ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2019年J2リーグ第36節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2019-10-17 17:00:03 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(31節・愛媛戦)
※前回の岡山の記事はこちら(33節・福岡戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(10節)

昇格戦線に食い込まんとする両クラブ。
ともにプレーオフ出場は1度だけという歴史(ただし徳島の方はそこでJ1昇格を果たした)ですが、場違い感は殆ど無いのはJ2という舞台から来ているのか、それともそれだけ地力が憑いてきた証なのか。

強風の中行われたこの試合、前半風上の陣地を取ったのは岡山。
ロングボールを交えながらの攻撃を仕掛ける姿勢で、早くもそれが見られたのが前半3分。
後方からのロングフィード、跳ね返されたボールを仲間が拾い、徳島・小西のアタックをフェイントでかわしてからミドルシュート。(枠外)

陣地を押し上げるという意識を相手に植え付けると、その2分後の5分でした。
前線から強気にプレスを掛け、GK梶川に蹴らせたボールを喜山がカット、こぼれ球を関戸がポストプレイで仲間に繋ぎます。
そして中央から再びミドルシュートを放った仲間、今度はグラウンダーで見事ゴールを射抜き、強気の姿勢が実を結んだ先制点となりました。

最後の敗戦は29節・町田戦(0-3)で、それ以降は4勝2分と勝ち点を稼いでいる岡山。
町田戦を境にディフェンスラインをテコ入れしたのは前回述べた通りで、中盤以降のメンバーも固定しつつあり、安定感ある戦いを繰り広げています。
唯一、スーパーサブ要員だった中野が、33節以降は山本に代わってレギュラー定着しているのが変更点でしょうか。

前半戦は得点を量産していたイヨンジェは、徹底マークに遭っているのもあってか過去10戦で2ゴールとやや低調。
代わって主に得点を挙げているのが左サイドハーフの仲間で、10戦6ゴールと好調を維持、そしてこの日の先制ゴール。
この仲間と、右SHの関戸が中央ないしは逆サイドにも顔を出しつつ、サイドバックが高い位置を取って攻めるというのが岡山のトレンドなのでしょう。
それにしては得点を稼ぐ仲間とは対照的に、関戸が今季未だ無得点なのが面白い所ですが。

先制された徳島、こちらは3-4-2-1でのボール支配しての攻撃が基調のスタイル。
それでも序盤は岡山同様にロングボールを交えていたのは、風の影響がどの程度だったかを確かめる意味合いもあったでしょうか。
11分、中盤でファウルを受けると岩尾のロングパスで素早くリスタート。
これが直接河田に渡ってエリア内に進入する好機を演出しますが、河田のシュートはGK一森がセーブして得点ならず。

その後はいつも通りのポゼッションスタイルに移行する徳島。
しかしそのビルドアップに対し、岡山は執拗にプレスを掛けて思うようにさせず。
このプレスを受けた徳島、前半は3バックが中々攻撃に絡めず苦労します。

一方の岡山は15分、喜山のミドルシュートがブロックされた後、徳島ボールを奪い返しての攻撃。
カットしたボールはこぼれ球になり、これをイヨンジェが落としてから左に展開し、左SB廣木のクロスにイヨンジェが右足で合わせますがゴール上に外れ追加点はなりません。

17分に徳島は左センターバック・内田裕斗の攻撃参加が見られチャンスを作りますが、結局シュートにはいけず。
その後はペースは握るものの得点は奪えない徳島、19分の河田のオーバーヘッドが当たり損ねるシーンが、上手くいっていないここまでの試合展開を象徴していたかのようでした。

結局徳島のターンは25分辺りで終わり、その後は岡山が攻勢に。
それでもシュートに持っていけないシーンばかりでしたが、31分にはクリアボールを拾った徳島・渡井に対し、仲間が執拗にプレスを掛けて後退させコーナーキックを得るなど相手に攻撃させずに時間を経過させます。
しかし好事魔多し、35分にアクシデント。
CBの濱田が足を痛めて倒れ、続行不能とされて交代となり、チェジョンウォンが出場します。
以降岡山はターンを手放す破目となり、再び徳島が攻勢に。

それを支えたのが内田裕の攻撃参加。
17分に1度見られただけに留まっておりましたが、以降は積極的にドリブルで相手を剥がす持ち味を発揮。
40分には自陣からドリブルで敵陣に持ち込み岩尾にパス、岩尾は右に展開すると、ボールを受けた右CB石井は裏へスルーパス。(小西が走り込むも繋がらず)
43分にもドリブルで岡山・関戸をかわすシーンが見られた内田裕、その姿勢が好循環を生むと、45分に小西がシュート(DFがブロック)・アディショナルタイムに岩尾がミドルシュート(GK一森キャッチ)と岡山ゴールを脅かします。
しかしそのまま岡山1点リードで前半終了。

キックオフ直後、いきなり岡山・喜山と徳島・河田が激突し(徳島側の)反則で幕を開けた後半。
試合を落ち着かせたかった岡山にとって計算外だったか、その直後の後半2分の徳島の攻撃。
ここでも内田裕が岩尾とのワンツーで前に出て、その後河田ポストプレイ→野村左サイド裏へスルーパス→杉本抜け出してクロスという流れる攻撃。
これを締めたのがファーサイドに飛び込んでヘディングシュートを放った河田、ボールが当たったのが頭なのか肩なのか不透明でしたが、飛び出してきたGK一森より先んじて触ってという執念が感じられる同点弾でした。

安定感を求める以上は固定メンバーで戦いたい、というのが理想でしょうが、様々な要因でそれが果たせず日程を消化していく場合も多々。
徳島の場合は累積警告での出場停止が、波に乗りきれない要因となっています。
ボランチで中心選手の岩尾が出場停止となった26節・新潟戦では0-4の大敗を喫し、32節・長崎戦(1-1)ではCBのヨルディ・バイスが抜けて連勝が止まり、前節・栃木戦(1-1)は野村・小西の2人が出れないという状況を作ってしまいました。
既に清武が3度出場停止(退場2度)になっている今季、現状清武がサブに回っているのも、そのせいで序列が落ちたという要素が考えられます。

岸本・渡井がスタメンにそれぞれ復帰・抜擢されてから8戦無敗(5勝3分)、故障が癒えた藤田も絡んで来ている現状、選手層の厚みが好調を生んでいると思われる徳島。
河田のゴールも、2試合スタメン落ちという危機感が生んだもので、競争意識が……と月並みな表現が頭に浮かびます。
しかし岩尾やバイスのように不可欠な選手はやはり居る訳で、今後昇格争いについていくためにも、警告・退場の抑制も視野に入れての戦いが求められます。

さて、試合を振り出しに戻した徳島。(しかし直後の3分に野村が警告を貰う……)
その後も、前半終わり際からの攻勢を維持して攻め込みます。

そして11分、今度も左サイドからの攻めでした。
自陣から杉本がロングパス、これを河田が収めてヒールでパスを出し、上がってきた杉本に。
杉本はダイレクトで渡井にパスを出すと、そのまま渡井がドリブルでエリア内左に進入してシュート。
コースは甘いながらも速いシュートにGK一森も反応が間に合わず、1点目とは対照的に綺麗にゴールに突き刺さりました。

その後もあわや得点というシーンを量産する徳島。
13分、自陣からのフリーキックにも拘わらずバイスが直接狙い、これがGK一森が辛うじてセーブしコーナーキックに逃れるというキックに。
直後のコーナーキックも、キッカー野村のクロスにバイスが足で合わせるもゴールとは逆に向かい、右サイドで拾った藤田がシュート。
このシュートを河田がコースを変えてネットに突き刺しましたが、オフサイドとなり追加点とはならず。

以降も徳島のターンは続き、殆ど攻撃できずに時間を過ごす岡山。
20分には中野も負傷退場を余儀なくされ(福元と交代)、劣勢を跳ね返す事すらままならず。
そんな展開に業を煮やしていたのか、イヨンジェが奮起します。
この日もバイスの徹底マークに苦戦し、特に後半は殆どボールに絡めない状態が続いていたイヨンジェ。
27分、田中のラフな縦パスを下がって収めると、そのまま中央をドリブル。
徳島・渡井に後ろからチャージを受けても突破せんとする、まさに「強引なドリブル」という表現が似合う絵図に。
結局最後は倒れ、反則・絶好の位置での直接フリーキックとなります。

イヨンジェという大砲が奮起して得たこのチャンス、もう一台の大砲が牙を向く場面。
それはベテラン・上田のプレースキックで、当然直接狙いにいきます。
チームもそれを熟知しており、徳島の壁の前に壁を作り、上田の後方では他選手が上田の視点となり入念に壁の位置を指示します。
その様相はさながら軍艦のようであり、どんなキックが炸裂するか固唾を飲んで見守るべき局面。
上田(チーム)が選択したのは、「壁の指示をしている内に撃つ」という意表を突くキックでしたが、シュートは無情にもゴールの上に外れます。

その後は徳島の得点チャンスに晒されながらも、GK一森の好守も力としつつ、同点ゴールを狙いにいく岡山。
40分には、エリア手前でのパス回しから、関戸が際どいミドルシュートを放つもののゴールは奪えず(上に外れる)。
直後、その関戸を赤嶺に交代し、2トップによるパワープレイの体制に。

そして43分、ロングボールの跳ね返しを仲間が拾った所、徳島・小西のスライディングで倒れると反則。
再び大砲・上田の見せ場となる直接フリーキックを得ます。
先程と同様に壁の前の壁・上田の後方の指示役と2つの集団を作る岡山。
そして放たれた上田のシュート、今度はゴール右を捉えると、GK梶川は動けず。
しかし上田が蹴る直前にゴール前に位置取りを変えていた徳島・岸本(藤田と交代で出場)がすんでの所でヘディングで跳ね返し、同点にはなりません。

そのまま2-1で徳島が勝利、勝ち点で岡山を上回る事となりました。
試合後半は岡山の意地が目立ちましたが、それを上回る意地でやらせなかった徳島。
昇格が視野に入っている両クラブらしい対決で、見応えありました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする