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DAZN観戦 2019年J2リーグ第36節 V・ファーレン長崎vsジェフユナイテッド千葉

2019-10-15 18:42:19 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(26節・岐阜戦)
※前回の千葉の記事はこちら(32節・水戸戦)

昇格争いから一歩後退、という位置を常時保っていると言うのは変でしょうが、そんな位置付けである今季の長崎。
J2に降格して来て一年目、即昇格を期した戦いもそんなに甘くないというのは、前年の大宮・甲府・新潟の3クラブで証明済み。

一方の千葉は、2010年に初めてJ2に足を踏み入れた後は、即昇格どころか既に今季10年目のシーズンとなっています。
特に前年は昇格争いすら加われず低迷、それを引きずるかのように今季も低迷し、一時はJ3降格の危機も漂い始めた低空飛行の成績。

フロントの問題なども色々ありそうですが、グラウンドレベルで見ると、組織力の希薄ぶり深刻化していると感じますね。
MFとして起用されている工藤が敵陣でボールを追い掛け回す、つまりプレスを掛けるという前線の守備が目立っている最近。
しかし裏を返せば、本来その役割を担うFWが仕事を果たせていないという事でもあり。
点取り屋のクレーベは守備面では動きが少なく、弱点として顕在化。
動く工藤と動かないクレーベのギャップは見ていて悲惨を通り越し喜劇的ですらあり、簡単にプレスをかわされた挙句チャンスを作られてしまうという現状の守備。

前節・山形戦では、その組織力の差をまざまざと見せつけられて1-4の大敗。
しかもその献身性が光る工藤は既に35歳のベテランと、後に繋がるものが何一つ無いのでは、と感じてしまう現在の千葉のサッカー。

前節は大敗とともに故障者も現れ、前半途中で退いたクレーベはこの日は無事にスタメン。
一方後半に退いたセンターバックの増嶋はベンチ外となり、空いた穴にはエベルトが入りました。

やはりこの日も、工藤が最前線で長崎のビルドアップを追い掛け回すという変わらぬシーン。
しかし長崎は、CBに本職では無い黒木を起用せざるを得ないという苦しい陣容。
そんな状況でのビルドアップに対しては、不安材料満載な千葉の前線の守備でも何とかなったという印象でした。

序盤はやや長崎優勢ながら一進一退でしたが、ファーストシュートは前半12分という遅さ。
左サイドからエース呉屋のポストプレイも交えての攻めで、翁長のスルーパスに澤田が抜け出してクロス。
これに玉田が合わせにいくもこぼれ、そのボールを呉屋が反転シュートを放ちますが枠を外します。

しかしこの初シュートで火が付いたのは千葉の方でした。
直後の13分、左サイドバック・下平の手前からのクロスを、クレーベがヘディングシュート。(枠外)
その直後の14分にも、エベルトの縦パスから工藤を経てクレーベに渡り、右サイドに展開して米倉がクロス。
これをボレーで合わせにいったのは熊谷アンドリューでしたが、ジャストミートせず。
17分にはセットプレーのチャンス、左コーナーキック(キッカー矢田)からクレーベがヘディング。
これを下平がコースを変えてゴールに入れたものの、オフサイドでノーゴールとなります。

その後は再び一進一退の展開になるものの、シュートまでもっていけない長崎。
攻め手こそ、高い位置の両SB・動き回る玉田・プレースキックの大竹など豊富にあるものの、決定的な場面では目下得点王争いを繰り広げている呉屋頼みな所があります。
23分、中盤でパスカットした呉屋はそのまま中央をドリブルで進み、ミドルシュートレンジまで来たものの千葉・鳥海に阻まれ撃てず。
32分にはGK富澤のロングキックを拾った大竹、そのスルーパスを左サイド奥で受けた呉屋。
そのままカットインで千葉・米倉をかわしてゴールに迫りシュートを放ちますが、角度は無くGK佐藤優也に阻まれます。

呉屋に注意がいっている隙を突く攻撃ができれば……と思っていた矢先の37分。
コーナーキックから相手ボールになった所を奪っての二次攻撃、前残りしていた黒木がエリア手前右からシュートを放ちますが、ゴール上に外れてモノに出来ず。
その後は千葉ペースになるも、シュートはアディショナルタイムの鳥海のヘディングのみで、前半はスコアレスで折り返します。

前述の通り、最終ラインとくにCBの人選に頭を悩ませているであろう長崎・手倉森誠監督。
開幕スタメンだったチェキュベックは、レギュラー落ちを経て夏の移籍で地元クラブ(韓国)へレンタル。
彼からレギュラーを奪った、同じく韓国人選手のイサンミンも現在はレギュラー陥落。
角田はボランチも兼任するなど貴重なピースでしたが、加齢(36歳)故か故障がちでスタメン定着出来ずな現状。
高杉も、故障なのか26節・岐阜戦を最後にベンチ外が続いていました(この日ようやくベンチ入り)。

そんな苦境を経て、この日は黒木と徳永(本職はSB)という本職不在のCBコンビを組まざるを得なくなっていました。
キャプテンで10番を背負う黒木がCBという違和感ありありな布陣ですが、本職がボランチである黒木にビルドアップ役を担わせるものだったのでしょう。
しかし千葉・工藤を中心としたプレスで機能したとは言い難く、さらにディフェンス面ではクレーベとの競り合いに四苦八苦。
展開上は互角ながら、千葉の方が押していた印象だったのはこのゴール前での攻防でシュートを許していたのが目立っていたからだったと思います。

さて後半が始まり、前半と同じく一進一退の攻防で、様々な選手がシュートチャンスを得た千葉・呉屋がシュートを打ちまくった長崎という流れ。

そんな中、後半15分に千葉が早くもカードを切り、矢田→堀米へと交代。
その直後の16分の千葉の攻撃、右サイドからパス交換の後、堀米が工藤とのワンツーで中央へ切れ込みます。
そしてエリア内左へパスを出し、為田が受けてシュート。
これはGK富澤がセーブしますが、直後のコーナーキックからの二次攻撃でもチャンスを作り、最後は為田のクロスを米倉がヘディングシュート。
GK富澤が辛うじてセーブしたボールはバーに当たり、惜しくもゴールならずというシーン。

堀米への交代が効いたと見たのか、すかさず長崎サイドは亀川・翁長のSB同士のポジションを入れ替えます。(亀川が左・翁長が右に)
しかし守備を意識しての配置転換にしては、攻撃力が特徴の亀川を堀米のサイドに持っていったのは謎で、あるいは千葉の右の攻撃を防いだ後のスペースを突くという狙いだったのか。

そんな思惑(?)とは反対に、千葉の先制シーンは左サイドからでした。
24分、下平と為田がパスワークで左サイドを突破し、ダイレクトで下平がクロスを上げます。
これをクレーベがヘディングシュート、ボールはポストを直撃してゴール前に転がり、これを堀米が詰めて(DFのかき出しをブロックする形となり)ゴールにねじ込み先制。

結局長崎のポジションチェンジはさしたる効果は無く、失点直後亀川と翁長は元のポジションに戻ります。
一方の千葉、26分に早くも2枚目の交代。(鳥海→佐藤勇人)

しかし交代で入った大ベテランの佐藤勇、27分にいきなりカイオ・セザールにボールを奪われる逆起点となってしまいます。
幸いその後の玉田のクロスは呉屋に合わず事無きを得ましたが、このプレーが試合後の伏線となったのか(後述)。

その後は長崎も逆転のためのカードを切り始め、29分には大竹→吉岡。
そして32分に玉田→ビクトル・イバルボと、圧力を強めにかかります。

しかし次の一点は千葉に入ります。
36分の右からのコーナーキック、堀米の蹴ったボールは高い軌道を描き、中央へ落ちた所にクレーベがボレーシュートで合わせて見事ゴールを射抜きました。
堀米のクロス、そしてニアサイドに流れたエベルトの動きにものの見事に長崎ディフェンスは釣られ、中央をポッカリと空けてしまっていました。

その後は千葉もボールキープを優先し、攻めたい長崎は中々ボール奪取出来ず。
シュートは41分の呉屋のヘディング、アディショナルタイムの徳永のヘディングの2本のみに終わり、そのままタイムアップ。
6位以内に入りたい長崎にとっては痛い敗戦となりました。

試合の翌日、千葉・佐藤勇が引退を表明(今季シーズン後の)するという報が飛び込んできました。
全盛期(イビチャ・オシム監督の頃ね)は阿部(現浦和)とのドイスボランチで、当時の千葉の原動力となっていた選手でした。
その後京都に移籍するも、J2に落ちた千葉に復帰(2010年)。
その目標は当然「千葉のJ1復帰」だったでしょう、以降ずっと千葉でプレーしたものの、それは果たせず終わる事となりそうですが、とりあえずはお疲れ様と言いたいです。


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