ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第35節 ツエーゲン金沢vsヴァンフォーレ甲府

2019-10-09 17:20:51 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の金沢の記事はこちら(29節・新潟戦)
※前回の甲府の記事はこちら(28節・山口戦)

昇格へ向けて、総力戦の様相を示してくるのがリーグ終盤戦。

自動昇格を目指さんと必死で追い掛けている甲府。
シーズン通して最も苦労しているであろう2シャドーの人選では、既にドゥドゥの姿は故障離脱で無く。
夏の補強で得たアラーノも、前節からベンチ外が続いています。

曽根田・横谷・佐藤和弘の既存戦力に、新人宮崎を絡めて起用していくという総力戦。
それが身を結んだのか、前節は上位に居る山形相手にウノゼロの勝利。
それも後半アディショナルタイムに決勝点を挙げるという劇的な内容で、ゴールを決めたのはこれまた後半戦になって出番が増えている金園。
苦境の中、こうして現有戦力の駒を最大限生かしていく戦いで活路を見出せるか。

一方の金沢も、現時点で勝ち点50と上位を狙う姿勢は崩さず。
それでも30節・鹿児島戦から5戦3敗と負けが込んでいる現状で、苦境を打破せんともがいている様相が窺えます。

特に右サイドバック・長谷川が故障離脱したのが痛手で、その穴埋めに小島が左から右に回る策が採られていましたが、悪い流れは止まらず。
そして今節、左SBにはサイドハーフの加藤が回る事となり、さらに金子が左SHに。
空いた右SHには清原が久々にスタメン出場、これが実に16節(徳島戦)以来との事。
今季の清原で印象に残るプレーはというと、10節・柏戦ですかね。
後半も半ば、左サイドからの毛利(現湘南)のクロスを足でトラップした清原、飛び出してきた柏GK・中村をかわしてゴールが無人に。
後方から抑えにいった中村と競り合い、不格好な体制ながらも執念でボールをゴールにねじ込みますが、キーパーチャージを採られ結局ノーゴールに。
スコアレスドローで終わったこの試合、「あそこで決まっていれば……」という典型例になったため、その後の主審への抗議も含め記憶に残る事になってしまいました。

それはともかく、一度出番を失った選手もカンフル剤として再び起用される状況が訪れている現在の金沢。
これも総力戦の一環でしょうが、果たして吉と出るか。

双方ポゼッションには全く拘らないサッカーで、これがぶつかり合うとどうなったか。
金沢は持ち味である縦に速い攻撃を、いつもと変わらず展開していきます。
前半3分、山本義道の縦パスから金子→清原→垣田と渡り、垣田がミドルシュート。(GK河田がキャッチ)
5分には金子のパスカットから攻撃、左サイドの加藤がエリア内へ向けてスルーパス。
クルーニーが走り込んで受ける絶好のチャンスも、甲府・小柳に倒されてシュートは撃てず、反則にもならず。

その後も縦パスや金子のドリブルなどを駆使して速攻を掛けていきますが、アタッキングサードでのプレーが今一つな印象。
クロスは殆どがグラウンダーで、金沢の武器である高さを生かそうとしないからそう映ったのか。

一方の甲府、開始直後にファーストシュートこそ放ったものの(左からのスローイン、そこから流れるようなパスワークで佐藤和クロス→曽根田シュートもGK白井セーブ)、その後は持ち味である堅守速攻ぶりは発揮されず。
俗に言う「ボールを持たされる展開」で、普段はあまり見られない後方からのパス回しを何度も強いられる事となります。

それを打開したのがロングボールでの攻め。
25分、横谷のロングパスをピーター・ウタカがトラップし、エリア内に進入してシュート。
これはブロックされ、その後の二次攻撃をシュートで終われずカウンターを喰らってしまいましたが、得点の匂いが芽吹いたという点では効果的でした。
そして28分、GK河田のロングフィードをウタカ→曽根田とヘディングで繋ぎ、小椋が拾った後はショートパスで左へと展開。
内田が中央へ向けてスルーパスを出すと、曽根田が走り込んで受けてエリア内に入り、そのままシュート。
GK白井が反応して触りますが、尚もゴールに向かうボールを佐藤和が蹴り込んでゴールゲット。

悪い流れを吹き飛ばす先制点、という風にしたかった甲府ですが、そうは問屋が卸さず。
31分の金沢左からのコーナーキック、キッカー藤村のクロスこそクリアしますが、こぼれ球を大橋がヘディングでゴール前へ。
シュートともパスともとれるボールでしたが、これを小柳がブロックに入ったものの、手に当たってしまいハンドを採られPKとなります。
キッカーのクルーニーがこれをしっかりと決め、早くも同点に。

その後は甲府がコーナーキックを得ますが(35分)、これが防がれてカウンターを受けると、以降は金沢のターンに。
攻め込むもシュートに結び付かないもどかしい展開が続いた金沢ですが、38分ついに実を結びます。
左サイドに清原が出張ってパスを受けたのが始まりで、そのまま左から重厚な攻めを魅せると思わせた矢先、清原→大橋縦パスで一気にクルーニーがエリア内でシュートチャンスに。
最初のクルーニーのシュート(パス?)こそエデル・リマがブロックしますが、こぼれ球を清原が繋いで、エリア内で垣田がシュートを放ちネットに突き刺しました。

これで逆転した金沢、尚も42分に決定機。
GK白井が左へパス、受けた加藤が一気にロングパスを送ると、クルーニーがトラップして抜け出しエリア内に進入。
しかし甲府・小出が何とかスライディングで止めてシュートは撃てず、前半は2-1で金沢リードのまま終了します。

手駒が少ない状況で、何とか打開策を見出さなければならない甲府。
後半採ってきたのは、ボランチ・横谷とシャドー・佐藤和のポジション入れ替えでした。
2シャドー・2ボランチの関係上、曽根田シャドー・小椋ボランチは動かしたくない甲府、両方できる他2人を入れ替えて……というのはこれまでも再三見られていたものです。

それが効果に表れたかは不明ですが、後半4分に早くも同点に。
右サイドから田中がダイレクトで中央へスルーパスを送ると、これがウタカが裏に抜けてGKと一対一という絶好機を呼び込み、エリア内から冷静にシュートを放ったウタカがゴールします。

その後は一進一退の攻防ですが、後半風下に立った影響か、金沢の攻撃は前半程の冴えが見られず。
甲府もボールを握らされるという状況は変わらず、次第に膠着状態の展開に。

するとその状態を打破しようと、甲府のディフェンス陣も積極的に攻撃に加わります。
17分、小出が後方からドリブルを仕掛け、さらに内田とのワンツーで左サイドを抉ります。
その後戻して中央から曽根田がエリア内へスルーパスを送り、ウタカが走り込むもオフサイド。
20分、今度はリマが左サイドへドリブルし、前方へスルーパス。
これを奥で曽根田が拾い中央へパス、横谷がチャンスボールをはたき佐藤和は走り込んでシュートにいくも、ウタカと被ってしまい撃てず。
しかしこぼれ球を曽根田が繋ぎ、ウタカがエリア内左に切れ込んでシュートまでもっていきました。(金沢・小島がブロック)

甲府・伊藤彰監督はここが勝負所と見たか、21分に小椋→山本英臣に交代。
さらにその5分後には田中→金園に交代し、フォーメーションも4-4-2に近い形へとシフトします。
しかもドイスボランチでは無く、山本英の1ボランチという変則型。

この間である25分の金沢の攻撃、エリア内で清原のシュートがブロックされた後、拾ったクルーニーがクロス。
これを垣田がトラップしゴールへ近づこうとした所、山本英の足に引っかかり倒れますが笛は鳴らず。
甲府にとっては岡山戦の与PKが脳裏をよぎるシーンでしたが、ここは命拾い。

すると30分、ようやく甲府の執念が結果に表れます。
交代策後右SBに移っていた小柳のカットで攻撃開始、曽根田が中央へ縦パスを送り、金園がポストプレイ。
横谷を狙ったパスはややズレたもののウタカが拾うと、そのまま中央から強烈なミドルシュート。
助っ人らしい豪快なシュートに金沢サイドも成す術無く、逆転に成功した甲府。

攻めなければならなくなった金沢ですが、守備に定評のある甲府相手に、逆にボールを持たされる展開を強いられます。
得意の速攻が出来なくなり、 高さを生かそうにもクロスは悉く跳ね返され糸口は掴めず。
結局その後はミドルシュートを3本放っただけに終わり、2-3で甲府が勝ち点3に辿り着きました。

ウタカの2ゴールでの逆転劇。
前節・山形戦では活躍出来ぬまま途中交代となってしまっただけに期するものがあった……という、ドラマを絵に描いたような結果となりました。
この勝利で6位に浮上、ようやくプレーオフ圏内に返り咲いた甲府。
これからも総力戦を演じつつ、相乗効果でチーム力を向上させ昇格を目指す事でしょう。

コメント
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