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DAZN観戦 2023年J3リーグ第18節 アスルクラロ沼津vs鹿児島ユナイテッドFC

2023-07-22 16:01:13 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

昇格に向けて負けられない戦いが続く鹿児島。
この日の相手は沼津と、ライセンス面で今現在昇格が叶わないという対照的なクラブ。

その沼津は前年も、昇格どころかライセンス消滅の危機対応に追われるなど、グラウンド外の戦いが活発だった感があり。
大混戦の昇格争いを、対岸の火事のような位置で観ざるを得ない状況はいかほどのものか……。
そんな事を考えていたら、沼津自身も現在6位と数字的にはその輪に加わらんとする所まで浮上。
しかもボール保持率はリーグトップの数字を残しているという事で、昇格へのプレッシャーとは無縁であるが故の強みすら感じられます。

前回観た際も、中山雅史監督が繰り広げる可変式・主体的なサッカーは中々趣深いと感じたものであり。
そこからさらに練度を増した(と思われる)サッカーは、上位の鹿児島相手にどれだけ通用するか。

前半5分に、ゴールキックを短くリスタートしてそこから最終ラインでパスワーク。
そして「超攻撃型左サイドバック」の濱に渡ると、裏へのロングパスを選択する濱。
受けたブラウンノアがマイナスのクロス(フィニッシュには繋がらず)と、ボール保持のなかロングボールを交えて好機に繋げるその姿は前回同様であり。
長短交えたその姿勢に、鹿児島は前線でボールを奪うシーンは殆ど作れずと、ポゼッションサッカーの神髄は如何なく発揮されておりました。

一方の可変式システム。
左サイドで濱が上がるのは前回と同様ですが、この日の注目点は逆の右SBである安在。
ビルドアップの際はボランチの位置でパスコースを作る動きを取り。
そうかと思えば、右サイドで前進を果たした際はハーフレーンを一気に駆け上がり、最前線に加わるという濱と類似する攻撃参加を見せます。
両サイドで「偽SB」の体勢を取るという具合に、理想のサッカーは極まりを見せていた感があり。

そうした沼津のスタイルを受け、リズムに乗れない立ち上がりを強いられた鹿児島。
それでもSBの上がりという面では負けておらず、サイドハーフとの関係性で最前線まで位置するスタイルは不変であり。
16分、星の上がりを尻目に下がって縦パスを受けた福田、ディフェンスに遭いこぼれるもコーナーキックに。
この右CKでキッカー木村ショートコーナー→中原ダイレクトでクロスと変化を付け、クリアされたボールを圓道がダイレクトでシュート。
GK武者のセービングを掠めて左ゴールポストに当たり、跳ね返りを広瀬が詰めたもののこれも右ポストに当たり。(広瀬のシュートはオフサイドを取られ無効)
連続で枠に阻まれる絵図となり、セットプレーからの一撃という勝負に拘る立場のクラブらしい姿を見せました。

この直後、(オフサイドによる間接フリーキックで)GK武者が裏へとロングフィードを送り、抜け出したブラウンノアがダイレクトでシュートを放ちましたがこれもオフサイド。
この判定に不満の色を露わにしたブラウンノア、以降精神的に乱れがちとなり、20分に渡邉にボールを奪われた直後追い掛けてチャージしてしまい反則。
ここで警告を受けても可笑しくなかったですが見逃され、しかしその後22分に再度反則。
沼津がボールポゼッションにより好機を作り、右から安在クロス→ファーで鈴木拳折り返しというチャンスボールが上がった所、合わせにいったブラウンノアでしたがクリアした広瀬にアフターチャージの格好となってしまい。
繰り返し反則という事で、今度は警告が突き出されてしまいました。

その後鹿児島サイドも、エリア内右へのロングパスに走り込んだ星がダイレクトでボレーシュート。
ゴールネットを揺らしたものの、これもオフサイドで無効となり。
ともにオフサイド判定に悩まされた格好となり、飲水タイムが挟まれ第1クールは終了に。

明けたのちも、長短のパスで攻撃を組み立てクロスにまで持っていく沼津。
それを阻む事がままならない鹿児島は、自分達のターンになった際の攻撃に賭ける他無く。
結果多少強引な前進から、獲得するセットプレーに活路を見出す形となります。
33分に藤本が安在に倒された事で左サイドからのフリーキック、キッカー木村のクロスをロメロがヘディングシュートに持っていくも、眼前のディフェンスに当たり撃ち切れず。
引き続きのCKも、クロスの跳ね返りを星がミドルシュートするもジャストミート出来ず。

獲得する好機も、不完全燃焼な終わり方をしてしまう鹿児島。
こうなると、自分達のスタイルを出し通す沼津の方に試合が傾くのは自明の理だったでしょうか。
37分、左サイドからの前進でパスワークを余所に例によって上がる濱、持井がディフェンスに遭った所をカバーして中央へ。
そしてブラウンノアのリターンを受けた濱、そのままエリア内を突いてシュートを放ち、前に出て来たGK松山の右を抜いてゴールネットを揺らします。
「超攻撃型サイドバック」に相応しい、最前線まで張り出してのゴールを奪いました。

リードした沼津、尚も勢いを持って攻め上がり。
依然として鹿児島のプレッシングは機能せず、スローインからの組み立ても巧くいき敵陣でサッカーを展開させます。
42分の左スローイン、裏へ投げ込まれたボールにブラウンノアが走り込み、クリアされるも鈴木拳がさらにダイレクトで裏へ送って結局ブラウンノアに渡るボール。
そしてカットインでエリア内を突き、シュートするもブロックされたこぼれを拾い直すブラウンノア、右へ横パスを経て森がシュート。(ブロック)

苦境に追い込まれた鹿児島、反撃を試みるもその流れは依然として良くなく。
44分に相手のクリアボールを拾った木村、そのまま遠目からシュートに持っていく(枠外)という具合に、無理目のフィニッシュも悪目立ちしていたようであり。
結局1-0のまま前半終了となりました。

流れを変えるべく、当然の如くハーフタイムで動く鹿児島。
圓道→武に交代し、武が右SHに入って福田が左SHにシフトと、2列目を微調整して後半に臨みます。

FW登録かつ上背もそれなりにある武を入れた事で、そこへロングボールを送る姿勢を見せた鹿児島の立ち上がり。
後半2分にそのロングパスを武が合わせ、クリアされるも木村が奪い返した事で攻撃開始、星のスルーパスを右奥で受けた武がカットイン。
入れたクロスはブロックに遭うも、こぼれ球をロメロがシュート、これが枠を捉えたもののゴール前で安在がブロックして惜しくも同点ならず。
しかし以降も右サイドへのロングボールの配給から好機を作り続け、交代が功を奏する形でとりあえず反撃体制を整えます。

それでも10分、ロングパスを受けた武のパスが星に送られるも、そこを濱に奪われてしまい。
そしてカウンターを反則で阻止した星が警告を受けるという具合に、慣れも示されます。
こうなると土台は揺らぐもので、直後にパスミスを敵陣で拾った沼津がショートカウンター。
森が左ポケットを突く絶好機を、渡邉がこれまた反則気味のチャージで阻止(反則無し)と、一歩間違えれば……という守備面。

14分に再び動く鹿児島ベンチ、ロメロ→端戸へと交代。
ベテラン、かつポストプレイヤー同士の交代と、攻撃の流れを保つ采配。
しかしその保つべき流れが依然としてこの日は不安定な鹿児島。

武の逆の左サイドでは、人員が変わった事で福田の推進力がある程度発揮される状況となった後半。
カットインを度々狙った福田ですが、沼津ディフェンスもシュートを警戒する姿勢を崩さず、フィニッシュには辿り着けません。

そしてターニングポイントとなった17分。
ここも左サイドで福田が持ちましたが、突破でもシュートでも無く戻しを選択、作り直したのちハーフレーンで受け直して中央の端戸へとパスした福田。
しかしこれが読まれてしまい藤嵜がボール奪取すると、ブラウンノア→徳永とダイレクトで繋げた末に、藤嵜が左ハーフレーンで抜け出して単騎突撃するカウンターとなります。
まさかのセンターバックの選手の持ち上がりに、人数も少ない鹿児島ディフェンスがひたすら下がるのみとなると、そのままエリア寸前まで進んだ藤嵜はカットインを経て中央から果敢にシュート。
ゴール右へと突き刺さり、藤嵜の「ゴールトゥーゴール」と言いたくなるような追加点が齎されました。

唖然としても仕方ない、という鹿児島サイド。
キックオフの前に2枚替え(藤本・木村→鈴木翔大・山口)したものの、ショックは大きいようで飲水タイム(23分)までさしたる好機は作れずとなり。
(沼津は21分に鈴木拳・和田→森・佐藤へと交代)

とにかく攻めるしかない鹿児島。
明けた最初の好機は25分で、渡邉の左サイド遠目からのクロスをファーで鈴木翔が折り返し。
これを中央で受けた端戸が反転しながらシュートしますが枠を捉えられず。
それでも、以降サイドに人数を掛けて攻める姿勢に、沼津サイドも完全に退いてのディフェンスを強いられ。
30分に持井・ブラウンノア→遠山・津久井へと2枚替え(和田がセンターフォワードにシフト)するも、鹿児島の圧力をまともに受ける姿勢は変えられません。

端戸が様々な場所で巧にポストプレイをする事で、スペースを開けて崩しを図る鹿児島。(32分に福田→河辺へと交代)
沼津はそれを阻止できず、中央を締める事を重視した事でサイド突破は容易になり。
しかしサイド奥に進入しても、沼津の最後の寄せの前にクロスがブロックされるシーンが頻発する等、有効性を高められず終わります。
それでもその副産物で膨らむCK。
木村が退いたのちは渡邉がキッカーを務めたものの、ニアサイドで端戸のフリック狙いを第一とした結果、悉く跳ね返されて結局実る事は無く。

攻勢には入れたものの、結局何処を取っても不純な流れは変えられず、といった鹿児島。
やはり2点ビハインドは致命的なものであり、フィニッシュもロクに膨らまないまま時間を浪費してしまいます。

そしてアディショナルタイムに入ると、攻め疲れからか沼津が反転。
AT突入後すぐ、鹿児島は河辺がカットインからマイナスのクロスを送るも繋がらず、これが沼津のカウンターを呼び。
濱が左ハーフレーンを持ち上がった末に追い越した佐藤へとパス、受けた佐藤はカットインを経てミドルシュートを放ち。
これが右ゴールポストを直撃と、あわや3点目というフィニッシュとなりました。

それでも徳永が足を攣らせてしまい担架で運ばれ、それに伴い大迫を投入。
これでATの時間も長くなり、目安の4分を過ぎたのちも尚もプレーは続いた中、鹿児島の最後の攻撃の最中に星が菅井に反則を受け。
これで右ハーフレーン・エリアからすぐ手前のFKとなり、キッカー渡邊のクロスから、端戸がヘディングシュートを放ってゴールネットを揺らします。
しかしこれがオフサイドとなりノーゴール、そして試合終了の笛が鳴り響くと、どうしても1点が遠い結果に終わってしまった鹿児島。

2-0で勝利した沼津、これで4位へと浮上します。
J2ライセンスへの視界が依然として見えないなか、「独自の戦い」が今後もリーグを掻き回すといったサッカーの内容だったでしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会3回戦 鹿島アントラーズvsヴァンフォーレ甲府

2023-07-14 16:51:14 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 公式では鹿島vs甲府の順でタイトルはそれに従うが、スタジアムは甲府のホーム(JITリサイクルインクスタジアム)なのでそれに準じて表記。

今年も無事に2回戦(長崎戦、1-0)を勝ち上がった甲府。
前年の覇者という事で、その勝負強さは否が応でもマークされる存在となり。TV中継でも高知やV大分を差し置いてBS1で放送されるぐらいのマンマーク

そして3回戦は、前年のリベンジマッチで燃えるであろう鹿島が相手。
それなりにメンバーを落としてきたものの、ピトゥカ・植田・安西といったレギュラーがスタメンに加わり、その他のメンバーも荒木遼・GK沖を除き二桁試合出場とガチ度は中々のものでした。
一方の甲府は、関口以外の10人を入れ替えと、25節から中2日の影響は避けて通れないメンバー。

前半1分に早くも、甲府のキックオフからの組み立てで最終ラインからのロングボールを名古がブロックし、セカンドボールを拾って鹿島の攻撃。
クロスや横パスなどで何度もエリア内を突いた末に、左ポケットで荒木遼ポストプレイ→名古シュート(枠外)と、ファーストシュートに辿り着き。

その後強度の高さを活かして攻め上がる鹿島。
コーナーキックを量産する立ち上がりとなり、12分の左CKではキッカー荒木遼のクロスがファーに上がると、植田がヘディングシュートを放つもGK渋谷がセーブ。
引き続き右CKとなり、再びの荒木遼のファーへのクロスを植田がシュート気味に落とし、GKの眼前で名古が拾うも渋谷が腕を伸ばして何とか防ぎます。
直後にはGK渋谷のフィードに対しプレッシャーを掛けた垣田がブロック、ボールはゴールへ向かいあわや……という場面も。(ゴール上へ外れ)
前年の俺らとは一味違うという意気込みを見せ付けた……はずでした。

しかし16分にパスミスを宮崎に拾われ、そのまま放たれたミドルシュートがゴール左へと際どく外れ。
これを境に色を失う鹿島、以降甲府がリーグ戦よろしく、長短のパスを巧く使い好機を作る流れへ突入します。

それを防ぐ鹿島ですが、マイボールの際にもどうにもビルドアップが詰まり気味で攻撃権を支配出来ず。
特にベテラン・昌子の出来が芳しくないといった感じで、ボールを持った所・パスを受ける所を狙われて奪われるシーンを頻発させてしまいます。そりゃガンバでポゼッションサッカーに適応できず放出される訳で
植田・昌子のセンターバックコンビを見るや、懐かしさとともに「サッカーの最前線から5年ほど遅れているのでは」とも思ってしまうものであり。
リーグ戦でレギュラーの植田の方は杞憂でしょうが、11人の何処かに弱点を抱えていては、それを突かれるのがサッカーというスポーツ。

27分の宮崎のボール奪取はじめ、そんな状態の昌子を徹底的に突く甲府。
当然右サイドが主戦場となり、28分には右スローインで投げ込まれたボールを、松本孝が入れ替わりで昌子を置き去りにして奥へ進入。
そしてマイナスのクロスが送られ、中央で武富が合わせたものの、放たれたシュートは広瀬がブロックして何とか防ぎ。

下位カテゴリに苦戦の色を見せる鹿島。(前年の時は負けたとはいえ、これほど押されていた訳では無かった)
29分に垣田を走らせる右サイド裏へのロングパスを送ると、クリアに入ったマンシャに当たってゴールラインを割るラッキーな形でCKをゲット。
その後も垣田とマッチアップするマンシャは苦戦気味といった様相で、ここから再び流れを掴まんとします。

36分に広瀬の縦パスを受けた荒木遼、長距離のドリブルを経てエリア手前からシュート。
ブロックされるもCKをゲットと、あまり良くない流れななか、CKは量産していく鹿島。
このCKを境に、甲府はサイドハーフ同士が入れ替わり武富が右・宮崎が左の位置を取り。
これにより再度攻勢を掛ける甲府、38分に宮崎が左サイドをドリブルで推進、左ポケット奥を取ってマイナスのクロス。
ハーフレーンを上がっていた小林がこれをニアサイドで合わせにいきますが、シュートはジャストミート出来ずミスとなってしまい先制はなりません。
40分にも宮崎のドリブルから、エリア内中央で横パスを受けた武富がシュート。(GK沖キャッチ)
それを受ける格好となった鹿島は、こちらもこの後SHを入れ替えて名古が右・藤井が左となります。

その後上位カテゴリらしく、普段あまり行っていないパスサッカーでポゼッションを高めての攻撃を試みる鹿島。
泣き所となっていた昌子も、プレッシャーがかかる前に縦パスを間へ通す事で何とかそれに貢献する形を採る事に成功します。
しかしここからはフィニッシュは生まれず、結局甲府に圧され気味という印象を覆すには至らずに前半を終えました。

ハーフタイムで鹿島が動き、早くも鈴木を投入(荒木遼と交代)して悪循環を断ち切りに掛かり。
一方の甲府は、途中で入れ替えたSHを元の位置に戻し、武富=左・宮崎=右として後半頭から臨みました。(鹿島のSHは入れ替えたまま)

垣田がポストワークに努めなければいけなかった前半から、何処にでも降りる動きをする鈴木が加わった事で、甲府サイドは非常に掴まえ辛くなったという印象の後半。
ペースを掴んだ鹿島、後半3分には鈴木が左ワイドからポケットへと切り込むも、関口の反則気味のディフェンスで倒されシュートは撃てず。(反則無し)

そんな鹿島の変化に難儀した甲府ですが、5分に大ベテラン・山本がボールを確保したのち左へ展開、小林が手前からクロス。
跳ね返されるもセカンドボールを確保し、敵陣でパスワークを続けた末に右サイドで飯島が(藤井に)反則を受けてフリーキックに。
このサイドからのFK、キッカー小林はグラウンダーでクロスを入れるという変化を付け、ニアサイドで安西のカットが入るもこぼれ球を叩き込んだのは野澤。
ボレーシュートがゴールに突き刺さり、前年同様先制点に辿り着いたのは甲府となりました。

リードを奪った甲府ですが、鹿島もそこからリバウンドメンタリティを発揮……というよりは、動じない精神と言った方が正しいでしょうか。
前年はリードを奪われて以降、ひたすらボールを握らされる展開を強いられて結局無得点に終わりましたが、この日は先制されても動揺を見せず。
交代により好循環を得ていたのは確かなので、それを貫く姿勢を見せて攻め続けます。

それを後押しすべく、ベンチも早めに動き11分に藤井・名古→仲間・樋口へと2枚替え。
これ以降、樋口がハーフレーンに張り気味となり、空いたスペースに広瀬が上がるというパターンを増やしていきます。
14分にはGK沖ロングフィード→垣田落としからの攻めで、佐野のエリア内へのパスを仲間がヒールでポストプレイ、そして鈴木がダイレクトでシュート。
野澤のブロックに阻まれるも右CKとなり、キッカー樋口のクロスから再び植田がヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

そして17分、最終ラインから植田が高い位置の広瀬へと縦パス、受けてすかさずクロスが送られ。
これを中央で合わせにいった垣田、競り合いで野澤を腕で外した末のヘディングシュートがゴールに突き刺さります。
最後は鹿島らしいマリーシアも加わり、同点に追い付きました。

追い付かれてしまった甲府、しかしファイティングポーズは崩さず。
直後のキックオフからの攻撃で、左サイドを前進していき小林がクロスを入れた事でCKをゲット。
未だ衰えずといった様相を見せると、鹿島もGK沖が躍動し、キャッチしたのちのすかさずのフィードで裏を突きカウンターに持ち込み。(鈴木がエリア内へ走り込むもGK渋谷が抑えて撃てず)
22分の甲府、再び小林が左からのクロス、跳ね返りを拾った関口のミドルシュートが襲うもGK沖がセーブし防ぎます。
この直後に甲府ベンチも動き、エースのピーター・ウタカ投入に踏みきり(松本孝と交代)、同時に山本・飯島→品田・長谷川に交代と一挙3枚替え。
レギュラーメンバーの一斉投入で勝負を託します。

しかしその後は鹿島が押し返し、垣田へのロングボールで強度を盾にする展開で押し込み。
それを防がんとするマンシャが、倒されて垣田に対しヒートアップを見せたのもこの時間帯(26分)で、一歩間違えれば失点の危機に陥っていた感があった甲府。
27分には右サイドでスルーパスを受けて深さを取った垣田から、戻しを経て中央へ渡り、ピトゥカがコントロール重視のミドルシュートを放ちますが惜しくも左へと外れ。

対策を図る甲府、30分に再びレギュラーの蓮川を投入。
アタッカーの武富との交代で、これにより3-4-2-1へとシフト(3バックは右から蓮川・野澤・マンシャ)し、5バックの体勢で鹿島の跳梁を防ぎに掛かりました。

自陣で5-4-1の布陣で守る甲府に対し鹿島がどう崩すかという、前年の対戦の絵図に似た様相となり。
こうなると鹿島は能動的な崩しはままならず、強引にポケットを狙うパス(主に浮き球)を送る事が目立つようになります。
甲府は40分に最後の交代を使用し、関口→須貝。

それでも43分、敵陣で安西の左→右へのサイドチェンジで、受けにいった広瀬がワントラップにより奥へ切り込んでクロス。
ブロックされてCKと、苦しい時のセットプレーという好機は依然として多いですが、ここで防がれて甲府のカウンターが発動。
ショートパスの連続で抜け出した須貝がドリブルからスルーパス、そして走り込むウタカに渡る絶好機に。
しかし左ポケットから放ったウタカのシュートも、当たっているGK沖が止めて凌いだ鹿島。

乾坤一擲のカウンターはモノにならなかった甲府。
鹿島もその後攻め続けたもののゴールは割れず、アディショナルタイムはあっという間に過ぎ去り。
そして1-1のまま笛が鳴り、後半終了となったものの延長戦へ。

エンドは前半時へと戻り、甲府のキックオフで始められた延長前半。
いきなりマンシャのウタカへのロングパスから、セカンドボールを拾った宮崎がシュート(ゴール右へと外れる)と甲府がフィニッシュで終わらせ。
その後鹿島の攻勢を浴びるも、延前4分には須貝のミドルパスがエリア内のウタカに収まる好機。
そして放たれたシュートは植田がブロックした末GK沖がキャッチと、一刺しの強烈さでは甲府が上回る流れとなります。

ここが勝負所と見るや、7分にベンチが動き追加された交代枠を使用、ジェトゥリオを投入します。(宮崎と交代)
一方交代機会を温存していた鹿島は2度交代が出来る状況でしたが、6分に垣田が頭部へダメージを受けたらしく倒れ込み。
これにより9分に垣田→土居へと交代し、前線はパワーダウンといった印象となり。

投入されたジェトゥリオは早速、8分にウタカのラストパスを受けてシュート。(昌子がブロック)
これで得た左CK、キッカー品田のニアへのクロスがクリアされて2本目となると、今度はファーに高いクロスを上げる品田。
これが直接ゴールを襲うボールとなり、右ポストを直撃して跳ね返り。
狙ったかどうかは不明ですが、とにかく偶発的でも何でも決めた方の勝ち、という延長戦の戦い。Vゴールでは無いぞ

それを甲府は前年の戦いで痛いほど理解したでしょうか。
散々フィニッシュを放った末に、迎えた15分マンシャ縦パス→小林前方へポストプレイ→長谷川ドリブルで素早く持ち込み、ミドルシュートを放った長谷川。
これをGK沖が正面でキャッチにいき、弾いてしまうもすかさず詰めたジェトゥリオのシュートもブロックして防いだ沖。
その後の須貝のシュートも植田がブロックと、鹿島も「20冠」のクラブの意地を見せて勝ち越しは許しませんでした。

そして延長後半へと突入、既に体力も限界な両クラブ。
鹿島は圧され気味な延長前半を過ごした事で、攻撃はすっかり衰えてしまったでしょうか。
崩しを選択せず、サイド手前からのクロスへと傾倒する形となりましたが、肉体的にも精神的にもエンプティな状況では仕方無く。
たまに放たれるピトゥカのミドルシュート(延前・延後ともに1本ずつ)がどうか、という攻めに終始します。

それを突きたい甲府、あくまでサイドでは奥を取る姿勢を崩さず。
右サイドでは蓮川も高い位置で絡み、攻撃的な3-4-2-1と見間違うような攻めも何度か見られ。
しかし入れられるクロスは、GK沖の好判断のパンチングもありシュートには繋げられません。

そして延後10分、鹿島も最後の交代で佐野・広瀬→松村・関川へと2枚替え。(樋口がボランチに回る)
フレッシュとなった右サイドから攻め上がらんとする鹿島ですが、フィニッシュには届かず。
突入したATでは、鹿島のカウンター→甲府のカウンターというせわしない絵図も生まれますが、そのカウンターも精度を欠き。
既にプレーするだけで精一杯、というような疲労度合いだったでしょうか。

そして1-1からスコアが動かぬまま、とうとう延後終了を迎え。
決着の舞台はPK戦へと移りました。

鹿島1人目のピトゥカ・甲府1人目の須貝が、ともにGKが同方向に飛ぶも届かないシュートを決めての幕開けとなったPK戦。
しかし2本目、鹿島は樋口が右へとシュートするも、GK渋谷がセーブ。
これで優位に立ったはずの甲府でしたが、ジェトゥリオも右へのシュートをGK沖がセーブと防がれ。

3本目、鹿島は土居がようやくGKの逆を突くシュートを決め。
これで一息つくかと思われましたが、甲府は長谷川が中央へのシュートを選択。
グラウンダーのボールを、右へ跳んだ(キッカーから見ると左)GK沖が残した足で触れますが跳ね返せずゴール。
何とか成功させた甲府。

4本目で関川が成功した鹿島、それに対し甲府はウタカを選択。
大ベテランらしい、ワンテンポ置いたキックでGK沖を釣り出して逆を突く技巧で成功します。

いよいよプレッシャーのかかる5本目ですが、鹿島は鈴木では無く仲間。
鈴木はリーグ戦で17節・湘南戦(1-0)での2連続失敗(一度止められ、蹴り直しも止められる)という事象があり、この局面でそれを考慮したものの結果的に拙かったか。
仲間の左へのシュートはコースが甘く、同方向へ飛んだ渋谷に身体であっさり止められてしまいます。
これで絶体絶命の鹿島ですが、甲府5本目を務めたマンシャに対し、GK沖はここで左右に動くスタイルを採り揺さぶりに掛かり。
そしてそれが奏功したか、左に放たれたシュートを見事セーブした沖。

これでサドンデスに持ち込まれ。
6本目から、安西・松村・植田・昌子が成功させるも、依然としてキッカーに出て来ない鈴木。
一方の甲府も6本目以降、野澤・品田・蓮川・松本凪が成功。

迎えた10本目も鈴木は蹴らず、GK沖がキッカーに。
これを物怖じせずゴール左へ強烈に突き刺した沖。
これで自身が止めれば……という所でしたが、(水分補給したため)遅延行為で警告を受けてしまいミソを付け。
それでも効果はあったようで、小林の左へのシュートを弾いた沖。
しかし威力を殺す事は出来ずゴールに吸い込まれ成功となり、とうとう11本目に。

止むにやまれず、という感じで出て来た鈴木。
ゴール中央へのシュートを選択して成功と、悪夢を振り払い。
一方の甲府は残っていたGK渋谷が務め、これも沖同様に強烈なキックをゴール左へ突き刺し。

とうとう一巡してしまい、二巡目も順番は同一なため12本目はピトゥカと須貝。
ピトゥカはGK渋谷も反応できない程のシュートを右へと突き刺し。
そして須貝も決め、この攻防はどこまでエスカレートするのかと思いを巡らせる外野の自分。

迎えた13本目、お互い一度目を失敗している両者のキック。
鹿島は樋口で、今度はGKが届かない所へ……という意識が強かったでしょうか。
ゴール左へ放ったものの、上を狙いすぎてしまったかゴール上へと逸れて失敗。
これで決めるのみとなった甲府、ジェトゥリオが放ったシュートはゴール右へ。
強烈なシュートはGK沖が反応できずネットを揺らし、決着が付きました。

キックオフから3時間に迫るという激戦を制したのは甲府。
再び鹿島を下し、今季も優勝を狙うクラブへと名乗りを上げました。
しかし勝ち進むとACLも加わっての超過密日程が……

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第17節 愛媛FCvsカターレ富山

2023-07-12 16:46:44 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

1位vs2位の首位攻防戦と、非常に重要な一戦となった愛媛のホーム・ニンジニアスタジアム。
ふとその昇格先のJ2を見ると、同じ日にこちらも町田vsヴェルディの首位攻防戦が組まれ。
そしてその上のJ1でも名古屋vsマリノス(こちらは前日の土曜に開催)と、偶然の一致という言葉では片づけられないような今週の各リーグ。(それでも偶然だと思いますが)

愛媛は前回触れた通り、1点差勝利の際どい試合をモノにし続ける傾向は以降も変わらず。
そして前回観たYS横浜戦(2-3)は、福田という強烈な得点源にその勝利パターンを崩された格好となっての敗戦であり。
昇格に向けて同じ轍を踏まないのは当然ながら、自軍にあっても誰かそういった個の力で覆せる人材が欲しい所。

直前まで雨模様だったピッチ上で試合が始まり、いきなり愛媛のパスワークの際に水しぶきが上がるなど、その影響が懸念されるシーンが生まれ。
そして前半7分の愛媛の攻撃で、左ハーフレーンをドリブルで切り込んだ山口がエリア内へ斜めの縦パスを送ったものの、水により失速するボール。
慌てて佐々木匠が戻って拾い再度エリア内へ送り、曽根田がダイレクトでシュートするも枠を捉えられず。
ここではフィニッシュに繋げられたものの、その後9分には右サイド奥を取った愛媛ですが、バックパスが水で止まってしまいカットされる事態が発生。
純粋なパスサッカーを行うには分が悪い環境となりました。

一方の富山はロングパス・ミドルパスを中心に組み立て、クロスは早めに入れる等そんな条件を考慮したようなサッカー。
いかにも首位チームらしく、勝負に徹するといった姿勢であり。

それに相対する愛媛は、GKからショートパスで繋いでビルドアップvsプレッシングの勝負に持ち込みあくまで徹底抗戦するスタイル。
それでも15分にはゴールキックから短く繋ぎ、プレスをかわしきるとロングパスを送るという具合に、富山陣内でボールが止まる現象が多発した事を考えての立ち回りを取り。
結局ここでの攻撃は、そのロングパスを受けた茂木が左からグラウンダーでクロスを送り、深堀が合わせにいきましたがオフサイドに。
しかし直後の16分にはプレスを嵌められ、ボールキープする小川が左サイドに追いやられてタッチを割るなど攻防の優劣はつけ難く。

富山のプレッシングは一重にシルバの前への意識の旺盛さを利用するといった感じで、2トップ+シルバ+サイドハーフ1人といった前線を組んで再度に追い込んで阻みにいき。
前述の通りそれなりに効果を出し、一方の攻撃でもシルバが前に出てゴールを狙う場面が多々。
19分には左サイド手前からの安光のクロスを、ニアサイドで屈んでのフリックで合わせるヘディングシュートを放ったシルバ、これがゴール右へ外れる惜しいフィニッシュとなります。

雨中の試合といえば思い出させるのが2年前のこの試合(J2・愛媛vs磐田、0-0)でしたが、あの時ほど露骨な水たまりは可視されていないピッチコンディションであり、そのため適応も早かったでしょうか。
水分に苦しむシーンは以降見られなかった両チーム。
こうなると後は愛媛のビルドアップvs富山のプレッシングで、どちらが上回るかといった見所。

そして上回ったのは富山。
27分敵陣で椎名がボール奪取し、ショートカウンター気味に運んだ吉平がエリア内へスルーパス。
左ポケットで受けた安光が中央へ横パスを送り、受けた佐々木陽のシュートこそブロックされるも、尚もワイドで拾った安光。
最初のクロスがブロックされると、拾い直して再度クロス、これをファーサイドのターゲットである柳下が折り返し。
これがゴールへ向かうボールとなり、GK辻を越えて落ちる所を大野がヘディングで押し込み。
文字通り身体ごとゴールに投げうって、という先制点を挙げました。

尚も富山の好循環は止まらず、29分に再びボールカットからの好機。
右サイドでパスカットした柳下がサイドチェンジ、これで密集を打開したうえでその後吉平ドリブル→安光スルーパス→吉平で左ポケットを素早く突き。
そしてダイレクトで入れられた低いクロスを、これまた大野が身体を投げうってダイビングヘッドで合わせます。
山口のディフェンスと交錯しつつのシュート(それどころか頭部を蹴られる格好となっていた)で、ジャストミートこそしなかったものの、執念が勝りボールはゴール内へ転がり。
電光石火のように2点リードを奪った富山。

3分間で2得点と、その得点力を発揮した大野は言わずもなが、右サイドバックの柳下も前年観た通りの良い働きといった印象。
1点目のアシスト、2点目に繋がる良いボールカットと、要所で顔を出すその姿はやはり今季も上位進出の原動力でしょうか。

一方厳しい立場となった愛媛。
34分に曽根田のドリブルが(シルバに)反則で止められ、右サイドからフリーキックの好機。
キッカー茂木のクロスを森下が合わせ、叩き付けるヘディングシュートがゴールを襲ったものの、バウンドしたボールはゴールバーを掠める僅かに枠外となり。

仕留め損なった愛媛、その後富山のプレッシングをかわすべく、最終ラインは富山2トップの間を通すパスを使い始め。
そしてサイドでは詰まらないために、スルーパス中心に縦に運ぶ攻撃へとシフトした感がありましたが、効果的とはいかず。
その後も、縦パスをカットされた末にスルーパスを大野に繋げられて富山の好機となり(41分)、エリア内で佐々木陽とシルバが立て続けにシュート。(前者はブロック、後者はGK辻キャッチ)
45分には再び柳下にパスカットされると、彼のドリブルを反則で止めた佐々木匠が警告と、良い流れを得れないまま前半終了を迎えました。

流れを変えるべくハーフタームで交代は必至といった愛媛。
あまり目立てていなかった三原を代え、疋田を同ポジションで投入します。
それとは別に、SH同士を左右入れ替えて茂木が右・曽根田が左という立ち位置に。

そしてピッチ上でも流れを変えるべく、キックオフの位置に立った森脇はバックパスと見せかけて逆向きのままヒールパス。
これでセンターサークルからの前進を選択したものの、あっさり奪われて逆に富山の攻撃となり、シルバのドリブルを矢田が倒してしまい反則。
中盤近くでのFKながら放り込みの姿勢を取った富山ですが、意表を突いて右への縦パスを選択し、奥を突いた椎名がシルバのポストプレイを挟んでクロス。
これがゴールへ向かう軌道となりGK辻が辛うじてセーブと、トリックプレイでも富山に劣るという難儀な入りを強いられます。

しかし富山の攻撃を切ると、投入された疋田が自陣からのスローインというプレーで流れを呼び込み。
深堀をターゲットにした長い飛距離を連続で投げ入れ、その2本目(後半4分)が好機に繋がり、右ポケットからの茂木の低いクロスをニアで曽根田が合わせシュート。(GK田川セーブ)

この影響もあり5分に中盤からの右スローインになると、富山サイドが警戒して引いた所を疋田は前では無く横へと投げ入れ、受けた矢田が逆サイドへ展開して好機に。
山口がドリブルで椎名を剥がすと、クロスでは無く横パスを選択し、その流れのまま曽根田→矢田と経由して中央へ。
そして後方から走り込んだ疋田が果敢にミドルシュートを放つと、ボールは地を這ってゴール左へと突き刺さり。
自身が変えた流れを、自身でモノにしたという疋田のゴールとなりました。

これで1点差となった愛媛。
続く好機は8分で、左→右へのサイドチェンジを経て右からクロス、跳ね返りを拾って左から攻めとサイドが激しく移り変わり。
一度は山口のドリブルがシルバに奪われるも、そのシルバの持ち運びを曽根田が阻んで継続、拾った山口が低いクロス。
そして深堀がニアサイドで合わせ、ゴール左へと突き刺します。
富山と同じくの立て続けの連続ゴールで、あっという間に同点となった試合。

同点に追い付き一安心といった愛媛、再び最終ラインからのビルドアップを重視する姿勢に落ち着き。
それを富山は阻みにいき、前半のようにサイドに追い込むも、動揺からかそこから奪う事が出来ず。
10分には右サイド(富山から見て左サイド)に追い込むも、バックパスに対しプレスが曖昧となった(最終ラインへの戻しに対し2トップのどちらが行くべきか迷った感じ)隙を突かれて森下のミドルパスで剥がされ、さらに中央経由からの森脇のロングパスで左奥を突かれ。
そこから先程のように山口のクロスをニアサイドで深堀が合わせにいく(大畑が辛うじてクリア)という具合に、土台がグラつき始めている感じでした。

何とか引き締めんと、11分にベンチが動き佐々木陽→末木へと交代。
ボランチに入る末木により、シルバがトップ下へと上がり4-2-3-1or4-4-1-1という布陣となります。
前掛かりな傾向のシルバ、2失点目のシーンを受けてその守備面の綻びを防ぎにいったという策でしょうか。

これで愛媛の流れを堰き止め、改めて3点目を狙いにいく富山ですがその攻撃に中々パワーは見られず。
14分に安光のドリブルから攻撃開始するも、結局は右サイド手前からのクロスに留まり、大野が跳び込んで合わせるも放たれたヘディングシュートはGK辻がキャッチ。
同じ大野の頭でのフィニッシュでも、前半とはえらく違うという印象を残すのみに終わり。

そんな事を敏感に感じ取ったのか、17分に今度は3枚替えと大きく動いてきた小田切道治監督。
椎名・シルバ・大野の3名に代え、松岡にトップスコアラーの高橋駿太、そして助っ人マテウス・レイリアを投入してきました。
これにより高橋駿・レイリアの2トップとなった事で、再び4-4-2へシフト。

しかしそのベンチの思いも空しく、一向に好循環は巡って来ない富山。
時間が経過し20分台となり、愛媛サイドはこのタイミングで個の力が発揮されます。
それはトップ下の佐々木匠で、かつて讃岐でドリブラーとして名を馳せた(?)男がその能力を解禁したように躍動し。
23分に自ら中盤でボール奪取し、拾った森脇の縦パスを受けてそのままドリブル、エリア内の深堀へとラストパスを送るもこれは繋がらず。
しかしその直後にも敵陣で自らボール奪取し、曽根田の戻しを受け取り再度ドリブル突破で左ポケットへ。
大畑に倒され、反則無しに終わったものの、守備陣を散々に切り裂いた効果は直ぐに出る事に。

続く24分、右からのスローインをエリア右脇で受けに入る佐々木匠、ポストプレイで深堀に託し。
するとその勢いのままカットインでポケットに切り込む深堀、今瀬が対応するも足を出して引っ掛けてしまい、深堀が倒れると反則を告げる笛が鳴り響きます。
当然ながらPKが齎され、キッカー深堀がゴール左へと突き刺し、とうとう2点差をまくった愛媛。

追う立場となった富山、同時に最終ラインからの能動的な崩しも強いられ。
攻撃的な柳下を前へ押し出す、所謂右肩上がりの布陣でのビルドアップに賭ける事となります。
そして逆サイドでは、安光が偽SBの如く、ハーフレーンを駆け上がる体勢に。
主に左サイドからの前進で、長いパスで高い位置の柳下に託すという攻撃で、同点を狙いにいき。
柳下は3本クロスを入れ、30分に入れたマイナスのクロスから高橋駿がフリックした(その後繋がらず)のが最も惜しいシーンとなり。

富山が追い付けないまま、35分に動く愛媛ベンチ、森脇・佐々木匠→深澤・石浦へと交代。(こう並べると深澤も前ヴェルディと思いがちだが別人、念のため)
するとその直後の36分、右サイドでのボール奪取から深澤→石浦と経由し、中央で深堀が溜めを作って曽根田のドリブルに繋げ。
そしてエリア内へのスルーパスを受けた深堀、すかさずシュートしゴールに突き刺し。
これでハットトリックを達成した深堀、松田の出場停止を見事に救った形となりました。

これで今季最多の4得点となった愛媛、それでも勝負にストイックな姿勢は変わらず。
富山は39分にコーナーキックから、安光がヘディングシュートを放ったもののGK辻がセーブ。
この後の40分に、愛媛ベンチは茂木→平岡へと交代し、5バックシステム(3-4-2-1、平岡は3バックの中央)へと移行します。
(富山は39分に吉平→安藤へと交代)

追い詰められた富山、柳下は既に中央でターゲットの姿勢を取り始め。
安光→安藤の2人掛かりでひたすら左サイドの前進を仕掛けるも、厳しい状況は変わらず。

しかし45分、安藤が右サイドへとロングパスを送り、受けた松岡が右ポケット奥へと切り込んでクロス。
これを柳下が森下との競り合いを制してヘディングシュート、ゴールネットを揺らして1点を返します。
再三の左サイドアタックの逆を突いた格好の得点となったものの、未だ愛媛のリードは変わらず。

アディショナルタイムに突入し、富山はロングボール攻勢に活路を見出す他無く。
そしてフィニッシュに繋がる事無く、そのまま試合終了の時が訪れました。

大量得点を果たした愛媛ですが、結局1点差ゲームとなった辺りこれはもはや逃れ得ない運命なのか。
首位に立ち価値のある1勝となったものの、それを活かすも殺すも今後次第、といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第15節 FC琉球vsテゲバジャーロ宮崎

2023-06-29 16:00:45 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

監督人事が非常にややこしい事になっている琉球。
前年暫定監督を務めた倉貫一毅氏、(ナチョ・フェルナンデス氏の就任→シーズン後退任を経て)今季は冒頭から指揮を執っていたものの、成績不振を理由に10節(鹿児島戦、0-2)終了後に解任。
そして新たな監督には、前年途中に解任された喜名哲裕氏が(暫定を経て)就任する事となり。
前年は喜名氏→倉貫氏へ、今年は倉貫氏→喜名氏へ受け渡しと、傍らからでは監督役の回し合いをしているだけに見える流れを築いてしまいました。

降格クラブだけに、「一年での(J2)復帰を」と意気込んで挑んだものの、結局空回りに終わる言わば「良くあるパターン」でしょうか。
選手編成においても、チームの精神的支柱というべき上里が引退した過渡期であり、そのような状況で内輪のみでの人事で昇格を目指すには厳しかったか。(まだシーズンは終わっていませんが)
新たな選手獲得も大ベテラン金崎に、不祥事で前クラブ(札幌・レンタル先福岡)を解雇された柳と、寄せ集めの色が濃くなっているのがその昇格への「力み」を感じさせてしまい。
成績的にも、全試合出場者が武沢のみ(しかし途中交代も絡み時間は多くない)と、一本心を感じない記録が残っており。
上里不在ななか、クラブのDNAを何処に据えるのかが問われているでしょうか。

この日の相手は宮崎で、クラブ事情はともかく、サッカースタイル的には強固な守備陣というストロングポイントが定着しつつあるチーム。
そんな相手に早々に、永田の左サイドの突破からコーナーキックに持ち込まれる(前半2分)と、キッカー下澤のニアサイドへのクロスを石津がフリック気味に合わせるヘディングシュート。
中央で井原が足から跳び込んだのもあり、GKカルバハルもセーブが遅れて右ポスト内側を叩きゴールに吸い込まれます。
電撃的な宮崎のゴールで、早くも追い掛ける苦しい立場となってしまいました。

こうなると、松田浩氏お馴染みの4-4-2ブロックによる守備組織が冴え渡る展開に。
以前の記事では、石津の加入によるその構築の遅れを不安視した自分ですが、彼を最前線に起用する事で懸念は払拭されたようであり。(それでも攻撃では、盛んに降りてパスを受けに来る石津ですが)
ポゼッションスタイルを貫く琉球が、それをどのように崩すかという一点となる注目ポイント。

立ち上がりは深さを取る攻撃で、盛んにサイド奥へとロングボールを送る琉球。
そして相手もロングボールへと傾倒していき、こうなるとボールが落ち着かず宮崎の陣形の乱れも必至な状況に。
7分にはそんな絵図から、牟田の跳ね返しを拾った中野がドリブルで右ポケットを突き、戻しを経て平松エリア内中央へパス→野田ポストプレイという流れでシュートチャンス。
放たれた武沢のミドルシュートはエリア内での青山のブロックに防がれるも、期待感を膨らませる流れとなり。

しかし13分、攻撃の最中に永田の反則気味のプレスバックで奪われると、反則と思い込み足を止めてしまった事で宮崎のカウンターに。
こぼれ球を大熊の縦パスで一気に運ばれる(左から永田のクロスに繋がるも撃てず)という具合に、相手の守備強度に怯む場面も作ってしまいます。
その後も琉球はボールを握り、(GK以外)全員が敵陣に進入する場面も目立ちますが、宮崎の強固なブロックの前に「アタッキングサードからが勝負」といった状況に。

そんな相手の攻めを防ぎ続ける宮崎、カウンター一本といった攻撃に入るのが普通ですが、首尾よくその状況に持ち込んでも急いで攻め込まず。
リードを最大限生かすべく、戻して作り直しを選択する事も多く、この辺りが松田氏の「ポゼッションを守備力(相手に攻撃機会を与えない)に使う」真骨頂と言うべきか。
自分達のターンを作ると、GK青木も前に出てビルドアップに絡むという、松田氏以前の宮崎のスタイルを否定する事無く取り入れる姿勢も披露します。
中々活路を見出せない琉球は、21分GKカルバハルがプレスを掛けられてのフィードを強いられ、それを南野のブロックに遭い拾われ宮崎のビッグチャンスを招いてしまい。
右ポケットに進入した北村知が中央へ横パス、受けた南野がシュートしますがGKカルバハルがセーブして何とか防ぎ。
こうした立ち回りを続ければ、それだけ相手にミスが生まれ易くなり労せずして決定機が作れる。
そんな宮崎のスタイルが、腰が安定しない近況の琉球を苦しめます。

何とか流れを変えたい琉球は、ボール保持が膨らむ宮崎に対してのプレッシングに活路を見出し。
30分にケルヴィンがボール奪取してそのままドリブルに入り、戻ってきた南野に倒されて反則。
これで中央からのフリーキックを得、遠目なためロビングを選択したキッカー平松ですが、クリアされてさらにCKに。
クロスがクリアされたのちも右サイドで細かく繋ぎ、武沢のミドルシュートに持っていきましたが、石津のスライディングでのブロックに阻まれ同点ならず。

しかし潮目が変わり、以降サイドハーフ同士を入れ替えた(中野が左・白井が右)事もあり、琉球の流れとなる試合展開。
あくまで能動的な崩しを貫くなか、39分に中盤で持った平松が左へのパスを窺わせると、すかさず青山が前に出てカットを狙う動きを取る宮崎。
これを見てキャンセルしたのち、パスワークを経て再び平松が左へパスし、福村→武沢→中野というパスワークでの前進。
その最中に再度パスカットにいった青山は武沢のパスをカットしきれず、フリーで中野が前進してワイドの位置からシュート(GK青木セーブ)と、高度な攻防を経てのフィニッシュに繋げ。

しかし宮崎の守備ブロックを掻い潜ってのチャンスクリエイトはやはり難度が高く、以降攻撃機会は膨らませるもフィニッシュが遠く。
40分過ぎから再度SH同士を入れ替えて元の位置に戻すも、好循環を齎す事は無く。
結局以降は、アディショナルタイムのCKからの牟田のヘディングシュート(枠外)のみに終わり、0-1のまま前半を終えます。

後半の琉球は攻め方を変え、ビルドアップの際は中野が中央に絞り、トップ下のような動きに。
その上で彼に繋げるべく、ボランチの1人は宮崎2トップの間に立ってパスを受ける形を多く作ります。
前線の守備の無効化(宮崎は守備ブロックが持ち味といえど、ボールの位置が低いと流石にプレッシングはする)を果たしつつ、流動的な動きで的を絞らせず、アタッキングサードへ押し込む流れを作るのが狙いだったでしょうか。

後半2分に得たCKからまたも牟田がヘディングシュート、今度は叩き付けるシュートもバウンドして枠外に。
この(後半の)ファーストシュートを切欠に、狙い通りの攻めで好機を多く作り。
宮崎ディフェンスを押し下げたうえでのミドルシュートが幾度も炸裂します。
7分には左→右へのサイドチェンジから、柳の戻しを受けた平松が前進からのミドルシュート、遠距離から威力あるボールが襲うもGK青木がセーブ。
尚も右奥で野田が拾って継続し、中野が幾度の切り返しで揺さぶったのちに柳のクロスが上がると、中央でケルヴィンがヘディングシュートを放ちますがこれも青木のセーブに阻まれ。
ここから3本CKを続けるなどひたすら押し込みましたが、この日の宮崎は最後の砦も堅かった。

結局ゴールを奪えないまま攻勢が途切れた琉球、再びその流れを作らんと15分に2枚替え。
ケルヴィン・白井→阿部・岩本へと交代します。

しかしその直後に、阿部が戻りオフサイドを採られる不完全燃焼な攻撃をしてしまうと、そのFKでのGK青木のロングフィードからの攻めを止められない琉球。
左サイドで永田がフリックで落とし、拾った南野がカットインで左ポケットを突く好機となる宮崎。
そしてシュートを窺わせながら十分に溜めての横パスが出されると、中央で合わせたのは石津で、GKカルバハルの右を際どく破りゴールイン。
これでこの日2ゴール目と、FW起用はやはり白眉といった石津。
同時にクリスティアーノのSH起用という、長崎時代の松田氏の苦い思い出(と思われる)も醸し出される事となりました。

点差を広げられてしまった琉球、勝ち点のためにはとにかく攻め上がるしかないのは変わらず。
阿部が積極的に降りる事で縦パスの選択肢も広がり、そこから活路を見出しに掛かります。
そこからサイドへ展開してクロス攻勢、18分に野田が、19分に阿部がヘディングシュート(いずれも枠外)とフィニッシュに繋げ。

そして21分、攻撃が途切れるもゲーゲンプレスを掛けて阿部が反則気味にボールを奪い継続し、パスワークを経て右へと展開し柳が奥を突き。
戻しを経ての(武沢の)手前からのクロスを選択すると、ファーサイドでまたも野田のヘディングシュートが炸裂しますが、これもGK青木のセーブに阻まれ。
尚も詰めにいった野田でしたが青山を削ってしまい反則と、どうしてもゴールを奪えない琉球。

複数点のリードはあるも、押し込まれ続ける宮崎。
23分に松田監督もカードを切り、石津→東出へと交代して永田がFWに回り。
長らく欠場が続いていた東出、(プレッシングにいかないシーンを目にした)ベンチから大声で罵声に近い指示が飛ぶなど、その松田氏のサッカーへの適応力が試されていたでしょうか。

その後も攻め込む琉球、26分にまたも野田を目掛けたクロスが左から上がり、こぼれ球を拾った中野からの戻しで武沢にシュートチャンス。
しかし素早い寄せに阻まれ、一層守備的な意識になった宮崎を前に状況は厳しく。

打開を図らんと、27分に再度動く喜名監督、武沢・野田→富所・金崎へと2枚替え。
しかしまたも、投入直後の隙を狙われてしまいます。
直後の宮崎の攻撃はゴールキックで、2点目同様にGK青山のロングフィードからで、南野が合わせるも高く上がったボールを拾いにいった富所がよりによってコントロールミス。
拾った永田のスルーパスがエリア内へ送られ、走り込んだ南野のシュートがゴールネットを揺らします。
止めというべき3点目で、しかも投入した富所の逆起点と、流れを変えるはずが相手へのブーストとなってしまったベンチワーク。

メンタルに来る失点で勢いを失う琉球を尻目に、宮崎は30分に二度目の交代。(北村知・田中→山崎・北村椋太)
安全圏となった宮崎はのびのびと、というサッカーになり、30分には自陣でのボール奪取から南野が果敢にロングシュートを狙い。(枠外)
33分には不安視された東出が敵陣でボール奪取し、そこから山崎が右奥を突いてグラウンダーでクロス、クリアされた後も尚も奥で細かくパスを繋ぐ攻め。
交代選手も跳梁を見せる事で、4点目のプレッシャーを与えるとともに時間を使っていきます。
琉球サイドも、投入された金崎が深さを取らんとするも、その際に反則を犯してしまうなどで流れを齎す事が出来ず。

そして37分に決定機を迎える宮崎。
永田のパスカットから、切り込んだ南野が再びエリア内でシュートチャンスを迎えますが、放たれたシュートはGKカルバハルがナイスセーブ。
これだけでは終わらず、39分にはカウンターでまたも決定機、クリアを収めた南野のパスを受けた永田が抜け出し。
今度は両者逆の流れで、GKと一対一を迎えた永田でしたが、右ポケットからのシュートはこれもGKカルバハルの前に出てのセーブに阻まれます。
前半からファインセーブを目立たせていたカルバハルでしたが、孤軍奮闘も実らずという形になりました。

琉球の最後のカードは40分で、中野→高安へと交代して岩本が右SHに回り。
一方宮崎は43分に永田・南野→高橋・江口へと交代し、山崎1トップ・下澤トップ下の4-2-3-1(4-4-1-1?)といった布陣に。

最終盤を迎えても、攻撃に一向に勢いが出ない琉球。
柳の推進力を押し出さんとするも、既にスタミナもきつくその能力は十分に発揮されず。
結局フィニッシュを(35分の富所のシュート以降)放てないまま終着となりました。

そして逆に宮崎が押し込む流れとなったAT。
CKを獲得し、時間を掛けながらという立ち回りを窺わせつつ、左ポケットから山崎のマイナスのクロスを受けた大熊がシュート。
牟田のブロックで防がれるも尚もCKとなり、今度はクロスを選択してクリアされるも、跳ね返りを直接山崎がボレーシュート。
GKカルバハルのセーブでゴールはなりませんでしたが、ここで試合終了の笛が鳴り。
どちらが得点が欲しい状況なのかという疑問を抱かせながら、宮崎の快勝で試合の幕は閉じられました。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第14節 AC長野パルセイロvs鹿児島ユナイテッドFC

2023-06-22 16:00:46 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

激闘の信州ダービー(10節・2-1)を制して首位に立ったはずの長野でしたが、そこから3連敗と急転直下。
その際の記事で危惧した通り、激情家のシュタルフ悠紀監督は周囲にも火矢を放ちまくり。
最もたるものは天皇杯2回戦・神戸戦に則しての事で、アンドレス・イニエスタの古巣であるスペイン・バルセロナとの親善試合が行われる事となった神戸サイド。
その日程調整のために、天皇杯の開催が1週間ズレ込む事になってしまい、当然ながら良い様に使われる結果となった対戦相手サイドは面白くなく。
1回戦(AS.Laranja Kyoto戦、2-0)を勝ち上がり神戸とぶつかる事となった長野は、早速シュタルフ氏が不満をぶつける事態となりました。

その内容自体は正論に近いものの、折りしもリーグ戦は丁度2週間のインターバルが出来ていたJ3。
一つの事象を切欠として流れが変わる事は珍しくも無く、まして大混戦の今季では尚更であり。
前向きな姿勢をシュタルフ氏の発言で消費してしまったかの如く、リーグ再開後3連敗となり、満を持しての神戸との対戦も敗戦。(天皇杯2回戦、1-3)
それでもJ1相手に善戦したという事実を下に、安東を今季初スタメンで起用するなど微調整。
上位の鹿児島を叩いて再浮上、といきたい試合となりました。

様子見の入りのなか、試合を動かしたのは杉井で前半4分に星のドリブルを止めて奪取、反転自らドリブルに入ってカウンターに持ち込み。
左奥を抉ったのち中央へマイナスのボールを送り、受けた船橋がミドルシュート(ブロックされコーナーキックに)とファーストシュートに繋げます。
直後のCKでも西村がヘディングシュートを放つ(枠外)など、ペースを確保。
すると8分鹿児島のビルドアップに対し一気に圧を掛け、アタッキングサードに6~7人も入り込む勢いでのプレッシングで数的優位を作り。
そして左サイド深めで杉井が奪取に成功し、そのまま奥へ切り込み低いクロスを入れ、クリアされてCKをゲット。(そこからはフィニッシュには繋がらず)
監督の姿勢さながらの圧力で、文字通り相手を圧倒しに掛かります。

それでもチーム力の高い鹿児島、怯む事無く最終ラインから繋ぐ姿勢は変わりません。
軸となったのが左サイドバックの星で、前述のシーンでの単騎突破は、センターバック(岡本)の縦パス→ポストプレイを受けてからのドリブル。
それが阻まれ押し込まれる切欠となると、今度は自ら縦パスを送り、そのポストプレイを受け直して推進するという形を取り。
これが嵌り、得たスペースを利用し中央へ切り込むという姿勢も見せ始めると、長野サイドはそれを捕まえるのに一苦労という状況になります。
ワイドで張る五領へのパスや、自ら中央に流れて逆サイドへの展開など、多彩な攻めの起点となり。
15分にはその形から逆サイドへ展開し、左奥を突いた福田からグラウンダーのクロス。
ニアで収めた藤本が切り返しからシュートを放ちましたが、右に大きく逸れて実らず。

一方長野のビルドアップは、布陣通りの3CB+アンカーという最終ラインから、インサイドハーフが降りて出口を請け負うのが基本パターン。
初スタメンの安東のプレイが巧妙で、20分にはクリアボールを落ち着けたのち、中央で溜めを作ってから左へ展開。(ここから左サイドを推進していくもクロスは上げられず)
前へ前へと向きがちなスタイルに、新たな選手(といっても地域リーグのクラブからの加入で既に27歳)が「パウサ」の要素を齎すという変則的な格好が嵌りを見せていたでしょうか。

こうして序盤ともに好循環を得たものの、天皇杯を挟んで連戦を強いられる長野は次第にそれも消え失せる事となり。
21分に再びプレッシングが剥がされ、星の縦パスを今度は落とさずに前進を選択する鹿児島。
端戸・藤本がパスワークに絡んだ末に、中央を上がっていた中原がエリア内を突いてGKと一対一に。
しかし放たれたシュートをGK金民浩が前に出てナイスセーブと、決定機を防ぎます。(尚も繋ぎ五領が右ポケットからシュートもブロック)

それでも鹿児島のパスワークに翻弄される流れは変えられず。
25分に左サイド奥を突き、船橋の反則で得たフリーキックから、セットプレーで攻め立てる流れに。
まずはこの最奥からのFK、キッカー木村のクロスがエリア内右大外を突くと、中原がボレーシュートを放ちましたがブロックに阻まれ。
尚も繋いで左CKに持ち込むと、木村は今度はニアへのクロスを選択し、端戸がフリックしてファーへ流れた所を藤本が跳び込み。
しかしシュートは触れただけとなり枠へは飛ばず。

押し込まれ続けた影響か、直後の28分に長野のビルドアップのミスがスコアを動かします。
最終ラインでの繋ぎから、ダイレクトでバックパスを選択した三田ですが、戻しを意識し過ぎたか置きにいくキックとなった結果中途半端に浮かせてしまい。
すかさずカットした五領、左ポケット奥へ切り込んでシュートを放ち、ゴールネットを揺らし。
フィニッシュで脅かし続けた事が、エラーを生んでの先制点となりました。

その後は池ヶ谷の縦パスを中心として好機を作らんとする、ビハインドの長野。
船橋に受けさせるのを軸としつつ、西村のスルーも交えるなど変化を付けましたが、中々フィニッシュには繋げられず。

反撃の流れの中でも依然としてプレッシングが嵌らない状況は変わらずで、何度かピンチを招き。
31分に再び星の縦パスから攻める鹿児島、遮断されるも結局は中央で繋がり、福田の(左から)カットインシュートが炸裂するも秋山がブロックで防ぎ。
その後も良い形でポケットを突かれる事となり。

何とか追加点は凌いだ長野、その後は失点の反省か、ロングボールを交えながらの前進。
そこから得た深めでのスローインで好機を作らんとします。
43分には左からのスローインで、人数を掛けての繋ぎから森川がカットインからミドルシュート。(ブロック)
遠目からのシュートに活路を見出したか、その後アディショナルタイムに、クリアボールを西村がダイレクトでシュートにいきましたがこれはジャストミート出来ず。

結局前半を0-1のまま折り返し。
ファイティングポーズを維持したい長野は、ハーフタイムで森川→進へと交代。
信州ダービーで負傷しそこから離脱という、連敗の要因の一つとなっていた進をピッチへと復帰させる手を打ったシュタルフ監督。

進が最前線に入り、山本大がトップ下に回る微調整の下、後半に臨んだ長野。
しかし早速の後半1分、ハイボールの競り合いで岡本にチャージして反則を取られた進、いきなり警告を受ける事態となります。
その直後に今度は杉井の斜めの縦パスを受けた進が反則される側となり、アフターチャージの格好となった広瀬が警告と、加害・被害の双方でカードを齎した進。
結果的に好位置で長野が直接FKを得ます。
これを安東が直接シュートを放ちましたが、壁の上部に当たってゴール上へと外れ。

入りで難しい判定を強いられた主審(西山貴生氏)、尚もその判定で難儀する展開に。
8分に最終ラインから前進していく鹿児島、ハイプレスを諦めた長野を尻目に繋いでいき、岡本縦パス→渡邉スルーで福田へと渡り。
そしてまた左ポケットを突いてシュートし、ブロックされてCKに。
ここからの二次攻撃、中原のミドルシュートもありましたが防がれて尚も繋ぎ、中央から強引に推進する鹿児島。
その過程で中原が倒されるも尚も拾ってキープする藤本が左へ展開、その藤本もアフターチャージで倒され、受けた福田がカットインを狙ったその刹那反則の笛が鳴り。
反則でも好位置からのFKなため非常に難しい判断だと思いましたが、それだけに鹿児島サイドも「何で止めるのか」とアピールする結果となりました。(藤本をチャージした三田に警告)
しかし先んじて倒れた中原が起き上がれず、アクシデントの形で交代を強いられ。(山口と交代)
この中央からの直接FK、キッカー木村が放ったシュートは壁に当たって右へと逸れ、結果的にモノに出来ず。

追う立場の長野、後半からはビルドアップの流れの中で池ヶ谷が上がって攻撃参加するシーンが増え、右サイドの推進力を増しに掛かり。
この形で攻撃機会を増やしたものの、一旦途切れると襲い掛かる鹿児島サイドの攻撃。
福田の勢いが増し、19分にまたも左ポケットを突かれてのカットインシュートを浴びます。(ブロック)

この直後の20分、一気に3枚替えを敢行するシュタルフ氏。
山本大・三田・杉井→近藤・音泉・原田へと交代し、攻めの形も変える長野。

この交代で神経過敏となったのか、直後に右サイド遠目からのFKとなった鹿児島は、放り込みの体勢をセットしたにも拘らずキッカー木村はショートパス。
そこから最終ラインで繋ぐ体勢を採ったものの、前へ運んだ所を星が奪われて長野のカウンターを招いてしまいます。
この攻撃は防がれたものの、直後の24分に最終ラインから組み立て直す長野。
するとワイドなはずの原田がボランチの位置へとシフトし、最終ラインから受けるとそのまま中央を推進して左へ展開。
ワイドの位置には音泉が張り出しており、そのまま左奥を抉ってクロスに辿り着き。
クリアされるも佐古が拾って継続、バイタル左で受けた安東がカットインを経てのミドルシュート。
これが豪快にGK松山のセーブを弾いてゴールへと突き刺さります。
前半終盤に見せていたミドルシュート狙いも伏線となり、同点に追い付いた長野。

その後も、この原田・音泉の可変を軸として勝ち越しを狙いにいき。
26分にはパスカットから素早く音泉へと渡し、ワイドからドリブルで推進していく音泉。
そしてスルーパスを挟んでのクロスが入ると、ニアサイドで進がダイビングヘッドで合わせましたが、シュートはゴールポスト外を掠めて枠外と惜しくも勝ち越しはなりません。

一方、キックオフ前に藤本・五領→鈴木・武へと2枚替えを敢行した鹿児島。
あくまで大人の振る舞いを続け、攻撃機会を確保していったのはボランチに居る大ベテラン・木村が存在は絶大だからでしょうか。
長野ディフェンスのクリアミスも絡み、一度攻撃権を掴むと中々手放さず、セットプレーも絡めてゴールを脅かしていきます。
前線の選手が燃料切れを迎えるも、34分には端戸と福田に代えてロメロ・フランクと圓道を投入と、それを補う駒も潤沢。

次第に劣勢となった長野、そうなると既に名物と化したかのように、響き渡るシュタルフ氏の大声での異議。
37分にボール奪取から抜け出さんとした船橋が渡邉に倒され反則となると、すかさず警告を猛アピールするなどそのキャラクターぶりは健在であり。
「何で向こう(鹿児島)には警告が出ないんですか」といった台詞がマイクに拾われる始末となると、42分には武の前進を引っ張って止めにいった佐古が反則・警告。
長野の反則に対してはしっかりとカードが出される等、その通りの流れとなってしまいますが、判定としては妥当な範囲ではあり。

40分に船橋が足を攣らせて交代となる(高橋耕平を投入)など、体力面での不利さを隠せない終盤戦。
すると鹿児島がセットプレーで攻撃機会を確保する流れとなり、FK→スローイン2度を経て、渡邉の左からのグラウンダーのクロスをニアでロメロがポストプレイ。
そして山口のシュートが放たれ、ブロックで跳ね返った所をすかさず木村がミドルシュート。
振り切ったそのシュートに長野サイドは反応もままならず、ゴール右へ豪快に突き刺さり。
冷徹に止めを刺すような、ベテランの一撃で勝ち越した鹿児島。

その後は鹿児島の時間稼ぎの流れ。
CKを得た際に木村がキッカーの位置にはいかずボールキープの意思をチームメイトに促すと、ピッチサイドの大嶽直人監督から「やれよ」というクロスを促す(であろう)大声が上がるなど、ベンチと選手の間にはやや意識の乖離が見られましたが致命傷にはならず。
ロメロの体格を生かしたコーナー付近でのキープに、長野サイドも掻き出すのに一苦労といった絵図が描かれます。

何とか反撃したい長野、池ヶ谷を前線に上げてパワープレイの体勢を作るものの、攻撃機会はごく僅か。
自陣でのFKから素早いリスタートで佐古がロングパスを送り、右サイドで受けた近藤のクロス、というのが最もな好機だったでしょうか。
高まらない反撃機運の中、スローペースの鹿児島に対するシュタルフ氏の(遅延行為での)警告アピールのみが空しく目立つ事となり。

そして1-2のまま試合終了の時を迎え。
長野の連敗を取り上げたものの、鹿児島サイドもこれで3試合ぶりの勝利と停滞の打破を目指す試合でした。
依然として富山の首位は変わらないものの、それに食らい付く姿勢の維持には成功したでしょうか。

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