来た澤田と交錯しボールをこぼしてしまいます。
これを大石(金子と交代で出場)に詰められ、澤田のクリアが間に合うもブロックされてボールはゴールに吸い込まれ、痛い追加点を献上する事態に。

これで長崎側も意気消沈したのか、金沢は遅まきながらシュートシーンを増やしていくその後。
そしてアディショナルタイム、沼田・山根・大橋でパス交換してから、山根が前へ走り込んだ所に大橋がスルーパス。
受けてエリア内に持ち込んだ山根、冷静に横の小松にパスを出し、小松(垣田と交代で出場)がゴールに蹴り込んで決定的な4点目。
その直後、金沢のクリアミスから畑(亀川と交代で出場)が1点を返しますが、大勢に影響無く金沢の勝利で試合終了となりました。

長い一年のシーズン、前半と後半で別の内容のチームになるのはよくある事です。
今の長崎にもそれは起こりつつあるのでしょうが、新しい事を始めるには時期が遅すぎた感が否めませんでした。
穿った見方をすれば、得点源の呉屋の去就(ガンバからレンタル中)を考慮しての新スタイルなのかも知れません。
金沢のような「誰が出ても得点できる」チームを作り上げる事は出来るでしょうか。

コメント
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